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大江山

Mar.30, 2002 鬼伝説で知られる丹後の最高峰

源頼光の鬼退治、酒呑童子の伝説で知られる大江山は、普甲峠から与謝峠まで15kmにわたる連山の総称である。登山道は、東側の大江町、北側の宮津市、西側の加悦町からの縦走コースが整備されており、丹後湾に向かって広がる展望が美しい。特に、最高峰の千丈ヵ岳(標高833m)から鳩ヵ峰(標高746m) の稜線上を歩くのがお勧め。また、大江山は、独特の地質や気候、地形ゆえに、動植物の宝庫でもあり、「森林浴の森日本100選」、「京都の自然200選 (動物部門)」にも選ばれている。ミズナラやブナの原生林、エゾミドリシジミやフジミドリシジミなど珍しい蝶の生息は、大江山ならではである。そんな大江山に訪れた小式部内侍が、「大江山いく野の道の遠ければ、まだふみも見ず天の橋立」と詠んだのはあまりにも有名である。この舞台に、一度は訪れてみたいと思って大阪を後にした。

大江山:イメージ1

舞鶴自動車道の福知山ICから国道9~175~176号線と走って約50分、大阪を8時頃に出発し、大江山グリーンロッジに到着したのは11時過ぎだった。二の瀬川渓流付近は、酒呑童子の里と呼ばれ、このグリーンロッジの他にも、童子荘、大江山の家などの宿泊施設が充実しているので、急ぎでなかったなら、一泊をして早朝から歩けば、もっと良かったかもしれない。

大江山:イメージ2

グリーンロッジは四方を山で囲まれ、曲がりくねった県道が、なだらかな勾配を描いて延びている。30分ほど歩くと、千丈ヵ原とよばれる田園の広がる集落に出た。この辺りから、大江山のピークの一つである鍋塚の山容が見えはじめる。集落を抜けると、徐々に勾配は増し、杉や檜の山裾が眼下に広がりはじめる。徐々に疲れも出てくる頃だろうが、道の脇に、赤、青鬼が杯を掲げるモニュメントが所々に立っており、そのユニークなポーズにほっと心和む。県道を左折すると、いよいよ山道に入る。20分ほど登っていくと、酒呑童子ゆかりの鬼岳稲荷神社に到着。この神社では、日曜日(冬季は休み)には、肝臓に強くなるとされる御札の販売がある。秋に訪れると、この付近からの雲海が素晴らしく、近畿でも随一と眺めとされている。

大江山:イメージ3

鬼岳稲荷神社を過ぎると、急な山道となる。山全体がカンラン石や蛇紋石から成り、雨天後には滑りやすいので足下に注意が必要である。周囲の植生は、杉や檜からブナやミズナラなどの原生林に一変。15分ほど登ると、再び、なだらかな木立の道に戻る。そこから40分ほどアップダウンを繰り返すと、突如、空が開けて、大江山の最高地点の千丈ヵ岳(標高833m)の標識が現れる。笹原の頂からは360度の視界が広がり、北側の加悦町の街並み、日本海、丹後、但馬の山々が見渡せる絶景だ。

大江山:イメージ4

北へと縦走する林道を10分ほど下ると、次は、鞍部から草原状の斜面にかけての登り道になる。ヤマツツジやタニウツギ、などの低木が、笹原の中に点在。20分ほど、ごろごろした岩場の斜面を登ると、再び展望の開けたピークに立つ。そこが鳩ヵ峰(標高746m)。

大江山:イメージ5

鳩ヵ峰からの展望を楽しみ、次の鍋塚へ向かって鞍部に下りると、酒呑童子の里からの林道に出合う。そこから、1時間下ると、往路の県道に合流して、大江山グリーンロッジに戻る。所用時間、約4時間半ほどの登山である。歩き疲れた後、ミネラル温泉の「酒呑童子の湯」に入るのも良し(大人600円)。同じく、酒呑童子の里の中にある、日本の鬼交流博物館では、世界の鬼や鬼瓦の展示(大人300円)も見応えあって必見。その他、レストランやキャンプ場なども充実しているので、この酒呑童子の里を基点に、丹後の散策に繰り出すのも良いかと思う。

大江山:イメージ6

今回は、大江山グリーンロッジから鬼岳稲荷神社を経て、千丈ヵ岳から鳩ヵ峰への稜線を辿るコースを歩いた。鬼岳稲荷神社からの山道と、千丈ヵ岳と鳩ヵ峰の鞍部からの登り斜面にさえ注意しさえすれば、特に困難な個所は見当たらない。あとは、鬼伝説にいかに親しみを持つかが、大江山登山を楽しむコツであろう。

-DATA-

場所:
京都府与謝郡加悦町
交通:
舞鶴自動車道福知山ICから国道9~175~176号線で約50分
または、北近畿丹後鉄道大江駅からタクシーで20分
駐車場:
大江山グリーンロッジ、童子荘
トイレ:
大江山グリーンロッジ、童子荘、鬼岳稲荷神社

お鷹の道で都会のオアシスを発見

May.28, 2002 自然の中を気軽に楽しみたい

お鷹の道で都会のオアシスを発見:イメージ1

JR国分寺駅を出て、国分寺街道の案内看板をたよりにして歩いていくと、住宅地を抜けるころに突然小さな小川が現れ「お鷹の道」という看板にぶつかります。江戸時代、将軍が鷹狩りに出かけるときに、ここを通ったことから名づけられたという「お鷹の道」。実は、この道に沿って流れる小川の先に日本全国から選定された「名水百選」の一つがあるのです。都心からほど近いこのような場所に環境省から選ばれた名水があるなんて…胸は高鳴ります。そんなわけで、わたしは、からになったペットボトルを持参して都会のオアシスを探しにいきました。

