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箱根 金時山

Jan.03, 2004 箱根 金時山で新春・富士見ウォーク

箱根 金時山:イメージ1

お正月、毎年恒例にしている、富士山の見える山へのハイキングに出かけることにした。今年は富士の眺望ならぴかいち、と聞いた金時山だ。滝や沢沿いの道、岩場の急登など、変化のある静かなコースを歩いて登り、下山後には温泉に入ろうと考え、一般的なルートと逆の道順をとることにした。先に北側の斜面から登り、頂上でお雑煮を食べた後、南斜面を千石原方面に下るという行程である。まずは、東海道線で小田原駅へ行き、そこから大雄山線で大雄山駅へ。さらにバスに揺られ、地蔵堂前バス停で下車した。正月3日目だが、同じバス停で降りる人は案外少ない。降り立つと古風な造りの木造の地蔵堂が、素朴ながらも赴きあるたたずまいで迎えてくれた。中をうかがい見ることはできなかったが、案内板には、鎌倉時代後期の作とされる神奈川県指定重要文化財の木造地蔵菩薩像などが収められているとある。

箱根 金時山:イメージ2

地蔵堂前バス停から金時山に登るには、いくつかのコースがある。足柄峠経由で向かう人が多いようで、夕日の滝経由で金時山方面へと向かう人は、我々を含めごく少数だった。しばらくは舗装路が続くが、小さな茶畑など、ぬくもりのある里の風景がそこかしこに見られ、とても心地いい道だ。歩き始めて5分ほどで、人の背丈の倍近い巨大な石のある広場に着く。ここは金太郎が産まれた場所で、巨石は金太郎が子どものころに遊んだ「遊び石」なのだとか。金太郎は足柄山の山中で育ったとよくいわれるが、「地蔵堂の四万長者というお金持ちの娘が、酒田村(現在の開成町)に嫁入りしたが、訳あって当地の実家に戻り金太郎を産んだ」という伝説がある。こうした野山に囲まれた場所なら、「熊にまたがりお馬のけいこ」と歌われる金太郎の言い伝えがあってもおかしくないな、と感じられる。

箱根 金時山:イメージ3

少し進むと、なんとイノシシの毛皮が3枚並んで干されていた。その後ろには、猟犬供養の碑が立っている。この地域の人々は、今も山の自然の恵みと共に、日々の生活を営んでいるのだろう。この柴犬は、イノシシ捕りで手柄をたてた猟犬だろうか…と考えると、こちらに向かって吠え掛かってきても、何だか憎めない。棚田の広がる風景にほっとため息をついたりして、ついつい進む足取りもゆっくりになってしまった。道の横に通された側溝の中を、豊富な水量の水が流れていく音が聞こえる。金時山を水源として流れ出た水のようだ。金時山という山の名はよく聞くので、もっと観光化された山なのかと思っていたが、こんなに素朴な風景が残されていたとは。

箱根 金時山:イメージ4

「夕日の滝」の道標に従って、左手の枝道へと入った。路面が霜に覆われており、滑らないように慎重に進む。キャンプ場の炊事場などを見ながら川にかけられた橋を渡る。石や木の根が露出する斜面を登ると、木々の奥に、白い水しぶきを上げる滝が見えてくる。夕日の滝は、高さ約23m、幅5m。細い糸のような、繊細な印象を受ける。この水で、金太郎がうぶ湯を使ったとされる。一帯は北向きの斜面で、午前中は日陰になっている。夕日が美しく映えるため、夕日の滝というのだそうだ。1月15日には、太陽がこの滝口の中央に沈むといわれている。探究心のある方は、この日に行って確かめてみてはいかがだろうか。

