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中津山

Jan.28, 2002 南国土佐の高知で雪山に挑戦

中津山:イメージ1

高知といっても北部の愛媛県との県境は大豪雪地帯だ。マイカーでのアプローチも困難な山が多い中、比較的雪が多いが、登山口までは雪が少なくて行けるのが、今回の目的地の中津山。高知県の吾川村と、愛媛県の美川村、柳谷村に接する明峰だ。僕はフライで中津川に何度か来た事があったが、あの川の上流にこんな雪深い山があるとは知らなかった。高知市から伊野、佐川経由で吾川村に出る。仁淀川の美しい流れを見やりつつ支流の名野川へ。ここは中津渓谷として秋の紅葉が見事なことで有名だ。県道363号の細道を奥へ奥へ進むと、約30分でアガワスカイパークというパラグライダーエリアへ到着する。当然この時期は誰もいなかった。

中津山:イメージ2

登山口の大山祇神社で御参りをして、いざ出発。林道があるが、登山道はその林道を何度か横切る形で直登気味についている。スギ・ヒノキの人工林の間を凍った雪に注意しながら登る。林道に出ても、道沿いの赤テープで次の入り口が分かる。これは頂上まで同じパターンだ。週末と思われる踏み跡はあるが、雪が降ったりしてあまりあてにはならない。急登がかなり続いて嫌になってくる。「行けども行けども」という感じ。実際はあまり時間はたっていないんだが、どうも同じ景色というのがいけない。と、目の前が明るくなってきた。どうやら人工林帯を抜けたようだ。間隔のあいた明るい落葉樹の林の中をラッセルで進む。正直思っていたより雪が多い。

中津山:イメージ3

アイゼンはあっても時折足が50cm以上沈む。表面が凍っていて、中が空洞気味のことがあるようだ。気をつけないと転倒してしまう。風はなく穏やかだが、山頂方面のガスは晴れない。取り合えず道標頼りに、高度をあげていく。ほどなく林道と出会う。林道も20cm程度の雪が積もっていて、ここも歩きづらい。再び登山道をラッセル。振り返ると銀世界から緑の世界へのグラデーションが美しい。木の量が減り、背丈が低くなってくるとさすがに突然の突風は避けられない。数秒間だが顔が痛いほど冷たい風にさらされる。笹原に覆われているらしいのだが、雪が深くてよく分からない。林道の谷川は溶けた雪が再び凍ってアイスバーンになっていて非常に危ない。

中津山:イメージ4

ガスが時折晴れて、目指す山頂がいよいよ見えてきた。最後の踏ん張りだ。斜面はアイスバーンで、突風にさらされるが、アイゼンをうまく使って慎重に進む。地吹雪が激しい。ガスに包まれることもある。それでも一歩一歩進む。おー!ここが頂上、1,541mか!絶景を楽しむゆとりはないが、心地よい満足感。周囲の樹氷の陰でコーヒーとカロリーメイトでいつもより寂しい昼食を済ませる。それでも空腹が満たされるとまた達成感が沸いてくる。南国土佐でこの雪の量。イメージとのミスマッチが非常に面白い、雪山登山であった。

-DATA-

場所:
高知県吾川郡吾川村
交通:
JRバス土佐大崎バス停よりタクシー。30分。
タイム:
アガワスカイパーク-(1000分)-山頂
駐車場:
大山祇神社前に数台可能
トイレ:
大山祇神社境内
自動販売機:
無し
携帯電話:
コース内全て圏内
連絡先:
吾川村役場 0889-35-0111

