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四季の森公園

Aug.31, 2002 谷戸の自然が残る

四季の森公園:イメージ1

神奈川県立四季の森公園は、横浜市緑区の、住宅街の中にある。谷戸の起伏ある地形と自然の植生を生かした、約36haの大きな公園だ。中山駅南口から、商店街をぬければほどなく、「県立四季の森公園」の立て札がたったプロムナードにたどり着く。ここを10分ほど歩けば公園入口へ到着。このアクセスのよさは魅力の一つだろう。入口近くにはビジターセンターと管理事務所があり、園内の地図は、管理事務所でもらうことができる。受付の窓をあけて、地図をもらったら、ついでに管理事務所の方に、公園のことを色々尋ねてみるのもよいだろう。うるさいほどのセミしぐれの中、カルガモが泳ぐ池を横目に歩き出すと、「じゃぶじゃぶ池」に到着。ごく浅い流れになっていて、小さい子供の水遊びにはもってこいだ。この日は夏休み最後の土曜日とあって、親子連れでにぎわっていた。

四季の森公園:イメージ2

さらに進むと、「ふるさとの森入口」とかかれたコンクリートのトンネルが出現。これは入ってみるしかない。トンネルを抜けるとそこは・・・下り坂。どんどん下ると、やがて目の前に田んぼが広がった。周囲にはカキやウメなどの木が植えられ、手押しポンプの井戸もあり、昔ながらの田園風景を再現していることが分かる。この井戸は実際に水も出るが、飲むことはできない。周囲はシラカシなどの常緑樹が目立つ。道は舗装されているが、自然林の中を散策しているような雰囲気を味わうことができる。田んぼでは、秋には収穫祭も行われるとのこと。

四季の森公園:イメージ3

階段を上り、「山の広場」から反対側へ下ると、「さくらの谷」がある。様々な種類のサクラやナツツバキなどがまばらに植えられた芝生の広場で、さきほどの田んぼとはガラッと雰囲気が変わる。初冬から春にかけては、早咲きから遅咲きまで色々なサクラを楽しめるとのことだが、夏にここを歩くのは少し暑い。芝生の上で日光浴をしている人が1人いる以外、全く人気もない。「もりの連絡橋」を渡り、展望台広場へ。ここには売店があり、飲み物やお菓子を購入できる。展望台にものぼってみた。富士や丹沢の山並みや横浜の市街地が見渡せる、と地図の裏のガイドにある。今日は残念ながら富士山は見えない。この展望台の近くには、子供に人気の「ジャンボすべり台」がある。斜面にそって、木々をぬうように設置された、長い鉄製のすべり台である。下に何か敷いてすべらないと、お尻が痛くなるようで、子供たちは各々ダンボールなどを持って順番を待っている。そんな光景を尻目に、階段を下っていく。

四季の森公園:イメージ4

これで公園のほぼ半分を回ったことになる。今度は、入り口に戻り、池沿いの木道を歩いていく。道沿いにはダリアやコスモスなどが植えられている。ヤマブキも咲いている。池のカルガモは子供たちや年配の来園者の人気の的になっているようだ。やがて一面にアシが生い茂っている「あし原湿原」へ。ここは水辺の昆虫やカエル、野鳥などの生息地になっていて、6月にはホタルの乱舞する姿が見られるとのこと。ザワーとアシが風にゆれる音も、おもむきがある。湿原をぬけたあたりから、舗装路ではなく、ウッドチップをしいた道となり、雑木林の中を歩いているような心地よさが感じられるようになる。

四季の森公園:イメージ5

キブシ、エノキ、カツラなどの木々が茂る、涼しい林の中を抜け、「不動の滝」へ。ここはかつて農業用水として利用され、1807年にはクリカラ不動尊をまつって、神聖な場所として保護されていた、と解説版にあった。不動尊は慈眼寺という寺に移されたが、公園の造成とともに滝は復元され、現在に至っている。今日は水が枯れており、「滝」が見られなかったのが少し残念。その先にあるちびっこ広場から折り返すと、クヌギやコナラの林となる。この公園では林をシラカシ中心の「自然林ゾーン」と、クヌギ・コナラ中心の「里山ゾーン」に分けて管理しているとのこと。そしてこの「里山ゾーン」では、定期的に除伐や下草刈り、落ち葉かきなどの手入れをしているそうだ。炭焼き小屋では、炭焼きの体験学習も行われる。炭焼き小屋近くには水車小屋もあり、雰囲気を出している。

四季の森公園:イメージ6

この公園は、大雑把に見れば、3つのゾーンに分けられているように感じる。東側の自然林と田んぼのゾーン、中央付近のファミリー向け広場、そして、大きな面積を占める中央から西側の、雑木林と里山のゾーンである。ショウブ園をはじめ、園内にはサクラ、ウメ、ツツジなど花を楽しめる場所も随所にあり、季節を変えて何度も訪れるのも、楽しみの一つだろう。ふるさとを訪れるような気持ちで、足を運びたい公園だ。

-DATA-

場所:
神奈川県横浜市緑区
交通:
JR横浜線中山駅南口より徒歩15分
駐車場:
南口近くにあり(利用時間は8:30から17:00まで)
トイレ:
7ヶ所(うち身障者用5ヶ所)
タイム:
3時間10分
行 程:
北口広場-じゃぶじゃぶ池-ふるさとの森入口:20分 ふるさとの森入口-清水の谷(田んぼ)-さくらの谷:40分 さくらの谷-もりの連絡橋-展望台-池:40分 池-あし原湿原-不動の滝:50分 不動の滝-水車小屋-北口広場 40分
売店:
展望広場近くにあり(飲み物、菓子)
自動販売機:
北口広場管理事務所近くにあり(飲み物)

