トレッキングレポート

サブナビゲーションをスキップ


フィールドレポート

現在のレポート数は811件です。

最新記事
最近のコメント
カテゴリー
バックナンバー

Since Apr.01,2000


« 2001年11月トレッキングレポート:トップページ2002年01月 »

倉岳山(990m)から高畑山(981m)

Dec.28, 2001 中央線沿線の日帰り登山の山

関東近郊にある日帰り登山のできる山として、JR中央線沿いにある倉岳山をご紹介したいと思います。東京駅から電車で2時間、駅から歩いて山道を2時間ほどで頂上に立つことができます。比較的ゆるやかな登りで樹林帯の部分多いですが天気が良ければ山頂から富士山を見ることができます。倉岳山から尾根沿いに隣に高畑山があり、今回は2つの山を縦走しました。

倉岳山(990m)から高畑山(981m):イメージ1

当日は東京駅から8時10分発のJR中央線快速電車に乗り、高尾駅で甲府行きの電車に乗り換え、梁川駅で9時55分頃につき下車しました。(関東地区限定のトクトク切符のホリデーパスを\2,040-で購入すると土日に限り乗り放題でお得なのでお勧めします。)この駅から先にはトイレがありませんので駅出口横のトイレを利用しましょう。

倉岳山(990m)から高畑山(981m):イメージ2

梁川駅下の国道20号線を横断して桂川に架かる梁川大橋を渡ります。道路を15分ほど歩き、小さなトタン沢橋渡ると右手に登山道入り口の看板が見えてきます。樹林帯の中の登山道を30分ほど歩くと最初の水場があります。沢沿いに緩やかに登っていくと45分ほどで最後の水場に着きます。ここから先は尾根道の急坂になるので水を補給しておきましょう。坂を登りきると立野峠で、山頂へは分岐を右に行きます。稜線に沿って昇り降りを繰り返し山頂下の坂を一気に登ると少し広めの山頂に約2時間半ほどでたどり着きます。天気が良ければ南西の方角に富士山を、南南東には丹沢の山並みがみえます。

倉岳山(990m)から高畑山(981m):イメージ3

山頂の西側から穴路峠へ下る道を降りて行きます。砂地の急な下り坂なので滑らないように注意してください。穴路峠の分岐にたどり着くと、右に下ると鳥沢駅の近道ですが、まっすぐに登ると高畑山へのルートです。まっすぐに30分ほど尾根道を登りつづけると、視界が開けた山頂にたどり着きます。ここからは南西方向に三つ峠や富士山、北方向には中央自動車道や最寄の鳥沢駅が見ることができます。

倉岳山(990m)から高畑山(981m):イメージ4

下山には山頂北側の尾根道を通りました。尾根道を過ぎて杉林のジグザグ道のあたりは営林署の方が使う道と交錯して迷いやすいので注意してください。竹林を過ぎると石仏のある分岐点に到達します。分岐の右は先ほどの穴路峠からの下山道と合流しています。分岐を左へ沢にそって下りて行きます。左手に貯水池が見えてくればまもなく登山道の終点です。民家の間を歩いて、右よりにある虹吹橋を目指します。さらに道なりに進むと国道20号線につきます。左曲がって20号線に沿って歩いて行くと、左手にJR中央線の鳥沢駅がみえてきます。

この中央線沿線の低山は秋から春先が主なシーズンです。夏は気温も高く、藪が多くて見通しが悪いのでお勧めしません。北アルプスなど3000m級の高山も良いですが、低山には低山なりのおだやかな美しさとお気楽さがあると思います。一度登ってみてはいかがでしょうか。

-DATA-

場所:
山梨県 大月市
交通:
JR中央線 梁川駅、鳥沢駅
駐車場:
駐車場はあまりないと思います。(縦走の場合は車の使用はお勧めしません。)
トイレ:
梁川駅では駅舎の横、鳥沢駅では駅構内にあります。

三浦半島南端 城ヶ島を歩く

Dec.23-24, 2001 冬の三崎へマグロを食べに

三浦半島南端 城ヶ島を歩く:イメージ1

「三崎にマグロを食べに行こう。」師走のせわしない空気を吹き飛ばそうと、マグロの水揚げで有名な三浦半島の先端、三崎港へと向かった。京浜急行に乗り、終点の三崎口で下車。バスで港まで向かっても良いのだが、周辺の様子を自分の足で確かめたいと、車道のわきを2時間ほど歩いて、三崎港に向かうことにした。道の脇に、広大なダイコンの畑が広がる。直売所もあり、三浦ダイコンはもちろん、自然な甘味のタクアンやキャベツなども売っている。