お鷹の道で都会のオアシスを発見:イメージ2

お鷹の道は、とても静かなところで、本当にここは東京なの?と思うくらいに緑は多く風情があります。「カワニナをとらないで」と書かれた看板がたくさんありました。カワニナって何?と思って後で調べてみたら、蛍の幼虫の食料のことでした。ここには蛍が生息していて、とても大切にされているのです。なので、その食料となるカワニナ(タニシ)をもっていかれないように注意しているのでした。蛍が住む小川ということは、それだけ綺麗な水ということですよね。スイスイと泳ぐアメンボウも目につきました。また、小川には白いカラーの花が咲いていました。自生しているカラーの花を見るのは初めてです。近所の有志の方々の努力で、小川だけでなく、付近の水路や道なども手入れされていて、本当にゴミひとつない綺麗な道でした。お鷹の道周辺には無人の野菜売り場もあり、近所に住む農家の方が新鮮な野菜を並べています。代金は品物と引き換えに料金箱に入れるシステムで、かなりお買い得。野菜をもって帰る袋を用意してくるといいかもしれません。

お鷹の道で都会のオアシスを発見:イメージ3

お鷹の道を150mほど行くと、右手に「真姿の池」があります。ここは、平安時代の美女、玉造小町が、病で醜くなった顔をお告げ通りにこの池で洗ったところ、もとにもどったことから名づけられた池です。ここの池の湧き水が、小川の主水源。池には弁天様がまつられていました。その反対側に、きれいな水たまりがあり、そこが湧き水の給水ポイントです。まずは、近所の常連さんの汲んでいる様子を見学してから、わたしも真似て挑戦してみることにしました。川に落ちないようにドキドキしながら、木の柵にのり、ちょうど水が噴出しているところから、透明度の高い水を汲んでみました。念のため言っておきますが、看板にも「なま水では飲まないでください」と注意されていますので、ここで汲んだ水は沸騰させてから頂きましょう。わたしはペットボトルに汲んで、おみやげとして大切に持って帰りました。

お鷹の道で都会のオアシスを発見:イメージ4

お鷹の道を抜けると、国分寺万葉植物園にでます。万葉集で詠まれた植物がたくさん植えられていて、植物の前には植物名と歌の説明看板があります。(園内無料 10時から16時まで 電話042-325-2211)わたしは、万葉集がとても好きなのですが、知っていても実際に見たことがなかった植物「このてがしわ」を見ることができ、感激でした。意外に小さい球果でやはり不思議な形。枝や葉が子供の手のひらを合わせたようにたっているので、「児の手柏」と呼ばれたといいます。木の横には、大田部足人の詠んだ「千葉の野の 児手柏の 含まれど あやにかなしみ 置きてたか来ぬ」の歌看板が掲げられていました。その他、「花いかだ」や「たわみずら」など珍しい植物もたくさんありました。なお、園内には文化財保存館(入館無料 月休)もあり、古代のこの土地の様子がわかるしくみになっています。

お鷹の道で都会のオアシスを発見:イメージ5

今国分寺跡を出て、武蔵国分寺公園にいきました。現在は、礎石を残すのみの広々とした原っぱですが、かつては全国でも最大級の七重搭があったところです。想像力を働かせつつ、芝生の上でしばし休憩しました。ここには、レジャーシートを敷いて本を読んだり、おしゃべりをしている人がけっこういました。大きなポプラの木もあり、風が吹くとさわさわと木々を揺らす音が心地いいです。葉の揺れる音がこんなにするものなのか、風がこんなに気持ちいいものかと、芝生に腰を降ろし、空を眺めつつ初夏の微細な自然を感じることができました。緑の中の休息ポイントとして、ここはオススメです。エネルギーチャージの場所としてもオススメ。わたしはここで持参したお弁当を食べました。

お鷹の道で都会のオアシスを発見:イメージ6

ここから、また15分ほど歩き、武蔵野線のガード下をくぐると黒鐘公園(国分尼寺跡)にでます。そこで、わずかに残る切り通しの道、旧鎌倉街道を歩いてみました。木々がうっそうと茂る古い古道は、少しひんやりしていました。冷たい土の香りもするようで、100mほどしか残っていない道ですが、ムード満点でした。ここから「いざ、鎌倉へ」と軍備を整えた並列が通っていったのだなぁ、と歴史を思いつつ、帰りは西国分寺駅から帰宅の途につきました。さて、後日談ですが、持ち帰った水は、沸騰させ、コーヒーを入れて飲んでみました。甘い軟水なのでしょうか、水出しコーヒー(ダッチコーヒー)のような柔らかい口あたりでとても美味しかったです。実験として水道水でいれたものと比較してみましたが、あきらかに違う味。自然の恵みに感謝です。そして、湧き水を守ってくれている地域の方々にも感謝。ぜひ、美味しい水を味わい、自然の有り難さに触れてみてください。

