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熊野古道・ツヅラト峠を歩く

May.29, 2004 梅ヶ谷~紀伊長島

熊野古道・ツヅラト峠を歩く:イメージ1

2003年の5月に、はじめて熊野古道(小広峠~発心門王子)を歩いたときから、こんどは別の古道も歩いてみたいと思っていました。そこで今回は、日帰りということもあり、名古屋から手軽に行けるツヅラト峠へ行って参りました。名古屋よりJRワイドビュー南紀を利用し、途中、多気で普通列車に乗り換え、 JRの梅ヶ谷で下車しました。三重県は、鈴鹿を過ぎると、急にのどかな風景が広がります。水田は青々としており、5月下旬という今の時期は、ちょうど麦を刈り取る作業をしている人が目につきました。梅ヶ谷駅は、無人駅です。梅ヶ谷駅を出発点とし、まずはツヅラト峠の登山口を目指して約1時間ほど、歩きました。

熊野古道・ツヅラト峠を歩く:イメージ2

ツヅラト峠は、JRが主催する常設のウォーキングコースにもなっているようで、道しるべは頻繁に出てきます。地図を見なくても、案内板だけをたよりに歩けるほどです。鋪装された道を歩くのが嫌で、途中、「ツヅラト峠登山口への迂回路」という看板を見つけ、しかもそちらは山の中へ入る気配だったので、私たちは迷うことなく迂回路の方へ入りました。この迂回路がなかなかいい路でした。青緑色の水の色が印象的な川の脇を通っていくと、いかにも熊野古道らしい、背の高い、まっすぐと伸びた木々の中に道が現れます。

熊野古道・ツヅラト峠を歩く:イメージ3

やがて、高野橋のところに登山口を見つけました。時計を見ると、ちょうど12時。JRの梅ヶ谷駅から約1時間です。この登山口からは、ずっと、木立の中を歩いて行きます。世界遺産登録を間近にしているためか、植林や伐採のあとがあります。多くの人の手を入れて、木々が手入れされているのがわかります。そのためもあるのでしょう、木のいい香りが立ちこめて、心が癒されます。30分ほど急な登り坂を歩くと、ツヅラト峠第一見晴らし台に到着しました。

熊野古道・ツヅラト峠を歩く:イメージ4

見晴らし台からは、かなり眺望がききます。山々の麓に志子の民家が小さく見え、その向こうには、紀伊長島の海が臨めます。また、海にはいくつかの島が浮かんでいます。海の色は空の色と同化して、空と海がつながっているように見えました。ここで昼食をとりました。あまりの気持ちよさに、その場に50分も座っておりました。第一見晴し台から一段下ったところに、第ニ見晴らし台があり、さらに降りていくと、第三見晴し台がありました。しかし、第ニ、第三から見る景色は、第一見晴らし台からのものには、及びません。

熊野古道・ツヅラト峠を歩く:イメージ5

ツヅラト峠から、志子へ向かいます。かなり急な下り坂が続きます。途中、石畳の古道がありました。紀伊長島方面から登る場合は、志子奥が登山口になります。ツヅラト峠からは、約40分ほどでしょうか。

熊野古道・ツヅラト峠を歩く:イメージ6

志子奥の登山口を通過して、紀伊長島駅を目指します。約1時間ほどです。その途中に、「花の広場」そして「めだかの分校」なる、ビオトープがありました。最近は、ビオトープをあちこちで見かけます。しかし、「めだかの分校」ほど成功しているビオトープを見たことがありません。ほとんど自然さながらの水辺環境です。カエルは鳴き、めだかやおたまじゃくしが泳ぎ、アメンボが水面を進み、たくさんのとんぼが飛んでいます。元は、休耕地であり、それを生物が住める環境に変えようと創られたものだそうです。「めだかの分校」なるネーミングも、分校で育ったメダカたちが、本校である自然の中へ帰って行けるようにとの願いがこもっているそうです。ツヅラト峠を降りてきて、心地よく疲れたあと、このビオトープで足をとめ、水辺の小さな生き物たちを眺めるのは、本当に楽しく、素敵な場所でありました。

-DATA-

場所:
三重県北牟婁郡
交通:
名古屋よりJRワイドビュー南紀で多気下車。JR普通列車に乗り換え、梅ヶ谷下車。 
駐車場:
梅ヶ谷駅、紀伊長島町田山、志子奥に有り。 
トイレ:
梅ヶ谷駅前の神社の向かい側と、志子の「山の神」のほこらを過ぎてすぐのところに有り。