三浦半島南端 城ヶ島を歩く:イメージ2

道の右手一帯に、海へと続く森が見える。小網代の森だ。森に雨が降ると、雨水が土にしみ込んで川となり、海へと注いでいくことになるが、ここではその水系が分断されることなく、森と海が一帯となって保全されている。さらに半島の西寄りの道を南下。足が痛くなってきたころ、目の前に開けた海の上に、夕焼けに染まった富士山が見えた。次第に大きな建物が目につくようになり、三崎港へと到着する。宿へと入り、ようやく1日目の行程が終了した。

三浦半島南端 城ヶ島を歩く:イメージ3

「いらっしゃい!」早朝、窓の外から、威勢のいい声が聞こえてきた。毎日曜日、三浦港で7時から9時まで開かれる朝市の呼び込みの声だ。訪れてみると、「朝市」ののぼりが立つ広場に露店が並び、魚や野菜が売られている。車で乗り付け、正月用の食材を買っていく客が多いようだ。露店のひとつでマグロ汁を注文し、冷えた体を温める。マグロのアラを入れた味噌汁に、あさつきを散らしたシンプルなものだ。だしがよく出た汁をすすり、大きな骨についたマグロの身をつついていると、港町の暮らしに近づいた気がする。

三浦半島南端 城ヶ島を歩く:イメージ4

城ヶ島方面に向かってまちを歩くと、細く入り組んだ通りに、古い蔵や木造の建物、昔ながらのマグロの小売店や料理屋が並んでいる。三崎銀座通り商店街は、以前はマグロ船の漁師たちが訪れた、マグロ船御用達の商店街だ。港町らしい、素朴な町並みにふれて、日の出町バス停からバスに乗り、城ヶ島へ向かった。バスで城ヶ島大橋を渡り、終点で下りる。みやげ物屋の並ぶ通りを抜けると、リアス式海岸の岩場が、目の前に広がった。黒潮の影響らしく、海の水は、実に深い青色をしている。

三浦半島南端 城ヶ島を歩く:イメージ5

東に、岩に穴があき、アーチ型の橋のように造型された場所が見える。馬の背の洞門と呼ばれるもので、凝灰質砂礫岩という柔らかい岩質の岩を、波や風雨が浸食し、高さ8m、横6m、厚さ2mの海食洞穴をつくったものだ。タブの木の茂る道を通り、ササやぶを抜けて遊歩道を北へ向かう。赤羽根岬馬の背から望める洞門の北側一帯は、海浜植物の宝庫とされる。海抜6m以上の場所にはアズマネザサ、ハチジョウススキが分布し、6m以下の場所には、ハマゴウなどの海浜植物がすみわけて分布する様子が観察できる貴重な場所だ。

三浦半島南端 城ヶ島を歩く:イメージ6

しばらく歩くと、展望台から東に雪化粧をしたような白い断崖が望める。この白い色は、実はウミウのフンによるものだ。目を凝らすと、黒い鳥の姿も点々と見える。例年10月末から、2,000羽以上が北国から渡ってきて、2月ごろまで越冬する。人が近づくのも難しい切り立った断崖ゆえに大きなコロニーがつくられたと考えられ、ウミウ渡来地は、県の天然記念物に指定されている。昨日の夕方、黒い鳥が隊列を組んで飛んでいくのが見えたが、あれは昼間、餌の魚をとりに出たウミウたちが、ねぐらに戻るところだったようだ。

三浦半島南端 城ヶ島を歩く:イメージ7

舗装路に出たところで道を西へ戻り、直売所でマグロを購入した。みりん干し、ブロック状の切り身、中落ちを1袋ずつ買っても1人分1,000円足らずだ。ながとろの磯の、風の少ない無い場所を選んで炭火を起こし、マグロづくしのバーベキューにビールで乾杯。中落ちといえど、霜降り状に脂がのった刺身が最高だ。マグロに飽きてきたら岩場に生えている岩ノリを採ってあぶると、ほろ苦い香ばしさが口に広がり、いい箸休めになる。苦しくなるほどマグロを食べて、黒潮の海の幸を堪能した。

