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大猫山(2055m)

Oct.27, 2001 剱の特等席は、初冬のおもかげ

剱岳の北方稜線に、登山道がないため残雪期の山として知られている毛勝三山(毛勝山・釜谷山・猫又山)がある。25000分の1地形図「毛勝山」を見ると、三山の南端にある猫又山から西方に伸びる尾根上に、2055.5mの三角点のあるピークがある。そこが今回紹介する大猫山である。今年、大猫山に登山道ができたという記事を山の雑誌で見かけた。秋晴れを見計らい、眺望を期待して登山口に向かった。

ブナクラ谷堰堤前の登山口は、かなりの急登から始まる。秋色の木々と大杉の中を、トラナワや木の枝をつかみながら上を目指す。出発地はみるみるうちに眼下に消え、耳に届く轟音は、ブナクラ谷を白糸となって流れる沢水のものである。尾根の途中から剱岳の鋸歯のような岩稜が眺められる。右方には早月尾根が一気に下っており、その先には牛の背のようにどっしりとした松尾平が見え、ここでいったん落ち着いた後馬場島へと至る。斜面が膝頭と当たるくらいきつい山腹は、紅葉のシーズンが過ぎており、すっかり葉を落としたダケカンバの白い幹が青い空によく映える。標高1300mを越えると、スギの割合が多くなり、 1750mくらいからはクマザサが茂る。1800mになると水平移動に変わり、道は東へと巻いていく。この辺りは池溏が点在する草原で、穏やかな風が吹き抜け休憩地には最適だ。草原を過ぎたら急斜面にぶつかるので、登りきったら溝の中を左に詰めて、右へ折り返すと山頂である。

大猫山(2055m):イメージ1

三角点のあるピーク部分だけ飛び出ている他は、黄金色の草原と緑色のササの迷彩模様に覆われたなだらかな尾根である。グループでお弁当を広げるのにちょうどよい。北側に目をやると、大明神山から釜谷・猫又山(毛勝山は釜谷山の向こうに隠れて見えない)の連なりが見える。南側に視線を転じると、ブナクラ峠から詰め上がる赤谷山と剱岳の岩稜が眼前に迫る。

大猫山(2055m):イメージ2

猫又山と赤谷山の間からは五竜岳と鹿島槍ヶ岳がのぞいている。剱岳の迫力ある山容を間近に見渡せる大猫山は、剱岳の特等席と言っても過言ではないだろう。山頂から東に10分ほど尾根上を歩くと、釜谷・猫又山はさらに大きく感じられる。ここにも草原が広がり、秋晴れの下でトカゲをするにはもってこいの場所だ。

大猫山(2055m):イメージ3

帰りは往路を戻るのが一般的だが、ブナクラ峠まで足を伸ばしてみることにした。登山道はないので、残雪期の踏み跡をたどるのだが、大部分はヤブコギである。標高2000m付近のササヤブは予想以上に深くて、進むのに苦労する。暑かったのでTシャツで行動していたら、知らぬ間に腕がキズだらけになってしまい慌てて長袖を着ることになる。意外に思えたのはすねの打ち身で、これは斜面のヤブコギ中に、横方向に伸びたササの堅い茎がすねに当たるためである。なるべく尾根付近を歩くようにすれば、残雪期の踏み跡が見つかるだろう。苦労の末、ブナクラ峠から猫又山への道にたどり着き、あとは道伝いに下るだけとなる。峠から見える後立山は印象深く夕日に染まり、黒部峡谷の紅葉は今が見頃を迎えている。ブナクラ峠からの下山ルートは、道がしっかりついており迷うことはない。マイペースで歩き通し、堰堤に着いたときには日が暮れ、辺りは薄暗くなっていた。

-DATA-

場所:
富山県中新川郡上市町
上市町から県道馬場島線で馬場島家族の森キャンプ場へ向かう。その先に分岐があるので、「赤谷方面」と書かれた左の砂利道を進む。橋を2回渡った先の堰堤前の広場に登山口がある(「赤谷山2260m」と同じ)
交通:
タクシーか自家用車に限られる
駐車場:
堰堤前の広場に20台近く駐車可能
トイレ:
馬場島家族の森キャンプ場にあり
水場:
馬場島家族の森キャンプ場に水道あり。大猫山ルートでは補給不可。ブナクラ峠の下にはいくつか沢がある
携帯電話:
山頂で使用可能(J-PHONE)
参考タイム:
堰堤前登山口(2時間)標高1800mの草原(30分)大猫山頂上(10分)釜谷・猫又山絶景地(ヤブコギ2時間10分)猫又山への登山道分岐(30分)ブナクラ峠(1時間45分)堰堤前登山口
登山上の注意点:
大猫山頂上からブナクラ峠に至るルートは、猫又山ルートと合流するまで残雪期の踏み跡をたどることになる。分かりにくい上にヤブコギが続くので、地形図とコンパスが必要である。気軽に登るなら、大猫山ルートを往復するのが無難である。

府民の森『緑の文化園むろいけ園地』

Oct.27, 2001 雑木林を家族と散歩

府民の森『緑の文化園むろいけ園地』:イメージ1

僕が住む大阪府には『府民の森』と言う自然公園がある。府民の森は「金剛生駒紀泉国定公園」の中に、大阪府の府政100周年記念行事としてバブルの頃に整備され、北は交野市から南は千早赤阪村までの範囲に八つの園地があり、今回出掛けたのはその中の一つ「緑の文化園むろいけ園地」だ。

府民の森『緑の文化園むろいけ園地』:イメージ2

僕にとってこの場所は、府民の森として整備される以前から、雑木林散策や室池での水遊びを楽しんで来た場所であり、整備されると聞いた時には随分がっかりとしたモノだが、昔の静けさは無くなってしまったもののお気に入りの場所であることには変わりない。青空に届かんばかりに成長したクヌギやコナラは近郊ではそうそうお目にかかれるモノでは無いのだ。お手軽に楽しむ事が出来る自然が残っている場所として休日などは家族連れやカップルで大いに賑わっている。

府民の森『緑の文化園むろいけ園地』:イメージ3

大阪市内の自宅からR163を経由して一時間程で到着した。今日は赤ん坊も連れているので車でやって来たが、無料の駐車場は実に有り難い。大阪府下の公園と名の付くところで「駐車料金無料」と言う所はなかなか思いつかないのである。この園地には、野球場やテニスコート等の施設もあり、早々に到着しなければ駐車場所に苦労する事も多々あるので注意が必要だが。

