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清澄庭園で奇石名石&鴨ウオッチ

Feb.22, 2002 バードウォッチ・はじめの一歩

最近「鴨」が気になってしかたありませんでした。冬、川原や池、湖などを歩いているとたくさんの鴨に遭遇します。今までは、あまり興味もありませんでしたが、ふと見ると鴨はカルガモやマガモだけではなく、たくさんの種類の名前の分からない鴨たちがいることに気づきました。なので、冬になるとたくさんの鴨がやってくるという清澄庭園へ鳥図鑑を持っていき、本格的なバードウォッチングをしてみることにしました。もちろん、自然と調和して作られた「庭園美」もじっくりと堪能する予定です。

清澄庭園で奇石名石&鴨ウオッチ:イメージ1

清澄庭園は、江戸の豪商紀ノ国屋文左衛門の別邸であったといわれ、その後、諸大名の下屋敷として利用されてきました。明治11年には、三菱財団の祖、岩崎弥太郎が社員の慰安や貴賓客の接待のために買い取り、隅田川の水を引き、満ち干で池に表情を与える回遊式林泉庭園にしました。なので、庭園のほとんどを池が占め、そのまわりに大小の島や飛び石を並べた「磯渡り」を配置しています。「磯渡り」は、大きな丸い石をリズミカルに池の中に並べて、その水面ぎりぎりのところを歩くようにする、遊び心のある庭園のスタイルです。そこを歩くのは、非日常的でとても新鮮な感覚が味わえます。

清澄庭園で奇石名石&鴨ウオッチ:イメージ2

とくに「大磯渡り」では、鯉に餌をやっている人が多くいました。ここの鯉はかなり巨大化していて、ドアップで見るとちょっと不気味です。飛び石のまわりにたくさん寄ってきて、人が通るたびに口をぱくぱく開け、餌を催促をしているようでした。「磯渡り」の石に乗り、至近距離で池の中の動物を観察できるのもここの魅力のようです。「大磯渡り」を渡り終えると、珍しいバリケンという水鳥がいました。バリケンは、アヒルとカルガモのあいのこで、メキシコや中南米に生息したノバリケンを家禽化したものです。目のまわりは赤く、白と黒のまだら模様の羽をしています。図鑑にもあまり載っていない怪鳥です。鶏を連想するような、ちょっと不思議な鳥でした。

清澄庭園で奇石名石&鴨ウオッチ:イメージ3

傘亭から涼亭にかけては、池のまわりにベンチがあるので鴨をじっくりと観察するにはベストポジションでした。カルガモより小さくて、尾がぴんと立っている首の長い鴨。鳥図鑑で調べると「オナガガモ」だと分かりました。着物の絞りのような柄の羽でとても綺麗。じっと観察しているとくちばしを水面につけてずずずーっと水を吸い込んでいます。また、お尻だけ水面に出して逆立ちをするようなスタイルになり、水底の餌をとっている姿も愛らしかったです。思わず時間を忘れ、しばし観察してしまいました。鳥を観察することが、こんなに楽しいとは思いもよりませんでした。

清澄庭園で奇石名石&鴨ウオッチ:イメージ4

光沢のある黒でお腹のあたりは白。後頭部は寝癖のように立っていて、目は黄色。これは「キンクロハジロ」だと分かりました。ここの池に一番多くいる鴨なのではないでしょうか。鴨は、夜行性なので昼間は池の上でぷかぷかと昼寝をしながら浮いているのがほとんどです。けれど、ときにはばしゃばしゃと水浴びをしたり羽づくろいをしている光景も目につきます。本によると鴨の羽づくろいはとても重要で、羽が水をはじくように油のにじみ出る尾部にくちばしをもっていき、それで手入れをしているのだといいます。それを知ると、鴨の仕草一つ一つに感慨深くなりました。この他、池にいる鴨の種類は、ホシハジロ、カルガモ、ヒドリガモです。カイツブリもいるはずなのですが、初心者のわたしには、見つけることができませんでした。それにしても、鴨の名前を図鑑で調べて覚えていくことは、鴨に親近感が生まれ、なんだか楽しいものです。冬の季節にだけ鴨の雄は、綺麗で特徴的な羽になります。また、鴨は日なが水辺にいるので、双眼鏡なしで観察できて、バードウォッチビギナーでもいろいろな発見ができそうです。