-DATA-

場所:
神奈川県三浦市三崎
交通:
京浜急行線三崎口駅より徒歩または城ヶ島行き・通り矢行き・三崎港行きバス→三崎港下車
駐車場:
三崎5丁目有料駐車場がある
トイレ:
城ヶ島には4箇所ある
参考文献:
岸由二編『いるか丘陵の自然観察ガイド』山と渓谷社、1997
神奈川の自然をたずねて編集委員会『神奈川の自然をたずねて』築地書館、1992ほか

上高地スノートレッキング12月

Dec.23, 2001 冬の上高地はスノーシューに最適です。

上高地スノートレッキング12月:イメージ1

12月下旬、上高地にも雪が積もり、夏の賑わいが嘘のように静かである。静寂な雰囲気と雪が奏でる景色は見る者を虜にさせるほど変化し、風と気温のバランスによって雪原の模様が描かれる。夏に歩けなかった場所は雪で覆われ、誰も歩いていない河原に足跡を残す。そんな楽しみをサポートしてくれるのがスノーシューを利用したスノートレッキングではないだろうか。XCスキーや除雪された道路を歩くには必ずしもスノーシューは必要ではないが、体力があるのなら雪の中をラッセルで歩き通すのも楽しい。1週間前に訪れたときは、吹雪で山々が見えず、足跡を残したはずの河原も強い風で消えていた。しかし今回は先週と比べようがないほど天候も穏やかで風も無い。絶好の散策日和である。

上高地スノートレッキング12月:イメージ2

冬の上高地へのアクセスは非常に不便である。新島々駅から高山行きの特急バスに乗り、中の湯で降りるか、もしくは沢渡のタクシーの営業所に車を置いて移動することになる。夏とは違いバスの運行数、タクシーの数も減っているので事前に予約したり確認する事をお勧めします。間違っても中の湯付近で路上駐車はやめましょう。

上高地スノートレッキング12月:イメージ3

釜トンネルのゲートから大正池まで約1時間。釜トンネル内部は暗く、道路も一部凍結している。大きく成長した氷柱に気をつけながらゆっくりトンネルを通過する。いつもはバスで通り抜けるトンネルも歩くと結構つらい(ライトとアイゼンが必要であれば安全な場所で準備すること。決して氷柱の下では準備をしないで下さい)。トンネルから先の道路では雪崩や土砂崩れに注意しながら大正池ホテルに進みます。

上高地スノートレッキング12月:イメージ4

大正池付近の積雪は約60cm。トレースがついた自然研究路ではスノーシューを使わず、道なりに進みます。湧水付近には沢山のイワナ。木から木へと雪の上に足跡を残した動物など、森の中には沢山の生き物が生活している。田代池からは、梓川沿いのルートを選択してスノーシューが思いっきり使える河原を目指して歩く。誰も歩いていない河原に大きな足跡を残して雪を蹴散らす。ちょっとしたコツが必要なスノーシューも新雪の深い雪では足が重い。

上高地スノートレッキング12月:イメージ5

中の瀬から梓川左岸を歩き、しばらく進んでから河原に降りる。河原には、自分が残してきた足跡だけが残り、ケショウヤナギが梓川沿いに赤く自生している。空を見上げれば、明神岳では雪が舞い上がり、焼岳では噴煙を上げていた。雪の影が山の荒々しさを強調させ、冬山の厳しさと美しさを表現している。ただただ感動してしまった。

上高地スノートレッキング12月:イメージ6

バスターミナル付近でツェルトを張り昼食とする。冬には必需品のツェルトも、天気が良いと非常に暖かい。ゆっくり休んでから河童橋を経由して梓川右岸に入る。トレースがある梓川右岸は霞沢岳、三本槍、六百山が良く見え梓川左岸と景色が異なる。迫って見える山々は、カラマツとケショウヤナギ、梓川がいったいとなって、とても良いビューポイントになっている。河童橋から穂高橋まで梓川右岸を通る人が多い。やはり山々を横目に歩けるので選択されるのだろう。大正池には車道を通って帰るのが楽である。自然研究路を通って大正池に戻るのも良いが、結構疲れるので帰りは無理せず車道を通ったほうが良いです。