硫黄岳2760m 美濃戸~硫黄岳

Jan.26, 2002 風を求めて冬山へ。

硫黄岳2760m 美濃戸~硫黄岳:イメージ1

八ヶ岳の硫黄岳といえば火山壁があって風の強い場所で有名だが、冬山初心者、ツアーコースとしても人気がある山である。赤岳鉱泉をベースに南八ヶ岳の縦走、硫黄岳の往復など短時間で快適な冬山を過ごせるが、日帰りで硫黄岳の往復となると、少々レベルが上がる。日帰りでこなす冬山登山は、天候が安定していて、トレースが有り、体力が有るかの条件付きだが、これが無理なら赤岳鉱泉で1泊して体調を整えてから硫黄岳に登るのがベストだろう。硫黄岳は今回で5度目。最初に登ったのは中学生の時であった。あの頃、バテバテになりながら登った硫黄岳も今では良い思い出。そして今では足慣らしの特別な山になっていた。

硫黄岳2760m 美濃戸~硫黄岳:イメージ2

硫黄岳の登山口となる美濃戸口にはJR茅野駅より通年運行されているバスを利用するかタクシーで現地まで移動する。しかし日帰りで硫黄岳を目指すなら、諏訪南ICより八ヶ岳ズームラインを通り、美濃戸口から林道を通って美濃戸まで車で入る事をお勧めする。冬でも通行できる林道は、4輪駆動車にスタットレスタイヤとチェーンを巻きつけ、美濃戸口から歩いている登山者に注意しながら赤岳山荘の有料駐車場に車を停める。1日の駐車料金が1000円と少々高いが、帰りのことを考えると、やはり美濃戸で準備をしたい。

硫黄岳2760m 美濃戸~硫黄岳:イメージ3

午前7時30分。美濃戸から続く林道は約1時間ほどで登山道となり赤岳鉱泉まで、ゆるやかな上りが続いている。先週まで山小屋関係者の車が林道終点まで入っていたが、今日はスノーモービルの通った跡が残されていた。赤岳鉱泉に到着してからコーヒーとパウンドケーキを注文して一休み。ひんやり冷えたパウンドケーキは、入れたてのコーヒーと一緒に食べて大正解。久しぶりに美味しいものを食べた気がした。

硫黄岳2760m 美濃戸~硫黄岳:イメージ4

午前9時40分。赤岳鉱泉の正面から硫黄岳に続く登山道に入る。トレースがしっかり有る登山道は、アイスクライミングが盛んなジョウゴ沢の分岐までは何の問題なく進める。ここの分岐を過ぎると、ジグザグした上りが始まり、トレースが消えかかった登山道に不安を抱きながら登ってゆく。南八ヶ岳の初心者コースでトレースの期待もしていたが、1月末の週末ともなれば登る人も少く、膝上のラッセルに苦しめられながら赤岩の頭に到着した。ここまで来れば雪は風に飛ばされ、山頂までの広い尾根歩きとなる。

硫黄岳2760m 美濃戸~硫黄岳:イメージ5

午後0時30分。硫黄岳の山頂には、昔のロボット雨量計の小さな小屋が残され、強い風から逃れる為に小屋の中に入る。12月初旬に訪れた時は、中学生に宛てた1通の手紙が小屋の片隅に置かれ、登山者の思いが淡々と書かれていたが、今では雪の中に埋もれてしまった。雪に囲まれた小屋の中は、昔の冷凍庫を思わせるほど霜が付き、静かで暖かい。まるで雪洞の中に居るような感じである。

硫黄岳2760m 美濃戸~硫黄岳:イメージ6

午後1時。山頂から山仲間にメールを送り、硫黄岳とお別れをする。赤岩の頭から樹林帯に入るまで少々急であるが、樹林帯に入ってしまえば赤岳鉱泉まで苦労することなく下れる。約1時間で赤岳鉱泉に戻り、急いでアイゼンを外す。ラジオの天気予報では、今晩から明日にかけて大雪が降るようで、八ヶ岳の上空にも黒い雪雲で覆われてきた。久しぶりの大寒波に関東平野でも雪が積もるようで、赤岳鉱泉を目指して続々と登ってくる登山者に小さな挨拶を交わしながら、美濃戸の駐車場に戻ったのは午後3時30分を少し回っていた。

