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« 越後駒ヶ岳トレッキングレポート:トップページ槍ヶ岳3,180m(上高地コース) »

表大雪縦走(層雲峡・黒岳~トムラウシ山)

Jul.28-Aug.1, 2003 高山植物咲き乱れる日本最大の国立公園

5年前にも表大雪は北海道最高峰である旭岳からトムラウシ山まで縦走したが、今回は層雲峡(そううんきょう)・黒岳からアプローチした。黒岳も旭岳と同じくロープウェーを利用して高度を稼ぐことができるが、黒岳からの行程の方が時間的にも標高差的にも楽である。近年、表大雪では中高年の登山者が急激に増えたが、その山容の雄大さのため遭難事故も目立つ。北海道の山はヒグマの存在や山小屋・登山道・標識の不十分さなどから、北アルプスなどと異なった危険性を持つ。登山経験が薄ければこの縦走コースは避けたほうが良いだろう。また、どの山にも言えることであるが、単独登山も勧められるものではない。往復ロープウェー利用の黒岳から旭岳縦走の銀座コースならば比較的初心者でも安心である。また、北海道の山はトイレも十分ではないため、環境を考慮して携帯トイレを持つことをお勧めする。

表大雪縦走:黒岳8合目上部からマネキ岩とミヤマシシウド

層雲峡までは旭川駅から道北バスで2時間弱の行程である。層雲峡には何軒かのロッジ、テントサイトもあり、ここで宿泊してから翌朝出発するのが望ましい。シーズン中混雑したロープウェイ駅を出発し、約7分で黒岳5合目に到着。5合目駅には売店や綺麗なトイレもあり、駅周辺は高山植物が植えられている。数分歩いて黒岳ペアリフトに乗り、15分もすると7合目に着く。7合目登山事務所に入山届を提出し、広場で体操してから出発する。初めからやや急な登りが山頂まで続くが、高山植物が山頂に近づくにつれていくつも顔を出す。チシマノキンバイソウ、ミヤマキンポウゲ、エゾウサギギク、ウコンウツギ、マルバシモツケ、ホソバイワベンケイなど、登山者を飽きさせない。行く手にマネキ岩が見えたら8合目である。7合目から1時間ちょっともすると黒岳山頂に到着し、野生のリスが迎えてくれる。西には北鎮岳、南には北海岳が近く、遠く南西には白雲岳が望める。北に振り向けばニセイカウシュッペ山が雄大である。

表大雪縦走:北海沢付近のエゾコザクラの大群落

黒岳から黒岳石室までは15分ほど下る。途中にはエゾコザクラ、エゾツガザクラ、イワウメなど背の低い高山植物が美しい。石室には素泊まり・テント泊まりも可能でトイレもあるので済ませておこう。緩やかに南に下って赤石沢・北海沢を渡渉し、雪渓を横に見ながら急な登りに取り付く。ロープの周りはエゾコザクラの大群落である。高度を稼ぐと見晴らしも良くなり、チシマユキノシタやチシマクモマグサ、チシマツガザクラなども見られる。少しトラバース気味に登ってイワブクロに挟まれた稜線を登ればもう北海岳である。強い風を受けながら南西に旭岳を望む。南にはこれから行く忠別岳、五色岳、化雲岳、そしてその後にはギザギザしたトムラウシ山が聳え立つ。天気がよければその右に十勝連峰も望めることだろう。広大な北海平へ緩やかに下り、キバナシオガマを見ながら白雲岳分岐に着く。余裕があればザックをおいて白雲岳へ往復一時間で行ってこよう。途中にある白雲平はあまりにも広大で驚く。分岐から白雲岳避難小屋までは急な下りを20分ほどである。