上高地スノートレッキング12月:イメージ7

国道158号線沿いの逆巻温泉。上高地からバスに乗ってしまうと中々降りれない場所で、トンネルとトンネルの間に建つ温泉は、気付いた時には通過してしまう。源泉の温度が75℃と少々熱いが、雪景色を見ながら入れる露天風呂は外から丸見え。汗と冷えた体を温めるには丁度良い温泉です。

-DATA-

場所:
長野県南安曇郡安曇村
交通:
車:国道158号線の沢渡駐車場よりタクシーを利用して中の湯。
バス:新島々駅より特急バスで中の湯へ。
交通機関/アルピコグループ
http://www.alpico.co.jp/index.html
駐車場:
駐車場:沢渡(タクシー営業所または村営)
駐車場料金:無料(冬季)
タクシー/料金約2,620円  電話0263-93-2700 
トイレ:
釜トンネル、大正池、中の瀬、バスターミナル
温泉:
逆巻温泉/料金500円 時間9:00~16:00
http://spa.sakamaki.ne.jp/

リワカ川 源泉部

Dec.19, 2001 もう1つの「世界一透き通った水」

リワカ川 源泉部:イメージ1

ニュージーランド(NZ)は、どうやら『水の国』なのかもしれない。今までに寄稿してきた自分自身のレポートを読み返してみて、改めてそう気づいた。「水モノ」のパドリングレポートを除いても、他のレポートにも水の美しさが必ずついてまわっているようだ。これは、水を好む私の志向性のためかとも思ったが、日本で野遊びをしていた頃をつらつら思い起こしても、NZほど水の美しさがありふれていたという印象がない。やはりNZが『水の美の国』なのではないだろうか。

リワカ川 源泉部:イメージ2

今回の『リワカ川源泉(Riwaka Resurgence)』は、特にそうした「水の美が身の回りにあふれている」という好例。例によってここも「知られざる名所」なのだが、今までのスポットと比較しても知名度の低さは半端ではない。おそらく、海外からの観光客どころかNZ人にさえほとんど知られていないはずで、地元の人間だけがときおりこっそりと通う、正真正銘の隠れスポットだ。

リワカ川 源泉部:イメージ3

名前通りこれは川の源泉なのだが、驚くべきことに山奥でもなんでもなく、海からわずか10kmほどの、標高もおそらく100m程度の場所に位置している。実はこのリワカ川は私の住む海辺の村を流れる小川。NZの中でも特に辺鄙なド田舎をわずか10km流れるだけなので、水はこの清冽さを保ったまま海に流れ込む。つまり海辺に住む私は、いながらにして清流を楽しむことができるし、さらに車で20分も走れば、こうして神秘の源泉を堪能することさえできるのだ。何時間もかけて山の懐奥深くまで入り込まないと澄明な渓流に出会えない日本からは、想像もできないことだ。やはりNZは『水の天国』かもしれない。

リワカ川 源泉部:イメージ4

さて、このリワカ川源泉は、実は『トレッキングレポート No.9010』でご紹介したププ・スプリングズと似た素性の持ち主。あのレポート内では詳述しなかったが、世界一の透明度を誇るププの水は、大理石と石灰岩のカルスト山「タカカ・ヒル」に降り注いだ雨が、地下を流れる間に濾過され、磨き上げられた末に湧出したもの。ププは山の北側の平野部に湧き出た泉だが、反対に南側の小さな渓谷に湧き出たものが、このリワカ川源泉なのだ。つまり、これもりっぱな「世界一透明な水」なのである。また、ププが先住民マオリの聖地であるのと同様、リワカ川源泉はマオリ女性が出産場所として使っていたという。「Resurgence」は「復活、再起」という意味だが、「地下水が地上に復活する源泉」という意味以外に、この「出産」をも含んでいるのかもしれない。こうしたマオリの歴史を知らずとも、水中の深い洞窟を透かし見たとき、奥に古い水神が息づいているのは、はっきりと感じられる。我々に流れる、彼らと同じ血のせいだろうか。