清澄庭園で奇石名石&鴨ウオッチ:イメージ5

池を右回りでめぐり、沈丁花の香りただよう最後の「磯渡り」にくると、亀がたくさんいました。最初は、ぜんぜん動かないので作り物かと思いましたが、本物らしく、ミシシッピ-アカミミガメ、ワサガメ、イシガメ、スッポンなどだそうです。池には、もう冬眠から目覚めてしまったのか、藻の中から蛙がのんびりと泳いでいるのも見えました。「磯渡り」を渡り終えると、大きな一枚岩の「舟着石」に出ます。これも造園造りのために隅田川の水運を利用して運びこまれたそうですが、いったいどのような技術をしてこうした巨大な石を運んでこれたのか、考えるだけで感嘆ものです。ここの庭園は、石庭でもあって今では入手が困難な全国の奇石珍石が60個あまり置かれています。ここでは、日本人の贅を尽くした庭園美を知る機会にも恵まれているのです。

清澄庭園で奇石名石&鴨ウオッチ:イメージ7 清澄庭園で奇石名石&鴨ウオッチ:イメージ6

最後に、わたしがとくに興味をもった珍しい石を紹介しましょう。らくだが座っているような「根府川石」。こんな濃紺のピンク色の石があるのか、と驚いた「佐渡の赤玉石」。これらの石を見ていると自然の作った造形物は不思議です。「秩父の青石」「武州三波青石」「加茂真黒石」なども、石の持つ美の奥深さを知ることができます。日常では意識しない視点で「観察」する。この庭園のキーポイントはそこにあるかもしれません。珍しい石や岩を見て、バードウォッチングも楽しむ。とくに、冬の鴨ウォッチングには、観察しやすいサイズの池なのでオススメです。木々も多いので、その他、野鳥もたくさんいます。この庭園で、気軽なバードウォッチングはいかが?

-清澄庭園で見られるその他の野鳥-

ヒヨドリ・ムクドリ・カワライワ・シジュウカラ・カワウ・ダイサギ・コサギ・ゴイサギ・キジバト・オナガ他(注意:カルガモ以外の鴨は冬鳥です)

-DATA-

場所:
東京都江東区清澄3-3-9
開園時間:
9時~17時
入館料:
一般および中学生 150円
問い合わせ:
清澄庭園管理所 03-3641-5892
交通:
都営地下鉄大江戸線清澄白河駅下車 徒歩3分
都営地下鉄新宿森下駅下車 徒歩15分
地下鉄東西線門前仲町駅下車 徒歩20分
駐車場:
なし
備考:
隣接して清澄公園がある。こちらは無料。
参考文献:
「東京の探鳥地27選 バードウォッチング散歩」松田道生著 幹書房
「バードウォッチング入門」松田道生著 山と渓谷社

伊予富士

Feb.9, 2002 石鎚連峰の懐へ雪の中進む

伊予富士:イメージ1

寒波来襲の週末。炬燵でオリンピックの開会式というのもいいのだが、どうも天気は良いようだ。そうなると雪山を目指したくなる。早起きして身支度整え、熱いコーヒーをテルモスに詰めると、まだ暗い高速に飛び乗った。四国の中でも豪雪地帯といえる、石鎚連峰の中でも比較的アプローチがしやすくて、登山口の標高が高く、コースタイムが短めの峰、伊予富士へ向かう。実は最後まで寒風山とどちらにしようか迷ったのだが、分岐点まで行って決めようと、いよ西条インターを降りた。国道11号から国道194号へ。朝早いのでアプローチは恐らく凍結した道を進まねばならない。より雪の少ないと思われる高知側から登山口へ向かうことにする。真新しい、四国最長のトンネル「新寒風山トンネル」を抜けて高知へ。すぐに寒風山への案内板があり、左折。細い道を「旧寒風山トンネル」を目指して登っていく。ヘアピンをいくつか越えると道に雪が増えだす。慎重に進む。やがてトンネルの手前の駐車場に到着。既に10台ほど車が停まっていて、僕はなんだか最後発っぽい。