氷ノ山

May.24, 2004 中国地方第2の高峰に登る

氷ノ山:イメージ1

氷ノ山は中国地方で大山についで2番目に高い山であり、日本200名山のひとつでもある。周辺はスキー場がたくさんあり、オフロードバイクが好きな人ならご存知であろうが、中国地方随一のダート天国でもある。以前、僕もオフロードバイクで氷ノ山周辺のダートを走りに来たことがあった。その時は、目的が違ったので登ることはしなかったが、次に来る時は絶対登ろうと決めていた。そして数年を経てその日は来た。

氷ノ山:イメージ2

氷ノ山登山の日は文句なしの快晴。日焼け止めを塗ってないとヒリヒリするのは確定な程の快晴。よって、日焼け止めを塗って朝6時に出発。時間を稼ぐために高速で岡山インターまで走った。あとは、国道53号をひたすら鳥取県用瀬町まで走り、そこから国道482号で氷ノ山に向かう。途中国道29号と併走し、別れたらいよいよ国道482号は氷ノ山方面に上がっていく。別れてから10キロ足らずで氷ノ山スキー場に着く。実は、おおよそのルートは調べていたが、登山口の詳しい場所は調べていなかったのだ。ただ、間違いなく案内標識が出ているだろうとは思っていた。計画では仙谷コースで登り、氷ノ山越えコースを下りてくるつもりであった。僕のもくろみは見事当たり、氷ノ山自然ふれあい館「響の森」の所の案内板を見て仙谷登山口にたどり着くことができた。

氷ノ山:イメージ3

さあ、いよいよ登山開始である。登山口の案内板を見ると仙谷コースは上級者向けと書いてある。事前の調べによると鎖場もあるみたいで、なんかとても楽しみである。余談だが、氷ノ山はいつ来てもほんとに1,510メートルもあるようには全く見えない。見た目は1,300メートルがせいぜいといった感じである。話を元に戻して、登山開始してすぐの林を抜けると道は広大な畑に出る。そこに分岐があり、看板には氷ノ山2.4キロとあり、それに従い左に進む。すぐに再び林になり、やがて沢の横を登り始める。何回か沢を横切ったりしながら登る。雨のあとはちょっと大変かも知れない。沢のところを登るので石というか岩がごろごろ転がっていて、しかも結構急なため距離が稼ぎにくい。さらに追い討ちをかけるかのようにコースが分かりにくいところもあったりし、注意が必要である。。そうこうするうちに最初の鎖場がくる。鎖を張っているというのではなく、垂らしている。上級者なら特に鎖はいらないであろう。そこをパスして、同じような感じでしばらく登ると第2の鎖場に。ここも最初の鎖場と同じような感じである。2箇所の鎖場ともに距離はあまり長くない。ここも過ぎ、急な坂道をたんたんと登って行くと道は尾根道と合流する。ここまでくればあとひと踏ん張りである。ここまでほとんど展望がなかったせいか非常に気分がいい。まさに緑の尾根道を爽やかな風に吹かれ、いい景色を見ながらハイキングといった感じである。そして、山頂に到着した。登山時間は約1時間30分であった。

氷ノ山:イメージ4

山頂に着いたらまずは記念撮影。そして、ビールを飲みながら弁当をいただく。やっぱりこの瞬間がたまらなく幸せである。山頂は、やはり1,510メートルは伊達じゃないと感じさせてくれるには十分な360度の大パノラマが広がる。疑って悪かったと氷ノ山に謝ってしまった。簡単に説明すると扇ノ山や後山など周りの山は全部見える。その日は見えなかったのだが、日本海も当然見えるであろう。空気が澄んでいれば大山も見えるんじゃないかな。山頂は広く、三角屋根の避難小屋があり、あとトイレも展望台もある。その日は平日であったが他にも5組くらいの人がいた。しばらくして、小学生が学年単位で登ってきて山頂は大賑わいになった。

氷ノ山:イメージ5

さて、下山開始である。下山は氷ノ山越えコースだ。さっき登ってきた尾根道を戻ることになる。登る時、帰りに挑戦しようと思っていたコシキ岩が途中にあるのでそこに登る。登山の基本のテクニック3点支持が要求されるせいか、上には人はいなかった。実はこのコシキ岩わざわざ少し危険な思いをして登らなくても、上から行けば普通の平らなコースで行くことができるのだ。

