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冬富士・吉田口登山道

Nov.11, 2001 薄い空気と深い雪

冬富士・吉田口登山道:イメージ1

毎年11月になると、富士山は冬山訓練の場として賑わいをみせる。5~7合目あたりはアイゼン歩行やピッケルによる滑落停止の訓練にちょうどいい。しかし山頂付近の雪は固く、登高には確実なテクニックを要求される。この時期には死亡事故が毎年報告されるので、登ろうと思われる方はしっかりとした技術と経験を身につけてからにしていただきたい。今回のコース吉田口は富士山でもっともポピュラーな登山道だ。前日、富士吉田駅に最終列車で入り、タクシーで馬返しへ。周囲はうっすらと雪化粧。前日関東地方で降り続いた雨は、こちらでは雪になっていたようだ。

馬返しからは広い登山道をひたすら登る。現在、登山道は修復工事中で、道のど真ん中に重機がでん、と置いてある。歩きづらい場所も結構あるので、体力を消耗しすぎないようにゆっくりと進もう。先は長い。1合目鈴原天照大神社や2合目富士御室浅間神社などには昔の神社が残ってはいるが、廃屋と化している。3合目の三軒茶屋では屋根の下で休憩ができるものの、床が腐っているので踏み抜きに注意。4合目の建物は倒壊してばらばらになっている。そのつぎは昔の5合目。焼印所の跡らしい。これも廃屋となっており、馬返しからの登山道が廃れているのを実感する。ここから現在の5合目である佐藤小屋までは意外に時間がかかるので、ゆっくり行こう。舗装された道に出たら右に曲がり佐藤小屋への入り口を探す。少し登山道を登ってまた舗装路があり、上を見上げると佐藤小屋だ。なお今回の山行は馬返しを夜の12時に出発しているので、ほとんどの画像は下山時に撮影したものだ。馬返しから佐藤小屋まで約2時間。普通のコースタイムだと3時間半ぐらいである。

佐藤小屋は閉鎖されているので、トイレの中で休憩することにした。佐藤小屋は通年営業だが、冬の時期は週末中心の営業になるようだ。宿泊を考えている方は連絡をとってみたほうがよい。小屋の標高は2300mぐらい。気温はマイナス6度。今シーズン初の冬山としては、かなり寒い。便所の床に座り込み、うつらうつらしながら過ごした。2時間ほど休憩して、午前4時に再スタート。佐藤小屋の脇から登り、やがて延々と続くつづら折れの道となる。このあたりは登山道脇に巨大な土留めが続いている。やがて6合目の小屋が近づいてくると登山道らしくなるが、今回の山行では厳しいラッセルになり、なかなか進まない。吹き溜まりに突っ込むと、腰より上まで潜る。目の前の雪をピッケルで掻き落とし、膝で踏み固めてようやく1歩、という感じだ。

冬富士・吉田口登山道:イメージ2

7 合目あたりでご来光を迎える。天気は快晴、風もない。絶好の冬富士登山のチャンスだが、とにかくラッセルがひどい。同行のKはこの時期の富士山には何度も登っているが、こんなに雪が多いのは初めてだという。このあたりは山小屋が立ち並んでいて、だいたい10分(夏のタイムで)も登れば次の山小屋にたどり着く。次の小屋、次の小屋と目の前の目標だけを考えてラッセルする。山頂はずーっと見えているが、なかなか近づかない。北アルプスあたりの山々とは距離感が大分違う。

冬富士・吉田口登山道:イメージ3

8 合目を過ぎると山小屋がなくなる。次の目標は9合目にぽつんと立つ鳥居。やっとラッセルから解放されたが、既に体力を使い果たしており、スピードはあがらない。もう高度は3000mを軽く越えている。同行のKが「頭がふらふらする」と言い出して心配したが、なんとかついてきている。雪面は硬いが、まだ氷というほどではないのでアイゼンの刺さりはいい。このあたりで滑落するとなかなか止まらないので、どんなに疲れていてもアイゼンワークは確実に。9合目は鳥居と小さな祠があるだけ。富士山で一番静かな場所なのかもしれない。

冬富士・吉田口登山道:イメージ4

普段の山歩きの感覚ならば、山頂はすぐそこ。しかし薄い空気と疲れきった身体ではなかなかたどり着けない。10歩歩いては息を整え、を繰り返しながら、硬い雪面を登っていく。ヒマラヤの高所登山はこんな感じなのかなぁ~と思いながら。ようやく到着した山頂は雪と氷の世界。神社も建物も鳥居も、すべて凍り付いている。お鉢回りは時計回りが伝統らしいが、今の我々にはそんな余裕はない。標高差で2300m、しかもラッセルをこなしながら一気に登った我々は、安全地帯を目指して一気に下降することにした。佐藤小屋から山頂まで8時間ほど。通常の冬富士ならばその半分くらいの時間で登れるらしい。

-DATA-

場所:
山梨県富士吉田市
交通:
富士急行富士吉田駅からタクシーで20分
駐車場:
馬返し付近は10台ほど駐車可能だが、現在工事中のため詳細不明。
トイレ:
今回のルートでは佐藤小屋にしかない。
携帯電話:
馬返しから通じる。ドコモならば、大抵の場所で使用可能。
その他:
馬返しから山頂までは標高差で2300mほどある。普通は富士スバルラインで5合目まで行き、そこから登ったほうがよい。富士山の突風は有名で、身体を吹き飛ばすほどの威力がある。天候判断は慎重にすべきだ。2月にもなれば、山頂付近は氷化する。滑落は許されない厳しさがある。タクシーは3500~4000 円ほど。

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