リワカ川 源泉部:イメージ5

ププ同様、駐車場からは10分程度のホンの短いアクセスで水神の住処にたどり着くことができる。逆にププとまったく対照的なのは、ルートの雰囲気。ププが「植物園」のごとき平坦な森の中の散策路なのに対して、こちらは「渓谷の箱庭」だ。深い木性シダの森、ブナの巨木、途中にあらわれる『クリスタル・プール』と名付けられた深い碧の淵などのたたずまいが、あの「ミルフォード・トラック」(『トレッキングレポート No.9001』参照)の最終日を彷彿とさせる。わずか10分程度で終わってしまうのが、残念でならないほどのルートなのだが、逆にいえば足の不自由な方にも堪能できる「ミニミニ・ミルフォード」ともいえる。

リワカ川 源泉部:イメージ6

しかし、どうだろう、この源泉部の清澄さは。ほとんど日の差さない小さな渓谷の奥底からひっそりと湧き出す水は、あっけらかんと陽光をはじき返して躍動するププの泉の水とは、明らかに違った表情を見せている。同じ山から湧き出しているのに、地下の分水嶺で運命を別にしたこちらの水は、谷底のわずかな光を吸い込んで内に取り込み、ひっそりと息を潜める濃紺の小さな宝石のごとき静謐さをたたえている。数百m下流のクリスタル・プールでときおり見かける60cm オーヴァーのトラウトも、ププのトラウトと比べると、心なしか敬虔な身のこなしをしているような気さえする。日本人ナチュラリストにとっては、ププよりもむしろこちらの方が心の奥底に共振する「何か」をもっているようだ。しかし、驚いたことに、この源泉部の水中トンネルを探検する「ケイヴ・ダイヴィング」も、ダイヴァー間ではひそかに人気を誇っているらしく、ときおりアクアラングとウェットスーツに身を固めた一団と遭遇することがある。確かに私も、源泉の奥底には興味をひかれる。しかし好奇心以上に恐怖、畏怖を覚える。同じ太平洋民族であるマオリ族がここを聖地としてあがめた気持ちに、より共感してしまうようだ。ならば私の場合は、ここで水神の息吹と共鳴し、心から日常の垢を洗い落とすだけで満足しておくことにしよう。

リワカ川 源泉部:イメージ7

やはりNZは、私にとっては間違いなく『美しい水の天国』だ。明日も休日。またこの『水の美』に出会いに、ちょいと出かけてくるとしようか。駐車場付近は、清流に面した日当たりのいい芝生の広場になっている。駐車場から3分ほどのところにも、やっぱり渓流沿いの芝生のピクニックエリアがある。芝生の上に座り、源泉部の水を沸かして水神のコーヒーを淹れ、お気に入りの本をめくりながら、南半球の夏の長い長い午後をゆっくりとうっちゃるのが、私のお気に入りの休日の過ごし方。ただし、いくら清冽に見えても、食中毒を起こすバクテリア「ジャーディア」の危険性は否定できないので、生水飲用は控えなくてはならない。さもなくば、水神の怒りに触れ、自らもトイレに座りこんでとめどなく「水」を放出しつづけることになるかもしれない。美しいものには棘がある。ご注意あれ。

-DATA-

場所:
南島ネルソン地方タズマン郡エイベル・タズマン国立公園への基地の町、モトゥエカから車で30分程度。
交通:
ネルソンから国道6号線を南下し、リッチモンドの町から国道60号線を北上。エイベル・タズマン国立公園の入り口の町、モトゥエカを通過し、リワカの集落を抜けると、タカカ峠にさしかかる。登り始めてすぐのところにある小さな道「リワカ・ヴァレー・ロード」を左折。途中からラフロードになり、左への分岐点もあらわれるが、無視してひたすら直進すれば、最後にリワカ川源泉の駐車場で行き止まりとなる。ネルソンからは1時間少々、モトゥエカからは30分程度のドライブ。
駐車場:
あり(無料)。
トイレ:
駐車場にある。
諸注意:
・キャンプ、焚き火 禁止
・ジャーディア情報 http://www.onjix.com/ryu/homepage/information/nature.htm#giardia
・売店はない。必要なものはすべて持ち込むこと。
・トラックは裸足でも歩けるほど、よく整備されている。ただし、源泉部の岩場は滑るので、要注意。
・ダイヴィングは必ず経験者の同行のうえ、キチンと源泉部の看板に記されたダイヴィング注意事項を厳守し、安全に配慮すること。