大宰府天満宮

Aug.17, 2002 万緑の都府楼を歩く

2001年の大河ドラマで話題になった博多だが、元寇時戦火に焼かれ後退した鎌倉幕府軍が最後の決戦場として想定したのがこの太宰府であった。なぜならば、本来は太宰府はそのために作られたのだから。元々、太宰府は大陸からの交易の監視や九州の監督の為に作られ、海岸に直接上陸されたら何もできない博多をさけて少し内陸の筑紫野の大地に作られたのが太宰府である。さらに当時の大和朝廷が663年の白村江で負けると一躍防衛拠点として整備が進められ、長大な防壁が太宰府前面に築かれることとなった。この防壁を水城という。今日は、ここから太宰府まで遥かな歴史浪漫を求めて歩いてみようと思う。

大宰府天満宮:イメージ1

残暑厳しいが、澄み渡った空。水城跡から博多方向を眺める。昔は、この水城から海岸線が見えたというが、今見えるのは九州自動車道の長大な橋けたのみ。水城そのものも、1300年以上の年月を経て緑の防塁となっている。この水城がある種都市化の防壁みたいになっていたのだが、近年の開発はこの水城を越えて筑紫の大地を犯し出している。旧国道三号線は今でも生活道路として車の往来が多く、冬の受験シーズンになると太宰府天満宮へのアクセス道路として大渋滞になる。この旧国道三号線から太宰府消防署を左折すると、史跡も多く保護区に指定されているからだろう。急に緑が広がる。さらに緑の道を進むと、まず見つけるのが都府楼跡である。

大宰府天満宮:イメージ2

都府楼、つまり太宰府政庁はすこし街道から外れたところに作られている。かつてはここが九州および西国の中心として栄えた場所なのだが、今残るのは壮大な政庁跡のみ。それがまた、太古のロマンをかきたてる。ここは、近隣住民の憩いの場所ともなっており犬を連れて散歩をしている者やジョギングをする姿が見える。彼らのほとんども、この都府楼から太宰府天満宮に向けて行くというから地元では有名な散歩コースなのだろう。そのまま歩いて15分もすると西鉄太宰府駅に着く。太宰府天満宮へのアクセスとして作られた西鉄太宰府線だが、今では生活線路としてもこの地に根付いている。

この太宰府駅前から太宰府天満宮まで門前街が広がっている。太宰府天満宮は元々政争に敗れて太宰府に左遷された菅原道真を天神様として祭ったものだが、何しろ祭られるほどだから本来天神様は祟り神としての面が強かった。それが、近年の受験ブームから「学問の神」として崇められるようになるのだから天神様も苦笑しているだろう。門前街にある店は約60程で、あちこちから名物の「梅がや餅」の匂いが匂ってくる。匂いにつられて一つ買って太宰府天満宮に入る。境内に入るとまず最初に見えるのが心字池と太鼓橋だったりする。この神池は「心」の形にかたどってありこの池をまたぐ形で架かっている太鼓橋は「現在・過去・未来」を浄化する意味を持っている。ゆっくりと太鼓橋を上って先を見ると本殿がやっと視野に見える。大宰府天満宮はいまや学問の神として常に人が参拝に来ている。何気なく絵馬を覗いてみると、「志望校合格」や「国家試験合格」や「就職できますように」という絵馬が大量に飾られている。学問と就職は少し違うような気もしないでは無いのだがこれも時代の流れなのだろうか。拍手を二回叩き、このレポートの採用を祈願して本殿を後にする。

大宰府天満宮:イメージ3

来た道と同じではつまらないので、本殿の横から出てみると、神木として祭られていた大楠を見つけた。樹齢千年とも千五百年といもいうから、この木は大宰府の生き字引として今も我々を見つめているのだろう。隣接する幼稚園から子供達の遊ぶ声が聞こえる。天神様も育児をするのかと思うと少しおかしくなった。かつて西国の要衝として栄えた大宰府は今でも人々の生活の場として生き続けている。だが、そこにあった政治的・経済的価値は歴史の中に消え、子供達の笑うごく普通の町として人々の中に生きているに過ぎない。それを都府楼から天神様は苦笑しながら眺めているのだろう。絶えることの無い受験者の願いを聞きながら。

-DATA-

場所:
福岡県大宰府市宰府
交通:
西鉄大牟田線都府楼駅よりバス10分→水城(徒歩30分)→都府楼跡(徒歩15分)→西鉄大宰府駅(徒歩五分)→大宰府天満宮
駐車場:
水城以外は周辺にあり
トイレ:
有り

フィッシュウォッチング

Oct.10, 2002 羊蹄の名水に生きる渓魚

フィッシュウォッチング:イメージ1

今、北海道では長旅を終えて生まれ故郷に帰ってきた鮭や鱒たちが最後の大仕事の真っ最中だ。浅瀬で背びれを出しながら遡っていくもの。大小の滝を飛び越えるもの。また、パートナーにめぐり会い穴掘りに精を出すもの。あちらこちらで見られる姿はテレビなどの映像でもおなじみのシーンだ。しかしこの時期、森の中の小さな小川などでもやがて訪れる厳しい冬を前にひっそりとオショロコマの産卵が行なわれている。この光景を見るのがとても楽しみで今回私は京極噴出し公園に足を運んでみた。