-DATA-

場所:
東京都国分寺市
歩いたコース:
国分寺駅→お鷹の道→真姿の池→国分寺跡 万葉植物園→武蔵国分寺公園→黒鐘公園(国分尼寺跡)→旧鎌倉街道→西国分寺駅
※案内看板が多く出ているので、比較的分かりやすい。
トイレ:
万葉植物園内、黒鐘公園(国分尼寺跡)にあり。
食事処:
少ないのでお弁当などもって行き、武蔵野国分寺公園で食べるといいでしょう。
問い合わせ:
国分寺市観光協会
TEL:042-325-0111

三ツドッケ・ハンギョウ尾根

May.26, 2002

三ツドッケ・ハンギョウ尾根:イメージ1

長沢背稜とは、東は棒の嶺から東京都の最高峰である雲取山までの東京・埼玉の県境を示す呼称だ。この長沢背稜はアプローチが不便なため、静かな登山を楽しめるところだ。今回紹介する三ツドッケは鍾乳洞で有名な日原の背後になる山で、長沢背稜の中でもアプローチは比較的楽である。一般的にはヨコスズ尾根が登りに使われている。ハンギョウ尾根はそのヨコスズ尾根のすぐ西側にあたる尾根で、ハイキング用の地図にはまったく登山道の記載がない。2万図でもないようだ。そこでヤブコギ・懸垂覚悟で行くことにした。アプローチはJR青梅線奥多摩駅からバスで日原鍾乳洞へ。ここから林道を1時間歩くことになるだろう。休日は鍾乳洞手前の東日原が終点になるので、20分ほど余計に歩かねばならない。車でアプローチする場合、道路が狭いので対向車に注意だ。また鍾乳洞見学者用の駐車場は料金を取られるので、係員に「山に行きます」と伝えて林道奥まで車を乗りいれる必要がある。林道に車を停めるときには落石に充分な注意が必要だ。

三ツドッケ・ハンギョウ尾根:イメージ2

林道を歩きや車で進み、まずはカロー川谷という沢を目指す。今回の取材時にはここにゲートがあったのですぐにわかった。この沢を過ぎたところから尾根に取り付こうとしたが、よく見ると川沿いに道がついている。そこでこれを利用することにした。この道には特に標識等はないので、見落とさないように。道は川から離れてすぐに尾根伝いとなる。道はおそらく林業用のものらしく、最低限の整備しかなされていない。が、奥多摩の踏み固められたハイキングコースに慣れた足には心地よいはずだ。周囲は天然林だが、杉の造林も出てくる。しばらくはひたすら道を歩けばいいだろう。やがてハンギョウ尾根の西側にある滝上谷が見えてきたら、そのまま道を歩かずに尾根にとりつこう。道がどこに続いているかは確認していない。尾根には白いビニールひもで目印がつけてあり、基本的にこれを信用しても大丈夫だ。

三ツドッケ・ハンギョウ尾根:イメージ3

尾根筋には途切れ途切れに踏み跡があり、またテープもついているのでルートをはずすことはないだろう。作業用に登られているらしく、笹も刈り取られていた。ヤブコギがうるさいようなところはなかった。この刈り取られた笹の先が尖っているので、足にチクチクと刺さってくる。スパッツなどで足元を固めた方がいいだろう。また転倒したら怪我をするかもしれないので十分に注意が必要だ。途中しっかりとした道に何度も出会うが、稜線目指しているかどうか確信が持てなかったので、そのまま尾根筋を進んだ。いずれにせよ途中にはまったく標識はないので、地図とコンパスと地形を見ながら進む方が確実だと思う。こうして3時間も歩けば、やがて稜線にたどりつく。

三ツドッケ・ハンギョウ尾根:イメージ4

稜線にあがると、長沢背稜を縦走するハイキングコースに出る。この道を渡ったところがハンギョウ尾根のピークになるが、特になにもない。「山」と刻まれた御影石の標柱があるだけだ。ここから東に進めばすぐに三ツドッケだが、その前にハナド岩を訪れてみよう。西に向かって7~8分も歩けば、ハナド岩に到着する。ここは岩峰が突き出ていて、展望がいい。しかも見下ろすと垂直の崖だ。くれぐれも落ちないように。道を引き返して三ツドッケ方面に向かうと小さな手製の看板があり、「天目山」と書いてある。これは三ツドッケの別名だ。ハイキング用の地図では記載のない道だが、問題無く歩ける。少々の登りに耐えれば、三ツドッケの狭くて静かな山頂だ。ここからは石尾根方面の眺めがよい。このまま進めば一杯水避難小屋に出るが、少々滑りやすいので注意だ。下山はヨコスズ尾根になる。特に問題のない道を下りていけば、東日原のバス停付近に出る。なお、今回の山行で我々はハンギョウ尾根の西側にある大栗尾根を下ったが、まともな踏み跡もないところなので登りに使うのも下りに使うのもやめたほうがよい。地形も複雑で、岩場も多い。

-DATA-

場所:
東京都西多摩郡奥多摩町
交通:
JR青梅線奥多摩駅から日原方面行きバス終点下車
駐車場:
林道に何ヶ所か停めることは可能。鍾乳洞見学者用の駐車場は有料なので注意。
トイレ:
日原にある。ルート上にはまったくない。
その他:
地図とコンパスを使えることが前提条件。初心者同士のパーティはやめたほうが無難だ。

谷中霊園でメジロを探せ!

