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奥穂高岳

Aug.10, 2004 日本第三の高峰、岩の殿堂

奥穂高岳:イメージ1

富士山、北岳に続き、日本で三番目に高い山が奥穂高岳、標高3,190mである。もちろん北アルプスでは最高峰である。そのけわしさ、数々の岩峰を従える姿は、北アルプスの盟主と呼ばれるのにふさわしい。天候の安定した真夏に日本第三の高峰を目指すこととした。

奥穂高岳:イメージ2

奥穂高岳へは岐阜県側の新穂高温泉からのルート、長野県側からは、岳沢(だけさわ)からのルートと涸沢(からさわ)からのルートが主にある。この中では楽なルートである涸沢から登ることとした。上高地から涸沢カールまでは、私のトレッキングレポート『北穂高岳』に詳しく書いているのでご覧いただきたいと思う。涸沢カールで一泊し、翌朝、朝日が奥穂高岳や北穂高岳が赤く染まるのを眺めてから登り始める。涸沢ヒュッテとテント場の間から、奥穂高岳方面へのパノラマコースを登って行くことにする。カールの底部にまだ雪が残っているのを左に見つつ、岩がごろごろした所を進む。少し登ると、高山植物の咲く中を歩いて行くことになる。道のすぐ横にも咲いているので踏まないように気を付けて行く。チングルマは花が終わってすでに果穂になっている。お花畑が終わると岩場を登る。登りきったところの大きな岩からは振り返って見る涸沢カールが良い眺めだ。岩場の登りが終わると、左の見上げる斜面に高山植物が多い。高山植物帯が終わると、両側が岩だらけの道となり、間もなく右からの涸沢小屋から登ってきた道と合流する。涸沢小屋からの道がほぼ直進する形で道が続いている。涸沢岳の中腹をトラバースしつつ登って行く道で、左下に先程登ってきたパノラマコースを見て、右に高山植物の多く咲く斜面と涸沢岳と涸沢槍が見える。

奥穂高岳:イメージ3

ザイテングラードの取付からは直登して行くかたちとなり、左前方に奥穂高岳とその左の前穂高岳を見つつ登る。岩場を登り、道が左へと曲がっていくと白出のコルにひょっこりと出る。穂高岳山荘が建っており、テント場は北側にある。奥穂高岳へはハシゴをいくつか通って1時間ほど登ることになるので、必要な装備のみで登ると良い。穂高岳山荘の南側からいきなりハシゴ2つを登る。更に右へのクサリ場が続く。すれ違う場所がほとんど無いので下ってくる人と声を掛け合って、すれ違うようにしたい。岐阜県側の岩がごろごろした道を登っていく。しばらく登ると涸沢側が見えるようになり、切れ落ちている岩にへばりつくようにイワギキョウが紫色の花を咲かせている。さらに登ると右側にトウヤクリンドウが何株もあって、白に緑色の紋様を混ぜた花を咲かせている。登っていって道が左に折れると、右にジャンダルムと呼ばれる3つの峰からなる岩峰が見える。ジャンダルムは西穂高岳へ連なる稜線上にあり、西穂高岳方面から見ると奥穂高岳の前に立ちはだかっているのでフランス語で衛兵、前衛峰を意味するジャンダルムと呼ばれている。ここからは少しの登りで奥穂高岳頂上に達する。どの方向にどの山が見えるかを絵で示した展望盤があり、その横に岩を高く積んだケルンがあって展望盤より高い所に祠(ほこら)が祭られている。このケルンは人工物と見なされるので、展望盤のあるところが国土地理院が認める標高3,190mである。

奥穂高岳:イメージ4

頂上には「奥穂高岳」を示す石碑も札も標識も何も無く、記念撮影するのに困ってしまう。日本第三の標高なのに残念だ。登った日はガスがかかって展望が望めなかったが、雷鳥の姿を見ることが出来た。翌朝、もう一度登ると360°の山が見渡せ、富士山とその右に南アルプスも確認出来た。紅葉の良い時期にも再び登って見たいと思いつつ、素晴らしい展望を目に焼き付けた。