フィッシュウォッチング:イメージ1

京極噴出し公園は羊蹄山からの名水(湧き水)で有名で、連日この水を汲みに来る方や観光客で賑わっているところだ。岩壁から突然川が現れる光景はまさに『噴出し』であり、豊富な水は1年を通して安定している。真夏でさえ何秒も手を浸けていられないほど冷たい水はほんのり甘さを感じ、真夏の暑さを忘れさせてくれる。逆に真冬の寒さの中では安定した水温のため凍りつくことはなく、川霧を発して幻想的な風景を創りだしているのだ。そんな噴出しの川にオショロコマはひっそりと生息しており、その産卵の光景を見るためこの日は釣りをお休みにして札幌から中山峠を越え、京極へ向かった。

フィッシュウォッチング:イメージ3

羊蹄山の東山麓をぐるりと周るように流れる尻別川にはオショロコマが棲むいくつかの支流がある。これらのオショロコマは生息域の南限とされているが、近年本州同様河川改修が進み、年々その生息環境は悪化の一途をたどっている。そんな中、京極の噴出し公園は公園として管理されるようになり、釣りも禁止されているために生息環境が奇跡的に保存され、オショロコマたちにとってはまさに安住の地となっている。公園入口からすぐのところには大きな池がある。ここも年間を通して水温、水量ともに安定しており、オショロコマ以外にも大きな鱒たちが悠然と泳ぐ姿が観察できる。紅葉に包まれた水辺の小道を歩いていくと奥にはひとまわり小さな池がある。ちょうどその池に出たところでひと際大きな魚体が見えた。初めは鯉か?と思ったがじっと観察しているとアブラビレ(背ビレの後ろにある小さなヒレで鮭科の魚の特徴)が確認できた。背中はグレーで黒い小さな斑点も確認できる。「オビラメだ!」オビラメは尻別川に棲むイトウの俗名で、レッドデータブックにも記載されている絶滅寸前の魚である。近年の調査ではこのオビラメは尻別川の固有種で遺伝子も他のイトウとは異なるそうである。また、イトウとしても生息域の南限とされておりたいへん貴重な魚だ。流域の人たちも現在このオビラメを復活させるべく、河川改修によって産卵できなくなってしまった母川を復元するなど、懸命に努力されているところである。そんなオビラメに出会えるなんて。やはりここは限られた環境ではあるが、魚たちにとって安住の地であることは間違いない。あまり脅かさないようにそっとその場を離れ、さらに奥へと進んだ。噴出し口下のわずかな区間がゆったりとした流れになっており、たくさんのお化粧をしたオショロコマがそれぞれのパートナーを見つけペアリングしている。なんともホッとする光景だ。ここには川底を踏み荒らしてしまわないように木道が取り付けられており、それにしたがって歩いてみると40センチを超えるアメマスのペアリングも見られた。いったいこのアメマスはどこから遡ってきたのだろう?海から遡ってきたのであればダムや堰堤をいくつも越えてきたことになる。この生命力には本当に驚かされる。

フィッシュウォッチング:イメージ4

みなさんは自然とか野生動物という言葉を耳にするとどのようなものを連想されるだろうか?鳥や四足動物などは人の目につきやすく、これらの動物を思い浮かべる方が多いのではないだろうか?北海道においてもタンチョウやシマフクロウ、キタキツネ、エゾシカ、ヒグマなどはまさに自然を象徴するものと言えるだろう。それに比べ、水中に生息する野生の魚などは釣りをしない人にはなかなか目にすることはなく、これらを思い浮かべる方は比較的少ないのではないだろうか?釣り人でなくともこの産卵の光景はきっと心を打つものであると思う。全国的にもこのような光景が見られるところは減ってきていると思われ、是非とも多くの方に訪れていただきたいと願っている。また、日頃釣りを楽しんでいる方も、釣り竿を置いて名水とフィッシュウォッチングで秋を満喫されてはいかがだろう。公園入口付近には京極温泉もあり、一味違った休日になるかもしれない。産卵の光景は11月後半まで見ることができる。

-DATA-

場所:
北海道虻田郡京極町川西
交通:
札幌から国道230号で中山峠を越え喜茂別町へ。
国道276号を右折して京極町へ向かう。所要時間は1.5時間ほど。
千歳空港からは支笏湖経由で国道276号美笛峠を越えて喜茂別町へ。所要時間は2.5時間ほど。
駐車場:
京極温泉前の駐車場か、左折して、噴出し口側の駐車場が利用できる。
トイレ:
公園内にあり

礼文島

Aug.07, 2002 日本最北端の島へ渡る

日本最北端の島と聞くだけでなんだかワクワクしますよねえ。どんな所だろうと胸をはずませながら飛行機に乗った。稚内までは関西国際空港から直行便があり、約2時間半で到着する。関西よりは涼しいとは思っていたが、8月の上旬にも関わらず、16度という気温に私の皮膚も少々驚いたようだ。しかし、過ごしやすいことにこしたことはない。関西人にとってはこの上もない贅沢を満喫しようと思った。稚内は日本最北端の岬、宗谷岬やノシャップ岬が有名だ。ノシャップ岬は晴れた日の夕暮れには、礼文島や利尻島に夕日が沈む風景が見られる。しかし、私が行った時は雨がやんだ後の曇り空だったため見られなかった。それなら晴れてから実際に最北端の島、利尻島に渡ってみようかと思い、翌々日に稚内港からフェリーに乗ることにした。 