赤岳鉱泉をベースにゆとりある登山計画が望ましいと思います。天候の悪い場合や降雪直後は、遭難する可能性もありますので、十分な装備と技術、食料を持って冬山に出掛けましょう。

-DATA-

場所:
長野県茅野市
交通:
中央自動車道 諏訪南ICより八ヶ岳ズームラインを経由して美濃戸口まで約15分。またはJR茅野駅より路線バス、タクシーを利用して美濃戸口。
駐車場:
美濃戸口(500円)、美濃戸(1,000円)
トイレ:
美濃戸、美濃戸口、赤岳鉱泉
携帯電話:
稜線付近良好
参考:
http://www.026.co.jp/mountain/

塔ノ丸

Jan.20, 2002 稜線歩きで雪の感触を楽しむ

塔ノ丸:イメージ1

記録的な暖かさが続いた一月中旬。やっと寒波が戻って来たので、ちょっと雪を求めて剣山山系を目指すことにした。とはいえ、還暦をとっくに過ぎた父が一緒なのでハードなルートは無理が出る。そこで今回は、比較的登山口からの標高差の少ない、「塔ノ丸」にて雪の感触を楽しむ。塔ノ丸へは貞光町から剣山の登山口、見ノ越に向かうルートをとる。季節的に車でのアプローチも細心の注意が必要だが、このルートは途中の「剣山スキー場」のおかげで比較的除雪が行われており、時間は夏場とあまり変わらない。スキー場からは車の台数もぐっと減る。アクセル、ブレーキ、ハンドルと神経を集中して進んで欲しい。

塔ノ丸:イメージ2

スキー場から5分ほどで塔ノ丸登山口。僕らはもう少し先に行った夫婦池で身支度を整えることにした。夫婦池は道の両側に雄池と雌池があるが、どちらも見事に結氷している。氷の上に雪が降り積もり、神秘的な光景だ。登山口は雌池の西側になる。ウラジロモミの林の中、早朝の凍った空気が立ち込めている。

塔ノ丸:イメージ3

木々の枝も全て凍っている。とても静かだ。ときおり風が吹くと、積もっていた雪や張り付いていた氷が頭の上に落ちてくる。そこそこ大きな氷も固まりも落ちてくるので帽子は必ず必要。樹林帯を緩やかに登る。踏み跡を頼りに進むが、赤いテープなど確認しながら細道を行く。谷川に傾斜した歩きにくい部分もあるので慎重に。なんとなくスキー場の音楽らしきものが聞こえてくる。なんでスキー場は大音量で音楽などかけるのだろう?程度の低い文化だなぁと思う。

塔ノ丸:イメージ4

何度かアップダウンを繰り返すと稜線に出る。林を抜け、笹原になる。雪の量が少なくなった。ただ、吹き溜まりのような所は1m近く積もっているようだ。場所によっては完全に雪がなかったりする。風と日射と様々な要因が重なって違いを作っているのだろう。そんなことを父と不思議がりながら笹原を行く。あいにく視界はさっぱりで、雪こそ降らないがどんよりとガスで覆われている。稜線に出ているので晴れていれば、剣山、次郎笈、三嶺の見事な雪を被った尾根が見られるに違いない。残念だ。剣山に登った時にいつも「絶景だなぁ!あれが塔ノ丸か」と眺めている逆が見られるのだから、それこそ絶景だろう。

塔ノ丸:イメージ5

ガスで先があまり見えない分、ピークが見える度に、「あれが山頂?」と思ってしまう。登山口から4km。なだらかな稜線でもあるのでけっこう歩く。ん、今回のピークはきついぞ。と息を切らして登ったピークが頂上であった。手前ではかなり雪が深かったが頂上は風がきついせいかほとんど雪がない。山頂からの眺めもあいにくであったが、1,713mのピークを踏んだ実感はある。テルモスに用意してきた熱いコーヒーで息を整える。父は雪山は初めてとのことであったが、アイゼンも使いこなし楽しそうであった。冷えたミカンも美味い。「次はあの辺りにあるはずの黒笠山に行ってみよう。矢筈山もいいな。」ガスの中でも期待と想像は膨らんでいくのだった。