津峯山

Dec.12, 2001 太平洋から昇る朝日を背中に軽登山

津峯山:イメージ1

ここ数年、お正月ムードがクリスマスムードに押され気味。では、ちょっと初日の出ウォッチの予行演習でもしておこうと思い、どうせなら太平洋から昇る朝日を見るため徳島県南を目指すことにした。今回向かうのは徳島県阿南市の津峯山。天気、正確には水平線上の雲の有る無しを心配しつつ、寝袋を車に押し込んで深夜に車を走らせた。この津峯山頂からの眺めは「阿波の松島」とも呼ばれて、橘湾、鳴門海峡、紀伊半島が一望できる素晴らしさ(という話)。その橘湾の奥、紀伊半島の南から朝日が昇るという。

徳島市街からは国道55号のバイパスがほぼ完成しているので、あっという間に津峯山の麓に到着する。登山口の広い部分に車を停め、寝袋に包まってしばし仮眠・・・。6時20分。ちょっと寝過ごしたかなと焦りつつ、急ぎ身支度を整えて、登り始める。最初は未舗装の車道をつづら折に。けっこう急勾配だが歩きやすい道だ。だんだん暗闇が明るくなっていくのに焦りながら高度をあげる。私有地への分岐がいくつかあるが、道なりに行けばやがて「水場」に到着。一息入れる。水場からはほんの少しで五合目の展望台。地元有志でとても綺麗に掃除された展望台は絶好のサンライズウォッチポイント。だが、五合目だ。本日の日の出は6時56分。残り時間は15分弱。常連っぽいおじさんが登ってきたのでたずねてみる。

「頂上?すぐやで。そうやなぁ、15分かなぁ。え?走って登る?それなら5分やろ。」

そうか!5分か。それなら間に合う!

というわけで、走って登り始めた。・・・・・・・・・。ダメダメ!日頃の運動不足でとてもこの急勾配を走って5分も無理。すぐに限界を感じて、戻って五合目の展望台か、無理して頂上かの葛藤が。このままバテて歩いていては森の中で日の出にもなりかねない。それでも小走りで呼吸困難気味になりながら登っていたはずが、気がつくと下に向かって歩き始めていた。

津峯山:イメージ2

あらためて五合目の展望台へ。暗闇だった東の海が真っ赤になっている。常連のおじさん、おばさんが5人ほど集ってくる。話では、朝日が雲もなく見えることは月に数回しかないという。今日はかなり期待できそうだとのこと。6時56分。ほんの小さな眩しい光点がポツンと見え始めた。その光点がゆっくり、ゆっくり大きくなり、やがて円くなり、海から離れた。荘厳。声が出ない。それは、12月の平日の、初日の出でもなんでもない朝日ながら、僕はなんとも酔いしれた。

津峯山:イメージ3

真っ赤な光線が次第に透明になっていき、僕の気分も現実に戻ってくる。再度頂上を目指すことにした。背中からは出たばかりの今朝の太陽が照らしてくる。五合目の鳥居をくぐると幅50cm程度の登山道になる。参詣道として整備されているので歩きにくいことはない。真新しい「合目」の道標と、石造りの「丁」の道標が混在しているのが面白い。低山であるため山頂まで森は続いているが、適度に整備されているので明るい登山道だ。

津峯山:イメージ4

息が切れたところで山頂に到着。津峯神社の境内が山頂である。この辺りが一番高いかな?と思う場所に気になる火の見櫓らしきものがあって、登りたくなるがそこはがまん。五合目の展望台に比べてもやはり上回る絶景があった。10分はやく出ていたらと悔やまれるが仕方ない。あきらめて津峯神社にお参りをして、今年一年の無事を感謝した。って、まだ終わってませんね。

-DATA-

場所:
徳島県阿南市
交通:
JR牟岐線阿波橘駅より(徒歩10分)
タイム:
阿波橘駅 -(10分)- 登山口 -(15分)- 展望台 -(15分)- 頂上
駐車場:
登山口近くの幅の広い車道沿いに路上駐車。(但し、8台程度まで)
トイレ:
頂上津峯神社境内
自動販売機:
なし
携帯電話:
頂上までほぼ通話圏内
連絡先:
阿南市商工観光課 0884-22-3290