府民の森『緑の文化園むろいけ園地』:イメージ4

森の中に入っていく前に、駐車場のすぐ側にある「森の工作館」を覗いて見るのも良いだろう。何とも良い木の香りのするログハウスの中に入っていくと、子供が喜ぶゲームやクイズなどが並んでいて、森や木の事を少し考えるきっかけになればと思っていると管理人の方の話を聞いた。工作教室などのイベントも頻繁に行われている。

さて、お散歩だ。むろいけ園地内には「ファミリートレイル」や「ネイチャートレイル」等と名付けられたトレイルが幾つか整備されていて、今日はベビーカーも転がして歩けるファミリーコースを少しアレンジして歩く事にした。湿原の上の木道やら池の端の水辺自然園など、これらを組み合わせたコースアレンジは自在である。駐車場付近やコース中にも分かり易い地図があるので、むろいけ園地内を散歩するのであれば地図もまったく不要。前途の他の府民の森へと繋がるトレックを歩くのも面白いだろう。JR「四条畷駅」から徒歩で一時間程のハイキングコースを歩いて来るのも面白い。このハイキングコースは大阪の街並みから大阪湾、六甲山までも見渡せる静かな展望の良いコースだ。

「あの青い鳥は何?」と娘の指さす方向を見ると、カワセミが飛んで行った。大阪市内で見かける野鳥では無いので今日はラッキーだな、とカワセミの話をしながらドングリを拾ったり、手のひら一杯のムカゴも手に入れた。そう言えば、昔はタラの芽などの山菜も沢山採れたのになぁ~。

日当たりの良い大きなコナラの木の下で、ガスストーブに火を付け昼食を作った。あと一月もすれば、紅葉が見頃になるだろう。手持ちぶさたの休日、デイパックにお茶セットなど放り込んで出掛けてみては如何だろうか。

-DATA-

場所:
大阪府四条畷市
交通:
JR学研都市線「四条畷駅」からバス有り。
四条畷駅よりハイキングコースを歩いても一時間弱。
車であれば、阪奈道路生駒山上口または国道R163清滝峠より市道逢阪生駒口線へ。
駐車場:
無料駐車場有り
トイレ:
公衆トイレ有り
買い物:
無し

ウインザー城

Oct.27, 2001 旅行雑誌さんも、ここまでは知らないでしょう、ウインザーのこと。

ウインザー城:イメージ1

ロンドンから西へ車で約1時間も走ると、900年の歴史を持つウインザー城が見えてくる。このゴシック様式の威厳に満ちた古い城は、歴代の王たちの権力と栄光の日々をしのばせると共に、エリザベス女王のお気に入りの城でもある。公式行事のない週末には、ここでゆったりと時を過ごしているそうだ。城の象徴ラウンドタワーの頂上に、はためく英国国旗が彼女が滞在している時を告げる役割を果たしている。因みに、あのユニオンジャック国旗とは、「イングランド」「スコットランド」「アイルランド」の国旗が合成写真のごとく合わさったものである(話のタネにもなりましょうぞ)。さて、このウインザー城は日帰りコースに最適の場所に位置しているわけであるけれど、時間が許すのであれば、是非一泊してみたいもの。何故なら、ここには美味いタイ料理レストランもあれば、客を客だと思っていない骨董品屋もある。夜には、テムズ川のほとりに幻想的な光を放つ移動遊園地が降り立ち、グロテスクなまでに集まってくる白鳥の大群にエサをやることもできる。ホテルやB&Bを紹介してくれる、インフォメーションオフィスが大通り(High St.)にあるので事前予約の心配はいらない(英語が話せなくても、この人達は不思議と理解してくれるので大丈夫です)。

ウインザー城:イメージ2

1992年のウインザー城大火災は、日本のマスコミを王室のスキャンダルと共に賑わしたため、記憶にある人も多いはず。この火災は、プライベート・チャペルの祭壇付近に掛けられていたカーテンにスポットライトから引火したもので、幾つかの部屋の天井が焼け落ちたほどの被害をもたらした。そして、その多額の補修費用を捻出するためイギリス政府は?パッキンガム宮殿を毎年夏の間だけ一般公開してしまった!「そんなことして危なくないの?」と日本人的には思うけれど、これがイギリス。そして、火災が発生した建物は、5年の歳月をかけてモダン・ゴシック様式として再建され、現在ではそのプライベート・チャペルも見学することが出来る。(「ここから火災が発生しました!」と仰々しくコンクリートを埋め込んである)。

ウインザー城に来たのなら是非見て欲しいものは、「人形の家」(長い行列ができているので、すぐ分かります)。1924年にメアリ王妃に贈られた、1/12のミニチュアサイズのお城で、1500人の技術者によって作られたもの。見た目には、やけにデカイままごと用の家なのだが、これに備え付けられている水道、電気、エレベーターまでが実際に機能するというのだから、肝も抜ける。端のほうにぽつりと展示されている、ミニ・ワインセラーのボトルの中にも本物のワインが注入されてるそうな。お金持ちは、おままごとも本物思考らしい。また、ここでは写真撮影が禁じられているので、私のように「撮ったろ?」と怒られないように気をつけましょう。

ウインザー城:イメージ3

そして、ガイドブックにも載っていない、ビューポイント。あのラウンド・タワーに登れます。タワーの側面にそってグルグルと螺旋状に階段を登る仕組みで、頂上からの眺めは素晴らしい。石造りのベンチに横になって、傍らに花咲き乱れる花壇から香立つ、甘い香にうっとりとして、昼寝するのも気持ち良い。ただ、これに登るには1ポンド(170円ほど)払わないといけないのが、ちょっと悲しかったりする。タワーの回りに広がる庭も、ロマンチックでのんびりと寛げる場所のひとつ。天気の良い日は、リス君がご馳走をおねだりにやって来ることも。

その他には、午前11時に正門前で行われる「衛兵交代の儀式」(日曜を除く。9~2月は1日おき)、歴代の国王が埋葬されている「聖ジョージ・チャペル」(1649年に処刑されたチャールズ一世もここに眠る)、トラファルガー海戦でネルソン提督を倒した弾丸を飾る「グランド・ヴェスティビュール」、ルーベンスや同派の画家によって描かれた絵画を飾る「キングズ・ドローイングルーム(国王の接見の間)」などがある。