-DATA-

場所:
徳島県美馬郡一宇村
交通:
JR徳島線貞光駅より車で1時間。
タイム:
夫婦池-(90分)-頂上
駐車場:
夫婦池周辺、登山口各5台程度可能。
トイレ:
夫婦池にあり。
自動販売機:
夫婦池。ただし冬季は休止。
携帯電話:
登山口は圏内。稜線からは圏外。
温泉:
温泉保養センター「岩戸荘」 0883-67-2826
毎月第二火曜日休み
[無色透明、天然硫化水素泉。神経痛、疲労回復など]
連絡先:
一宇村役場 0883-67-2111

赤岳 2899m

Jan.19, 2002 冬山練習には最適な八ヶ岳。

赤岳 2899m:イメージ1

八ヶ岳の赤岳は四季を通じて登山者が絶えず、アプローチの良さから近県の登山者に親しまれている。冬の赤岳に登るのには、山小屋を利用して夏山登山道から山頂を目指すコースが一般的で、天候や積雪の状況によっては日帰りも可能である。しかし雪の状況、天候の急変により行動時間の制約がある場合は即撤収できる余裕も必要になる。

赤岳 2899m:イメージ2

赤岳の登山口となる美濃戸口にはJR茅野駅より通年運行されているバスを利用するかタクシーで現地まで移動する。しかし日帰りで赤岳を目指すなら、諏訪南 ICより八ヶ岳ズームラインを通り、美濃戸口から林道のを通って美濃戸まで車で入る事をお勧めする。冬でも通行できる林道は、4輪駆動車にスタットレスタイヤとチェーンを巻きつけ、美濃戸口から歩いている登山者に注意しながら赤岳山荘の有料駐車場に車を停める。1日の駐車料金が1,000円と少々高いが、帰りのことを考えると、やはり美濃戸で準備をしたい。

赤岳 2899m:イメージ3

午前6時50分。明るくなってきた空を見上げながら美濃戸山荘の分岐より林道と別れ、行者小屋へと続く柳川南沢を歩いてゆく。踏み固められた登山道には、所々に氷が現れスリップしないように確実に足場を選ぶ。行者小屋まではアイゼンの必要性は少ないかもしれないが、降雪直後やトレースが消えかかっている時は、アイゼンよりもワカンが欲しくなる。沢沿いを歩き横岳が目の前に広がると白河原と呼ばれる場所に辿り着く。右側には阿弥陀岳の山頂も見えはじめ行者小屋も近い。閉鎖された行者小屋の前から北アルプスの槍ヶ岳が確認できるほど天候に恵まれ、景色を見ながらピッケルとアイゼンを取り出し準備に取り掛かる。

赤岳 2899m:イメージ4

午前9時。行者小屋から文三郎道を登り赤岳を目指す。夏には鎖と階段があるはずの登山道も雪で隠れ、ピッケルとアイゼンで確実に登ってゆく。長く続く階段は、うんざりするが雪で階段が隠れているので、アイゼンを引っ掛け転倒する心配は無いようだ。稜線では強い風が吹いているかと予想するが、ほとんど無風状態。本当に冬山?と思うぐらい静かである。時折、斜面を転がる小さな氷の音も聞き取れるほどシーンとしていた。山頂直下の鎖場では、ルートにこだわらず、安全な場所を選んで登るのが懸命であろう。

赤岳 2899m:イメージ5

午前11時。山頂から360°のパノラマに感激しながら昼食の支度を始める。普通なら風が強くて山頂にいられないのに山頂も無風。すごく珍しい事だと思いながら、コンロを出して夏山のようにゆったりとした時間を過ごしてしまった。赤岳からの下りは赤岳展望荘を経て地蔵尾根を下る。地蔵尾根も急であるが文三郎道より雪が沢山あって降りるのには楽である。尻セードも試みるが雪が硬く痛いので素直に歩いて降りてきた。

