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« 2003年09月トレッキングレポート:トップページ2003年11月 »

名勝天然記念物笹川流れ

Oct.21, 2003 日本海探訪

名勝天然記念物笹川流れ:イメージ1

「日本海」という「日本海」は一体どんな顔をしているのか?!気になって少し赴いてみることにしました。目的地は上越は国の天然記念物笹川流れ。もうお隣は山形県という場所に位置する浜辺です。笹川流れは全長約10キロメートル。これを海に沿って移動し、場所によって表情を変える日本海を楽しむのが今回のテーマでした。

名勝天然記念物笹川流れ:イメージ2

鮭の町、温泉の町、村上から出発。道は簡単。そこから真直ぐ海沿いの国道345号線を北上するだけ。私は車で走りましたが、電車は羽越本線村上駅から桑川、今川、越後寒川駅の間です。これは羽越本線と並んでいる道なので、府屋駅、越後寒川駅まで電車で北上しそこから南下してくる方法もあります。北上してゆく間、右手には畠があらわれたり山になったり、左手はずっと広い海が広がっています。圧迫感と開放感。この起伏の激しさには自分の国ながら不思議な感覚を覚えます。港や海水浴場のある町並みにさしかかると背の低い木造建築が立ち並びます。日本海の漁師町です。軒先には観光客向けの陽の光りを透かしたイカやタコがぶらさがっていました。丁度海水浴シーズンの少し前だったので、夏に向けて少し浮き足立った雰囲気が印象的でした。

名勝天然記念物笹川流れ:イメージ3

道沿いの海にはいくつもスペースが確保されていて、駐車場やトイレがある場所もあります。ハーレーの旅、家族で車の旅、仲間と海辺のキャンプの旅、様々な人が集まっていましたが、人に紹介された観光地というより、皆、此処が俺の秘密の場所なんだと日本海を楽しめるスポットを見つけた自信に満ちているように見えました。もちろん海のむこうには粟島が大きく見えます。さらにこの笹川流れには眼鏡岩、びょうぶ岩、ニタリ岩、恐竜岩、蓬菜山など、名前のついた岩がいくつもありますが、どの岩がどれなのか、岩に名札がついている訳でも無いので名前が知りたい時には山北町のパンフレットがあるといいかもしれません。岩場の陰には、波に打ち上げられた不思議なものが多いのも一見の価値ありです。カモメの骨や何かの死骸、とても大きな貝殻、流されて来たコップや謎のプラスチック、一見ごみのようにも見えますが、海自体が綺麗なことから、砂も綺麗で、そこは海の墓場の一つにも思えました。これが人で賑わう海水浴場のゴミとは違う理由かと、海の構造なのでしょうか。

名勝天然記念物笹川流れ:イメージ4

村上駅から北上して次の桑川駅の隣には、道の駅「笹川流れ夕日会館」があります。ここは地元の特産品が一同に集まっており、必見です。観光地の商品というよりも、地場産品の玉藻塩、にがり、海藻など、どれもこの土地だから手に入るものばかりです。手作りの塩は種類も豊富で、一度にたくさん見て選べる機会として丁度よいです。国道345号を挟んで道の駅の向かいには、岩牡蠣を食べさせてくれる民宿が並んでいます。お店の中には窓が大きく開き、水平線でラインを描いています。なんとも贅沢な場所です。そんな海を眺めながら大きな牡蠣などいかがでしょうか。私が食べた牡蠣は一つ400円でしたが非常に大きい夏の岩牡蠣でした。とても一口では口に入りません。試しに一つから食べさせてくれるところもありますので気が楽です。

名勝天然記念物笹川流れ:イメージ5

ここの海岸砂は貝殻が細かく砕かれたような砂でした。小さな石と言った方がよいかもしれません。ベージュの細かく綺麗な粒が集まっていて、清潔感があります。波は天気のせいもあって激しいものでした。越後寒川駅でUターンをし、帰路につきましたが、この日の天候は今年の冷夏もありあまりよいものではありませんでした。次回は天気の良い日に遊覧船を楽しみたいものです。

-DATA-

場所:
新潟県岩船郡山北町
交通:
電車の場合:
羽越本線で新潟より約1時間30分。(使う列車によって異なります。)
車の場合:
日本海東北自動車道(中条I.C)から国道7号線経由で桑川まで約1時間。
駐車場:
多数有り。
トイレ:
多数有り。
携帯電話:
使用可。
他設備:
ベンチ等有り。整備されています。

遠見場山

Oct.19, 2003 リアスの海を見はるかす島の最高峰

山の頂で海の幸を食らう。そんなことを考えた。ミスマッチかぜいたくか。が、やるなら新鮮なものを食べたい。そう考えて、ふさわしい場所が思い当たった。島だ。島を登るのだ。名峰・礼文や利尻でなくとも日本の島は一概に平坦でない「島山」なのである。四方は海なのだから頂からの眺望も期待できる。汗を流して登った山頂で、大海原の眺めを肴にうまい魚にかぶりつく。想像するだけで頬がゆるんでくる。地図を眺めその目的を果たしてくれる島を見つけた。宮崎県、島野浦島。選んだ理由は単純だ。登れる山があり、魚がうまい島だからだ。