礼文島:イメージ1

朝7時30分のフェリーに乗るため早起きして7時にフェリーのりばに到着すると、すでに観光客で賑わっていた。フェリーは一日に3往復ほどしかないので込み合うのは当然だ。礼文島までの乗船時間は1時間50分。退屈だろうなあ~と思ってフェリーに乗り込んだ。船着場にでると8月ともいうのに風がきつくて寒かった。しかし、かもめが船着場近くに群がっているので行ってみると、子供たちがお菓子をあげていた。かもめは人間慣れしているのか怖がらずに人間に接近していたのは興味深かった。1時間ほどたった時、海面上にうっすらと利尻島が見えてきた。これがアルピニストの憧れの山なんだ~と富士山でも見るくらい興奮してしまった。その利尻島を越えてしばらくすると高山植物の咲き誇る島、礼文島が姿を現した。    

礼文島:イメージ2     

港は想像以上に広く、山岳ガイドの方たちが旗をもってお客さんを出迎えていた。なるほど、船の中で多くの登山スタイルの人を見たのはそのせいだったのだ。若者だけでなく、年配のご夫婦の姿もみられた。夫婦で同じ趣味をもち、こんな自然の中ですごせたら幸せだろうなあと微笑ましく思った。私は恥ずかしながらサンダルしか持ってきていなかったため、歩き続けることに自身がなかったので早速レンタカーを借りて島を回ることにした。そこで、礼文島で有名なレブンアツモリソウを見に群生地帯へ向かった。レブンアツモリソウは高さ20~40センチのラン科の多年草で平敦盛が母衣を着ている姿に見立てて、その名前がつけられたと言われている。この花は礼文島にしか育たない特殊な花である。私が行った時にはすでに開花の時期は過ぎていて見られなかった。今年は例年より早い、 6月の上旬の2週間ほどしか咲かなかったらしい。しかし、この貴重なアツモリソウをこころない人が盗んでいってしまうこともしばしばあるらしい。だから、アツモリソウは柵でガードされ、触れられないようになっていた。こんな、北の大自然の中でもそのような規制があるとは思わなかったので、少しショックだった。本土からアツモリソウを見るためににはるばるやって来ている人がたくさんいるというのに・・・恥ずかしいことである。アツモリソウは見られなかったがスカイ岬でツリガネニンジンを見ることができた。色は紫色。茎高は15~60センチほどあり、花冠は広鐘形で花序の小枝が短い。そして、花の形を釣鐘に、人参は白く太い根を朝鮮人参にたとえたものらしいです。スカイ岬までの山道に多く咲いており、風がきつかったので大きく揺れていたのが岬ならではという感じだった。この岬はスカイと言うだけに海の色が深~い、深~い青なのだ。紺碧の海は他の岬の海では見られない色である。なんだか身も心も吸い込まれていきそうになった。柵があまり高くないので注意ですよ!そんな危険なことをする人はいないと思うが。周りには高山植物が咲き、崖からの眺めは最高です。 

礼文島:イメージ3      

岬を満喫したところで今度はフェリーのりば近くにある桃岩猫岩展望台へ向かった。フェリーのりばからでも歩いて1時間ほどでいけるので気候のいいときはハイキングにちょうどよい。私はこの展望台へめざす入り口から歩き、20分ほどの散策を楽しんだ。ツリガネニンジン、トウゲブキが岩陰に咲いていた。トウゲブキは大きな葉がフキに似ているところから名づけられたらしい。この花は花の数が少なくなる9月ころまで咲くのでそのころはトウゲブキ一色になる。花々は歩く山道にそって自分の足元近くに咲いているから立ち止まってゆっくり見られるのがよい。こうゆう岩陰に咲いているせいか、植物園などで見る花より心もち寂しそうにみえた。しかし、これが自然に咲く高山植物の生き様を現しているのかもしれない。しばらくすると、左手に大きな岩が見えてきた。これが桃岩だ。岩が桃の形をしていることをとってこの呼び名がついた。近くで見るよりすこし遠くから見たほうがよくわかる。それから展望台にあがると、目の前に猫の形をした猫岩が海の上に浮かんでいた。岩が猫の耳とシッポで形作られていたのが可愛らしかった。この桃岩は本来、300種類もの花が咲く、礼文島ならではの高山植物の宝庫である。

フェリーのりばにもどると晴天の空に利尻富士の頂上が見えていました。あ~、この山が私を待っていてくれたんだなあ~と少し大袈裟ですがそんな気分になりました。よくきてくれたね~とも言ってくれたような・・・日本最北端の島にきて自分という存在の小ささ、自然の偉大さを改めて感じたような気がします。小さなお子さんづれの家族の方から年配のご夫婦まで幅広い人たちに好まれている島だと思いました。最北端の島と聞くともの悲しい雰囲気を想像しますが、まったくそんなことは感じられませんでした。だから皆さんもちょっと足を伸ばして礼文島で美しい高山植物、澄んだ海を堪能してみて下さい。何かのきっかけで人生観も変わることもあるでしょう。私は次回は利尻富士に登ってみたい衝動にかられました。

-DATA-

場所:
北海道礼文郡礼文町
交通:
稚内港よりフェリーで1時間50分
1日に3~4往復 片道2,100円
駐車場:
港近辺にあり
トイレ:
港、各名所にあり

池ノ平山 2555m

Aug.03, 2002 剣岳北方稜線の山…気分は「アルプスのハイジ」

池ノ平山 2555m:イメージ1

「池ノ平山」はアルピニスト憧れの剣岳北方稜線上にある山だ。ちょうど地図上では富山県の上市町・立山町・宇奈月町の境に位置する。剣岳の北方稜線はコース的には最も難易度の高いコースとされているが、唯一この「池ノ平山」だけは比較的簡単に、しかも安全に登れる山だ。 難点は、ここまでのアクセスが長いことと、残雪の状況・天候等によってかなり難易度が異なるというだ。「池ノ平山」では、今までの「剣岳」とは異なった景観に出合い、きっと感動することだろう。

