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仙台都市的光景2
Nov.25, 2001 都市独自の美的光景
前回は、仙台市青葉区の中心部を歩き、都市的な美しさをもった被写体を写真におさめた。今回は、泉区と青葉区内を歩き、前回と同じような被写体を探してみた。

泉区泉中央の仙台市営地下鉄泉中央駅前にて。
その駅の東側にひろがるペレストリアンデッキ。その上を歩いていると、やや大きなピラミッド型(四角錐)の物体を見つけた。その頂点の部分には金属が施されているが、それ以外のところには、ひし形模様のライトグリーンのガラスが張られている。この物体には二つの入口があり、そこに入ると地上一階へおりていける階段があった。どうやらこの物体は、階段の雨よけ用の屋根らしい。その階段をおりていく途中、上を見あげてみる。すると四角錐に張られたガラスをその内側でささえている金属の骨組みがあることに気づく。それらは幾何学的な美しい模様を形成するように組み立てられている。そして、それらがガラス越しに陽の光をうけてうっすらと金色に輝いている光景が実に美しい。

青葉区台原の高層マンションにて。
小高い丘の上で天にむかってそびえ立つ高層マンション。それを見ていると、『旧約聖書』の創世記第11章を思い起こしてしまう。そこにはノアの箱船によって大洪水を生きのびた人々の子孫たちがバベルの塔を建設しようとする姿が描かれているのだ。以下、『旧約聖書』からの引用。
「世界中は同じ言葉を使って、同じように話していた。東の方から移動してきた人々は、シンアルの地に平野を見つけ、そこに住みついた。彼らは『レンガをつくり、それをよく焼こう』と話し合った。石の代わりにれんがを、しっくいの代わりにアスファルトを用いた。彼らは『さあ、天まで届く塔のある町を建て、有名になろう。そして、全地に散らされることのないようにしよう』と言った。主は降って来て、人の子らが建てた、塔のあるこの町を見て、言われた。『彼らは一つの民で、皆一つの言葉を話しているから、このようなことをし始めたのだ。これでは、彼らが何を企てても、妨げることはできない。我々は降って行って、直ちに彼らの言葉を混乱させ、互いの言葉が聞き分けられないようにしてしまおう。』主は彼らをそこから全地に散らされたので、彼らはこの町の建設をやめた。こういうわけで、この町の名はバベルと呼ばれた。主がそこで全地の言葉を混乱(バラル)させ、また、主がそこから彼らを全地に散らされたからである」
このバベルの塔の物語が何を意味するのかについては様々な説があるが、私が興味をいだいたのは「人間の高慢、虚栄心、功名心、自己顕示欲への批判」という説だ。そして、青葉区台原の丘の上にそそり立つ高層マンションを見ていると、この建物のオーナーと設計者もそのような心情や欲望を動機としてこの建築物を建造したのではないかと思えてくる。ちなみに、バベルの塔が実在したという説がある。古代の新バビロニア王ネブカドネザル2世が建てた巨大な塔をもつ神殿のことだ。

青葉区中央のファッションビル内にて。
ファッション。その主要形態である衣服、服装。そこでは個々人の潜在的な美意識・趣味性・人格性が記号化されている。そしてまた、それをもとに人々は自己を表現し、自己の個性を発現することが可能だ。そうすることによって自己満足や自我拡大を得ることもできる。また、そこでは、その時代や社会における趣味性の一般化(流行、モード)というものが存在し、人々はそれを追い求めることで優越感・先進感や他者との一体性・連続性の意識を得ようとする。そして、その一般化は、決して不変のものではなく、時代や社会の流れの中の人々の集合的な意識の変化によってつねに変動する。言語の文法体系が時代や社会の流れの中の人々の具体的発話の変動によって徐々にその体系を変化させていくように。ファッションビル内の衣服店のショーウィンドー越しに女性用の服を見ていたら、ふとそのようなことを考えてしまった。

青葉区中央のオフィスビル内にて。
そのビルの一階のエレベーターホール。うすい黄緑色を基調とした壁面と淡いオリーブ色の天井。壁の一部分には三角形を組み合わせた装飾が施されている。逆さ円錐形の四つの電灯が銀色の金属の支柱にささえられている。その姿は、街路灯によく似ている。そして、その灯りは、玄関口の窓ガラスから入りこむ自然光と天井の電灯とあいまってホール内を明るく照らしだしている。この空間の内部にいると、ひどく無機的で冷たい印象を感じたが、ここでは極めて洗練された雰囲気がただよう都市独特の美しさというものを感じとることができた。
さて、前回と今回の二度にわたり仙台市内の都市的な美しさをもった光景を紹介した。しかし、正直にいうと、私は「大都市」というところがあまり好きではない。その人ごみの中にいると、何となく気分が悪くなってくるからだ。やはり都会にいるよりも、山へ行って森の中の澄んだ空気をすったり、海へ行ってさわやかな潮風を感じている方が好きだ。しかしながら、「都市」というものに対していまだに関心をいだきつづけているので、これからも都市の写真を撮りつづけようと思っている。
-DATA-
- 場所:
- 宮城県仙台市泉区・青葉区
- 交通:
- JR仙台駅から徒歩で移動。公共交通機関を利用する場合は、
仙台市営地下鉄か仙台市営バスの「中央循環」に乗ると便利 - 駐車場:
- 各所に有料駐車場あり
- トイレ:
- 地下鉄の各駅、各公園内に公衆トイレあり
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