遠見場山:イメージ1

島野浦島は宮崎県延岡市の沖合12kmに浮かぶ周囲約15.5kmの島である。リアス式の海岸線は変化に富み、美しい黒潮の海は島の周辺にサンゴを育てる。オオスリバチサンゴの群生は世界一の規模だという。日豊海岸国定公園に浮かぶ宝石のような島だ。人口は1,500人弱。宮崎県きっての漁業基地で、昔はイワシが舞う島と呼ばれた。延岡市浦城から高速船とフェリーとで結ばれ、便数は多い。浦城港へは延岡市内で国道10号線から国道388号線に入り、浦城湾の北岸に沿って車を走らせると発着所が見えてくる。高速船に乗ること10分、フェリーでも20分。高速船なら島浦港、フェリーなら宇治港、どちらも島の西岸に到着する。島は西側に集落が集中し、東側は断崖絶壁。見上げれば島の最高峰・遠見場山(とんばやま/185m)はこんもりとして緑の豊かな山だ。漁港近くの海産物店に入る。ザックに荷物は少ないが、ガスストーブと焼き網はしっかり入れてきた。ウルメの丸干しと色鮮やかな緋扇貝を買った。準備は万端だ。

遠見場山:イメージ2

漁師町特有の細い路地を歩く。島の散策はこういう道が楽しい。港から海沿いに北へ歩くと大通りが山側に伸びており、鳥居と石段が見える。島野浦神社。小さく素朴な社だ。港から約3分。遠見場山への登山道は、この神社の裏から続いている。しばらくは畑の間の狭い道。やがて緑に包まれ山懐へと入っていく。勾配はゆるやかだ。風景を楽しみながら登れる山だが、マムシが出るから夏は登らないほうがいいと海産物店で聞いた。地元の人の言葉には従った方がいい。登りながら振り返ると、漁船のひしめく港が見え、その向こうに光る海があった。港から約15分で尾根に出た。港や集落のある西岸と、断崖の東岸の両方の海を一望する。なんという海の青さ! 透明な蒼といったらいいだろうか。リアスの海の豊かさ、美しさを教えられる色である。山にいることをしばし忘れた。

遠見場山:イメージ3

尾根に出ると登りは楽になる。分岐はあるが山頂までは看板が導いてくれ、迷うことはない。道沿いに点々と並ぶ石仏は島野浦霊場三十三カ所。海風の中にたたずむ素朴な姿に気持ちが和む。石仏を数えつつ海を眺めて尾根伝いにいくと島野浦灯台が立つ山頂だ。港からゆっくり登っても約30分。景色は雄大。青海原がどこまでも続き、岩礁がアクセントを添えている。白亜の灯台が青空にまぶしい。昭和12年から島の航海の安全を見守ってきた灯台で、そう考えると高さ8mのずんぐりした姿も頼もしく見えてくる。登山道はこのまま海岸へと下りていき、まだ終わりではないがここからは釣り人のための道といっていい。山頂でストーブに火をつけた。軽くあぶった丸干しは噛むほどにうまみがあふれ出る。緋扇貝は身は小さいが味がいい。やはり食べ物は、獲れたその土地で食べるのがうまいのだ。山頂に吹くのも潮風で、胸一杯に吸い込む。絶好の調味料になった。見下ろす島の集落は、港のまわりに家々がみっしりと集まっていて、どこか懐かしい景色でもある。港から漁船が走り出す。青空に弧を描いて飛ぶトンビの間延びした声が、穏やかな島の時間に重なった。

-DATA-

場所:
宮崎県延岡市島野浦
交通:
日豊汽船(浦城-島浦)
・高速船…大人450円(所用時間10分)
・フェリー…大人400円(所用時間20分)
浦城港へは、日豊本線延岡駅より宮崎交通バス宮野浦行きで約30分、浦城港下車
駐車場:
フェリー港に駐車可(島内は車での移動が必要なほど広くないので浦城港に置いて渡航するのがよい)
トイレ:
あり(フェリー発着所)

猪苗代湖周遊記

Oct.15, 2003 湖畔の暮らしと歴史探訪(春から秋)

猪苗代湖周遊記:イメージ1 猪苗代湖周遊記:イメージ2

「猪苗代湖の歴史」
猪苗代湖は、約20万年前の地殻変動で陥没した猪苗代盆地に、その後の磐梯山の噴火で川が堰き止められ徐々に湖が形成された。周囲55.32km。最大深度は、93.5m。日本で4番目に大きく、透明度も世界有数の湖である。標高514mと、湖一帯が比較的高地にあり、気温の変化で霧が発生し、季節によっては会津盆地に流れ込む事もある。西岸の長浜には天鏡閣(重要文化財)があり、東岸の志田浜は白鳥飛来地となっている。冬のウインタースポーツは勿論、夏場のボードセーリングなど、ウォータースポーツも盛んだ。猪苗代湖には、華やかな観光地の表の顔と歴史の中に埋もれたような街道筋が存在する。その周辺に暮らす人々の生活。畦道そばの小川には、今でも昔そのままの生き物達の世界があった。

猪苗代湖周遊記:イメージ4 猪苗代湖周遊記:イメージ3

「湖南地方風土」
5月。山上の湖周辺では、山裾の樹木も芽生えて春の活性が最高潮に達する。猪苗代湖の南側は、通称湖南地区と呼ばれ磐梯山麓に観光名所が点在する猪苗代町とは、大きく異なる様相がある。江戸時代、御世。福良。赤津は、参勤交代の宿場町として栄えた。会津強清水から白河に至る茨城街道(R294)は、物資の輸送、藩の廻米路としても重要だった。天正18年(1590)に、豊臣秀吉が会津入りをした時も勢至堂・御世。福良。原。背炙峠を越えて若松に入っています。今回の猪苗代湖周遊旅では、半年間に渡って歴史と文化に触れてみる事にしました。福良の宿に程近い湖岸近くの田んぼで、田植えを初体験。この日は、田んぼの持ち主である斎藤さんの御一家にお世話になりました。最近では、殆ど見られなくなった手植えにチャレンジ。メンバーは、俳優・中本賢。地元の妖怪・渡辺良雄。女子アナ・笠置わか菜。KFBアナ・飯野雅人のガサガサ隊4人組。それはもう、二人のアナは泥の中で七転八倒する大騒ぎ。植えた後を振り返れば、凸凹で苗が可愛そうだったが、半日掛けて20m×30mの面積を植え付け完了。秋の収穫が、楽しみだった。休憩時間には、昔懐かしい小川の小鮒釣り。そして、田んぼの土手にゴザを敷き全員揃って食べる美味しい小事飯が待っていた。