池ノ平山 2555m:イメージ2

池ノ平山へのベースは、なんといっても、人気の高い「仙人池ヒュッテ」。長い道のりをようやく辿りついたときの「暖かいお茶」のサービス・お風呂は最高のもてなしだ。仙人池ヒュッテまでのアクセスは、室堂方面・黒四ダム方面・宇奈月方面が考えられるが、今回は最も安全で、簡単な室堂からのコースを選んだ。 7月下旬から8月上旬のこの時期は、仙人池周辺では比較的登山者も少なく、高山の花が満開の最高のシーズンだ。ゆったりとした登山が楽しめる。仙人池ヒュッテへの道のりは大変長いので1日で行くためには、できるだけ立山駅の始発で乗車すること。後の行動がずっと楽になる。スタミナに自信がない人は、やはり途中の小屋で1泊した方がよいだろう。室堂から雷鳥沢までは比較的楽なコースだが、雷鳥沢から別山乗越までの登りは、じっくりと登ることが最後の難関の仙人新道を登るためのコツだ。できるだけペースはゆっくりと登ること。そこからは、日本三大雪渓の一つ、剣沢雪渓だ。雪渓の歩きに慣れない人は、斜面もきついので、是非アイゼンを準備したいものだ。

池ノ平山 2555m:イメージ3

今日は、昨日までの豪雨がうそのように晴れて、朝からすばらしい天気となった。仙人池に映る「裏剣」も赤くそまり最高のシャッターチャンスとなった。しかし、山の天候はいつ崩れるかわからないので、できるだけ朝食後にすぐに出発する。仙人池の朝食は4時半なので、食べてから出発することができるので1日の行動が非常に楽だ。頂上での天候が心配なので、弁当は持って行きたいものだ。仙人池から仙人山の登山道では、もうチングルマ等の花は散りつつある、池ノ平山はちょうど盛りという情報なので大いに期待しながら向かう。仙人山ではますます迫る「裏剣」に圧倒される。池ノ平小屋まで「チンネ」を中心とした岩壁が次々と変化をするのが手にとるようにわかりる。カメラに映る姿も横サイズでは全体が撮影できなくなり、ついに縦サイズで撮影することになりる。ようやく池ノ平小屋へ着く。ここには水場がたっぷりあり、テント場も設置されている。平ノ池もすぐ近くだ、そこからの「裏剣」は首が痛くなるほど見上げなくてはならない。

池ノ平山 2555m:イメージ4

池ノ平小屋からのルートは大変簡単になった。ここからお花畑へは約15分、突然、広々とした斜面にお花畑が満開、感動だ。いつもこの時期には残雪があり、すべてのお花畑が満開なのは初めての体験だ。まず下部のなだらかな斜面には、一面に白い「チングルマ」が咲いている。中間のメインの斜面には、黄色の「ミヤマキンポウゲ」が、まるで絨毯のように広がっている。上部のやや急な斜面は色とりどりだ、大きな「シナノキンバイ」や可憐な「コイワカガミ」が加わってますます賑やかなお花畑になってきた。いよいよ「裏剣」の岩壁も見えてきて、お花畑と岩壁のバランスがまるで「アルプスのハイジ」の世界に思われほど見事な光景だ。やがて、背後に後立山連峰も広がりますますその感を強める。

池ノ平山 2555m:イメージ5

大きな斜面のお花畑を二つ通り抜けると、やがてお花に囲まれた稜線に出る、ここでは「ニッコーキスゲ」が中心だ。インパクトのある黄色の花と岩壁との色合いは本当にまぶしいくらいだ。いよいよ頂上に近づくと「ハクサンフウロ」が可憐な姿を現して、稜線の厳しさを和らげてくれる。

池ノ平山 2555m:イメージ7 池ノ平山 2555m:イメージ6

ようやくたどり着いた頂上では、もう言葉はいらない、見渡す限り360度の展望。待望の[チンネ」「剣岳北方稜線の山々」が目の前に迫ってくる、後立山も全山眺望できる頂上の絶景は何時間過ごしても飽き足らないくらいだ。1時間の昼食・休憩後、剣岳特有のガスが池ノ谷から吹き上げてきた、ガスに浮かぶ「剣岳」もまたいい。しかし、残念ながら、周りが何も見えなくなったので、ゆっくりと「仙人池ヒュッテ」へ戻ることにした。

「池ノ平山」まではまったく問題はないが、今年の剣岳北方稜線の状況は最悪である。池ノ谷ガリーも状態が悪く、小窓からのルートも崩壊しています。ちょうど大窓方面を歩いている登山者もかなり長時間、苦戦していたようだ。池ノ平山は一歩外れるとかなり危険なので、天候が悪い場合はベテランでもかなり注意が必要である。