Mar.26, 2002 バードウォッチ・はじめの一歩

谷中霊園でメジロを探せ!:イメージ1

お墓を巡る、などというと、ちょっと不気味がられそうですが、谷中霊園は著名人も多く眠る約10万平方メートルという広さの墓地であり、春は桜の名所であります。また、広々とした霊園は、一年中緑が絶えないことから、野鳥のたくさんいる、隠れたバードウオッチングスポットとしても知られています。桜咲く春、わたしは、愛らしいメジロが見たくなり、花見をかねて谷中霊園へ出掛けてみました。日暮里駅南口を出て、駅の横の階段を上ると、もうそこは、谷中霊園の中です。霊園には、たくさんの桜の木があって、すでに満開でした。まずは、桜を楽しみながら、道なりにお墓を直進していきます。桜の名所ということもあって、カメラ片手のビジターは意外に多く驚きました。

谷中霊園でメジロを探せ!:イメージ3 谷中霊園でメジロを探せ!:イメージ2

お墓とお墓の間の大きな通りに有名な染井吉野の桜並木はあります。ここにくると「イイよ、イイよ」と、まくし立てるような甲高い鳥の鳴き声が聞こえてきました。「イイよ、イイよ」ってなんの鳥なのだろう、と持参した鳥図鑑で調べてみると、どうやら「ヒヨドリ」という鳥のようでした。ヒーヨヒーヨと鳴くことから(わたしにはイイよ、イイよと聞こえるのですが)ヒヨドリと名前がついたといわれています。初心者のくせに、双眼鏡を忘れてしまい、姿をなかなか確認することはできませんでしたが、なるべく気配を殺して、じっと桜の木を観察しているとかなりの至近距離まで降りてきて、全体的にグレーでぼさぼさ頭の姿をしっかりとみることができました。あわててデジカメのシャッターをきったのですが、残念、小さなシルエットだけしか撮れませんでした。ヒヨドリはかなりの甘党です。桜の花の蜜が大好き。なので、桜の蜜を吸うのに桜の花をつっつくので、はらはらと桜の花びらが風に舞います。まるで、この桜並木を盛り上げてくれるかのような花吹雪です。初めて覚えたヒヨドリは、気づけばとても身近にいる鳥でした。今まで気づきませんでしたが、とにかく、この時期、桜の木と同様に、なにかと目立つ野鳥なのは確かです。

谷中霊園でメジロを探せ!:イメージ4

桜並木の中ほどには、幸田露伴の小説「五重塔」のモデルになった五重塔跡地があります。この塔は昭和32年(1957)に放火されて焼失してしまい、今は跡形もないのですが、公園になっていて、この時期、お花見の特等席と化していました。わたしが訪ねたのは昼間でしたが、すでに夜の宴のためにビニールシートがひいてありリザーブされていました。もちろん、昼間からレジャーシートを敷いてお花見をしているグループもありました。お墓のど真ん中の花見もなかなか穴場で、オツなものかもしれません。

谷中霊園でメジロを探せ!:イメージ5

ヒヨドリは、ウォッチングしましたが、本日の目的はあくまでメジロを探すことです。わたしは、まだ一度もメジロを肉眼でみたことがありませんでした。和菓子作りをするようになって、わたしは自分がとても勘違いをしていることに気づきました。それは、ウグイス餅は牛皮に青きな粉できみどり色にするので、ずっとウグイスはきみどり色の鳥だと思っていました。たしか花札でもウグイスといっておきながら、メジロのようなきみどり色の鳥として描かれています。でもウグイスはとても地味な茶色の鳥で、きみどり色の鳥といえば、メジロなのです。それを知ると、どうしてもその鮮やかなきみどり色の鳥を見てみたくなりました。なので、野鳥の声のする方へする方へと、きょろきょろしながら、お墓中を探索したのですが・・・。そうこうしているうちに、立派な古木に無数のカラスが集まってきて、まるで映画のワンシーンのようになりぞくっとしました。この姿は、サウンドつきだとかなり圧巻です。谷中には、このように絵になる立派な古木が多く残っています。東京は空襲が多かったのに、それを免れて残っているのですね。また、墓地というのは、意外と木々が多く、自然が残っているものなのだなぁ、と改めて発見しました。まるで、墓地は、バードサンクチュリアそのものです。

谷中霊園でメジロを探せ!:イメージ6

谷中霊園には、徳川家をはじめ、日本近代史の著名人がたくさん眠っています。霊園事務所にいけば、案内図を手に入れることもできますので、それを見ながらお墓を巡るのもいいでしょう。日本画家の横山大観、植物学者の牧野富太郎、詩人の上田敏、小説家の円地文子、歌人の中島歌子。個人的にファンな方のお墓も多く、なんだか不思議な気分になります。また、ロシア大司教ニコライのお墓もあり、こちらは、ちょっと変わったまるで芸術作品のようなお墓でした。いろいろと、著名人のお墓をまわっていると、いい運動にもなります。また、徳川慶喜のお墓もあります。徳川慶喜のお墓は立派な墳丘型で丸い石垣の変わった形の墓石です。その前の塀には、花の少し残る椿の植え込みがありました。そこをなにげなく見ると、きみどり色のメジロが一匹ちょんちょんちょん、と歩いているのが見えました・・・なんという偶然、そして感激!また、それに続いておなかが白く、黒いネクタイをつけているように見えるにシジュウガラも歩いていきました。椿などの常緑樹の多い場所なので、どうやら、鳥の通り道のようでした。目的も果たせ大満足。ちなみにメジロとシジュウカラは留鳥なので一年中、運がよければ出会えるはずです。徳川墓地あたりは、他よりもいっそう緑が深いので、絶好のポイントかもしれません。ただ、ヒヨドリの鳴き声だけは特徴があるので習得できたのですが、メジロやシジュウカラの鳴き声は聞き分けることができませんでした。残念、まだまだですね。