猪苗代湖周遊記:イメージ5

「ウグイの遡上」
6月。猪苗代湖に流入する河川の中で、随一ウグイが産卵遡上する川が船津川だ。猪苗代湖に流れる河川の中で、一番大きな清流です。と言っても流程が10数キロと短いので、水量はそれほど豊富ではありません。しかし、猪苗代湖は弱酸性質(HP5)なので魚類が乏しく育ちませんが、ウグイだけは何とか生き延びています。主な漁獲量となるウグイは、産卵期になると一気に遡上してきます。これらを捕獲するには、マセ場を作る。マセとは、砂利混じりの川底に杭を打ち、ヤナギの小枝でシガラを組んで作ります。堰き止められた流れは段差を生じますので、少しだけシガラを緩めて流れ出しを設けます。シガラから流れ出す下流域(3m以内)に産卵をするんですが、このままでは砂利が汚れて(水垢等)いるために、ウグイが産卵を嫌ってしまいます。ウグイを着床させるには、砂利をジャ籠で満遍なく洗わなくてはならない。これが又重労働。ジャ籠の柄は杉の丸棒。籠は鉄製で5キロ以上もある。一つの着床を作るのに、約一時間も掛かります。2、3回投網を打てば、もう使い物になりません。何故って、ウグイの卵が砂利にびっしり食い込んでいるから、次々と遡上するウグイが嫌って通り過ぎてしまうからだ。マセ付近に水中カメラを備え付け、ウグイの産卵撮影に大成功。少し上流域で、ガサガサに突入。思いの他いろんな生き物に出会いました。3年もガサ入れを経験していると、川面の雰囲気を見ただけでピ~ンと予感がする。クリアウオーターのカーブ際、ヤマメがライズしそうだなぁ~と思いつつタモを入れたら、何とヤマメがヒット!ジャ無かった、ゲット。若菜ちゃんが、怪しげな稚魚を確保。よく見たら、何と!イトヨです。この清流に、営巣地があったんですね。飯野君、ウナギかぁ~!どれどれと淡水魚ブックを開いていたら、それはドジョウのお化けだよと賢さんの声に大笑い。

猪苗代湖周遊記:イメージ6

「酸性質の根源」
7月。福島県の、ど真ん中に位置する猪苗代湖。紺碧の湖と称されるこの色彩は、何処から生まれるのでしょうか。エメラルドブルーに彩られた紺碧の源を求めて、凸凹メンバーが果てしない?旅に出た。先ずは、本当に猪苗代湖の水の色は紺碧な色かと、湖の中央部に乗り込んだのです。と言えば聞こえはいいけど、何と修学旅行気分で白鳥丸の遊覧船で行きました。船上から湖水を覗いたら、本当に紺碧な色に全員がビックリ!納得がいかない賢さんは、志田浜の売店で聞き込み開始。水色情報は、簡単に判明と思っていたのだが、返ってくるのは意外と不明確な話ばかりでした。その中で、売店のおばちゃんから面白い話を聞いた。酸性質の猪苗代湖は、沼尻温泉から流れてくる酸川(すかわ)が原因だと言う事まではよかったが、そこの石(鉄分で茶褐色)は、漬物石に最高だそうだ。何でも、ナスを漬けると真っ青になるらしい。だから、猪苗代湖の色も真っ青なのかい「おばちゃん」と聞き返したら、それはわかんねェ!と・つれない返事。猪苗代湖の水質は、酸性度が高い(PH5)ため大型の魚類にとっては住み難い湖でもある。その原因を探るため、長瀬川の生態を調査しながら上流に遡った。 河口から20数km離れたその場所とは、沼尻湯元温泉だった。安達太良山(1,700m)に向けて登山を開始。約30分程で現れたのは、まぎれもない温泉の大滝(白糸の滝)だった。次に目に飛び込んできた光景は、殺伐とした地獄のような硫黄の採取場跡だった。その場から湧き出る源泉は、沼尻温泉と中ノ沢温泉に送られていた。

猪苗代湖周遊記:イメージ7 猪苗代湖周遊記:イメージ8

「鬼沼カヌーツーリング」
8月中旬の早朝。我々は、5月に手植えした福良地区の田んぼに出向いた。今年の天候が不順だったので心配だったからだ。6月時点では、順調に生育していたから安心して見守っていたのだが。持ち主の斎藤さんに来ていただいて、これからの作況を聞いてみた。案の定、7月の低温の関係で実入りが悪くなる恐れがあると聞き、にわか百姓ながら残念だった。でも、曲がりくねって植えられても、寒さにもメゲズ頑張っている稲の穂をみていると、持ち直してくれることを皆で祈りました。猪苗代湖の湖岸線は、何処を見てもフラットな洗面器状の湖である。その中で、随一のワンド(沼)が鬼沼だ。湖岸からでは見られない表情を探ろうと、我々ガサガサ隊のメンバーはカヌーで探索する事にした。早速、湖南港でカヌーを準備して漕ぎ出すことになった。大波に耐えながら、ようやくワンドの入り口に到達。命を掛けた?ツーリングの後、ガサガサ隊を和ましてくれたのはピンクのヤナギランでした。ワンド内を見渡すと、黄色い可憐な花が咲いていた。この花は、アサザという植物です。以前は多くみられたが、最近めっきり少なくなってきた。猪苗代湖はPH5程度の弱酸性湖ではあるけれど、この沼は全く中性である。湾内の底は、猪苗代湖とは全く異なり泥なので、ウナギやナマズ等が今でも棲息しています。50年も前から、鬼沼で漁をしているという大越さんとの出会いがありましたが、残念ながら大物は掛かっていませんでした。しかし、可愛いナマズの子を見ることができ、全員が感激!再びカヌーを漕いでプライベートビーチ(カヌーでしか行けない浜に出発)ここでは、お決まりの焼きソバとバーベキュー。目前には、透明度約30m。猪苗代湖随一のダイビングスポット(赤碕周辺)が有る。