-DATA-

場所:
富山県中新川郡上市町・立山町・宇奈月町
池ノ平山」への起点は「仙人池ヒュッテ」か「池ノ平小屋」、または池ノ平小屋横のテント場での宿泊となる。そこまでのアクセスは室堂ターミナル方面・宇奈月方面・黒四ダム方面から仙人池ヒュッテまた池ノ平小屋まで行く必要があるので、かなりの距離と時間を覚悟しなければならない。
交通:
北陸自動車道立山ICより約40分で立山駅、立山駅より室堂ターミナルまでは約1時間半。ただし、混雑の状況によっては、各駅で多少待ち時間がある。
駐車場:
立山駅周辺に無料駐車場あるが、早めに着かないと、少し離れた河川敷の駐車場になる。
水場:
真砂沢から二俣までのいくつかの沢では補給可能、その他は各山小屋で補給。仙人池ヒュッテへ行く場合は二俣で充分補給をすること。
参考タイム:
第1日目 室堂ターミナル(30分)雷鳥沢(120分)剣御前小屋(30分)剣沢小屋(90分)真砂沢小屋(60分)二俣(150分)仙人池ヒュッテ
第2日目 仙人池ヒュッテ(30分)池ノ平小屋(5分)平ノ池(20分)お花畑(90分)池ノ平山頂上(70分)池ノ平小屋(30分)仙人池ヒュッテ
第3日目 仙人池ヒュッテ(90分)二俣(60分)真砂沢小屋(150分)剣沢小屋(50分)剣御前小屋(90分)雷鳥沢(40分)室堂ターミナル
トイレ:
各駅、各山小屋
登山上の注意点:
積雪の残る時期の場合はアイゼンが必要、ピッケルがあればなおさら安全である。
携 帯 池ノ平山の稜線・山頂では使用可能

白山観光新道

Aug.02, 2002 白山でも有数の花の群落

白山観光新道:イメージ1

白山の高山植物のうち、100種以上はその自生範囲の西限もしくは南限となっているという。その理由は白山が日本アルプスから西へ離れた孤立峰で、白山より西に2000mを超える高山が無い為だという。また明治の頃、植物学者が高山植物を研究した際、日本アルプスより登山コースが開けていた白山に登り、平地部の植物とは異なる植物に命名したとき、「ハクサン」の名を冠したしたので、ハクサンコザクラ・ハクサンシャクナゲなど「ハクサン」の名の付く高山植物は18種にもなる。

白山観光新道:イメージ2

観光新道は、白山の西の登り口である別当出合からの登山道であり、尾根ずたいの登山道だが、最初に尾根まで登る別当坂が急登であるので、登りは別当出合からのもう一つの登山道、砂防新道から登って、下りにこの観光新道を使う人が多い。白山への登りはトレッキングレポート「白山 前編」「白山後編」を参考にしていただきたい。白山頂上へ登り、白山奥宮に参拝したり、お花松原を訪ねたあと、室堂から別当出合へ下る。下りでの観光新道の入り口、黒ボコ岩へは、室堂センターの裏手から五葉坂を下りていく。岩が多い登山道を下りていき、左にエコーラインを分けると、なだらかな場所に出る。弥陀ヶ原である。ほぼ平らな草原状のところで、ハクサンフウロなどの高山植物が見られる。さらに下っていくと、三差路に出る。大きな岩がでんとあって、これが黒ボコ岩と呼ばれている岩である。

白山観光新道:イメージ3

黒ボコ岩の左が砂防新道での下り、黒ボコ岩の右が観光新道を経ての下りである。ここからが観光新道の始まりである。尾根伝いの道を下りていくと、左側の斜面に花が多くなってくる。特に多いのが紫色の鈴をいっぱいに並べたようなハクサンシャジンで、その他には黄色のオタカラコウ、ピンク色のハクサンフウロ。少し咲くには気が早いと思われる紫の上向きの花のミヤママツムシソウもある。花を見ながら下りていくと、馬の立髪と書かれた道標がある。室堂からここまでガスそして雨の中の歩きであったが、ここで雨が止んで視界が開けた。左側の下の方に、観光新道より南側に平行している砂防新道方面が見え、小さく甚之助避難小屋も見える。その向こうには別山がでんと構えている。観光新道が続いている先の方を見下ろすと、はるか下の林の中に道が見えて、小さな小屋が見える。あれが殿ヶ池避難小屋のようだ。馬の立髪を過ぎると、高山植物は少なくなり、樹林の中の下りとなり、殿ヶ池避難小屋が見えてくる。小さな池が2つほどある横を歩いて行く。さらに下りが続き、尾根の細くなっている所を歩いたり、岩の下をくぐり抜けたりと言った道となる。ところどころ軽く登りがあったりしながら進むと、三叉路があって、左が別当出合との道標がある。左へ下りて行くが、ここからの下りが急な道である。下りながら、ここを登るのはどうかなと思ってしまう。ごつごつした岩が並ぶ急な下りをいくつも下ると、別当出合の案内図の所へ出る。

白山観光新道:イメージ4

観光新道の馬ノ立髪付近は、高山植物の群落の広さや種類の多さでは白山一と思われる見事さであった。今回は天候に恵まれなかったので、また次回は遠景を楽しみながら歩いてみたいものだ。帰りに立ち寄るのに良い温泉は、帰りの別当出合からのバスを市ノ瀬や白峰で降りるとある。白峰には、日帰り温泉がある。この他にも宿泊できる温泉宿があるので、下山してからゆっくりと湯につかって、泊まって帰るのも良いだろう。