紅葉の台原森林公園

Nov.10, 2001 美しき木々の色彩

紅葉の台原森林公園:イメージ1

台原森林公園は、仙台市の中心部から北へ少し離れたゆるやかな丘陵地にある。面積約60ヘクタールの公園内には、アカマツ、クロマツ、スギ、ヒノキ、サワラなどの常緑樹と、ナラ、イタヤ、モミジ、イチョウなどの落葉樹が生い茂り、各種広場、屋外音楽堂、日本庭園、あずまや、人工池、彫刻などが散在している。そして、そのあいまをぬうように多くの遊歩道が通っている。野鳥が多く生息し、シジュウカラ、コゲラ、エナガ、コガラ、カルガモ、バン、カッコウ、ハクセキレイ、トビ、ヒヨドリ、カワセミ、ホトトギス、メジロなどを見ることができる。公園のまわりは住宅地になっており、なおかつ交通の利便性もよいので、休日になると多くの人々がここを訪れる。そして、散歩、ジョギング、バードウォッチング、森林浴などをして楽しむようだ。今回は、この公園内を歩き、木々の紅葉を見てまわることにした。

紅葉の台原森林公園:イメージ2

うす灰色の雲におおわれた空のもと、とてもやわらかな自然光があふれていた。その光をうけて淡い紅色に染まった葉をつけるモミジの木々がたっており、その背景には木造のあずまやがたてられている。両者のおりなす光景には、どことなく風情や情緒があり、日本的な「ワビ、サビ」にも通じるような味わいや美しさがあるように思えた。

紅葉の台原森林公園:イメージ3

無数の清んだ黄色い葉をつけた木々がたちならんでいる。その姿は、まるで黄金色に染まった絢爛な花々が咲きほこっているかのように華やかで美しい。晩秋の冷たいそよ風が吹くたびに、その葉がひらひらと舞い落ちていく。その光景は、ひどく感傷的だったが、そこには極めてきらびやかな美しさがあった。

紅葉の台原森林公園:イメージ4

薄暗い林の中で、ひっそりとたたずんでいたモミジ。淡いワインレッドに色づいたその葉が、とても艶やかで美しい。そして、それがうっすらと赤く染まった背景とあいまって妖しい雰囲気をかもしだしている。

紅葉の台原森林公園:イメージ5 紅葉の台原森林公園:イメージ6

イチョウの木は、天にむかって幹をまっすぐにのばし、そこから多くの枝が分かれている。そこに扇をひらいたようなかたちの無数の葉をつけているが、それが鮮やかな黄金色に彩られていて実に美しい。その葉はしだいに地面に舞い落ちていき、うっすらと降りつもる。そこはまるで金色の野原のような美しい情景がひろがっている。

紅葉の台原森林公園:イメージ7 紅葉の台原森林公園:イメージ8

モミジは、その掌状のかたちも美しいが、晩秋の落葉の前に赤く色づく姿もまた美しい。それはまるで命がつきる前の一瞬の輝きと燃焼を凝縮させているようで実に見事だ。

紅葉の台原森林公園:イメージ9

清らかな小川、水をたたえた池、芝生におおわれた土地、木造のあずまやのある日本庭園。そこにたたずむモミジが太陽のうすい光をあびてうっすらと黄金色に輝いている。やはり日本庭園のような風情があって落ちついた雰囲気のするところには、木々の葉の色づいた姿がよく似合う。

紅葉の台原森林公園:イメージ10 紅葉の台原森林公園:イメー11

この日は、正午ごろまでは雲が多かったが、その後は晴れ間がひろがった。陽の光を直接うけて鮮やかな黄色に染まる葉と、さわやかに晴れわたった青空との色彩のコントラストが美しくまぶしい。その光が紅色に色づいた掌状のモミジの葉を透けて通り、きらきらときらめくように輝いている。そしてまた、そのモミジのきらめく紅色と空の淡い青色とのコントラストが絶妙な美しさと爽快感をかもしだしていた。

ところで、私の自宅からこの公園までは、わずか数百メートルの距離だ。そのようなこともあって、ときどきこの公園を訪れ、森の中の新鮮な空気をすったり、木々の緑や紅葉を見たり、鳥たちの美しいさえずりを聞いたりすることによって気分をリフレッシュさせている。私にとっても他の仙台市民にとっても、ここはいい憩いの場になっていると思う。