猪苗代湖周遊記:イメージ10 猪苗代湖周遊記:イメージ9

「磐梯山麓サイクリングロード」
9月の磐梯山麓。中腹の天鏡台から、猪苗代湖を見下ろすと野口英世の生家が見える。新千円札の顔となった野口英世博士。医学博士としての名声は誰もが知る所だが、子供(清作時代)の頃は川遊びが大好きだった事は余り知られていない。野口英世(幼名清作)博士は、1876年11月9日福島県耶麻郡翁島村(現在の猪苗代町)に生まれた。清作は1歳半の頃、囲炉裏に落ちて左手に大火傷を負い、その左手を手術しましたが完治することはなかった。しかし、清作はその時に医学の素晴らしさを知り、医者への道を志す事になる。野口英世の生家は、R49沿い猪苗代湖の湖畔にある。その記念館の方から、少年時代に纏わる詳しいお話を聞く内に、清作は川遊びが大好きだった事を突き止めた。アメリカからの便りには、東京での暮らしやアメリカの事ではなかったのです。其れは、子供の頃遊んだ水遊び(釣りや水浴び)や野遊び(小鳥捕り)。雪の日の厳しかった通学の思いと、学校での出来事を懐かしく綴ったものでした。その川は、今でも昔のままに流れていると言うから、早速その川を教えて戴きました。なんと場所は、生家から200メートル離れた○○川だった。タモを、自転車の後ろに立ててR49を進む4人のガサガサ隊。道行く車窓から、何事かといぶかしそうに我らを凝視するが、そんな事かまっちゃいられない!間もなく到着。川面を覗き込むとすばらしく綺麗な流れが飛び込んできた。各自、ウエーダーを急ぎ身に付けてジャブジャブ川に入り込んだ。直に、わか菜ちゃんの歓声が!!清流定番の、アブラハヤとヨシノボリを発見。賢さんと共に、上流域を探索していた時、川藻を踏みつけたら何かが飛び出した。川底を良く見ると、2年間捜し求めていたカマツカだった。しかしながら、水深は70cm以上有り流れも速い。力を込めて、勢いよくすくい上げた。その結果は?見事にタモ(破損)の中に入りましたよ。間もなくして、今度は幻のアカヒレタビラを確保!清作が遊んだ時も、こんな風だったに違いない!この川は、磐梯山麓から流れ込んでいるが、周辺は家も無く今でも田んぼのまま。いつまでも残したい川のひとつになりました。

猪苗代湖周遊記:イメージ11 猪苗代湖周遊記:イメージ12

「磐梯山トレッキング」
10月は収穫の秋。春に田植えした田んぼで、鎌を手に稲刈りとなった。そして大収穫、の筈だったが、低温の影響で稲穂の実りは軽かった。それでも、黙々と手刈りに励んだ。刈り終えた稲束は、まるってから棒に(棒杭)積み重ねて乾燥させる。この日の作業は午前中で終了。福島県を代表する山は、宝の山と唄われる磐梯山である。その麓には、猪苗代湖が広がっている。最終を記念して、全員で磐梯山に登る事にした。1887年(明治20年)。那須連峰の茶臼岳が突然噴火。翌88年には磐梯山。93年には吾妻山の一切経山。99年には、安達太良山が次々と大爆発を連鎖。この時の磐梯山は、成層火山の末期症状とされる水蒸気爆発を20回近く連続して起こした。大磐梯に次ぐピークである小磐梯の約700m部分を根こそぎ吹き飛ばされた。崩壊した岩盤は30億トンとも言われ、磐梯山の北側に広がっていた旧桧原村南部の森と渓谷が埋め尽くされた。登山口は、裏磐梯側からエコーラインに入った猫魔八方台からだった。紅葉が始まったブナの樹林帯を抜けて、黙々と頂上に向う。最初の30分程は、比較的緩やかな登りだった。木漏れ日から、秋の陽射しが飛び込んでくる。登山口から 40分ほどで、硫化水素の匂いが漂ってきた。中の湯は、現在では営業していないが以前は温泉宿だった。今でも、懇々と温泉が湧き出している。この辺りから、熊笹の緑と高山ツツジの紅葉が一段と鮮やかになってきた。頂上までの道程は、残り一時間。最初は緩やかだった登山道も、徐々に岩場の段差も広がり急勾配に差し掛かってきた。私は、足に持病があるのでゆっくり進む。火口壁が見えるお花畑で、少し休憩を取る。足の裏筋に、マッサージをしていたら明るい陽射しが差し込んできた。ふと見上げると、真っ青の空に磐梯山の頂きがポッカリ空いているではないか。このチャンスを逃す訳には行かない!弘法清水からは、急斜面が続くが30分足らずの距離だった。そして遂に、磐梯山の頂に全員が無事に到達。目的の猪苗代湖も、約70%展望が開けました。次から次と、ガスが吹き抜けていく。半年間の旅の思い出を振り返りながら、いつまでも永遠なれ猪苗代湖を母に持つザッコ達よ。