赤岳 2899m:イメージ6

午後12時30分。行者小屋に到着してからアイゼンをザックに納め、ピッケルからストックに持ち替えて中山乗越を越える。陽気のせいか中山乗越を登り始めた頃からキツツキの木を叩く音も聞こえ始めた。トントン聞こえる音には真冬の厳しい環境を忘れさせる不思議な音。通年営業の赤岳鉱泉では、たくさんの人と賑やかな話し声が聞こえてきた。午後3時。赤岳山荘の駐車場に到着してから問題発生。駐車場出口にはチェーンを装着しないと通行できないような事が書いてある。荷物を整理して、足早に美濃戸口に戻る林道を走るが、道路の雪は完全に氷となってスタットレスタイヤも効かない。急な下り坂では歩行者よりも遅いスピードでタイヤが滑り始め、登山とは違った緊張感が張り詰める。ここの林道では必ずチェーンが必要であること実感してしまった。

赤岳 2899m:イメージ7

厳冬期の八ヶ岳はマイナス20℃にもなる厳しい場所です。降雪直後やトレースが消えかかっている場合は赤岳鉱泉を経由するのが良いでしょう。この時期、美濃戸に続く林道では必ずチェーンが必要になります。走行不能にならないように気をつけましょう。

-DATA-

場所:
長野県茅野市
交通:
中央自動車道 諏訪南ICより八ヶ岳ズームラインを経由して美濃戸口まで約15分。またはJR茅野駅より路線バス、タクシーを利用して美濃戸口。
駐車場:
美濃戸口(500円)、美濃戸(1,000円)
トイレ:
美濃戸、美濃戸口、赤岳鉱泉
携帯電話:
稜線付近良好
参考:
http://www.026.co.jp/mountain/

有馬富士公園

Jan.14, 2002 三田の池でカモ観察

有馬富士公園:イメージ1

以前バス釣り記事で紹介した三田八景のひとつに有馬富士と福島大池というのがある。福島大池に映る「逆さ富士」は絶景とされ、地元住民のみならず、その雄大な姿を見るために関西近辺から多くのトレッキングファンが訪れる名所だ。そこに昨年(2001年4月)「有馬富士公園」という県立の公園ができた。公園全体計画416haのうち「出合いのゾーン」が現在完成しており、その広さは70ha。自然の生態がいろいろ学習出来る楽しい野外施設もあり、フィールドライターとしては「知識蓄積も仕事のうち」と勉強がてら訪ねてみた。

有馬富士公園:イメージ2

まずパークセンター(管理事務所)を抜けると三田市立有馬富士自然学習センターがある。ここで三田の自然について知識を蓄えてから実際に自然を観察するという狙いだ。館内には地面の断面、武庫川の断面、雑木林の断面や標本などがユニークに展示してある。特に標本らは実際に生息している断面部に「引き出し箱」という形で展示してありリアリティーがある。実はこの展示企画をしているクルーの久保智美さんからこの公園のオープンを聞き、1年近く経ちようやく訪れることができた。久保さんによると今の時期はカモがシベリア方面から福島大池に飛来してきていて、観察するのによいということだ。

有馬富士公園:イメージ3

僕とカミさんは、久保さんから双眼鏡を借りて福島大池へ向かう。学習センターを出るとそこは林の生態園と呼ばれる空間だ。コナラや赤松を主体とした三田の代表的な雑木林や小湿地がある。澄んだ空気がとても気持ちが良い。天気が良くて暖かいので、冬の味気ない匂いはせず、春先めいた木々や土の匂いが鼻に届く。道中にはキツネの巣穴体験迷路などの遊びを重視した施設や地中観察スクリーンなどがある。こういう工夫がされていると、普段ならそれほど意識をせずに通りすぎる風景でも改めてそこにあるものを観察してしまう。そして池が次第に近づくと「ピー、ピー」というカモ達の泣き声が聞こえてくる。