-DATA-

場所:
宮城県仙台市青葉区台原
交通:
仙台市営地下鉄の仙台駅から「泉中央行き」の電車に乗車し、「台原」か「旭ヶ丘」の駅にて下車。
所要時間約8~10分。台原駅から北へ徒歩3分、旭ヶ丘駅から西へ徒歩1分
駐車場:
森林公園の台原入口と黒松入口付近に無料駐車場あり
トイレ:
森林公園内に数カ所あり

天蓋山(1527m)

Dec.09, 2001 白銀の頂で美酒を頂く

北陸地方ではこの時期ぐずついた天気が続き、日一日と気温が下がり、冬に近づいていく。低山も雪で覆われ始め、スノートレッキングシーズンの幕開けとなる。
その手始めとして選んだのが、手頃なコースタイムで山頂に着ける天蓋山である。今回は山仲間のNさんが同行し、山頂での宴会が目的の山行となった。

天蓋山(1527m):イメージ1

富山県方面からだと、国道41号線から神岡町を通過し、双六渓谷入り口の赤い橋から渓谷沿いを車で進む。昨夜の降雪で、道路はところどころ白くなっている。山吹峠を越え山之村キャンプ場が見えたら、キャンプ場の中にある駐車場まで入っていく。

天蓋山(1527m):イメージ2

曇が垂れ込める駐車場から歩き始め、シラカバ林の中に入る。出発直後の積雪はソールが隠れる程度で、難なく歩ける。雪面にはウサギ、キツネ、カモシカなどの足跡が点々と続いている。沢沿いを進み緩やかに上っていくと、雑木林の上空にところどころ青空が見え隠れしており、天候回復に期待する。道は沢から外れてゆき、ロープのついた尾根道に変わる。雪量が増えてきたので、キックステップで登る。道は尾根上から水平移動へと変わり、少し下ると雀平展望台に着く。空は一面灰色に加え、風が吹いており遠望はきかない。足早に林間の急登を過ぎ、「あと30分」と書かれた看板に目をやって気持ちを奮い立たせる。ふと耳をそば立てると、周囲から音が消えていた。ニセピークを越え、再び上り返して山頂である。

天蓋山(1527m):イメージ3

標柱が立つ山頂は、足首までの新雪が積もる。山頂上空は雲が取れ、麓の林や道路がかすかに見える。そして太陽が顔を出し、雲が猛烈なスピードで流れてゆく。晴天ならば剱、立山、薬師、黒部五郎、笠、槍、焼、乗鞍、御獄、白山などが見えていたであろう。今回見えたのは、笠ヶ岳の白い頭だけであった。山頂はほぼ無風で、重ね着すれば寒さをあまり感じない。ビニールシートを敷いて、荷揚げしたものでささやかな宴会の始まり。ワインとチーズ、そしてパスタに酔いしれる。小一時間楽しんでいたら、急に雲に包まれ雪が舞ってきた。すぐに撤収し、アイゼンをつけ往路を戻る。

天蓋山(1527m):イメージ4

上部の急坂は、アイゼンをきかせて下る。眺望がないところでは、山中の木々を観察してみるのも面白い。雪の重みでねじ曲がった潅木、寒さに耐え切れずひび割れた幹、モノクロの銀世界に映えるヤドリギの緑の葉と黄の実。冬山では、夏山とは違った視点で山と接することができる。

[写真の説明]
タイトル:雪の穂つけるススキ
2段落目:出発地の山之村キャンプ場
3段落目:静かな尾根道
4段落目:雲切れゆく山頂
5段落目:帰路の途中で見えた、白き笠ヶ岳

-DATA-

場所:
岐阜県吉城郡神岡町・上宝村
交通:
国道41号線沿いの、双六キャンプ場入り口の赤い橋から道なりに進むと、山吹峠の先に山之村キャンプ場がある。そこが登山口となる
タイム:
山之村キャンプ場(1時間)雀平展望台(30分)天蓋山山頂(20分)雀平展望台(1時間)山之村キャンプ場
駐車場:
キャンプ場にあり
トイレ:
キャンプ場にあり
水場:
キャンプ場(冬季は出ない)、登山道沿いの沢水
注意事項:
ルート上に急坂があるので、アイゼンがあると下山時安心である。天候の急変などが考えられるので、防寒対策は十分にとっておきたい

ページのトップに戻る