-DATA-

場所:
福島県耶麻郡猪苗代町
交通:
JR磐越西線猪苗代駅下車、磐越自動車道猪苗代磐梯高原IC~湖畔周回道路
駐車場:
湖畔各所に点在
トイレ:
畔各所に点在
見所:
「世界のガラス館」
所在地…………猪苗代町大字三ツ和字村南1245
開館時間(休日)…8:30~17:30(無休)
料金……入館無料
駐車場の有無…400台
交通…JR磐越西線猪苗代駅からバス10分 , 磐越自動車道 猪苗代磐梯高原IC
問い合わせ先…世界のガラス館 TEL (0242)63-0100

「野口英世記念館」
〒969-3284 福島県耶麻郡猪苗代町大字三ツ和字前田81
TEL 0242(65)2319
東北新幹線郡山乗換え磐越西線猪苗代下車、バス10分、タクシー6分。磐越自動車道・猪苗代磐梯高原インターから国道49号線約5分。
休館日/年中無休(ただし12月29日~1月3日などを除く)
※平成16年は12月13日~12月17日まで臨時休館
開館時間/
4月~10月 午前8時30分~午後5時 (入場は午後4時45分まで)
11月~3月 午前9時~午後4時15分(入場は午後4時まで)
見学所要時間/約40分

三ツ岩岳 2070m

Oct.12-13, 2003 鮮やかな紅葉映える南会津・秘境の山歩き

三ツ岩岳:イメージ1

人も緑も乾ききった東京圏に住んでいる私は、「北方湿原の山」「ブナの森」などという言葉に弱い。夜行日帰りや1泊2日で往復できる福島、栃木、群馬あたりの深山では10月も半ばともなると、毎年見ても飽きるどころか必ず新鮮な感動を与えてくれる見事な紅葉の出迎えを受ける。今年も我慢できずに行って来た。所は福島県南西部。通称「南会津」と呼ばれているエリアである。有名どころでは深田百名山でもある会津駒ケ岳があり、中高年ハイカーを中心に人気を博しているが、その尾根続きのやや北西に、山道の楽しさではけして負けない、しかもずっと静かな山がある。それが今回ご紹介する三ツ岩岳(みついわだけ) 2070mである。

今回は山頂の手前にある避難小屋(無人、12人ほど宿泊可)を利用した1泊2日の行程としたが、健脚の方ならば夜行日帰りも可能であろう。この山は登山口すぐ近くに駐車場や温泉があり、また付近にも見所が多いのでどちらかと言えばマイカー向けである。今回我々もマイカーで登山口へ向かう。東北自動車道を那須塩原ICから国道400号で尾頭峠を越え、上三依(かみみより)で会津西街道に合流。さらに山王峠を越え、会津鉄道の線路をくぐって尾瀬御池方面に進路を取る。高速を降りてから長いのが玉にキズだが、途中のどかな山村や田園風景の中を走ってゆくのでここはドライブを楽しみながら行こう。列車で来るなら会津鉄道・会津高原駅が起点となる。

三ツ岩岳:イメージ2

国道352号をさらに尾瀬方面へひた走り、左に高畑スキー場を見送るあたりから、周囲を切り立った山が取り囲む渓谷の風情となる。冬場の豪雪が偲ばれるスノーシェッド・トンネルが出てくれば、三ツ岩岳登山口の駐車場は近い。バスの停留所もあるが、本数はけして多くないので事前に良く調べる必要がある。スノーシェッドの切れ目から左に分岐して川を渡る車道があり、そのまま進むとすぐにあるのが小豆温泉・窓明の湯。帰りにぜひ立ち寄ろうと心に誓う。周囲はすでに見渡す限りの紅葉、黄葉につつまれ、早くもカメラを引っ張り出す。身支度をととのえたら、スノーシェッド出口からその屋根にあがるスロープがある(写真左手)。これが山道の入口である。国道を渡る際には車に充分気をつけて欲しい。

三ツ岩岳:イメージ3

少しコンクリの屋根の上を歩くと右手に標識と鉄階段があるのでこれを登る。小さな尾根を乗り越え、沢沿いへと出る。この沢は黒桧沢で、しばらくはこの沢沿いの山道を歩いてゆく。まだ登りはきつくなく、時折見える見事な滝の眺めが付近の紅葉と相まって素晴らしい。加えてこの道で特筆されるのは、ブナの巨木の多さである。南会津でも一番のブナ林と評する人もいるが、それも頷けるほどのものだ。新緑の季節もまた良いだろう。ただその頃の山はまだ残雪に覆われているはず、装備を見直さなければならないが。黒桧沢をいったん離れて尾根に取り付き、しばらく登るとまた山腹をぬって歩くようになる。このあたりでは小沢の流れを4~5回渡り越える。都会から水を汲んできた場合はここでおいしい山の水に詰め替えるのも手だ。

三ツ岩岳:イメージ4

小沢地帯を過ぎると、いよいよきつい登りが始まる。水気の多い山なので道は所々でぬかるんでおり、スパッツが欲しいところだ。花の季節は終わったが、ミヤマトリカブトなどの紫系の花がちらほら咲いていたりし、キノコは至るところに出ている。登りがいいかげん嫌になるころ、痩せた尾根に出る。谷筋に目をやれば、黄色の中に真っ赤なカエデが鮮やかに映えて、登りで疲れた身をいたわってくれているようだ。右手から登ってきた旧道を合わせ、更にもうひとふん張り。あたりに笹原が出始め、下向きに枝の出たシラビソなど亜高山帯の木々が目立つようになれば小屋は近い。付近には小規模ながらも池塘(湿原状の池)も見られる。

三ツ岩岳:イメージ5

小屋は小さいが清潔な板張りのログハウスだ。無人であり、無料・無許可で利用できるが、寝具や食事は用意しなければならない。有難いのは小屋のすぐ前にじょろじょろと冷たくきれいな水が出ていること。最後の小沢を渡ってから、延々と登ってきた体に染み入るようだ。山頂はここから道標に導かれて40分、その名のとおり、三つの大岩が順番に出てくる尾根を辿るとやがて到着。360度近く開けた周囲の大展望は、晴れれば思わず歓声を上げてしまうだろう。尾瀬、日光、那須、そして磐梯。飯豊の山々まで見える。存分に眺めを楽しんだら、滑りやすい木道に気をつけながら小屋へ戻ろう。

