トレッキングレポート

サブナビゲーションをスキップ


フィールドレポート

現在のレポート数は811件です。

最新記事
最近のコメント
カテゴリー
バックナンバー

Since Apr.01,2000


« 猪苗代湖周遊記トレッキングレポート:トップページ名勝天然記念物笹川流れ »

遠見場山

Oct.19, 2003 リアスの海を見はるかす島の最高峰

山の頂で海の幸を食らう。そんなことを考えた。ミスマッチかぜいたくか。が、やるなら新鮮なものを食べたい。そう考えて、ふさわしい場所が思い当たった。島だ。島を登るのだ。名峰・礼文や利尻でなくとも日本の島は一概に平坦でない「島山」なのである。四方は海なのだから頂からの眺望も期待できる。汗を流して登った山頂で、大海原の眺めを肴にうまい魚にかぶりつく。想像するだけで頬がゆるんでくる。地図を眺めその目的を果たしてくれる島を見つけた。宮崎県、島野浦島。選んだ理由は単純だ。登れる山があり、魚がうまい島だからだ。

遠見場山:イメージ1

島野浦島は宮崎県延岡市の沖合12kmに浮かぶ周囲約15.5kmの島である。リアス式の海岸線は変化に富み、美しい黒潮の海は島の周辺にサンゴを育てる。オオスリバチサンゴの群生は世界一の規模だという。日豊海岸国定公園に浮かぶ宝石のような島だ。人口は1,500人弱。宮崎県きっての漁業基地で、昔はイワシが舞う島と呼ばれた。延岡市浦城から高速船とフェリーとで結ばれ、便数は多い。浦城港へは延岡市内で国道10号線から国道388号線に入り、浦城湾の北岸に沿って車を走らせると発着所が見えてくる。高速船に乗ること10分、フェリーでも20分。高速船なら島浦港、フェリーなら宇治港、どちらも島の西岸に到着する。島は西側に集落が集中し、東側は断崖絶壁。見上げれば島の最高峰・遠見場山(とんばやま/185m)はこんもりとして緑の豊かな山だ。漁港近くの海産物店に入る。ザックに荷物は少ないが、ガスストーブと焼き網はしっかり入れてきた。ウルメの丸干しと色鮮やかな緋扇貝を買った。準備は万端だ。

遠見場山:イメージ2

漁師町特有の細い路地を歩く。島の散策はこういう道が楽しい。港から海沿いに北へ歩くと大通りが山側に伸びており、鳥居と石段が見える。島野浦神社。小さく素朴な社だ。港から約3分。遠見場山への登山道は、この神社の裏から続いている。しばらくは畑の間の狭い道。やがて緑に包まれ山懐へと入っていく。勾配はゆるやかだ。風景を楽しみながら登れる山だが、マムシが出るから夏は登らないほうがいいと海産物店で聞いた。地元の人の言葉には従った方がいい。登りながら振り返ると、漁船のひしめく港が見え、その向こうに光る海があった。港から約15分で尾根に出た。港や集落のある西岸と、断崖の東岸の両方の海を一望する。なんという海の青さ! 透明な蒼といったらいいだろうか。リアスの海の豊かさ、美しさを教えられる色である。山にいることをしばし忘れた。

遠見場山:イメージ3

尾根に出ると登りは楽になる。分岐はあるが山頂までは看板が導いてくれ、迷うことはない。道沿いに点々と並ぶ石仏は島野浦霊場三十三カ所。海風の中にたたずむ素朴な姿に気持ちが和む。石仏を数えつつ海を眺めて尾根伝いにいくと島野浦灯台が立つ山頂だ。港からゆっくり登っても約30分。景色は雄大。青海原がどこまでも続き、岩礁がアクセントを添えている。白亜の灯台が青空にまぶしい。昭和12年から島の航海の安全を見守ってきた灯台で、そう考えると高さ8mのずんぐりした姿も頼もしく見えてくる。登山道はこのまま海岸へと下りていき、まだ終わりではないがここからは釣り人のための道といっていい。山頂でストーブに火をつけた。軽くあぶった丸干しは噛むほどにうまみがあふれ出る。緋扇貝は身は小さいが味がいい。やはり食べ物は、獲れたその土地で食べるのがうまいのだ。山頂に吹くのも潮風で、胸一杯に吸い込む。絶好の調味料になった。見下ろす島の集落は、港のまわりに家々がみっしりと集まっていて、どこか懐かしい景色でもある。港から漁船が走り出す。青空に弧を描いて飛ぶトンビの間延びした声が、穏やかな島の時間に重なった。

-DATA-

場所:
宮崎県延岡市島野浦
交通:
日豊汽船(浦城-島浦)
・高速船…大人450円(所用時間10分)
・フェリー…大人400円(所用時間20分)
浦城港へは、日豊本線延岡駅より宮崎交通バス宮野浦行きで約30分、浦城港下車
駐車場:
フェリー港に駐車可(島内は車での移動が必要なほど広くないので浦城港に置いて渡航するのがよい)
トイレ:
あり(フェリー発着所)

コメント(0)

コメントはまだありません。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

コメント投稿フォーム

ページのトップに戻る