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天狗岳2645m(しらびそ小屋~東天狗)

Dec.15-16, 2002 北八ツ雪山あそび

天狗岳2645m(しらびそ小屋~東天狗):イメージ1

八ヶ岳の北東麓、シラビソの林をたどる古いトロッコ道に小さな足跡が続いている。ミドリ池しらびそ小屋の番犬、キチのものだ。通年営業の小屋はこの時期、スノートレッキングを楽しむ人たちで賑わい、彼は姉さん株のラッキーと共に大勢のお客の接待で忙しくなる。裾野が広く、緩やかなルート上に多くの山小屋が点在する北八ヶ岳は、冬山の入門コースとして有名なのだ。私も山歩き2年目のクリスマスを、連峰中央に位置する天狗岳で過ごすことにした。

天狗岳2645m(しらびそ小屋~東天狗):イメージ2

今回は佐久平側から入り、しらびそ小屋で1泊するオーソドックスなコースを選んだ。佐久市内から登山口の稲子湯まで車で1時間半。電車ではJR小海線松原湖駅で降りるのが近い。この場合バスは冬期(11月末~4月末)運休なので、駅からタクシー利用となる。稲子湯前の無料駐車場に車を止めて、シャクナゲ尾根との分岐まで約30分歩く。分岐手前の林道ゲート付近に10台ほどの駐車スペースがあるが、雪道をのんびり行くのもいい。静謐な空気の中で、少しずつ気持ちが下界から離れていく。

天狗岳2645m(しらびそ小屋~東天狗):イメージ33

ゲートを越え唐沢橋を渡った所で、林道から尾根道に入る。急ではないがアイゼンがあった方が無難だろう。標高の低い登り口は、日中に降った雨ががちがちのアイスバーンになっていることがある。沢伝いに1時間半、時折梢から落ちてくる雪片を降り仰ぎながら登っていくと、ミドリ池キャンプ場の案内板にたどり着く。標高は2097m。やがて現れるのは、積み重ねられた薪とのどかに上る煙突の煙、いかにも暖かげな山小屋だ。天気が良ければ、ミドリ池の向こうに横たわった天狗の顔―東天狗岳が目前に見える。

天狗岳2645m(しらびそ小屋~東天狗):イメージ4

今井行雄さんは昭和44年に兄の跡を継いで以来、この場所を守り続けている小屋の2代目あるじ。息子の孝明さんに少しずつ仕事を任せるようになってからは、ほかの山に登る機会もできたが、以前は麓の自宅にさえ年に2、3度帰るか帰らないかという生活だったという。鳥やリスたちのえさ台を作り、環境保護のために小屋のし尿問題にも取り組む…。常連客にとっては、そんなご主人とストーブを囲んで話をするのも楽しみの1つ。今年5月に孝明さんが結婚し、話の種がまた増えた。

2日目、不要な荷物を小屋に置いて、天狗の頂きに向かう。空身のアタックで所要時間は約2時間半。天候や時間の都合で登頂できない時は、1時間コースに変えて、雲上の秘湯・本沢温泉へ行くこともできる。中山峠から高見石へ向かう道の右下には「稲子の凹地」と呼ばれる奇勝地があるし、峠を越えて黒百合平に遊ぶのもいい。これなら峠までは山頂アタックと同じルート。上質のスノーパウダーを踏みしめ樹林帯を行く、雪山遊びの醍醐味は変わらない。途中、右手に稲子岳の絶壁が望める。

天狗岳2645m(しらびそ小屋~東天狗):イメージ5

中山峠を右に折れて稜線に出ると、風雪が一気に厳しくなる。きれいな十字架の形をしていたコメツガの着雪が、ここでは斜めに傾いだ状態だ。やがてコメツガ自体がシャクナゲやハイマツの低木に変わり、森林限界を超える。黒百合平への帰路を右に見ながら岩礫帯の急登を過ぎれば、すぐそこが東天狗の山頂。後方にまろやかな北八ツの峰々が続き、前方に主峰・赤岳の威容が迫る。八ヶ岳連峰ど真ん中を実感できる屈指の場所だ。今回その景観は厚い雲に覆われていたが、わずかながら諏訪の町並みを覗くことができた。

天狗岳2645m(しらびそ小屋~東天狗):イメージ6

帰り道で休憩を取りたい時は「天狗の路地」を通って黒百合ヒュッテまで40分足らず。一服した後、峠を越えて元来た道を戻る。しらびそ小屋では今井さん夫婦が、熱いお茶を入れて出迎えてくれた。このあと稲子湯の柔らかい湯に浸かれば、ひと足早いクリスマストレッキングはおしまいだ。犬たちに別れを告げ、足裏で鳴る雪の感触を惜しみながらシラビソの林を下っていく。

-DATA-

場所:
長野県茅野市-南佐久郡小海町
タイム:
稲子湯-30分-白駒林道ゲート-1時間-丸太橋-30分-しらびそ小屋
しらびそ小屋-1時間10分-中山峠-1時間-東天狗岳(2606m)-40分-黒百合ヒュッテ-5分-中山峠-50分-しらびそ小屋
駐車場:
稲子湯下無料駐車場15台、白駒林道ゲート前20台。
このほか稲子湯の有料駐車場を1日300円で利用できる。
トイレ:
あり(しらびそ小屋)
参考:
料金:素泊まり4200円、1泊2食7300円、休憩200円、テント泊500円
電話:0267-96-2165

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