ウインザー城:イメージ4

さて、お城はこれくらいにしておいて、夜になったら街に繰り出しましょう。観光名所ということもあり、この辺りはロンドンみたいに危険ではない(といっても、日本ほど安全でもないので狭い小道を1人で歩くのは避けましょう)。夕食は、High St.沿いにあるタイ料理レストランがお勧め。(何故、イギリスまで来てタイ料理なんだ?)と思う方もいるかもしれませんが、ここはタイ人が営む本格的さが売りの店なのです。とにかく美味しい。「THAI FOOD」とそのままの看板が下がってるので、興味がある方は是非どうぞ。お腹が満たされたら、遠くに聞こえる祭ばやしの音色に惹かれて、テムズ川のほとりに舞い降りた移動遊園地へ。毛足の長い草原にポツンと立つ「小さな遊園地」は、移動遊園地自体を見慣れない日本人にとっては、ひどく幻想的に映るようで、私の母も「夢みたい」を連発していましたね。ゴーカート・アヒルすくい(お風呂に浮かべるアレ)・観覧車などが100円くらいで楽しめる。あとは、テムズ川に「どこから涌き出たんだ?」というくらいに浮かんでいる白鳥の大群に、エサをあげるのもなかなか楽しい。優雅な白鳥の裏の世界が垣間見れる。

更に書き忘れたが、High St.沿いにある骨董品屋。ウインドー越しに無造作に並べてある、琥珀のネックレスや懐中時計、値段が書いてない胡散臭さがたまらない。店内に入ると、店のおやじが(何の用だ?)といった風にで、じろりと一瞥をくれてくる。客を客だと思ってくれない店なんて、日本じゃまずないでしょう?是非、足を運んでみてください。中には掘り出し物があったりしますから。

御所湖

Oct.21, 2001 周囲にはレジャー施設がいっぱい

秋はスポーツの季節ですね。ジョギングが趣味の私、普段は家の近所をグルグル走り回っているだけなのですが、今回はさわやかな風に誘われたのでしょうか? 少し遠出をしてみようという気になりました。

御所湖:イメージ3 御所湖:イメージ1 御所湖:イメージ2

御所湖は盛岡市から西に10キロほど、御所ダム建設にともない、雫石川をせき止めて作りあげた人工の湖です。東京方面からなら東北自動車道を盛岡I.Cで下り、秋田方向に向かってください。10分ほどで繋(つなぎ)十文字の交差点に出ますので左折します。大きな道路標識がありますので、すぐわかるはずです。そしてそこからが、御所湖周辺に広がる各種レジャー施設巡りの始まりとなります。

御所湖:イメージ4

まず、すぐ左手に「盛岡手づくり村」の看板が見えてくることでしょう。「南部鉄器」や「南部煎餅」、その他様々な特産品を実演販売しています。資料館や楽焼きの体験コーナーのようなものもあって、家族で楽しむことができます。そこを通り過ぎて少し行くと、右手に大きな駐車スペースがあります。尾入野湿生植物園の入口です。ご入場の際は、奥の階段を下りて行ってください。ですが今回は、そこも通りすぎまして、さらにどんどんと走り続けます。今度は左手に朱色の大きな橋が見えてきます。

御所湖:イメージ5

御所湖に架かる繋(つなぎ)大橋です。対岸の繋温泉へと通じますが、今回はそこを渡らずに、湖を一周するような形でジョギングすることにしました。さらに1キロほど行ったところには、見晴らしの良い公園があります。ゆったりとしたスロープを下りて行くと、草原の上では数組のグループがバーベキューパーティーを開いていました。手前の東屋には、一人ギターをつま弾く孤高の青年の姿。奥の方に車がたくさん停まっているので、何だろうと近寄ってみたら、ウエットスーツ姿の人がたくさんいます。ウインドサーフィンを楽しむ若者らのたまり場だったんですね。水上には色とりどりの帆(?)が花開いていました。時折引っくり返って水飛沫が上がるのもご愛敬。

御所湖:イメージ6 御所湖:イメージ7 御所湖:イメージ8

そこからまた1キロほど行くと、元御所橋、安庭橋に出ます。湖の一番広い部分を楽しめるビュースポットです。水辺で釣り糸を垂れている人が何人もいますね。一体何が釣れるんだろう?橋のたもとには駐車スペースもありますので、お車の方もゆっくりとどうぞ。そこから2キロほど街中を走ります。歴史民族資料館、御所湖川村美術館などを通り過ぎて天沼橋へ。ここいらで丁度中間地点ということになるでしょうか。橋のたもとには乗物広場があり、子供たちの歓声が風に乗って届いて来そうです。その先には野球場、スイミングセンター。確かボート競技の練習場もあったような気がします。盛岡市を縦断する(たしか全長30キロほどあったと思いますが)サイクリングロードの起点も、この辺りにあります。繋大橋の対岸には、岩手山をバックに紫苑の像が。御所ダムの水門を通り過ぎた先には、テニスコート、キャンプ施設のあるスポーツセンター、その他にもetc、etc……。一周およそ15キロほどの間には、数えるのが億劫になるくらいレクリレーション施設が点在します。

御所湖:イメージ9 御所湖:イメージ10

湖はどの方向から眺めても美しいですし、今回のような天気の晴れた日に、汗をかきかき走っていますと、本当に心地よく、すがすがしい気分にさせてくれます。(もっとも後半はバテて大変でしたが ^^;)泊りがけでくるなら、やはり繋温泉でしょうね。湖に面して建てられたホテル、温泉宿も多数有り、朝夕うつりゆく湖の風情を眼下に楽しむことができるはずです。500円ほどで日帰り入浴できる宿もあるはずですので、もし必要なら、温泉街の案内所に尋ねてみるとよいでしょう。

-DATA-

場所:
岩手県雫石町
交通:
東北自動車道、盛岡I.Cから、国道46号線を秋田方向へ。繋十文字交差点を左折。
もしくは盛岡駅前バス乗り場から10番線繋温泉行。繋温泉下車。
駐車場:
要所要所に有り
トイレ:
要所要所に有り

巻機山

Oct.21, 2001 紅葉の山でのんびりする

巻機山:イメージ1

巻機山の米子沢というところへ沢登りに行かないか?と誘われたのだが、沢登りをしたことがない私は沢用の靴を持っていなかった。しかし、上越の山々は今ごろ紅葉でキレイだろうなあ、と思い、山岳会の仲間達とは別行動でハイキングコースをたどることにした。前日、関越自動車道を走り、塩沢石打ICで高速を降りる。国道291号線を30分ほど清水を目指して走れば、巻機山の登山口だ。国道291号線から「巻機山登山口」の看板を目印に、林道を上がっていく。やがて駐車場が見えるが、1日1台500円となっている。水洗トイレに水場、近くにはキャンプ場も用意されている。土日は警察官が登山道入り口で指導を行っているので、ここで登山届を提出していこう。