15分位歩いて福島大池に着くと、池のいたるところにカモが浮かんでいる。さっそく「オーッ」と双眼鏡を覗くと「パンダガモが発見できたらラッキーですよ」と久保さんが声をかける。正直に言ってカモと言えばテレビで見た「カルガモ」しか見たことがない。いやあることはあるのだが、それが何ガモなのかは全然意識をしたことなどない。パンダガモは正式名称「ミコアイサ」で、模様がパンダに似ていることからパンダガモという。海に生息するカモなのだが、今年は一羽だけが大池にやってきているという。全体が白っぽいということなので、一生懸命捜す。おー白い!と思い「あれだ!」と指すと「あれはアヒルです」と久保さんに一蹴されてしまう。よく見ると様々な種類のカモがいる。群れの最大勢力は「ヒドリガモ」だ。頭のてっぺんはクリーム色で頭の後半から首にかけては赤茶色をしている。久保さんの説明では、その赤茶色のことを昔は「緋色(ひいろ)」といい、それで「緋鳥鴨(ヒドリガモ)」という名前がついたようだ。また、オスとメスで模様がまったく違うことにも驚かされた。頭の後ろに寝癖がついたままのキンクロハジロというカモがいる。目が金色で頭や背中は黒色で、羽のあたりが白なのだ。キリリとしてなかなかカッコイイのだが、そのメスはとても地味なこげ茶色。鳥の多くの種類は男性の方が華やかな模様が多い。男性は女性に自らの遺伝子の素晴らしさをアピールし、女性は敵から身を守るために地味にしている、という昔テレビで見た情報が甦る。

有馬富士公園:イメージ4

他にもアメリカヒドリ、マガモ、コガモ、ホシハジロなどを観察することができた。彼らは上空からすーっと降りてきて、水面に美しい一本のラインを描いて着地をする。何羽かがクロスをして着地をすると、大池はちょっとしたシベリア画家達のキャンパスになるのだ。また、餌を食べた後に体を起こして拍手をするような格好をするのも初めて知った。なるほど、やはり知識を持ってフィールドに出るととても楽しい時間を過ごすことができる。残念ながらパンダガモを見つけることはできなかったが、鳥の観察がこれほど楽しいものだとは思わなかった。久保さん本当にありがとうございました。鳥の観察に夢中になってしまい公園内を散策することは出来なかったが、野鳥の広場、水辺の生態園、菖蒲園など見どころはたくさんある。機会を見つけてもう一度ゆっくりと公園内を歩いてみたい。

-DATA-

場所:
兵庫県三田市福島
交通:
JR福知山線「新三田駅」下車、神姫バス三田行き「有馬富士公園前」下車。車では、中国自動車道「神戸三田IC」より176号線へ、約10分。
駐車場:
収容力 約570台(無料)
トイレ:
公園内に5カ所
問合せ:
お問い合わせ先
有馬富士公園管理事務所
兵庫県三田市福島1091-2
TEL(0795)62-3040
FAX(0795)62-0084
三田市立有馬富士自然学習センター
TEL(0795)69-7727
FAX(0795)69-7737

鳴尾浜臨海公園

Jan.01, 2002 海辺の森林でハイキング

風もなく穏やかな天候の時、海辺を散歩するのは気持ちが良いもの。西宮市の武庫川河口付近に海側で森林浴が楽しめる公園がある。それは鳴尾浜臨海公園。西宮市の南東端に位置し、市街地に隣接する北地区6.5ha、最南端に位置する南地区6.0ha、及びこの両地区を結ぶ延長約700mの緑道の中地区 1.4haから構成されている。北地区には芝生グラウンドが広がる「市民の森」や甲子園記念植樹が並ぶ「白球の森」、また公園内には「花工房」という培養施設もあり、寒さの中でがんばっている花がちらほらと咲いているかもしれないと思い訪ねてみた。

