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木曾駒ヶ岳

Oct.07, 2001 天空の氷河圏谷から駒ヶ岳山頂へ

長野県南部、伊那谷を流れる天竜川の上流方向へ目を遣ると、ちょうど西の方角に高い山が聳えている。それが今回登った木曾駒ヶ岳(標高2956m)。隣の甲斐駒ヶ岳とともに日本百名山に数えられている中央アルプス最高峰である。覚明行者の名を刻んだ石柱が登山道に点在することから、かつては厳しい信仰登山が隆盛していたと考えられるが、現在では急速な交通機関の整備により、駒ヶ根市から千畳敷間をバスとロープウェイで行き来できるようになった。風衝地帯である千畳敷の氷河地形、稜線上からのアルプス連山の景観など、四季折々に変化する自然の美しさや雲上からの大パノラマは、登山者を魅了して止まないだろう。

前日の21時に大阪を後にし、名神高速道路から中央道へと進む。駒ヶ根IC出口を右折して菅の台バスターミナルへ。駒ヶ岳ロープウェイの基点であるしらび平駅周辺には、観光バスやマイカーを駐車できるスペースがないので、ここで路線バスに乗り換えることになる。朝6時発の路線バス。色付き始めた麓の山々を窓外に細道を揺られること40分ほどでしらび平駅に到着し、バスからロープウェイへ乗り換え。

木曾駒ヶ岳:イメージ1

昭和42年に完成した駒ヶ岳ロープウェイは、しらび平(標高1690m)と千畳敷(標高2640m)間を約8分で結び、その高低差(950m)は日本最大である。高度が上がるに従って、眼下に見下ろす初秋の緑は、次第に深秋の黄金色の木々へと染まっていった。当日は残念ながら出逢えなかったが、季節によってはカモシカや野猿の姿も見られるという。

木曾駒ヶ岳:イメージ2

千畳敷は、峻険な宝剣山を正面になだらかな扇形を描いて広がる圏谷地形。氷河期から浸透し始めた地下水が豊富なため、植生が豊かなのが特色。殊に夏はシナノキンバイ、コバケイソウ、ハクサンイチゲなど高山植物の花畑が広がる。当日の千畳敷は秋の盛。ホテル千畳敷より右に折れて、楕円を描くように延びる遊歩道を進んでいくと、ダケカンバやナナカマドの木々が、黄色と紅色の見事な彩りで迎えてくれた。すぐに八丁坂分岐と呼ばれる分かれ道に差し掛かった。左折する登山ルートを取ると、ジグザグの急登りが始まった。この付近の注意点として、足下の石が水分で侵食されていて滑りやすいこと。また、金属の網が施されているものの、右の和合山から小石の落下が時々あることが挙げられる。それらを考え合わせると、この周辺での長い休憩は避けた方が無難である。

木曾駒ヶ岳:イメージ3

登るにつれて次第に傾斜も大きくなり、踏みしめていた小石はごつごつした岩へと変っていく。雲が近くなり、濃い霧が立ち込めはじめる。歩き始めてから1時間半強で乗越浄土と呼ばれる平坦地に辿り着いた。見晴らしも良く、休憩には絶好の場所である。ピークの一つである中岳(標高2912m)までは20分ほど。山頂(標高2956m)まではそこから30分ほどだ。

木曾駒ヶ岳:イメージ4

なだらかな稜線を歩いて山頂に到着すると、視界を遮っていた霧は去り、青空が一面に広がった。東に目を遣ると、南アルプスが相対し、御岳山、乗鞍岳、遥かには富士山までもが眺望できた。稜線を吹き抜ける涼しい風を感じながら、改めて登山の喜びを噛み締めたのだった。

木曾駒ヶ岳:イメージ5

今回行ったのは千畳敷から木曾駒ヶ岳山頂までの往復登山。所要時間にして登り2時間半、下り2時間ほどで中級者向きか。ところで乗越浄土から宝剣岳を経由してから木曾駒ヶ岳山頂に向かうルートもあるが、宝剣岳への鎖場は相当の難所なので、本格的な岩場に慣れていない方はくれぐれも避けておきたい。

-DATA-

場所:
長野県駒ヶ根市
交通:
車の場合:
中央自動車道駒ヶ根ICから菅の台バスターミナル。路線バスに乗り換えてしらび平へ
鉄道の場合:
JR駒ヶ根駅より路線バスでしらび平へ
駐車場:
菅の台バスターミナル付近
トイレ:
ホテル千畳敷、山頂山荘(有料200円)

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