巻機山:イメージ2

今回は井戸尾根コースを往復する。ここが一番ポピュラーなコースだ。登山届のポストから林道を少し登ると、井戸尾根の入り口。気持ちのいい天然林の中を歩いていく。傾斜もなだらかだ。やがて傾斜が強くなってくると4合目の標識が出てくる。さらにひと登りで5合目。ここからは米子沢を一望できる。きれいなナメ滝が続く米子沢をじっくりと眺めれば、沢登りをしているクライマーの姿が見えるかもしれない。ここまではだいたい1時間半ぐらいでしょう。

巻機山:イメージ3

再び稜線通しに歩き始めるが、しばらくは樹林帯が続く。地面はわりと滑りやすいので、下りの際は要注意。グリップの利く登山靴を用意しよう。6合目に来ると、5合目とは反対方向の展望がいい。正面に見える岩峰は天狗岩。この天狗岩周辺にもハイキングコースが設定されている。ここからだんだんと樹林の背丈が低くなり、7合目近くになると森林限界を越える。真正面に見えるピークは前巻機。いかにもゴール地点のようなピークなので「ニセ巻機」と呼ばれ、こちらのほうが名の通りがいい。ここの登りは笹の中の急傾斜。段差があるので、ゆっくりいこう。やがて丸太で整備された登山道が出てくれば、ニセ巻機のピークは近い。5合目からは1時間半程度の登りだ。

巻機山:イメージ4

ニセ巻機からは楽しい稜線歩きだ。少し道は下り坂になり、避難小屋まで下る。このあたりからは登山道が木道になる。巻機山では植生の回復作業が行われているので、あまり登山道をはずれないようにしよう。このあたりには池塘が点在している。道は最後の登りとなり、丸太で組んだ登山道を一気に登ると「御機屋」に到着する。巻機山はこの周辺のいくつかのピークの総称なので、ここには「巻機山」の標識がある。ここに荷物を置いて気に入ったピークを往復するのが良い。西側にある顕著なピークが割引岳。東のほうには巻機山の最高地点があり、さらに進むと牛ヶ岳だ。往復すると1~2時間ぐらいかかる。北に見えるギザギザの稜線を持った山が八海山。南は谷川岳方面の山々が遠望できる。

-DATA-

場所:
新潟県南魚沼郡塩沢町
交通:
JR上越線六日町駅から越後交通バス45分清水下車
駐車場:
あり 1日500円
トイレ:
登山口の桜坂駐車場および9合目避難小屋
注意事項:
バスは1日4本程度。ハイキングコースはいくつもあるが、下りが危険とされるコースもあるので注意してほしい。また沢登りコースは通常ザイルが必要なので、経験者の同行が必要だ。

松島湾西部の海岸めぐり

Oct.20, 2001 塩釜・利府・松島の海岸線めぐり

松島湾西部の海岸めぐり:イメージ1

京都の天の橋立、広島の宮島とならんで日本三景として有名な松島湾。その海に接する西と北側の陸地には、塩釜市、利府町、松島町がある。今回は、これらの市町の海岸線をめぐり、松島湾とその周辺の美しい景色を堪能しながら松島四大観の扇山をめざすことにした。ちなみに、松島とは、ある特定の島の名称ではなく、松島湾とそこに浮かぶ数多くの島々、さらにはその海に接する海岸線の陸地を総称した呼び名のことだ。

松島湾西部の海岸めぐり:イメージ2

仙台市の中心部から北東方面へのびる国道45号線。その道を車で約1時間ほど進むと塩釜市の塩釜港にたどり着く。この港は、松島湾西部の最も奥に位置し、しかも堀込型のかたちをしているので、海の波がとてもおだやかだ。海鳥たちがその水面に舞い降りて羽を休めている光景が実にほほえましい。ここは松島湾内をめぐる遊覧船の発着港でもある。なお、私自身は、今回も移動手段として車ではなく自転車を利用した。

松島湾西部の海岸めぐり:イメージ3

その港のまわりの臨港地には、倉庫、工場、魚市場、水産物加工所などがたちならんでいたが、そこで巨大なサイロを見つけた。その高さは10m以上もあり、表面は銀色の金属でおおわれている。そこに太陽の光が反射してギラリとしたメタリックで重厚な光が放たれている。その光景は、異様なほど重々しく、見る者を威圧しているような印象をうける。しかし、その銀色に輝くサイロとその背景の紺碧の空との色彩のコントラストが不思議なくらい美しかった。

松島湾西部の海岸めぐり:イメージ4

塩釜市内の国道45号線をさらに進んでいくと、やがて利府町内に入る。そして、その道路上から松島湾とそこに浮かぶ島々がおりなす優美な景観を見ることができるようになる。厳密にいえば、塩釜市と利府町が接している海は塩釜湾や浜田澪であって松島湾ではない。実際の松島湾はもう少し東方にあるのだ。しかし、これらの湾はつながっており、一般にはこれらの湾の明確な区分が知られていない。そのようなこともあって、このあたりのいくつかの湾を総称して松島湾とよぶことが多い。したがって、今後、このレポートの中でも、塩釜湾や松島湾を厳密に区分することなく、松島湾という名称だけを使うことにする。

松島湾西部の海岸めぐり:イメージ5 松島湾西部の海岸めぐり:イメージ6

松島湾は、南東の方角から海が陸地に入り込んでいる入り江状のかたちをしている。湾内は波がおだやかであり、その水は濃いコバルトブルーの色に彩られている。そして、そこには約260以上の島々が浮かんでいる。その大きさはそれぞれ違っており、多くの人々が住んでいるやや大きな島もあれば、人が上陸できないような極めて小さい島もある。そのかたちも千差万別であり、ひょうたんのようなかたちの島、鐘のような穴のあいた島、鎧のようなかたちの島などがある。それらの個性的なかたちは、長い年月のあいだの潮風と波の浸食によってつくりだされた自然の芸術だ。驚いたことに、すべての島にはそれぞれしっかりと名前がつけられている。ほとんどの島にはクロマツやアカマツがこんもりと生い茂っている。それらの木々の針葉は深い緑色に染まっている。その黒褐色と赤褐色の木肌は美しく、屈曲した枝ぶりもまた美しい。これら海と島々と木々がおりなす景観は風光明媚であり、俳人・松尾芭蕉も俳文紀行『奥の細道』においてこの景観を日本一であると絶賛している。ちなみに、松島が最も美しくなるのは夕暮れ時だろう。空が淡いトワイライトブルーの色に沈んでいき、どこか寂しげでもの哀しい雰囲気がただよう。しかし、西から落陽の紅の光をうけて海が黄金色にきらめき、島々とそこに茂る松の木々もその光をあびてうっすらと赤く染まっていく。その光景は、陶酔してしまうほどに美しく、まさに“絶景”とよぶのにふさわしい。