写真は上から、奥穂高岳と高山植物群、上高地河童橋からの奥穂高岳、穂高岳山荘から頂上間のイワギキョウ、奥穂高岳頂上から槍ヶ岳方面、奥穂高岳頂上から富士山と南アルプス

-DATA-

場所:
長野県南安曇郡安曇村
タイム:
10時間5分
上高地バスターミナル-河童橋:15分
河童橋-明神館:50分
明神館-徳沢:1時間10分
徳沢-横尾:1時間20分
横尾-本谷橋:1時間
本谷橋-涸沢:2時間
涸沢-ザイテングラード取付:1時間30分
ザイテングラード取付-穂高岳山荘:1時間
穂高岳山荘-奥穂高岳:1時間分
交通:
鉄道・バス(夜行):
1.東京(新宿)、横浜、大阪、京都、神戸から出る夜行バスのさわやか信州号 上高地行きで入る。(要予約)
2.新宿から中央線の夜行快速「ムーンライト信州」にて早朝松本下車、松本電鉄線に乗り換え終点新島々下車、上高地行きの路線バスにて上高地バスターミナルもしくは大正池下車。(「ムーンライト信州」は運転日注意。夜行急行「アルプス」は'03年までに休止)
3.大阪、名古屋から夜行急行「ちくま」にて早朝松本下車、以下は2と同じ。「ちくま」は運転日注意。
鉄道・バス(昼間):
1.新宿から中央線の特急「あずさ」にて松本下車、以下は(夜行)2と同じ。
2.大阪、京都、神戸から新幹線で名古屋へ。名古屋から中央線の特急「しなの」にて松本下車、以下は(夜行)2と同じ。
車:
関東、中京、近畿方面からは中央高速を利用、岡谷ジャンクションから長野道に入り、長野道を松本インターで降り、 国道158号を西方向、上高地へ向かう。沢渡から先は交通規制が敷かれているので沢渡周辺のいくつかある駐車場に車を駐める。駐車場から上高地へは路線バスもしくはタクシー利用。
駐車場:
沢渡付近の駐車場:有料
トイレ:
上高地バスターミナル、各山小屋に有り
携帯電話:
上高地バスターミナル付近、奥穂高岳頂上付近のみ通話可能。
公衆電話:
各山小屋に有り
水場:
各山小屋に有り、無料(穂高岳山荘は宿泊者のみ無料)
宿泊:
横尾山荘、涸沢小屋、涸沢ヒュッテ、穂高岳山荘
テント指定地:
横尾、涸沢、穂高岳山荘の北

涸沢岳

Aug.09, 2004 奥穂高岳と槍ヶ岳の両方の勇姿が間近に迫る

涸沢岳:イメージ1

奥穂高岳のどっしりとした山容と、槍ヶ岳へと続く北方向の眺めが楽しめるのが涸沢岳である。涸沢岳(からさわだけ)の南に位置する奥穂高岳、前穂高岳、北に位置する北穂高岳にはさまれている。穂高連峰と称される山々の中にあって、他の峰はみな穂高の名前が付いているのに、この峰には名前に穂高が入っていない。少し仲間はずれ的なこの山だが、涸沢カールから望む涸沢岳は鋭く尖る涸沢槍を従え、独特で個性のある山である。高山植物の咲き誇る夏に、涸沢槍を眺めつつ登ろうと上高地から入ることにした。