箱根 金時山:イメージ5

先の分岐点に戻り、さらに先へ行くと、舗装路が尽きて土の道に入る。ときに靴を濡らしながら沢を何度か渡り返していく、川沿いの道だ。やがて、スギやヒノキの植林地の中の登り坂となる。北側斜面なので日差しがなく、植生も単調なところなので、楽しくおしゃべりでもしながら軽快にこなしてしまいたい。しばらく行くと、ようやく尾根に出る。かん木の小枝が、冬の日差しを浴びてまたたくようだ。この付近は県の水源の森に指定されていることもあってか、比較的最近植えられたと思われる丈の低いヒノキが生えており、日差しも遮られることなく明るい印象を受ける。やがて、左手前方になだらかな三角形の峰が見える。金時山の山頂が、初めて見える瞬間だ。金時山は別名「猪鼻山」とも呼ばれている。葉を落とした木々に覆われた峰は、やわらかな茶色い毛皮をまとう猪の鼻のように見えなくもない。

箱根 金時山:イメージ6

暖かい日差しが注ぐ尾根を歩き、猪鼻峠へ。富士山の白い峰が目の前に見え、絶景かな、と立ち止まった。左右の峰や樹木の間から眺めるためか、富士山の裾野から平野、手前の足柄付近の森に至るまでの景色を、縦長に俯瞰する感じで見られる。ここは、足柄峠から伸びる道との合流地点にあたり、休憩に格好の場所だ。猪鼻峠を越えた後は、少し下り坂がある。せっかくかせいだ高度なのにもったいない…と思いつつ、目の前にそびえる金時の峰を目指して進む。丸太を組んだ鳥居をくぐると、約30分間、最後の急登が待っている。切り立った岩肌には頑丈な金属の階段がかけられ、「階段は12あります。ガンバロー」と書いてある。手すりがあるとはいえ、ほとんど垂直のハシゴのようなものだ。金属の冷たい感触が、さらに険しい印象を与える。途中でわきによけ、息を整えている人が何人もいた。金時山、あなどれじ…。

箱根 金時山:イメージ7

急な斜面を上りきり、ようやく山頂へ。目の前に、のびやかな箱根の景色が広がった。遠くに光るのは芦ノ湖、手前に横たわるのは仙石原。煙を上げる大涌谷に、真っ白な雪をまとう富士山の姿。金時茶屋で、テレビなどでおなじみの金時娘さんのお顔もしっかりと拝見して、待ちに待ったお昼ご飯だ。持参したお重の具をたっぷり入れたお雑煮に舌鼓を打った。帰りは、ぽかぽか陽気の南斜面を、仙石原方面に向けて一気に下る。乾いた土の斜面は滑りやすいので注意が必要だが、なだらかなので膝への負担は少ない。左手の明星ヶ岳へ伸びるササ原の尾根の景色を楽しみながら、矢倉沢峠を経由し、あっという間に山麓に着いた。降りてすぐのところにある民宿「やまぼうし」の温泉へ。山の景色を見ながら熱い透明の湯につかると、足の疲れも吹き飛んでしまった。滝を見て、富士山を眺めて、お雑煮を食べて、温泉に浸かって。上等のお正月を過ごし、さい先の良さそうな一年のスタートが切れた。

-DATA-

場所:
神奈川県南足柄市
交通:
大雄山線大雄山駅―(バス25分)―地蔵堂バス停
駐車場:
有り(地蔵堂、夕日の滝キャンプ場)
トイレ:
有り(地蔵堂、夕日の滝キャンプ場、金時山頂)
温泉:
民宿「やまぼうし」入浴料500円(金時登山口バス停から徒歩5分)
その他:
帰りは、金時登山口バス停から向かって左手に道を下り、仙石バス停まで出た方がバスの便が多い
タイム:
地蔵堂バス停―(15分)―夕日の滝―(1時間30分)―猪鼻峠(40分)―金時山山頂―(60分)―金時登山口バス停
おまけ:
野外でのおいしいお雑煮の作り方
【持っていくもの】
鍋2つ、ガスコンロ、水、小さく切った餅、かつおぶし、しょう油、おせち料理のお好みの具、おわん、はし
【作り方】
①小さい鍋に少量の水を入れ、餅を煮とかす。
②別の鍋に湯を沸かし、沸騰したらかつおぶしとしょう油を入れて味付けをした後、具を入れる。
③おわんに①の餅と②の汁・具を入れてできあがり。

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