松島湾西部の海岸めぐり:イメージ7 松島湾西部の海岸めぐり:イメージ8 松島湾西部の海岸めぐり:イメージ9

利府町内の海岸線を通る国道45号線を進んでいくと松島町に入る。その直後、国道の西側に小高い山が見えてくる。ここは扇山とよばれ、七ヶ浜町の多聞山、鳴瀬町の大高森、松島町の富山とならんで松島四大観(松島四大絶景ポイント)の一つに数えられている。この山の頂にある展望台にのぼり、松島湾をながめてみた。しかし、さほど美しい景色だとは思わなかった。この山に生育する木々やまわりの低い山がじゃまして海がよく見えなかったからだ。ちなみに、私は松島四大観のすべてに行ってみたことがあるが、この中で最も美しい景色を見ることができるのは大高森だろう。また、この山の中腹には、モミジ、ケヤキなどの混合雑木林がある。太陽の逆光をあびて色鮮やかな緑に輝くモミジやケヤキの葉がとてもまぶしかった。

さて、最後に今回の写真撮影について述べておきたい。私が所持しているデジタルカメラは、画質はまあまあだが、諸機能の性能があまりよくない。とくに、光学ズームが備わっていないので、画質の劣化をさけるために絶対にズームを使わないようにしている。しかし、今回の撮影だけは、ズームアップを使いたかった。そうした方が松島湾に浮かぶ大小無数の島々の美しい景観を写真におさめることができるからだ。しかし、結局、画質の劣化をさけるためにズームを使用せず、遠景での撮影だけになった。予想どおり、遠景での写真は出来がよくなかった。その写真を見ながら、「光学ズームが備わっていれば・・・」と強く思った。

-DATA-

場所:
宮城県塩釜市・利府町・松島町の海岸付近
交通:
(車を利用した場合)
仙台市中心部から国道45号線を通り約1時間
(電車を利用した場合)
JR仙台駅から仙石線の東塩釜行きか石巻行きに乗車。
本塩釜、東塩釜、陸前浜田のいずれかの駅で下車。所要時間約25~35分。
いずれの駅からも松島湾まで徒歩5分以内で到着
駐車場:
なし
トイレ:
仙石線の各駅にあり

裏妙義 丁須岩~三方境

Oct.20, 2001 奇岩、奇形の日本三大奇勝の妙義山

裏妙義 丁須岩~三方境:イメージ1

群馬県と長野県の境にある妙義荒船佐久高原国定公園には日本三大奇勝の妙義山がある。安山岩質の集塊岩や溶岩が侵食によって形成された山々は、奇岩、怪石の不思議な場所で、赤城山、榛名山と共に上州三山の一つとして名を通している。妙義山には表妙義と裏妙義があり、表妙義には中之岳神社付近の石門めぐりや、関東ふれあいの道、稜線縦走コースなどがある。裏妙義のシンボルは、丁須岩にある丁須の頭で、見た目が漢字の丁の形をしているので丁須岩と呼ばれるようになったようです。裏妙義の丁須岩に登る登山ルートは国民宿舎裏妙義の駐車場を利用して、丁須岩、もしくは裏妙義を縦走して国民宿舎に戻る人が多いのですが、体力や岩登りの技術が無い人にはお勧めできません。

裏妙義 丁須岩~三方境:イメージ2

上信越自動車道 松井田妙義ICより国道18号線を軽井沢方面に進み、横川駅手前の信号を左折して道なりに進みます。途中、裏妙義の看板がありますので見落とさないように注意します。国民宿舎裏妙義の駐車場は、宿泊者専用の駐車場で登山の為に利用する場合、必ずフロントに許可をもらい駐車します。また登山届は国民宿舎脇の登山口に設置されておりますので必要事項を記入し、指定の場所に投函します。

裏妙義 丁須岩~三方境:イメージ3

国民宿舎より整備された杉林の登山道を歩いていく。水量が少なくなった沢を渡り、登山道が沢沿いの道に変化した場所が籠沢である。登山道には巨岩がいく手を拒み、岩と岩の間を通過しながら鎖場を越える。途中、トラロープも設置されていたが、なるべくなら頼らないほうが懸命である。沢沿いの岩に書かれた黄色いペンキと赤いテープを頼りに「木戸」と書かれた標識に到着する。この辺りよりガレた沢を登り、いくつかの鎖場を越えると尾根に続く急登の鎖場が見えてくる。

裏妙義 丁須岩~三方境:イメージ4

ルンゼ状の鎖場を登り尾根から丁須岩の北側を巻いて最後の難関の鎖場が待っている。水平にトラバースする鎖場は岩が濡れ、落葉も有り、慎重に足場を選んで通過できれば裏妙義のシンボルともいえる「丁須の頭」が現れる。丁須岩の肩から頭の鎖はオーバーハング気味の岩場に鎖が垂れ下がっている。最初の一歩目をジャンプする形で体を振り、しっかりホールドを確認しながら垂直に近い岩場を登る。丁須の頭は5人乗れば身動きが取れないほど狭く、一緒に登った4人組と記念撮影をして丁須の頭を下る。オーバーハングしている場所は右に体が振られやすいので注意しながら足場が平らな肩に降り立つ。

裏妙義 丁須岩~三方境:イメージ5

丁須岩からいくつかの鎖場を通過し、高さ20mほどあるチムニーの鎖場に到着する。ホールドの豊富な鎖場は、3点支持をしっかり守って行動すれば問題ない場所であろう。ただ、ザックが大きいと岩に擦れてバランスを崩しやすいので、大きめのザックを背負っている人は注意が必要である。さらに赤岩に続く縦走路も鎖場が多数出現し、ルートを探しながら鎖場を通過する。水平にトラバースする鎖場はもちろん、上に下にと忙しいほど移動し、烏帽子岩を通過するまで緊張が解けない。