三ツ岩岳:イメージ6

翌日、下りは行きの道をそのまま戻っても良し、途中の分岐から旧道(尾根沿いコース)にとれば更に変化をつけることができる。大雨の際には沢沿いは危険なので、必ずこの尾根コースから下山するようにしたい。今回我々は天気が怪しかったこともあって旧道を取った。旧道の下山地点からスタート地点の小豆温泉口までは国道を歩いても10分ほどである。駐車場に帰り着いたらぜひ温泉に寄って汗を流していこう。我々は更に車で桧枝岐に出て、名物の裁ちそばを賞味して来た。村は11月になれば「新そば祭り」で再び賑わう。いつの日かその時にも訪れて見たい。

-DATA-

場所:
福島県南会津郡檜枝岐(ひのえまた)村
該当地形図:
桧枝岐、内川(国土地理院2万5千分の1)
タイム:
小豆温泉登山口(1時間45分)→旧登山道分岐(1時間40分)→避難小屋(40分)→山頂(30分)→避難小屋(1時間20分)→旧登山道分岐(1時間30分)→小豆温泉登山口
総歩行時間:7時間25分 ※休憩含まず
サブルート:
避難小屋から尾根を北へ向かうと窓明山、1842mまで縦走できる。下山は家向山を経てこれも国道352号まで降りることができる。道自体は危険な個所も無いがかなりの長丁場となるので健脚者向き。
交通:
公共交通利用の場合は会津鬼怒川線・会津高原駅から会津バス、もしくはタクシー。連絡にもよるが、東京圏からだと5~6時間かかる。詳細は檜枝岐村のホームページで調べられる。マイカーだと東北道・那須塩原ICから国道400号~352号と尾瀬御池方面へ走る。現地での機動性を考えるとマイカー有利だが、高速を降りてからが長い。下調べと体調管理はしっかりと。
トイレ:
いったん山に入ると皆無なので、なるべく近くの小豆温泉「窓明の湯」で済ませておく。避難小屋にもない。止むを得ぬ場合でも水場周辺を汚さないようにしたい。
水場:
アプローチで小沢をいくつかまたぐ。避難小屋の前にも冷たくておいしい水が出ている。もちろん事前に水筒は満たしておくこと。
必要装備:
高低差のある本格的な山道歩行なのでトレッキングシューズ以上の足ごしらえが必要。雨具・防寒着はいかなる登山でも必ず。小屋泊まりの場合は寝袋・マット・調理具などが必要。長めの道のりでもあり、小屋前の水は枯れている可能性も考慮し、1.5Lほどは持参したい。日の短い秋は特にヘッドランプを忘れずに。
登山適期:
6月~11月。7月までは残雪がある。紅葉は10月半ばが最盛。11月になると降雪を見ることも。
最寄りの温泉:
小豆温泉「窓明の湯」。小豆登山口、駐車場のすぐ近く、伊南川を渡ってすぐ。大人850円。近代的な作りで食事処を併設、特産品も買える。
周辺の立ち寄りスポット:
国道352を尾瀬方面へもう少し進むと秘境・檜枝岐村。100名山の会津駒ケ岳登山口でもある。民宿多数。そば処も多く、つなぎを使わない裁ちそばが美味、ぜひ賞味したい。
桧枝岐村のHP
http://www.hinoemata.com/oze/

秋の栂池自然園

Oct.6, 2003 ゴンドラリフトで訪れれる雲上の紅葉

秋の栂池自然園:イメージ1

スキーゲレンデとして有名な栂池高原はTSUGAIKE-KOGENと書いた方が、通りが良いかも知れない。冬の方が訪れる人の多いのだが、夏の避暑地、夏から秋にかけての白馬岳への登山口でもある。白馬岳方面に登るには、スキーヤーのために作られたゴンドラリフト・イブとロープウェイを乗り継いで行く。そして、ロープウェイを降りた登山口の南側に広がっているのが、栂池自然園である。白馬岳へはロープウェイ”栂池パノラマウェイ”の終点”自然園駅”から天狗原、白馬乗鞍岳を経て登っていくが、白馬乗鞍岳と栂池高原のほぼ中間点に広がっている台地状の部分に湿原が形成されており、そこが栂池自然園として、歩きやすいように整備されている。

秋の栂池自然園:イメージ2

標高820mの栂池高原からゴンドラリフトとロープウェイに乗って、眼下の森を見ながら昇って行く。木々の紅葉がふもとから、だんだんと色が濃くなっていくのが分かる。自然園駅に着くと、冷たい空気が体を包む。標高1,829mのここは、栂池高原との1,000mの標高差の分、気温が低く、関東あたりとは1ヶ月は気候が違く感じる。舗装された坂を少し歩くと、小蓮華山・白馬岳への登山道を右に分け、すぐに栂池自然園入口に立つ2軒の山小屋がある。山小屋2軒の先に、栂池自然園ビジターセンターがあり、ここで入園のチケットを買って、栂池自然園に入っていく。自然園は入口から順に4つの湿原があり、それぞれの特徴から名前が付いている。ミズバショウ湿原、ワタスゲ湿原、浮島湿原、展望湿原という名前である。ミズバショウ湿原は雪解けの始まる6月にミズバショウが咲くが、秋にはまったく面影が無く、湿原で目立つのは果穂が枯れ、葉が赤いチングルマくらいである。木々は葉が赤や黄に染まっている。湿原を囲むように一周出来る木道が2本敷かれており、ゆっくりと景色を楽しむことが出来る。