歴史上の人物のお墓をめぐりながら、バードウォッチングも楽しむ。とくに桜の季節は、お花見をしながら初心者でも特徴があってわかりやすいヒヨドリがよく観察できるので楽しいはずです。また、谷中のあたりは、ノスタルジックな古い町並みの下町で、歴史散策にもぴったりの場所です。足をのばして楽しむのもオススメです。日暮里の散策マップが、駅の近くで販売されているので、それを参考にするといいでしょう。

-DATA-

場所:
台東区谷中7丁目
開園時間:
入園自由
お墓という場所がら、バードウォッチングには節度をもって臨みましょう
トイレ:
さくら通り沿いにあり
食事処:
駐近所に食事ができるところは多い。
薬膳カレーの「じねんじょ」(03-3824-3162)
また、クワ科の植物の実をゼリーにしてレモンシロップをかけた台湾のデザート屋さん「愛玉子 オーギョーチイ」は有名(03-3821-5375)
交通:
JR・京成線日暮里駅下車、徒歩1分
参考文献:
東京の探鳥地27選「バードウオッチング散歩」松田道生著 幹書房
「バードウオッチング入門」松田道生著 山と渓谷社

駒ヶ岳(2002m)

May.26, 2002 花咲く稜線漫歩

2002年、午年。このことで、今年注目を集めている山がある。富山県魚津市と宇奈月町にまたがる駒ヶ岳(2002m)である。これまで夏道がなく、残雪期の山であったが、昨年、ブナクラ峠修復グループが、今年に合わせて駒ヶ岳に夏道を刈り拓いた。今回は山仲間8名で宇奈月町から入山し、僧ヶ岳を経由して駒ヶ岳を目指すコースをたどることにした。

駒ヶ岳(2002m):イメージ1

宇奈月温泉街からスキー場を通り、林道を車で走る。雪解けにより法面はいたるところで崩れている。崩壊と補修のいたちごっこが続く。標高1043m の広場まで車で上り、ここから先は第三登山口から歩くことになる。鉄ハシゴを使って宇奈月尾根に取り付き、林の中を歩いていく。中継地の僧ヶ岳が、本日山開きとあって関係者が先行し、いたるところにペナント、ペンキマークをつけている。この時期は、夏道が途切れ雪渓上を歩くこともあるので、足元には十分気をつけたい。僧ヶ岳の雪絵は消えたが、北側の谷筋にはまだ雪がついており、山スキーが楽しめそうである。雪渓の端を歩いて、滑れそうな谷を物色しながら夏道に戻る。路傍にはカタクリ、シラネアオイ、コイワカガミ、ニリンソウ、ツバメオモトなど多くの花が咲いており、登山者の目を和ませる。特にカタクリは、いたるところで群生しており、その数の多さに驚かされる。生息場所が登山道に近いので、踏み荒らされないことを祈るばかりである。

駒ヶ岳(2002m):イメージ2

僧ヶ岳山頂手前、仏ヶ平で一息つく。日差しは夏のようだが、立ち止まると吹き抜ける風は冷たい。山頂に目をやると、点のような人影が動いているのが見える。ここからもうひとがんばりで僧ヶ岳山頂となる。山頂でまず目に飛び込むのは、堂々たる雄姿の毛勝山だ。同行のメンバーが口をそろえて「かっこいい~」と褒め称える。休憩がてら山座同定を行った後、一路駒ヶ岳へと向かう。駒ヶ岳への稜線上は、すでに雪は消えており、すべて夏道を歩いた。尾根伝いの夏道は、ササが幅広く刈り取られていて、大変歩きやすい。僧ヶ岳からいったん北又乗越まで標高を下げ、北駒ヶ岳(1914m)を通過していく。山頂直下にはザイルつきの岩場があるが、落ち着いて通過すれば問題ないルートである。

駒ヶ岳山頂に立つと、360度遮るものがない抜群の眺望である。南には毛勝山、ウドの頭、滝倉山、サンナビキ山、駒ヶ岳へと剱岳北方稜線が連なる。剱岳は残念ながら雲の中であった。東斜面には雪がたっぷり残っており、山スキーの衝動に駆られる。記念写真は、山名・標高を記した真新しい看板と一緒に1枚、毛勝山をバックに1枚と2パターン撮影した。山頂からの景色を眺めながら、昼食を摂るのは最高の気分だが、風が吹くと遮るものがないので、防寒着は必ず持っていきたい。雪が残っているくらいなのだから、まだまだ寒いのである。

山頂の眺めを満喫したら往路を戻り下山する。僧ヶ岳まで登り返すのが、疲れた体には長くて辛い。僧ヶ岳山頂で改めて駒ヶ岳を見て感慨にふける。あとはテンポ良く下るだけだが、雪付きの斜面では、スリップに十分注意したい。心配ならば、ピッケルでステップを切るくらいのことはしたい。また、雪解け水で岩場が濡れて滑りやすくなっているところもある。淡々と歩いて出発地点まで戻れば、宇奈月温泉が待っている。