裏妙義 丁須岩~三方境:イメージ6

烏帽子岩を通過した辺りから普通の尾根歩きとなり、三方境の標識まで軽快に歩く。途中、熊らしき泣き声を聞きき、登山道入口にあった熊注意の看板を思い出す。まさかと思っていたが、近くに熊がいるような気配で、急いで三方境から巡視道を下る。三方境から続く巡視道は手入れがされ、里山歩きの雰囲気が味わえる。途中、何ヶ所か沢を横断し、川の流れの音が近づいてくると、林道脇を流れる中木川にたどり着く。橋は無いので上手に石を渡り、対岸の土手を攀じ登れば登山届を出すポストが目の前に現れる。

裏妙義 丁須岩~三方境:イメージ7

裏妙義の丁須岩(丁須の頭)は、谷川岳と肩を並べるほど遭難事故が多い場所です。体力、技術、装備を確認し、登山口で登山届を提出してから出かけましょう。

-DATA-

場所:
群馬県碓氷郡松井田町
タイム:
国民宿舎~木戸(40分)木戸~丁須岩(80分)丁須岩~赤岩(30分)赤岩~三方境(65分)三方境~国民宿舎(90分)
交通:
上信越自動車道松井田妙義ICより国道18号線を経由して横川駅手前の信号より看板の指示通りに進む。 JR横川駅よりタクシーで約2,000円。
駐車場:
国民宿舎裏妙義 但し午後3時頃まで
トイレ:
国民宿舎裏妙義
電話:
027-395-2631
参考:
http://www.kokumin-shukusha.or.jp/annai/ken/gunma/210049.html

紅葉の西大台周遊

Oct.19, 2001 静寂の森と鮮やかな紅葉を求めて

紀伊半島の中央部に位置する大台ヶ原は隆起準平原の地形をとどめる標高1500~1700mの高原台地であり、太平洋から吹き付ける湿った空気によって全国有数の多雨地帯として知られている。大台ヶ原とはこの辺り一帯の総称であり、大きく分けて東大台と西大台とから成り立っている。一般的には日出ヶ岳を中心とする東大台が観光コースとして人気があり、いつも多くの観光客で賑わっている。一方、開拓跡を中心とする西大台はほとんど訪れる人もなく、苔に覆われた深い森の雰囲気を静かに楽しむことができる。またカエデやブナの落葉樹が多く、紅葉の時期は東大台よりも美しい。大台ヶ原駐車場から開拓跡まで周回するコースを紹介しよう。

大台ヶ原ドライブウェイを登っていくと見事に色づいた木々が青空に鮮やかに映えていた。しかし山頂の駐車場に着く頃にはもう落葉が始まっており、ピークは過ぎているようだ。この分だと少し標高の低い西大台あたりが紅葉のピークだと期待できる。駐車場に車を停め、駐車場入口付近の「たたら亭」の看板のあるところから遊歩道に入る。すぐに大台教会を右手に見て、もう少し行くと筏場方面との分岐点があるが、ここは左に道をとる。そして歩き始めて10分少々でまた道標があり、北回りコースと南回りコースの分岐点となっている。とりあえず往路は北回りコースで行くことにする。分岐点を直進するとすぐ鮮やかな紅葉が現れた。カエデはちょうど今が見頃のようだ。10分ほど下っていくと明るい感じの河原に出る。ここはちょっとした広場になっており、大台ヶ原を開拓した松浦武四郎の碑がある。

紅葉の西大台周遊:イメージ1

飛び石伝いに川を渡ってまた樹林の中を登っていく。ところがこの辺りからどうも道が不明瞭になってくる。ところどころにある赤テープだけが頼りである。実はドライブウェイがすぐ近くを並行しており、木の間越しにガードレールが見え隠れするのでそういう意味での安心感はあるのだが、ついに完全に道がわからなくなってしまった。それはドライブウェイと最接近する地点で、すぐ上にガードレールが見えて道路に出られる場所だった。それまで細々と続いていた道がここで途絶え、あたり一帯は枯れた草で覆われてどう見ても道らしきものは見つからない。赤テープもまったく見当たらない。あちこち歩き回って立ち往生しているところへ後続の中年グループが追いついてきて、やはり一緒になって迷っていた。その中の一人が枯れ草をかき分けて無理やり斜面を下っていき、何とか道を見つけたようだ。その後へついて行くとだんだん道がはっきりしてきて赤テープも現れた。どうやらこれで間違いなさそうだ。以前来たときはこんなに迷った覚えはなかったのだが、よほど人が訪れないのか、かなり荒れている印象がある。ひと苦労させられてそこからまた15分ほどで中ノ谷の河原に出て川を渡り、再び登り返すこと約15分で七ツ池と呼ばれる湿地帯に着いた。

紅葉の西大台周遊:イメージ2

七ツ池と言っても実際には池はなく、巨木が生い茂り、苔生した倒木が横たわる広場に過ぎない。いかにも大台らしい原始の森の雰囲気をとどめている。とりあえずここで昼食をとる。ここから先は下り基調となり、ところどころ現れる美しい紅葉を写真に収めながら歩いていく。朝のうちはあんなに晴れていたのにだいぶ雲が多くなってきた。やはり迷いそうなところが何ヶ所かあるが、赤テープをたどって行けば問題ない。約30分でカツラ谷の川を渡り、さらに続けて高野谷の川を渡る。雨の後のせいかいずれも水量が多く、飛び石伝いに渡るのはかなり苦労させられた。そしてやっと「開拓跡」の標識がある広場に出た。ここまでずいぶん長く歩いたような気がする。

紅葉の西大台周遊:イメージ3

その広場からすぐ、またワサビ谷の川を渡ることになるが、ここは非常に水量が多く難儀させられた。一応飛び石はあるのだが、水が多いためほとんど水面下に隠れている。バランスを崩して足を滑らせると間違いなく膝下まで浸かってしまう。張られている一本のロープにも頼って何とかバランスを保ちながら対岸へ渡り着いた。ここから先はカエデやブナの大樹が生い茂る原生林の中の平坦な道となる。全コース中でここほど気持ちよく歩けるところはない。樹種にもよるのかここのカエデはまだ紅葉していなくて緑の葉をつけていた。静寂に包まれた原生林の雰囲気を楽しみながら15分ほど歩くと逆峠方面との分岐点に出る。