秋の栂池自然園:イメージ3

ワタスゲ湿原の方へ進むと土の上を歩くようになり、少し登るようになる。左側に風が吹き出ている「風穴」があって、林の中を抜けて木の階段を登って行くとワタスゲ湿原に出る。湿原はクサモミジにおおわれているが、ところどころに背が50cmくらいのニッコウキスゲが枯れた状態で残っていて、夏に咲かせた黄色の花は実を結んでいる。ワタスゲ湿原からは、白馬岳・杓子岳・白馬鑓ヶ岳が見えるのだが、今日は霧が出てきて山々は見えない。ワタスゲ湿原を端まで歩いて、今回は楠川の手前で引き返すことにした。楠川を渡って、先へ進むと天気が良ければ展望湿原からは白馬大雪渓や白馬岳がよく見えるので時間があれば歩いてみることをお勧めする。

秋の栂池自然園:イメージ4

ロープウェイとゴンドラリフトで眼下の紅葉を再び楽しんで、栂池高原へ降りるが、ゴンドラリフトの降り口”高原駅”の駐車場脇に「栂の湯」という温泉がある。内風呂の他に露天風呂があり、降りてきてすぐに温泉で暖まりつつ、疲れを取ることが出来る。栂池高原の宿泊街には、温泉があって泊まることも出来る「元湯栂の森」もある。また、栂池高原とその周辺にはホテルやペンション等の宿泊施設も多く、トレッキングの翌日は観光をするという組み合わせも楽しめる。

-DATA-

場所:
長野県北安曇郡小谷村
タイム:
計3時間45分
自然園駅-栂池自然園入口:10分
栂池自然園入口-風穴:15分
風穴-楠川:20分
楠川-浮島湿原:25分
浮島湿原-展望湿原:45分
展望湿原-浮島湿原:40分
浮島湿原-楠川:25分
楠川-風穴:20分
風穴-栂池自然園入口:15分
栂池自然園入口-自然園駅:10分
鉄道・バス:
1.新宿始発の中央線を走る夜行の急行「アルプス」、昼間の特急「あずさ」で白馬駅または白馬大池駅下車。栂池高原行バスに乗り終点下車
2.東京、上野、大宮などから長野新幹線で長野下車、白馬方面行きの高速バスにて栂池高原下車。
3.新宿始発の中央線を走る夜行の急行「アルプス」、昼間の特急「あずさ」で白馬駅または白馬大池駅下車。栂池高原行バスに乗り終点下車
車:
関東、中京、近畿方面からは中央高速を利用、岡谷ジャンクションから長野道に入り、豊科インター下車、国道147、148を北上。小谷村に入り、国道148号上のの 「栂池高原スキー場 栂池自然園」 の標識に従い、左折。約10分でゴンドラ乗り場駐車場に着く。
鉄道・バス・車 共通:
栂池高原から栂池パノラマウェイのゴンドラリフトとロープウェイに乗り継ぎ、約40分で自然園駅着
駐車場:
ゴンドラ乗り場駐車場
自動販売機:
ビジターセンターに有り
水場:
自然園内の楠川近くに有り
トイレ:
ビジターセンター、自然園内の楠川近くに有り
携帯電話:
ビジターセンター近くのみ通話可能

蝶ヶ岳・常念岳縦走

Oct.03-05, 2003 槍・穂高連峰を望むパノラマ縦走

蝶ヶ岳・常念岳縦走:イメージ1

北アルプスの中でも常念岳は槍ケ岳や立山ほど派手ではないが、そのピラミダルでどっしりとした山容は重々しく存在感のある山である。日帰り登山の場合はヒエ平からが多いが、縦走ならば燕岳からの表銀座コース、もしくは蝶ヶ岳からのコースがある。どちらの縦走コースも展望に優れているが、今回は喧騒の上高地から蝶ヶ岳・常念岳、そしてヒエ平へと下るコースをとった。今回は、初日は横尾で一泊し、蝶ヶ岳で泊まらないので体力的には比較的きついと思われる。また、稜線ではアップダウンの多いコースである。注意すべき点は特別ないが、常念岳山頂付近はガレ場の連続で、視界不明時には要注意である。また、下山道である一の沢は早い時期だと雪渓が残っている。

蝶ヶ岳・常念岳縦走:イメージ2

工事中の釜トンネルを過ぎてお馴染みの上高地バスターミナルである。相変わらず登山客・観光客でごった返しており、夏のハイシーズンは都会並の混雑である。今回はここへアプローチしてその日に横尾山荘まで行くため、上高地散策を次の機会に委ねて先を急ぐ。河童橋からは穂高岳が天を突くように聳えている。河童橋から小梨平へ入れば人影はぐっと少なくなる。ほとんど平坦な林道を豊かな木々に囲まれながら明神館に到着。左手の鋭い峰は明神岳である。ここから分岐を北にとれば明神池がある。ここからさらに1時間、水の沸く澄んだ池を見ながら平坦な道を行く。晴れていれば、途中で遥か向こうに常念岳と蝶ヶ岳が望めることだろう。徳沢園はきれいな山小屋で、キャンプ場は実に広々としている。さらに1時間少々、梓川を左手に新村橋を見送ると横尾山荘に到着。赤い吊橋の向こうには屏風岩、前穂高岳が近い。横尾山荘のお風呂は小さいが、今夜は体を温めて明日に備えよう。