-DATA-

場所:
富山県魚津市・宇奈月町
富山地方鉄道宇奈月温泉駅手前に、僧ヶ岳登山道の看板あり。道は細く曲がりくねった上に、法面が崩落している個所もあるので、車の運転には注意
交通:
タクシーなら平和の像まで入れる。自家用車なら1280m登山口まで入ることができるが、通常は1043mの広場に駐車し、林道を300m歩いて第三登山口からスタートする。
駐車場:
1043mの広場に数台停まれるスペースあり
トイレ:
現在はないが、設置の動きあり
水場:
なし
携帯電話:
駒ヶ岳山頂で使用可能(J-PHONE)
参考タイム:
第三登山口(1時間50分)烏帽子尾根と宇奈月尾根の分岐(40分)仏ヶ平(30分)僧ヶ岳山頂(50分)北駒ヶ岳(35分)駒ヶ岳山頂(30分)北駒ヶ岳(45分)僧ヶ岳(45分)烏帽子尾根と宇奈月尾根の分岐(1時間40分)第三登山口
登山上の注意点:
残雪期は、登山道が雪に埋もれていることがあるので、下山時のスリップには気をつけたい。また、ルートを誤り谷筋に入らないように。

川苔山真名井北稜

May.12, 2002 マニアックなハイキング

川苔山真名井北稜:イメージ1

奥多摩・川苔山といえば、都心からも近く人気の高いハイキングコースだ。この山から派生する尾根のほとんどに登山道が作られていて、同じ山を何度でも楽しめるだろう。しかしひとつだけ、一般向けには紹介されていない尾根がある。それが真名井北稜だ。私が持っている最新のハイキング地図(昭文社)では作業道らしき点線が表示されてはいるものの、説明等はなにもない。というわけで私が所属する山岳会の大先輩であるM氏と行ってみることにした。彼は定年前まではバリバリのアルパインクライマーで、退職してからはフリークライマーとして未だに岩を登っている。また奥多摩の山を登るときでも道の無い尾根を地図で探して登るという、根っからの山好きだ。アプローチはJR青梅線川井駅から。バスに10分ほど乗ると上日向というバス停がある。

川苔山真名井北稜:イメージ2

バス停から上流を目指して歩くと、すぐに対岸に渡る橋があるので左折だ。川を渡ったら右折し、林道を進む。200mも歩けば、登山道入り口が見えてくるだろう。しかし今回のルートはハイキングコースとして整備されているわけではないので、「川苔山入り口」などと書いてあるわけではない。黄色いポールが目印である。このポールは送電線の鉄塔へ向かう作業道を意味するものだ。しばらくは急な登り坂なのでゆっくり行こう。標高差で100mも登れば、稜線になる。ここには誰かが手作りした「真名井北稜」の看板があるだけだ。ルートはここから稜線沿になる。しかしほとんど人が入らないので、しっかりと踏まれていない。時々踏み跡が不明瞭になるので、地図とコンパスでしっかりと確認したい。稜線を辿って行くと、すぐに大きな鉄塔の下に出るだろう。鉄塔の下は眺望がよく、棒の嶺などが間近に見える。鉄塔はこれから何本も出てくるので、いい目印になるだろう。注意したいのは、鉄塔の下でほとんど踏み跡が消えていること。場合によっては少し探す必要があるかもしれない。

川苔山真名井北稜:イメージ3

途中で大規模な伐採の跡を通る。ここは大変見通しがよい。しかし伐採した木を見るとかなり年月が経過しており、果たして今後植樹されるのだろうか?と疑問に思う。鉄塔がなくなると稜線は細くなってきて、なかなか面白い。が、整備されているわけではないので転落には注意だ。5月のこの時期、山ツツジが咲いていて気持ちのいい道だ。しかもまったくといっていいほど、標識はないし赤テープの類も見当たらない。奥多摩にもこんなに原始的な雰囲気の道があるのかと思うと、もう普通のハイキングコースでは満足できなくなるだろう。やがて真名井北稜は赤杭尾根(あかぐなおね)と合流する。ここからは30分ほどで川苔山だが、この周辺は登山道が交錯しているのでハイキング用の地図でしっかり確認しよう。

川苔山真名井北稜:イメージ4

下山は様々なコースを選択できる。赤杭尾根は緩やかな下りが続くコースで、3時間程度で青梅線古里駅に行ける。体力が余っているのなら本仁田山経由で奥多摩駅を目指すのもよい。ただし最後はなかなかの急下降だ。川苔谷方面は長い林道歩きがある。このルートはほとんど人が通らないので、万が一の事故発生時に他人に助けを求めることはまず不可能だ。単独で行かれるかたは覚悟の上でどうぞ。また地図とコンパスは必携で、当然ながらそれを使う頭も持っていなければならない。高度計も持参すればさらに安心だ。ルート上に水場は皆無だ。充分に持って行こう。

-DATA-

場所:
東京都西多摩郡奥多摩町
交通:
JR青梅線川井駅から上日向行きバス10分
駐車場:
特にない。車道上での駐車はバスの通行に支障があるので避けたい。
トイレ:
駅以外にはない。
その他:
携帯は使用できないようだ。