紅葉の西大台周遊:イメージ4

もし時間があれば約700m先に大蛇嵓が見える展望台があるので往復してみるのもよい。今日は時間も遅いので分岐を左にとって駐車場への道を戻ることにする。この頃には完全に曇ってしまっていた。さすがは大台ヶ原、朝は晴れていても午後からは曇ることが多いのである。分岐点を曲がってすぐ赤い鉄製の吊り橋が二つ連続する。下は網状の鉄板になっていて川が透けて見える上、よく揺れるのでかなり不安になる。橋を渡り終えると溝状の長い上り坂が続く。だいぶ標高を下げているので帰りはかなりの上りになってしまうのだ。はっきり言って帰りの上り坂はつらい。長い上りが終わるとナゴヤ谷をほぼ平坦にトラバースするようになる。ここからは比較的道もしっかりして歩きやすくなる。途中に地図には載っていない「たたら力水」という水場がある。少し水を補給してまた淡々と歩いていくと、再び中ノ谷を橋で渡り、右手に渓谷が近づいてきた。河原へ降りてみると岩に落ち葉が降り積もって素晴らしい雰囲気だ。ここでじっくり写真を撮ってみる。そこからもう少し行くと道は再び上り始め、笹の茂る斜面をジグザグに登っていく。この辺りも道が複雑に入り乱れていて迷いそうになる。赤テープを見失わないように注意が必要だ。坂を登りつめたところで初めに通った北回り・南回りの分岐点に出て周回が完結する。大台ヶ原駐車場に戻ってみるとたくさんの車で溢れかえっており、今までの静けさが嘘のような喧噪ぶりだった。

-DATA-

場所:
奈良県吉野郡上北山村
交通:
国道169号線伯母峰トンネル手前を右折して大台ヶ原ドライブウェイへ。または近鉄吉野線・大和上市駅から奈良交通バス「大台ヶ原」行きに乗り換え終点下車。
駐車場:
ドライブウェイ終点に無料駐車場あり。ただし土日は非常に混雑する。
トイレ:
大台ヶ原駐車場にトイレあり。
タイム:
大台ヶ原駐車場=1:00=七ツ池=0:55=開拓分岐点=1:15=大台ヶ原駐車場

風は秋色、駒沢オリンピック公園

Oct.16, 2001 歩いて楽しむ!東京の定番ビューポイントvol.7

お久しぶりです。猛暑の夏も終わり、ウォーキングをするのにもってこいの季節になりましたね!皆様どうお過ごしでしたか?私は今年の猛暑で体調を崩してしまい、情けない一夏を過ごす羽目になりました。そんな訳でFootwork Messengerの復帰第一弾として今回のレポートをご報告します。それではいつものようにレポートへGO!

今回は、東京都世田谷区駒沢公園です。アクセスは東京駅からJR山手線(外回り)でJR渋谷駅へ行き、そこから東急田園都市線各駅停車に乗り換えて駒沢大学駅に下車します。料金350円、所要時間37分ほどでした。駅から国道246 沿いに駒沢の交差点まで歩き、そこから左折して駒沢公園通りへ入り300~400m 程で目的地の駒沢オリンピック公園西口に到着しました。駅から徒歩で約12~14分くらいです。

風は秋色、駒沢オリンピック公園:イメージ1

ここ駒沢オリンピック公園は昭和39年に開催された東京オリンピックの第二会場として建設されました。おもにレスリングやバレーボールなどの競技が行われ、大会終了後に一般に公開された運動公園とのことです。公園内に入るとまず、道路沿いに約1000本からなるサクラやケヤキの樹木が私を迎えくれました。この公園全体の落ち着いた雰囲気をかもしだしています。ウォーキングをするにはとてもいい環境です。これらの樹木は樹齢30~40年のものでこの公園の開園にあたり樹木が大型施設に見劣りしないようにわざと大き目のものを植えたそうで1年くらいで現在のような景観を創り出したそうです。公園の西口を入ってすぐ左手に通称「ジャブジャブ池」と呼ばれる憩いの池があります。この池は、噴水の施設もあり、また小さな子供が水遊びができる場所です。年間を通して開放していますのでお子様のいる方はぜひ一度来て、楽しんでください。私も童心に返って「ジャブジャブ池」で遊びたい衝動にかられましたが子供達やそのお母さんが怖がると思い止めました。次へ進みましょう。そこから200mくらい進んだとろろで円形の花壇を発見しました。黄色と赤色の花に分かれてとても綺麗です。ハギやキンモクセイといったところでしょうか?あまり、綺麗だったのでそばによってみたらハチの大群がいたのでそそくさと退散しました。まだ、この時期にもハチっているんですね!そこから退散した私は、進路を右に野球場、体育館方面に進みました。

風は秋色、駒沢オリンピック公園:イメージ2

野球場の側にちょっとした広いスペースがあり、そこでスケートボードやローラースケートなどが楽しめるようになっている場所がありました。ここ駒沢オリンピック公園は知るひとぞしる関東のスケーター達のメッカだそうです。本日は平日の為かスケーターの姿は見えず、ただスケートの競技の施設が漠然と置かれている状況でした。ただこの公園はサイクリングコースやジョギングコースがとても充実していて平日にもかかわらず、ジョギングしている人やサイクリングを楽しんでいる人、それと散歩をしている人が結構目に付きましました。このサイクリングコースは一周2.2kmあり、また自転車の貸し出しもありますが、中学生以下が対象です。しかし、ファミリーコースに家族で楽しめる4人乗りの四輪自転車「ペアペア」という乗り物がありますので家族で楽しむことはできます。ジョギングコースは一周2.148kmで1、2月は「ツバキ、ウメ」、3、4月は「サクラ、ツツジ、ハナミズキ」、5、6月は「サツキ、アジサイ」、7、8月は、「クチナシ、サルスベリ」、9、10月は、「ハギ、キンモクセイ」、11、12月は「サザンカ」と四季折々の花を楽しみながら走るとことができる都会では珍しく自然にめぐまれたコースになってます。でも、ほんとに平日にもかかわらず人が多いのですが、みなさん!仕事はいいのでしょうか?それとも不景気だからでしょうか?でもこの辺りは高級住宅地なのでそんな心配はいらない人ばかりなのでしょうね...人の心配より自分の心配をしなければならない私は、次に体育館から中央広場へ向かいました。この公園は体育館や競技場、野球場、プールなどコンクリートの施設がたくさんあるにもかかわらず、とても広く緑が多く感じられます。この公園自体のバランスがとてもいいのでしょうね!なんでもこの公園の緑の空間は、1000本のサクラやケヤキの他に日本庭園の築山のイメージを取り入れた演出しているそうで、起伏をつけた植裁が競技場の雰囲気を和らげているとのことです。そうこうしているうちに私は中央広場にやってきました。