蝶ヶ岳・常念岳縦走:イメージ3

山荘の北側に槍沢方面と蝶ヶ岳方面の分岐がある。道を左に取り、笹に覆われた樹林帯を蝶ヶ岳へ登りだす。30分も登れば槍見台であり、涸沢カールと奥穂高岳、槍ケ岳が望める。再び樹林帯で展望の利かない登りだが、地図上よりは傾斜が緩いように思える歩きやすい道である。途中ゴゼンタチバナが終始実をつけており、気が付けば森林限界で、いきなり稜線に飛び出す。稜線に出れば風が強いので気をつけたい。西には槍・穂高連峰の大パノラマ、涸沢カールが紅葉しているのも確認できる。南西には焼岳や霞沢岳、その奥に大きく乗鞍岳と御獄山が印象的である。南南東には南アルプス、北岳の三角錐が飛び出ているのですぐにそれと分かる。南東には横に長い八ヶ岳連峰、台形状の蓼科山(たてしなやま)が自己主張をしている。その手前には少し標高を落として美ヶ原。山頂の王ヶ頭(おうがとう)に電波塔が立っているのが分かる。東には浅間山が大きく、その北側をたどればちょんと尖った雨飾山(あまかざりやま)が目立つ。

蝶ヶ岳・常念岳縦走:イメージ4

広大な稜線を歩き出せば、すぐに蝶ヶ岳三角点である。北には手前に飛び出た蝶槍、その奥には常念岳がどっしりと構えている。蝶槍は普通巻いて通過するが、何の問題もなく山頂を踏めるのでそのまま行こう。ここから再び樹林帯へ急降下、標高差約200弱の下りだ。下りきった鞍部は広くなっており、ここからまた登り返すと2,592mピークである。場所が広いのでこの日はここで横尾山荘のお弁当(なんとパン!)を食べた。この日は槍穂側から強い風とともに雪に吹かれた。樹林帯をさらに下って登り返せばすぐに視界が広がり、常念岳の岩礫帯の始まりである。小さな丸いピークを越せば常念岳最低鞍部に下り立つ。ここは比較的狭いので休憩せずに、山頂まで標高差約400mの登りに取り付く。道は浮石だらけ、右側はすっぱりと切れ落ちているが技術的にはさほど心配はない。足元に気をつけて登れば祠が出現、常念岳山頂である。山頂はとても狭いが、西には裏銀座(野口五郎岳、その奥に鷲羽岳と水晶岳)の稜線、手前に大きいのは大天井岳(おてんしょうだけ)、そこから北にのびて、分かりにくいが燕岳(つばくろだけ)。北側の目の前の山は横通岳(よこどおしだけ)である。山頂からは再度岩礫帯を50分ほど常念小屋まで下る。山頂から小屋はずっと確認できるので安心だ。下りの傾斜が緩くなって岩場がなくなれば常念乗越に建つ常念小屋に到着。常念乗越は風の通り道なので風が強いことがしばしばである。小屋泊まりなら夕食は通常ボリューム満点のご飯だ。

蝶ヶ岳・常念岳縦走:イメージ5

翌朝、晴れていたので常念小屋の食堂テラスからモルゲンロート(朝焼け)に染まる槍ケ岳連峰が素晴らしかった。小屋から出て、反対側の東からは日の出が素晴らしい。辺りは昨日の晩まで降りつづけた雪が薄く積もっている。常念乗越から30分急な坂をジグザグに下れば一の沢に出る。「最後の水場」と書かれた看板がある。ここから少し沢を高巻いて再び沢に下れば胸突き八丁。早い時期ならこの辺から雪渓が残っている。さらに1時間半右手に沢を見ながら河原を下れば王滝に着く。おいしい天然の清水が流れている。ここから樹林帯に深く入り、しばらく下ると大きなトチの木の下に鳥居がある山の神を過ぎ、そこから20分も行けばヒエ平にゴールする。ヒエ平にはトイレと水道、登山指導所がある。

写真の説明
1枚目:常念小屋からモルゲンロートに染まる槍ヶ岳
2枚目:常念小屋から日の出を望む。中央奥は浅間山
3枚目:明神手前から見上げた明神岳
4枚目:蝶ヶ岳三角点から蝶槍(中央手前)、常念岳(右)と大天井岳(左)
5枚目:2,592mピークから望む常念岳
6枚目:一の沢(最後の水場付近)

-DATA-

場所:
長野県南安曇郡安曇村・穂高町
タイム:
1日目:上高地バスターミナル(1時間10分)→明神館(1時間)→徳沢(1時間10分)→横尾 
  計3時間20分
2日目:横尾(30分)→槍見台(2時間40分)→蝶ヶ岳稜線(10分)→蝶ヶ岳三角点(10分)→蝶槍(1時間30分)→2,592mピーク(1時間)→最低鞍部(1時間40分)→常念岳(50分)→常念小屋
  計8時間30分
3日目:常念小屋(30分)→最後の水場(20分)→胸突き八丁(1時間30分)→王滝(50分)→山ノ神(20分)→ヒエ平
  計3時間30分
交通:
上高地:高速バスは東京、横浜、大阪、京都、名古屋、長野から出ている。マイカーなら長野自動車道松本ICから国道158号に沿って沢渡に駐車する。そこから先の上高地公園線はマイカー通行止めのためタクシーかバスを利用。新島々駅からバスで1時間20分。夏期なら本数は多い。高山側から入るなら同じく国道 158号線を走って平湯に駐車してバスで行く。
ヒエ平:バスはない。タクシーなら豊科駅まで40分。マイカーなら長野自動車道豊科ICから国道147号線を通過して細い道から山道に入る。
駐車場:
上高地沢渡は1,500台、ヒエ平は無料で35台程度。
トイレ:
上高地バスターミナル、小梨平、明神館、徳沢、横尾、常念小屋、ヒエ平
宿泊:
上高地(ホテル数件)、明神館、徳沢園、横尾山荘、常念小屋
幕営地:
小梨平、徳沢、横尾、常念乗越
携帯電話:
横尾:不可
常念乗越:可

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