涸沢岳:イメージ2

上高地に早朝に入るとして、涸沢岳へは一泊二日のコースとなる。上高地のバスターミナルから歩き始め、誰も河童橋へ向かう。河童橋からは梓川の流れの向こうに穂高連峰がそびえるが、奥穂高岳のすぐ左にあるはずの涸沢岳はここからは見えない。今日の目的地涸沢カールが見えてくるまで、その姿は見えない。河童橋から梓川に沿った道を横尾まで歩いて行くことになる。横尾までの約3分の1にあたる明神館までは、梓川の両側に道があるので、どちらを選んでも良い。私は梓川の西側を歩くことをお勧めする。小さな湿原があったり、川を多く渡るし、明神岳を間近で見ることも出来るし、明神池に寄ることも出来るからである。もちろん、涸沢までの道のりは長いので、そうそうは寄り道は出来ない。このあたりの紹介は私のトレッキングレポート『上高地』『北穂高岳』に詳しく書いているので参考にして欲しいと思う。明神館を過ぎて、梓川の東側を川に近付いたり、森に入ったりのゆるやかな登りの道を歩いていく。涸沢方面と槍ヶ岳方面の分岐点に当たる横尾には昼少し前に着く。私は横尾山荘で昼食を食べるのが常なのだが、楽しみにしていたカレーライスは、2004年には無くなっており、仕方なくラーメンを食べることとした。横尾山荘の前に梓川に架かる橋があり、この橋を渡っていくのが涸沢へのルートとなる。およそ1時間の歩きで本谷橋の吊り橋に着く。ここで休憩して、これから始まる急な登りに備える。本谷橋から歩き始めると、あやしかった空から雨が落ちだした。たいした降りではなく、雨具を付けるかどうか迷う降り方である。5分ほどそのまま歩くが、10分程で雨は上がった。また降り始めるかもと思って、雨具を着たまま歩くが、蒸し暑いので脱ぐことにして歩き始める。さいわい雨はもう降ることはなかった。そんなふうに雨を気にしつつ、登り続けると前方に涸沢カールが見えてくる。カールから上の涸沢岳や北穂高岳は雲に覆われて見えない。雨に濡れた岩を登り詰めると涸沢カールに到着する。

涸沢岳:イメージ3

翌日、涸沢岳へ向けて出発する。涸沢小屋の前から奥穂高岳方面の道を登り始める。約1時間の登りで左側にほぼ並行して登ってきたパノラマコースと合流する。ここからは涸沢岳の山腹をトラバース気味に登っていく道であり、右にクルマユリ等のお花畑とその向こうに涸沢岳と涸沢槍を見つつ行く。ザイテングラードと呼ばれる支稜の末端にたどり着く。ここから岩場の登りとなる。左に前穂高岳の鋭い峰が見える。ザイテングラードを直登して行くが、少し左に曲がるようになると間もなく、テント場の横を通って、穂高岳山荘の前に出る。ここから涸沢岳までは30分も歩けば着くので、必要な装備とカメラなどを持って登るとよいと思う。涸沢岳へは先程のテント場に沿って登って行く道を行く。西側の岐阜県側を登り詰めると、木の札で涸沢岳と表示された頂上に到着する。標高 3,110m、涸沢岳頂上である。振り返ると奥穂高岳がどっしりと山容を見せている。北側はすぐ近くに涸沢槍が見え、その向こうに北穂高岳がある。さらに視線をその奥にずらすと、思ったより近くに槍ヶ岳が見えている。

涸沢岳:イメージ4

夕刻にヘッドライト等の装備を整えて、涸沢岳へもう一度登ると、雲に包まれた奥穂高岳が、太陽が沈む直前に姿を現してくれた。赤く染まる雲と奥穂高岳を見ながら、「登って良かった」と思わずにはいられなかった。近くの穂高岳と名前の付く峰に対して、涸沢岳は隠れた存在になりがちだが、奥穂高岳を間近での眺望は最高級だと思う。次回は涸沢岳から北穂高岳へも歩いてみたいと思いつつ帰途に着いた。(写真は上から、涸沢岳とお花畑、奥穂高岳から見た涸沢岳、ザイテングラードから見た前穂高岳、夕焼けの雲に包まれる奥穂高岳、朝日で赤く染まる笠ヶ岳)

写真は上から、涸沢岳とお花畑、奥穂高岳から見た涸沢岳、ザイテングラードから見た前穂高岳、夕焼けの雲に包まれる奥穂高岳、朝日で赤く染まる笠ヶ岳

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