氷ノ山:イメージ6

コシキ岩を出て、、仙谷コースの分岐を過ぎ、ぶなの原生林を通過し、氷ノ山越えコースの分岐に到着した。ここにも山頂と同じような三角屋根の避難小屋があり、この山がいかにメジャーな山かうかがい知ることができる。ここで、尾根道は終わり、道は本格的に下りにはいった。特に大きな変化のない杉林の中を分岐から40分ほどで下山することができた。こちらのコースもほとんど展望がないのが残念だ。この氷ノ山越えコースは仙谷コースと比べたらぜんぜん急ではない。初心者でもなんなく登ることができるのではと思われる。ちなみにこちらの登山口はキャンプ場の敷地にあるので、案内板等でしっかり確認をしとこう。さて、僕の場合は登りは仙谷コースだったのでそこまで歩いて戻り(約15分)、氷ノ山登山は無事終わった。

最後に感想。仙谷コースは上級者というよりは中級者向けであろう。この山は中国地方で2番目に高いということもあってか、非常によく整備されている。コースも難しいコースを選ばなければ比較的楽に登ることができるので、みなさんぜひチャレンジしてみてください。

-DATA-

場所:
鳥取県八頭郡若桜町
交通:
倉敷からバイクで約4時間
駐車場:
仙谷登山口に2・3台駐車可。広く見れば「響の森」などに大きな駐車場がある。
トイレ:
山頂にあり。キャンプ場や「響の森」にもある。

チャンパ盛衰の面影にひたるクイニョン

Mar.4-7, 2004 失われた王国チャンパの遺跡を訪ねる

チャンパ盛衰の面影にひたるクイニョン:イメージ1

ベトナム中部の沿岸都市クイニョン。日本の某有名ガイドブックからは削除され、ベトナムの現地人でさえ「なんでそんな所に行くの」とか、ひどければ「そんな街は知らない」というような人がいるくらい観光地としてはマイナーな街である。しかし、クイニョンには11~13世紀に建造されたチャンパの遺跡が8カ所も残っており、金塔や銀塔といった魅力的な名前が付けられている。ホイアン近くの世界遺産にもなったミーソン遺跡や、観光地ニャチャンの市街地にあるポー・ナガール遺跡へ行くのもいい。だけど、2世紀に渡って一つの地域に遺跡が集中しているクイニョンの遺跡群を見ることは、ベトナム中南部の歴史を垣間見ることができると思い、クイニョンへ訪れることに決めた。

チャンパ盛衰の面影にひたるクイニョン:イメージ2

ニャチャンからの移動では、僕はホイアン行きのツーリストバスを利用している。着いてからの宿探しなど総体的に見て、電車やローカルバスより安上がりだし労力も省けると考えたからだ。実際クイニョンではバーバラ・バックパッカーズというゲストハウスで停車し(ホイアンまでの中継地点であり、休憩地になっている)、そのおかげでいくつかの手配ごとがスムーズに行えた。まずバーバラ・バックパッカーズでは僕の宿泊条件(10ドル以下のシングルユース)に合わないとなると、その姉妹館というか旧館のバーバラ・キゥイ・カフェを紹介してくれた。また、チャンパ遺跡が目的だと伝えると、信頼のおけるバイクタクシーまで紹介してくれたのである。ただし、値段交渉は自分でしなければならない。これは自己責任の範疇になるからだ。とはいえ、観光地としてはマイナーなクイニョンで、ゲストハウスの名前が示すように安旅行をする者を、おそらく10年以上迎えてきた宿のオーナーが紹介してくれるのである。バイクタクシーも安心して乗っていられる。ちなみに、バーバラ・バックパッカーズは海岸沿いを走るグエン・フエ通りを南に行った市街地を少し外れた所にあり、海水浴やボートトリップなどが楽しめる。一方のバーバラ・キゥイ・カフェは、同じグエン・フエ通りに沿って市街地にあり、フレンドリーで便利なゲストハウスだ。

