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少数民族の町サパ

Mar.14-20, 2004 ホアンリエンソン山脈の抱かれる、藍と赤の民族衣装の調和

少数民族の町サパ:イメージ1

ハノイからは電車とバスを乗り継いで約11時間。中国と国境を接するラオカイ省に、北部少数民族に触れることができ、また周辺へのトレッキングの拠点ともなる町サパがある。僕が乗ったのは、22時20分のハノイ発ラオカイ行きの夜行列車。翌朝の7時半頃に中越国境のイミグレーションがある町ラオカイに到着。そこからミニバス(見かけや車内は普通のライトバン)で、鋪装された山道をサパに向けて登っていく。今回訪れた時は、行き帰りともあいにく天候が悪く風景が楽しめなかったのだが、7年前に訪れた時は晴れており、眼下にライステラス(棚田)や川、少数民族の人たちの民家を見下ろすことができる。そして、 “Welcome to Sapa”の看板のあるあたりからサパの町へ入っていく。

少数民族の町サパ:イメージ2

標高約1,560mにあるサパ。気候も涼しく、フランス植民地時代に避暑地として開拓された小さな町だ。2003年には「サパ観光100年」のイベントが開かれたらしく、それに合わせたのだろう、人造湖ができたりホテルが増えたり、街路が整備されたりして観光地の体裁は整ってきた。それでも、開拓したフランス人たちの思いや建築様式が受け継がれているのだろう、街並は落ち着いた雰囲気を醸し出し、夜ともなると人通りも少なくなってロマンチックな空気に包まれる。西方約9kmには登山家田部井淳子さんが登頂したことでも知られるファンシパン山(標高3,143m)があり、サパはファンシパン登山のベースともなっている。晴れた日には、その山容が良く見える。現在では、ハノイやサパのツーリストオフィスでファンシパン登山のコーディネイトもオーダーできる。とはいえ、もとよりファンシパン登山の予定はなく、少数民族に会いに行くのがサパ行きの目的だった。

少数民族の町サパ:イメージ3

ベトナムには、アオザイの民族衣装で知られるキン族が最も多く人口の約90%を占め、それ以外に53の少数民族が暮らしている。サパにはモン族、ザオ族、タイ族などの少数民族が集まってくる。最も多いのがモン族だ。黒に近いインディゴ(藍色)の上着に同色の五分丈のズボン、やはり同色の膝当てを巻いている。上着の袖に刺繍が施されていたり、全面刺繍の巻きスカートをはいている人もいる。一方、サパで最も鮮やかなのがザオ族。衣装の色合いから赤ザオ族というように細かく分けることもある。彼女たちもインディゴを基調とした衣装を身に付けているが、上着の襟と袖口、腰の部分に大きめの刺繍を施している。そして、頭には、まるで日本の童獅子の獅子頭のような赤い帽子様のものをかぶっている。もっとも、以前に訪れた7年前と比べ、衣装がシンプル化しているというのが実情。10年後20年後、彼女たちがどれだけ民族衣装を着ているのだろうか…。

少数民族の町サパ:イメージ4

最も少数民族の人たちが集まるのが、土日のいわゆる週末マーケット。サパ市場を中心ににぎわいを見せる。それを目当てに外国人観光客も集まってくる。少数民族の人たちが土日にサパへ集まってくる目的は、かい出しであったり、自分たちで作った野菜、刺繍、工芸品などを売りに来るためである。当然、現地の人同士のやりとりもある。しかし、外国人が訪れるようになって長い土地柄であるだけに、外国人相手にも刺繍やアクセサリーなど、お土産になるもので商売もしている。僕も後者に入るわけだが、彼女たちとのやりとりが楽しい。物を売りに来るのは、年輩の女性か10代以下の女の子が主だ。年輩の女性は、刺繍の入った民族の帽子や衣装などを「ジョリジョリ(“かわいい”という意味らしい)」と言いながら商売をする。女の子たちは英語だ。そして、誰が教えたのか、名前を教えると次からは“ちゃん”付けで呼んでくる。交渉は必要だが、一度でも彼女たち、特に女の子から物を買うと、後は友だちのように接してくれる。「もう一つ買わないか」というのは挨拶のようなものになり、一緒に歩いたり、話したり、遊んだりする関係になる。時には少数民族の村へガイドをしてくれる。

少数民族の町サパ:イメージ5

また、土曜の夜に教会前の庭で開かれるラブマーケットも面白い。男側、女側双方に仲人さんが入り、お見合いをしているのだ。そして、近くでは民族楽器を奏で、舞っているモン族の夫婦らしい男女がいる。教会の周りには屋台が並び、日本の盆踊り後の雰囲気といったら分かりやすいだろうか、それに似た盛り上がりがある。ただ、こうした現在のラブマーケットの様相は、形式的なものと言わざるを得ないだろう。本来のラブマーケットは、男性が音調のある詩を読み、それに女性が応える、いわゆる歌垣のようなものだったらしい。そして、村中の近親婚を防ぐというのが目的だったらしいのだ。しかし今は、長い夜を楽しく過ごすためのイベントといった印象の方が強い。

少数民族の町サパ:イメージ6

9年前、僕は初めてベトナム・サパに訪れ、初めて少数民族というものを見た。その時の印象が衝撃的だった。衣装の鮮やかさや着こなしの良さだ。彼女たちの民族衣装からは、民族としての自覚と誇りを感じたのだ。それにフレンドリーな性格。そんな民族の自覚とフレンドリーな性格を持ち合わせた彼女たち少数民族が好きになり、ベトナムへ行く度に僕はサパへ訪れている。そして、彼女たちが民族衣装を脱ぎ、フレンドリーさを失わないかぎり、僕はベトナムへ行く度にサパへ訪れるだろう。

-DATA-

場所:
ベトナム社会主義共和国ラオカイ省サパ
交通:
ハノイからラオカイ行きの列車が1日に6~7本。早朝もしくは夜行が便利。ラオカイからは列車の到着時間に合わせてサパ行きのミニバスが運行されている。
駐車場:
宿泊先に要確認。ただし、国際免許は通用せず、ベトナムで免許を取得しなければならない。
トイレ:
公衆トイレは特になし。サパ市場内にあったかもしれないが、未確認
その他:
サパの周辺にはいくつもの少数民族の村が点在し、日帰り、1泊2日、2泊3日などのトレッキングツアーをガイド付きで手配できる。山道を歩いたりするので、ガイドを付けた方が安全だし、服装なども山歩きをするつもりの配慮が必要。山中であるため気候も変化しやすく、温度が急にさがったりするため、雨具や長袖のシャツなどを用意していった方がいい。

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