写真は上から、馬ノ立髪付近のお花畑、イワギキョウ、別山、ハクサンシャジン、殿ヶ池避難小屋

-DATA-

場所:
石川県石川郡白峰村
タイム:
計3時間
室堂(20分)黒ボコ岩(50分)殿ヶ池避難小屋(1時間50分)別当出合
交通:
鉄道・バス(夜行):
池袋、八王子(東京都)、関西、名古屋からの夜行バスで金沢駅へ
鉄道・バス(昼間):
1.関東からは上越新幹線で越後湯沢へ、特急はくたかに乗り換え金沢へ
2.関西からは特急サンダーバードにて金沢へ
3.中京圏からは東海道新幹線などで米原へ、急行加越に乗り換え金沢へ
※いずれも金沢からは白山登山バス別当出合行きで終点下車
車:
金沢から国道157号線を白峰村方面へ、白峰温泉の白峰自然保護官事務所の角を右折、市ノ瀬・別当出合方面へ、市ノ瀬の駐車場に車を止め、バスで別当出合へ
駐車場:
立市ノ瀬
売店:
別当出合(ジュース・菓子類)
宿泊:
白山室堂
トイレ:
別当出合、殿ヶ池避難小屋、白山室堂
水場:
白山室堂、別当出合
携帯電話:
使用不可の場所多い
公衆電話:
白山室堂
日帰り温泉:
白峰温泉共同浴場
入場無料
TEL:07619-8-2721
フィジック白峰
大人\1200
14:00-21:00(木曜休)
TEL:07619-8-2931

白山 前編

Aug.01, 2002 花の白山へメインルートから登る

白山 前編:イメージ1

白山は石川県の東、岐阜県との県境をなす2702mの高山である。冬の雪をいっぱいにまとった、真っ白な姿から古くから「しらやま」「越のしらね」の名で和歌にも詠まれてきた。現在では白山と書いて”はくさん”と呼ばれる。白山は富士山・立山とならんで日本三名山に数えられ、信仰の山として古くから開かれていた山だという。信仰登山の始まりは養老元年(西暦717年)らしい。白山周辺は白山神社の境内となっている。また日本百名山を選定した深田久弥は石川県加賀市の出身であり、幼少の頃から学生時代は、毎日が白山を眺めての暮らしだったという。今回の私の白山行きは高山植物の群落への出会いを期待しての登山である。白山への入山ではもっともポピュラーな登山コースの砂防新道から登ることとした。

白山 前編:イメージ2

砂防新道への登り口、別当出合へは遠方からでは金沢駅からのバスが便利である。約2時間の乗車だがほぼ中間点で約10分間停車する休憩があり、トイレに行くことも出来る。休憩後には車内で白山のパンフレットが配られる。余談だが、私の乗った東京からの夜行バスが遅れて、乗り換え時間が1分しかなかったので、金沢駅のバスターミナルを、ザックを背負って全力疾走した。普段ならあの重いザックを背負って走ろうとは思わないが、ここで1時間も次のバスを待つ訳にはいかないという思いが、私を走らせた。火事場のなんとかというのがこういうことを差すのかと、あとで妙に納得した。そしてバスは終点、別当出合に到着する。別当出合の休憩所には登山届提出ポストがある。また、夏期の最盛期のみ営業し、ジュースや菓子類、土産物を置く売店がある。

白山 前編:イメージ3

休憩所から左手へ砂じゃりの上を行くと、白山の案内図があって、その左が観光新道の登り口である。案内図の右が砂防新道の入り口である。林の中を少し歩いて、吊り橋を渡って行く。渡り終えると、後ろから吊り橋の揺れ方が大きいのに驚いたのか、学生たちの「コワーイ」という黄色い声が聞こえる。大きいザックを物ともせずに担いでいる彼女たちにも弱いものがあったらしい。登山道は樹林の中の緩やかな登りでソバナなどの花が迎えてくれる。しかし、ここまでは花の名山としては花が少なめかなと感じてしまう。尾根の登りとなって傾斜がきつくなり、すでに花から実へと移り変わろうとしているオオウバユリが多い。1時間の登りで中飯場に到着。トイレと水場がある。ここからすぐのところで、砂防工事用の道路と交差する。大きなダンプカーなどが通るので横切るときは注意する。

白山 前編:イメージ4

このあたりからはダケカンバなどの高山性の木が増える。左側の別当谷の見晴らしが良い別当覗を経て、甚之助避難小屋に着く。ここにもトイレと水場がある。ここから高山植物が増え、花を楽しみながら行くと間もなく南竜道分岐である。砂防新道はこの分岐から左へとルートを取る室堂平を経て白山頂上への近道だが、私はさらに花の群落を求めて、右の南竜道を行くこととした。(後編『花の群落広がる登山道を登る』に続く)

写真は上から、北アルプス弓折岳からの白山、ベニシモツケ、南竜道分岐付近、ミヤマシシウド、オタカラコウ

白山 後編

Aug.01, 2002 花の群落広がる登山道を登る

白山 後編:イメージ1

前編『花の白山へメインルートから登る』に続いて、白山を目指して登るルートを紹介する。南竜道分岐から南竜山荘のある南竜ヶ馬場への道でゆるやかな下りが多い。すぐにピンク色のハクサンフウロや白い花が穂になっているイブキトラノオなどの花畑があり、しばらく行ってエコーラインとの分岐付近は黄色のニッコウキスゲが多い。さらにゆるやかに下って行き、南竜山荘が近づいたあたりもニッコウキスゲが多い。南竜ヶ馬場には山小屋の南竜山荘の他に、1室の定員が 5名で、2名以上で利用できるケビンがある。南竜山荘で昼食にカレーライスかそばあたりを食べたいと思ったが、そういった物は無くて、一番腹に貯まるものでカップラーメンと言うことで残念。南竜山荘を過ぎて、展望歩道方面へ歩き、橋を渡ったケビン手前は小さな湿地帯でピンク色の小さな花を咲かせているハクサンコザクラや緑の小さな花の集合体のアオノツガザクラ、白いチングルマが多い。南竜ヶ馬場から白山頂上直下の室堂平へのコースは2つある。トンビ岩コースと展望歩道の2つであり、時間的にはトンビ岩コースの方が近いが、北アルプスの展望が良く、高山植物も多いと言うことで、東側から展望歩道を選ぶことにした。