残雪の尾瀬沼 後編

May.01, 2002 雪におおわれた尾瀬沼と大江湿原を歩く

残雪の尾瀬沼 後編:三平峠付近の林

『氷結した尾瀬沼を目指し大清水から歩く』に続いて、尾瀬沼を目指すルートを紹介する。三平峠から尾瀬沼へは下りとなる。木がまばらな林を進むと時々左に燧ヶ岳の上の方が見え、しばらくすると真っ白な尾瀬沼とその向こうにこれまた真っ白な大江湿原が見える。沼はごく一部が解けているようだが、ほとんどが真っ白で、氷結した湖面に雪が積もっているのだ。だんだんと下りが急になってくるので、既に歩いた人が作ってくれたステップのあとをたどって下って行く。やがて沼の左手に燧ヶ岳が見えてくる。下りの前半は沼がよく見えるところを沼へ向かってまっすぐ降りていく感じだが、後半は右へ方向を変え、林の中を降りて行くことになるので、木に付いているピンクのリボンをよく見て進んでいこう。やがて三平下の尾瀬沼山荘の所へ出る。尾瀬沼山荘の営業はまだ始まっていない。沼のへりへ行ってみると、湖面は凍っているものの、氷の厚みは薄いようだ。来る前に山小屋に問い合わせたところ、「湖面を歩かないように」と言われたし、雪解けの早く進んだ今年は湖面歩きはお預けだ。三平下から長蔵小屋のある尾瀬沼東岸は夏道か沼沿いを歩くように言われた。夏は歩けない沼沿いを歩くことにする。所々、沼の氷が解けている。3箇所ほど右から沢が流れているが、沢は雪が積もって隠れており、沼に注ぎ込むところだけ雪が解けていて、水が流れ込んでいるのが分かる。雪が固そうな所を選んで、慎重に渡る。

残雪の尾瀬沼 後編:ミズバショウ

長蔵小屋すぐ手前の湿原では雪が解けて地面が見え、ミズバショウが咲き、コバイケイソウが葉を伸ばしている。ゴールデンウィークにミズバショウが見られるのは今年くらいだろう。長蔵小屋に宿泊の手続きをして、大江湿原に行ってみる。夏の間は花が彩る湿原も今は真っ白の世界だ。細い川は雪がかぶっているものの、それほど厚くなく、どこでも歩けるという感じではない。また、尾瀬沼周辺でゴールデンウィークに営業を始めているのは長蔵小屋くらいなので注意していただきたい。翌日は来た道を通って帰る。なお、尾瀬沼の北の沼山峠はゴールデンウィーク時期には除雪が済んでいない。尾瀬沼東岸から浅湖湿原、段小屋坂を通って尾瀬ヶ原へ行く人もいるが、積雪が多く、ルートもはっきりしないので上級者向けであるので注意していただきたい。大清水へ戻ったら、車道のすぐ脇の大清水湿原で見頃になっているミズバショウやザゼンソウを見て、帰途に付くことにしよう。

残雪の尾瀬沼 後編:大江川

ゴールデンウィークの時期は年によって残雪の残り方が異なるし、一之瀬から三平峠のルートを今回紹介した夏道ではなく、冬季用の冬路沢(ふゆみちさわ)沿いに登るコースを歩くように指定される場合もあるので、尾瀬沼畔や大清水の山小屋に問い合わせたり、尾瀬保護財団などのホームページで情報を入手する必要がある。湿原の雪が1.5mくらい残っている場所なら歩いても問題ないが、雪解けが進んでいる付近は湿原を傷める危険性があるので歩くのは避ける必要がある。 6月には十二曲がりのあたりではすっかり緑の葉に包まれた林の中にヤシオツツジの鮮やかな赤っぽい花が見られる。なお、「残雪の尾瀬ヶ原」、「尾瀬沼」のレポートも参考になると思われる。また、燧ヶ岳の北側から登ってのスノーレポート「燧ヶ岳スキー」のレポートも参考になるだろう。

残雪の尾瀬沼 後編:朝焼けの燧ヶ岳

今回通った、大清水から尾瀬沼へ至る道は、江戸時代から利用されてきた沼田街道の一部である。道路地図を見ていただくと分かるが、沼田市から大清水までの国道120号、401号から今は、林道や登山道となっている三平峠を通り、尾瀬沼の東岸を通り、沼山峠を越えて、檜枝岐村から国道352号、401号を経て、南郷村、そして会津若松市へと至るのが沼田街道である。古くは上州(群馬県)と会津(福島県会津地方)を結び、背に荷物を載せた馬が行き交った道なのである。交易の道だった大清水から尾瀬沼の道も、尾瀬が観光の対象となってきた昭和40年代に舗装して車道化しようという計画があった。それに真っ先に反対したのが、尾瀬沼畔にある長蔵小屋の3代目主人だった平野長靖氏であった。平野長靖氏は環境庁長官に直訴し、自然保護運動の世論の高まりもあって、自動車道建設は阻止された。そんな歴史があって大清水から尾瀬沼、沼山峠への、環境が守られ、ミズバショウやニッコウキスゲなどの群落、そして動植物が以前のまま残されたのである。これら尾瀬に限らず貴重な自然を、後世に残して行きたいと強く感じた今回の尾瀬行きだった。

-DATA-

場所:
福島県南会津郡檜枝岐村
タイム:
計6時間40分 行き:大清水(1時間)一之瀬(1時間50分)三平峠(15分)三平下(30分)尾瀬沼東岸
帰り:尾瀬沼東岸(30分)三平下(25分)三平峠(1時間20分)一之瀬(50分)大清水 (雪の上を歩くことを考慮したタイム)
交通:
鉄道・バス:東京、上野、大宮などから上越・長野新幹線で高崎下車、上越線に乗り換え沼田下車、大清水行きのバスにて終点大清水下車(バスは要運行確認)
車:関越自動車道を沼田ICで降り、国道120号を北上、尾瀬方面に向かい、大清水へ
駐車場:
大清水(群馬県利根郡片品村)
自動販売機:
大清水
トイレ:
大清水、一之瀬休憩所
水場:
岩清水、長蔵小屋(尾瀬沼東岸)
携帯電話:
大清水付近のみ通話可能
公衆電話:
大清水、長蔵小屋(尾瀬沼東岸)