チャンパ盛衰の面影にひたるクイニョン:イメージ3

チャンパ遺跡巡りは、二日をかけて7カ所を訪れた(1カ所行かなかったのは忘れていたから)。初日の最初に向かったのは、二つの塔を意味するタップ・ドイ。フンタンという呼び名もある。タップ・ドイの名の通り二つの塔が、クイニョンの市街地の中にこつ然と現われるのだ。もちろん湧いて出てくるわけではない。バイクや車の行き交うチャン・フン・ダオ通りを路地のような所を曲がると、突然と見えるのである。高さは2塔とも20mくらいだろうか。レンガ造りの壁や屋根には、ヒンドゥー色の濃い彫刻やレリーフがはっきりと見て取れる。これは、修復が進んだ結果であるとも言える。とはいえ、土台となる建造物自体の形状が崩壊せずにしっかりと残っていたから、修復もきれいにできたのだろう。実際、まだ放置状態に近い1990年当時の資料写真を見ても、外観の損傷は少ないように伺える。ベトナム戦争ではクイニョンでも激戦があったはずなのだが、都市部にありながら崩されず形状を保ってきたのは、やはり神秘的なものを感じさせる。

チャンパ盛衰の面影にひたるクイニョン:イメージ4

複数の塔があるものとしては、3塔が並んだ象牙塔へも訪れた。ズオンロンとも言う。最も美しいと言われるだけあって、3塔ともスリムな外観を持ち、壁にはヒンドゥー神話による彫像やレリーフ、装飾がみごとである。祭壇を装飾として施しているのも面白い。小高い丘の上にある銀塔(バン・イット)も4塔が残っている。しかし、中心となる祠堂は一つで、後は宝物庫、碑文庫、楼門である、それぞれに独特の形があって面白い。

チャンパ盛衰の面影にひたるクイニョン:イメージ5

丘の上など高台に建てられたものが多いのも、チャンパ遺跡で特徴と言えるだろう。これは、宗教的地位に関わりがあるらしい。クイニョンで最も高い位置にあるのが金塔。フーロック塔とも呼ばれ、クイニョンから北西に約30kmの所にある。ちょっとした小山の上にあり、途中まではバイクで行くことができるが、最も奥の民家からは歩いて登らなければならない。しかも、ガイドをその民家の人にお願いした上でである。そうしなければ迷ってしまうような、草の茂った道を登るのである。それが、ある所で視界が開ける。人々が集い拝礼したであろうテラスのような広場、直線の長い階段、その上に威風堂々とそびえ立つ金塔。クイニョンの街が一望でき、遠く(5kmほど先)には銅塔も眺められる。重厚感さえある。見渡しの良い場所にありながら、人を寄せつけないようにして建つ金塔。この塔の前に立った時、漂う空気の中に宗教的地位の高さが感じられた。

チャンパ盛衰の面影にひたるクイニョン:イメージ6

例えば、前述したタップ・ドイは建物としての美しさがある一方で交易などの行政に関わり、銀塔は宗教的威厳とともに政治的な威圧感を与えていたと想像できる。象牙塔の場合は、政治や国家防衛的な要素もあったのではと思わせる。また、村の中にあるタップ・ヴィンラムや畑の中にあるタップ・トゥーティエンは、地域に密着した宗教建築物としてどこか親しみやすい。カンティエンと呼ばれる銅塔も地域密着感があるのは、この塔がチャンパの中心的存在となる寺院の一つだったからだろう。その中で金塔だけは、立地から見ても純粋に宗教的威厳が感じられるのである。クイニョンにチャンパ王国が栄えた3世紀間、外国との交易で富む一方で周辺諸国からの攻撃もあり、国家の動向としても大きく揺らいでいたのだろう。考古学的に正しいかは別にして、その時代の変化がクイニョンの遺跡群で伺い知ることができる。残り一つの雁塔やまだ行っていないチャンパの遺跡も是非見てみたい。それらを見た時、どんな風に感じるのか楽しみだ。

-DATA-

場所:
ベトナム社会主義共和国ビンディン省クイニョン
交通:
ホーチミン市から飛行機で1時間もしくは1時間半(ベトナム航空時刻表)、ツアーバスで15時間半。鉄道はクイニョン駅があるが、所要時間は未確認。
駐車場:
なし
トイレ:
なし
その他:
チャンパ遺跡へ個人で行く場合、タップ・ドイはクイニョン駅から遠くない所にあり、徒歩で行くことも可能。その他の遺跡へは、近くてもオートバイで30分、遠ければ2時間もかかるため、バイクタクシーをチャーターするかレンタルバイクを利用する必要がある。

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