白山 後編:イメージ2

ケビン手前の小さな湿地帯から橋まで戻って、道標に従って展望歩道を登って行く。初めのうちは木道の緩やかな登りで、右側は緑いっぱいの草原のようなゆるい斜面で、あちらこちらにニッコウキスゲが咲いている。少し登って行くと、左には緑の間にところどころ大きな岩がある。さらに登って行くと木道は無くなって、樹林帯の登りとなる。きつくなってゆく登りをこなしていくと、右側の斜面に高山植物が増えてくる。ハクサンフウロなどの花を眺めつつ、登ると間もなく東方面の眺めの良いアルプス展望台である。東の遙か下の方に深い緑色の白水湖が見える。天気が良ければ東に、北アルプスが見えるはずだが、雲が多くまったく見えない。アルプス展望台からは白山の南の主稜線の登りが続き、石川県と岐阜県の県境の登りである。高度を上げていって、道が緩やかになり樹木が少なくなったあたりで、白山の最高峰である御前峰に向かって歩いていることが分かる。御前峰はなだらかな山で、北アルプスの双六岳と似ているようなおもむきもある。合流すると道は西方向へと向きを変え、緩やかにアップダウンを繰りかえしていく。クロユリの高山種であるミヤマクロユリが増えてくる。緑の中では目立たない黒い百合なので気付きにくい。北アルプスなどではほんとに珍しいミヤマクロユリだが、ここでは、あそに3つ咲いてる、ここにも4つ咲いていると、驚きそして喜んでいたが、そのうちに10くらい咲いている群落があちこちにあるので驚かなくなってきた。オレンジ色のクルマユリがハイマツの間に咲いているのを見つつ、ほぼ水平の道を行き、ハイマツ帯を抜けると先の方に建物がいくつも並んでいるのが目に入る。あっけなく室堂平に到着である。

白山 後編:イメージ3

室堂平(標高2450m)の建物の内、中心に室堂センターがあり、ビジターセンターと宿泊の受付、食堂がある。室堂センターを囲むように宿泊棟が4つあって、定員は750人。宿泊の手続きをして、部屋に案内されるが北アルプスの山小屋より余裕がある感じだ。室堂センターの向かいには白山奥宮祈祷殿があるので、参拝しよう。巫女さんもいて、おみくじもお守りも置いてある。室堂平に着いて、体力に余裕が有れば、白山の最高峰である御前峰頂上まで往復すると良いだろう。登りは40分、下りが30分ほどである。翌朝は、再び山頂に登り、御来光を拝みたいものだ。天気が良くて、御来光が望めそうなときは、日の出の1 時間前に太鼓が打ち鳴らされる。山頂が御来光を待つ人でいっぱいになった日の出10分ほど前から、神主さん?が白山の見どころや、信仰登山の歴史などについて話を聞かせてくれる。このあたりが、信仰の山らしい所だ。私が行ったときには、日の出の時間から30分くらいたってから雲の上に太陽が出てきて、北アルプスも雲の下であった。天気が良ければ、8月上旬なら北アルプスの黒部五郎岳あたりから太陽が姿を見せるらしい。

白山 後編:イメージ4

白山室堂は'01のシーズンまで2年ほど、改装の為に食事の提供が出来なかった。山小屋宿泊派の私は、白山にずっと登りたかったのだが、食堂の改装が終わる '02年のシーズンをずっと待っていたのであった。すばらしい花の群落には会えたが、北アルプスと御来光を拝めなかったので、また次回、雲海の向こうからの御来光を見る為に登ってみたい。

写真は上から、御前峰の雪渓、ハクサンフウロ、ハクサンシャクナゲ、アルプス展望台から三方崩山などの眺め、ミヤマクロユリ

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場所:
石川県石川郡白峰村
タイム:
計5時間10分 別当出合(1時間)中飯場(1時間50分)南竜道分岐(20分)南竜ヶ馬場(2時間)室堂
交通:
鉄道・バス(夜行):
池袋、八王子(東京都)、関西、名古屋からの夜行バスで金沢駅へ
鉄道・バス(昼間):
1. 関東からは上越新幹線で越後湯沢へ、特急はくたかに乗り換え金沢へ
2. 関西からは特急サンダーバードにて金沢へ
3. 中京圏からは東海道新幹線などで米原へ、急行加越に乗り換え金沢へ
いずれも金沢からは白山登山バス別当出合行きで終点下車
車:
金沢から国道157号線を白峰村方面へ、白峰温泉の白峰自然保護官事務所の角を右折、市ノ瀬・別当出合方面へ、市ノ瀬の駐車場に車を止め、バスで別当出合へ
駐車場:
市ノ瀬
売店:
別当出合(ジュース・菓子類)
宿泊:
南竜山荘、南竜ヶ馬場ケビン、白山室堂
トイレ:
別当出合、甚之助避難小屋、各山小屋
水場:
各山小屋に有り、別当出合、甚之助避難小屋
携帯電話:
使用不可の場所多い
公衆電話:
白山室堂

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