表大雪縦走:ヒサゴ沼避難小屋からヒサゴ沼

小屋からはハイマツ帯を少し下り、ただっ広い高根ヶ原の楽しい行程が始まる。途中にはホソバウルップソウ、チシマゲンゲ、そして見渡す限りのコマクサの大群落が楽しめる。しかし高根ヶ原は天気が悪ければ風も強く、視界が利かないとルートが分かりにくいので注意する。しばらくいくと突然忠別沼が現れ、ひと時の湿原を楽しむ。7月ならばワタスゲやエゾゼンテイカが咲いている。やや緩やかに忠別岳を越え、左手に忠別岳避難小屋を見送ると激しいハイマツ帯の始まりだ。ここから五色岳の山頂まで嫌になるほどずっと1~2メートルのハイマツ帯である。山頂を越えても化雲岳分岐手前までハイマツに体力を奪われる。ハイマツが終わると木道が敷かれた湿地帯となり、クロユリやミヤマオグルマ、ホソバノキソチドリなどが登場する。化雲岩を備えた化雲岳に着くと周辺に珍しいエゾルリソウも咲いている。雪渓を越えて木の階段を下ればヒサゴ沼避難小屋だ。ここは白雲岳避難小屋と違って管理人がいないから小屋のスペースは早い者勝ちである。沼から東側には東大雪系の石狩岳やニペソツ山が大きい。

表大雪縦走:ロックガーデン上部から化雲岳(左)、五色岳(右)、旭岳(奥)と私

小屋から雪渓と岩礫地を越えて分岐を通過し、少し登ると小さな沼が点在する日本庭園である。イワイチョウ咲く天沼を過ぎるとナキウサギの声が聞こえてくる。ルートの分かりにくい急登のロックガーデンを慎重に登るトムラウシ山が近い。少し下れば北沼、そこから山腹をトラバースして回りこむとトムラウシ山頂だ。岩がゴロゴロして狭いので気をつけよう。山頂から遥か北は旭岳も懐かしく、南には十勝連峰が迫る。目を凝らせばその向こうに芦別岳(あしべつたけ)や後方羊蹄山(しりべしやま)まで見渡せる。急な下りを南沼キャンプ地まで、そこからトラバースしてお花畑を過ぎて広いトムラウシ公園まで急降下する。少し登り返して岩場を過ぎると前トム平、ここで一休みしたら500メートル近くこまどり沢まで一気に下る。途中残雪もあるし、増水時の沢は危険である。だらだら長い下りが終わると、足場の悪い登りが始まる。ここからカムイ天上まで地図上ではほとんど登っていないが、実際は泥道をかなり登る。カムイ天上からもやや足場悪く、笹に囲まれて下ってゆく。エゾマツなどが目立つようになると足場も安定してきてゴールのトムラウシ温泉である。キャンプ場はここから林道を右に 20分ほど、国民宿舎ならすぐ左だ。ここの温泉は大きいので気持ちよく汗を流そう。

-DATA-

場所:
北海道上川町・美瑛町・上士幌町
タイム:
1日目:黒岳7合目(1時間20分)→黒岳(15分)→黒岳石室(1時間30分)→北海岳(1時間20分)→白雲岳分岐(35分)→白雲岳(25分)白雲岳分岐(20分)→白雲岳避難小
計5時間45分
2日目:白雲岳避難小屋(1時間)→高根ヶ原分岐(2時間)→忠別沼(40分)→忠別岳(45分)→忠別岳避難小屋分岐(1時間10分)→五色岳(1時間20分)→化雲岳(1時間)→ヒサゴ沼
計7時間55分
3日目:ヒサゴ沼(35分)→ヒサゴ沼分岐(35分)→天沼(1時間40分)→北沼(20分)→トムラウシ山(15分)→南沼キャンプ指定地(1時間)→トムラウシ公園(30分)→前トム平(2時間)→カムイ天上(2時間15分)→トムラウシ温泉
計9時間10分
交通:
層雲峡:
バスは旭川駅から1時間50分、上川駅から30分。マイカーなら道央道旭川鷹栖あたりで降りて国道39号線を走る。 トムラウシ温泉:
バスは夏期のみ新得駅まで1時間40分。マイカーなら国道38号線を新得から十勝ダムを越えて林道に入る。
駐車場:
層雲峡は150台ほど、トムラウシ温泉は50台程度。
トイレ:
層雲峡、黒岳5合目、黒岳石室、白雲岳避難小屋、忠別岳避難小屋、ヒサゴ沼避難小屋、トムラウシ温泉
宿泊:
層雲峡(民宿数件)、黒岳石室(有人避難小屋)、白雲岳避難小屋(有人避難小屋)、忠別岳避難小屋(無人)、ヒサゴ沼避難小屋(無人)、トムラウシ温泉東大雪荘(ロッジ)
幕営地:
層雲峡、黒岳石室、白雲岳避難小屋、忠別岳避難小屋、ヒサゴ沼避難小屋、南沼キャンプ地、トムラウシ温泉

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