伊予富士:イメージ2

アイゼンをつけ登山口へ。冬型の天候のため、高知側はすこぶる晴天。この青空が頂上でも続いていたらなぁと登り始める。いきなり急勾配。ところどころ雪が凍っていて危ない。正直、普段運動不足の僕には辛いスタートだ。樹林帯の中を標高をどんどん高めていく。樹林帯といってもすっかり葉が落ちていて日差しが差し込み明るく気持ちいい。インナーのフリースを脱いでも暑い。小鳥のさえずりも賑やかだ。上を見上げると青い空の中に白い雪を抱いた峰が見える。伊予富士ではなく支尾根のコブだと思うが、充分美しい。単調な急登も十分気がまぎれる。マイペースを保って登っていくとやがて木の背丈が低くなり、笹原に出る。道も平坦で、どうやらここが桑瀬峠だ。伊予富士方向への踏み跡はあるが、ちょっと峠の先まで出てみる。西条市街から瀬戸内海が一望だ。灰色の雪雲が湧いてきていてすっきりしないが大展望ではある。雪だまりでは二人組みがスノーシューを満喫していた。ここから右手に向かうと寒風山、左手だと伊予富士。寒風山のほうがやや北よりな為か、頂上付近に雲が迫っている。頂上がはっきり見えている伊予富士に向かうことにした。

伊予富士:イメージ3

雪に覆われた笹原を進む。踏み跡が減ったので、ちょっと道をずれると雪に足が腿まで埋まる。雪の上には動物の足跡が転々としていて、眩しい日差しと相まって美しい。時折北風が猛烈に吹き付けるが、尾根のルートが南側を通っているので多少風除けになる。途中しゃがんでカロリーメイトとコーヒーを腹に入れる。僕は空腹を感じ出すとよけいに疲れるのだ。急な登りに入り、振り返ると寒風山の向こうに笹ヶ峰も顔を出している。登りきってモミの木の林を抜けると、今度は目の前に存在感のある伊予富士が顔を出した。なるほど、「これが富士?」という山容だ。その奥にも瓶ガ森にかけての峰が続いていて、「富士=独立峰」のイメージには合わない。とはいえ、雪で真っ白の伊予富士は荘厳な感じを漂わせている。

伊予富士:イメージ4

ゆっくりと慎重に歩を進めて手前のピークを越える。下りきると平坦な笹原で、ここからが最後の急な登りだ。1組のパーティがザイルなどを使って、雪上の訓練をやっているのが下からよく見える。登り始めは完全に凍った道だ。アイゼンを効かせて登っていく。直登に近い場所は、なるほどザイルが欲しいぐらい危なっかしい。靴を横向きに慎重に進む。きついのだが、この上が頂上だと思うと踏ん張りがきく。低い背丈の木は全部樹氷だ。息を切らせて登りきった。1,756m の伊予富士山頂。目の前には瓶ガ森がどっしりと構えている。瓶ガ森林道から夏に見ると単なるピークぐらいに見えるのだが、今、こうして伊予富士から見ると、雪で覆われた瓶ガ森はかなり迫力がある山塊だ。

なお、直下に瓶ガ森林道が見えていて、伊予富士直下から降りることもできるが、林道は鷹ノ巣山をぐるっと巻いており、かなり長距離。しかも全線ツボ足覚悟。お勧めできない。来た道を戻ろう。

-DATA-

場所:
愛媛県西条市
交通:
JR予讃線伊予西条駅からタクシー。45分。
タイム:
登山口 -(50分)- 桑瀬峠 -(70分)- 頂上
駐車場:
登山口に駐車場あり
トイレ:
登山口
自動販売機:
無し
携帯電話:
コース内全て圏内。電波弱い個所あり。
連絡先:
西条市役所 0897-56-5151

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