残雪の尾瀬沼 前編

May.01, 2002 氷結した尾瀬沼を目指し大清水から歩く

残雪の尾瀬沼 前編:キクザキイチゲ

尾瀬沼は標高が1665mと尾瀬ヶ原より高く、11月から4月まで雪だけの世界となる。雪は3m以上積もり、4月末に尾瀬沼畔の一部の山小屋が小屋明けする頃でも例年3mの雪があるという。去年のゴールデンウィークは、尾瀬ヶ原を歩いたが、今年こそ念願の尾瀬沼へ行こうと以前より計画していた。尾瀬沼への群馬県側の玄関口である大清水の湿原ではミズバショウが咲いていることもあり、出掛けることにした。なお、雪道の登り降りが多いことからストックがあると良い。また、スキー場と同じように、雪からの反射で紫外線が多いので、目を保護するために、紫外線をカットするサングラスがあった方が良く、日焼け止めも必要である。

残雪の尾瀬沼 前編:フキノトウ

2002年は大清水への路線バスが5月1日より走り始めたが、本数が少なく、朝早く大清水へ着きたかったこともあって車で行くこととした。戸倉を過ぎて春めいてきた林の中を走る。右側に所々、山桜が咲いている。標高の高いこのあたりでは、今が桜の見頃のようだ。やがて、左側にミズバショウの咲く小さな湿原が見えてくる。旅館や土産物屋が数軒有って、林道の入口がゲートでふさがれているところから、右へ坂を下ったところに無料駐車場があるので、そこに車を停める。身支度を整えたら、標高約1180mの大清水から歩き出す。車止めの横を通って、林道を歩き始める。一之瀬まではゆるやかで単調な登り坂が続く。大清水から一之瀬で林道が終わるまで、道の右側は林道より低くなっていて、少し離れたところに片品川が流れている。林道の左側は荷鞍山から白尾山の山腹にあたり、斜面になっている。歩き始めてしばらくすると、道の両脇に淡い紫色のキクザキイチゲがあちらこちらに咲いている。白いキクザキイチゲも紫の花に混じって所々にある。左側の道端や、斜面にはフキノトウが花を付けている。ネコヤナギの木にはフサフサした花がたくさん付いている。先へ進んで行くと、林道に大きな石が落ちていた。左側から落ちてきたのだろうが、気を付けなくてはいけない。

残雪の尾瀬沼 前編:ショウジョウバカマ

一之瀬の休憩所が右側に見えてくるが、トイレが使えるのみで、ゴールデンウィークの時期は売店は閉まっている。一之瀬休憩所を過ぎて三平橋を渡ると、林道が終わりとなり、道標に従って尾瀬沼方面への登山道に入る。道は雪解けで出来た水たまりの箇所があったり、雪の上を歩くところも出てくる。そして雪が解けたあとを歩くところもある。今年は積雪量が少な目だったのと、3月から4月の気温が高かったことで残雪が少ないと言うことで、例年のゴールデンウィークなら一之瀬から先は雪ばかりだと言うことだ。登っていくと、雪の上を歩く方が多くなる。左側が切れ落ちてはるか下に川が流れているという箇所もあるので、慎重に歩を進める。雪の上を歩いて行くが、私が行ったときは踏み跡があったが、ゴールデンウィークの初め頃には踏み跡も無いのだろう。このルートを歩いたことがあって、ある程度、周囲の地理を分かっていないと道が分からないと思う。冬路沢(ふゆみちさわ)に架かる橋を通って更に登る。左から水が湧き出していて、マグカップがひもにつながれている。尾瀬沼までのコース中で、唯一の水場の岩清水である。ベンチがふたつあり、雪が解けているので座ることが出来た。ここから少し登った所にもベンチがある。

残雪の尾瀬沼 前編:三平見晴での景色

この岩清水のベンチを過ぎた所から道は急になり、木の階段が現れる。階段には雪の残っているところも、雪が解けているところもある。雪が解けかけているところでは、階段の板の間に足を降ろして踏み抜かないように注意が必要だ。登山道は左へ、右へとジグザグに登っていく十二曲がりになる。十二曲がりの登山道脇の雪が解けた斜面には、ショウジョウバカマが赤い花を付けている。ジグザグが本当に12あるかは分からないが、階段や坂の登りが終わって、緩やかな登りの木道になると、三平見晴である。皿伏山の向こうには、尾瀬ヶ原の西にある至仏山のてっぺんのみが見えている。ここからは天気が良ければ富士山も見えるという。再び歩き出すが、木道はすぐに終わって、林の中の緩やかな登りである。道は雪が完全に覆っているが、2002年は片品村の遭難対策本部によって、木などにピンク色のリボンがある間隔で付いているので、それを目印にして歩いていく。ゆるやかな坂を登っていくと雪に半分埋もれた案内地図がある。ここが標高約1760mの三平峠になる。

(後編『雪におおわれた尾瀬沼と大江湿原を歩く』に続く)

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