鳴尾浜臨海公園:イメージ1

公園は大きく北地区と南地区に分かれている。最寄駅の阪神・武庫川団地前駅から歩いて行くと北地区の入り口に着く。まず眼前に広がるのは「白球の森」。高校野球の出場校の名前が入った記念植樹が並ぶが、残念ながらその中で花を咲かせているものはまだない。だが、冬の渋い色が広がる森の中に所々赤い色が見える。サザンカの花だ。ちょうど人の高さの木に女性の手のひらほどの大きさの花が太陽のほうへ顔を向けながらがんばって咲いている。落ち葉を踏みしめながら南方へ歩いて行くと、テニスコートや野球場、芝生広場がある。そして道路を挟んで南側は中地区になる。トリムコースやジョギングコースが設置されていて、トレーニングウェアを着た人々がジョギングを楽しんでいる。小春日和ということもあってかタンクトップと短パン姿の人もいる。

鳴尾浜臨海公園:イメージ2

最後の南地区に入るとカップルが多く、公園内の雰囲気は少し華やかに変わる。そして海に近づいてくるので潮の香りがする。南地区にはフラワーガーデン、カヌーの小川、海辺のテラス、芝生公園、野外プール、海釣り広場、スポーツ温泉施設「リゾ鳴尾浜」がある。また、花工房では西宮市のオリジナル植物シリーズが紹介されている。「エンジェルス・イヤリング」(西宮市とサントリー(株)が共同で開発したフクシアの新品種)、「ゆめむらさき」(西宮市が独自に開発したベロニカの新品種)、「ササユリ」、「西宮権現平桜」など。どれも花工房で培養され市場に出されている。ほとんどが春から秋にかけて咲く花で、その時期には公園内でもいたるところで見ることができるようだ。

鳴尾浜臨海公園:イメージ3

また、この公園には海沿いならではの海釣り広場がある。施設の人に訊ねると、今の時期はボラ、スズキ、チヌ、ハネ、セイゴがメインで釣れるらしく、たまにサッパ、イワシもかかるらしい。この日の利用者は20名ほど。ルアーを投げている人もいるので釣果を訊くと「セイゴを狙っているがボラが一匹擦れ掛りしただけだ」と言う。利用時間は4月・5月・6月・7月は午前6時から午後10時まで(イワシ、サバ、アジ)、8月・9月・10月・11月は午前5時から午後 11時まで(イカ、サヨリ、タチウオ)、12月・1月・2月・3月は午前7時から午後10時まで(ボラ、カレイ、スズキ)だ。今回は情報収集をして、次回の全力投球を誓いながら広場を後にした。


この公園をすべて見てまわるには丸一日かけても無理だろう。それだけ大きく興味深い施設も多い。自然観察からスポーツやレジャーが家族で楽しめる場所だ。この日は残念ながら花の姿はサザンカしか確認できなかったが、木洩れ日を浴び、そして海のマイナスイオンを浴び、とてもリラックスをすることができた。桜の咲く頃には公園内には花々の香りで溢れ、また冬の景観とは違う趣だろう。できれば「朝釣り→カヌー→花の観賞→森林浴→温泉」というフルコースで楽しみたい。

-DATA-

場所:
兵庫県西宮市鳴尾浜3丁目13
交通:
阪神電車・武庫川団地前から徒歩15分、または阪神甲子園駅から阪神バス7番乗り場より鳴尾浜行き乗車20分「リゾ鳴尾浜駅」下車すぐ。
駐車場:
収容力 約150台(100円より)
トイレ:
公園内に数カ所
参考:
釣り
大人(16才以上) 入場1回300円
小人(6才以上16才未満) 入場1回150円
但し釣具・えさは無し
問合せ:
鳴尾浜臨海公園管理事務所
〒663-8142 西宮市鳴尾浜3丁目13
TEL.(0798)48-9386

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