風は秋色、駒沢オリンピック公園:イメージ3

この中央広場には、体育館の他に、メインの2万人収容できる陸上競技場やオリンピック記念塔があります。さっそくオリンピック記念塔の近くにいってみることにしました。遠目には凛として堂々した建物に見えましたが近くで見ると築37年ということで建物自体の痛みや風化が目立ちます。塔の上に登れるのかと思いきや危険なので立ち入り禁止になっていました。また、中央広場では、「大陶器市」が開催され、全国の陶器が展示販売されていました。平日とあって人は少なめでした。とりあえず、オリンピック記念塔をバックにデジカメで記念写真をとりました。すぐ側にある2万人収容の陸上競技場は東京オリンピックのサブグランドとして、建設されたそうで現在は東京都の財団法人生涯学習財団が管理しているそうです。

風は秋色、駒沢オリンピック公園:イメージ4

この競技場は主に日本リーグ時代のサッカー競技に使用されることが多く、現在のFC東京が東京スタジアムができるまでの一年間ここをホームにしていました。ちなみに私は中学生の頃、この辺りに住んでいましたので区の総合体育大会にこの競技場を使用した思い出があります。あの頃と比べるとやはり、古くなり、歴史を感じます。う~ん、私も歳をとりました。まっ、感傷に耽る暇もtotoを買う暇もないので先を急ぎます。

風は秋色、駒沢オリンピック公園:イメージ5

中央広場から駒沢通りに向かって進むと大きな石の階段があり、その下で若者がバスケットをやったり、小学生が課外授業の絵を描いたりしていました。ここの階段及び下の広場はよくドラマやCMの撮影で使われる場所として有名です。本日もなにやらタレント(女の子)のスチール撮影をやっていました。撮影をしていたり、小学生が絵を描いていたり、側では若者たちが夢中でバスケットをしたりと自由でオープンな場所といった印象です。しばらく、スチール撮影と小学生達の絵を堪能しているとお腹が空いてきました。駒沢通り沿いに手ごろお店がありますので昼食をとることにしました。深沢方面に進むと駒沢公園の信号機つきの横断報道がありそこを渡ると直ぐに「アンナミラーズ」、「サンマルク」、「一風堂」などのお店があります。私はウェートレスの制服の良さで「アンナミラーズ」に決定しました。店内は平日ともあって、人は少なく、心地よいサービスを受けることができました。しばらく、すると中央広場の階段でスチール撮影をしていた女の子とカメラマン、スタッフもやって来てお食事をとっていました。今回は、リッチにお食事をレストランでとりましたが、やはりお勧めはお弁当を持参し、自然と都会のロマンティックな雰囲気が融合したこの駒沢オリンピック公園でのお食事をお勧めします。

風は秋色、駒沢オリンピック公園:イメージ6

今回は久しぶりのレポートとなりましたが暑かった夏も過ぎ、私としてはこれからの季節、まさにウォーキングにはもってこいの季節だと思います。私もウォーキング好きな方の参考になればと日々、歩きつづけますので楽しみにしていてくださいね。それではまた次回にお会いしましょう!

-DATA-

場所:
世田谷区駒沢公園一丁目一番
交通:
田園都市線駒沢大学駅徒歩12分
駐車場:
有料(最初の2時間が500円、以降は30分100円)。 土日、祝祭日は混みますので電車などの交通機関をお勧めします。
トイレ:
公園内に多数あり。
昼食:
駒沢通沿いに「アンナミラーズ」、「サンマルク」、「一風堂」などありますがお弁当の持参をお勧めします。
参考:
問い合わせ先 03-3421-6121

奥久慈で五感楽しむ

Oct.15, 2001 自然の中を気軽に楽しもう

きっかけは、「美味しいリンゴが食べたいなぁ」という何気ない会話から始まりました。「だったら、奥久慈へリンゴ狩に行こうよ。ついでに袋田の滝も見よう」という話になり、コトの成り行き上、道先案内人の母と友人とで、秋の奥久慈ツアーを決行することになりました。初めてのリンゴ狩体験と自然を満喫する小旅行、テーマは「五感で楽しむ」に決まりです。

奥久慈で五感楽しむ:イメージ1

茨城県の北に位置する奥久慈は、なにはともあれ最高の景色とごちそうが待っているところです。わたしたちは、まず車で袋田へ向かいました。袋田の滝は、日本三大名瀑のうちの一つです。四段に落下することから別名四度の滝とも呼ばれています。袋田につき、車をとめ、駐車場前の蕎麦屋「昔屋」(tel: 02957-2-3201)で昼食をとりました。まずは味覚と嗅覚を満たします。わたしが頼んだのは「けんちんうどん」。大きな赤いお椀にたっぷりと入っていて、さといもや芋がら、山菜にシメジなど盛りだくさん。母と友人は「けんちんそば」を頼みました。少し味見をさせてもらいましたが田舎蕎麦でこれまた美味しかったです。そして、忘れてならないのはここの名物でわたしの大好物「鮎の塩焼き」。焼きたての串にささった鮎を無心に食べてしまいまた。もう、お腹いっぱい。

奥久慈で五感楽しむ:イメージ2

腹ごしらえも済み、いよいよ滝へ…といくはずが、やはり誘惑の多いところ。滝にいく通りの売店で、串にささった柚子みそのついたさといもが販売されています。ここに来たらこれも食べないと、という別腹論理でさといもを買い、歩きながら食べました。売店のひとに生姜と醤油で食べるさしみこんにゃくを出してもらい味見もしました。とっても美味しい。即、お土産に。

奥久慈で五感楽しむ:イメージ3

ここで本当に滝へ向かいます。滝へは昭和54年に完成したトンネルでいき、滝を至近距離で見ることができます。観瀑台につくと、さーっという音と目の前に広がる高さ120メートル、幅73メートルの滝が迫力でした。かなりの水量で、細かい水しぶきが舞い、マイナスイオンもたっぷりで視覚・聴覚・触覚を刺激するよう。ここは、多くの文人墨客が訪れ、そのうちのひとり西行は「この滝は四季に一度ずつ来てみなければ真の風趣は味わえない」と絶賛しています。帰りは、トンネルの途中から外へ出て、川沿いの道から戻りました。滝の周りの緑もまた美しいです。時間のある人は、男体山までいくトレッキングコースや月居山へいく自然研究路ハイキングコースへ行くのもいいでしょう。帰路の途中に案内看板が出ていて、そちらへいける分岐点があります。わたしたちは先を急ぐのでパスしました。

次はいよいよ「リンゴ狩」です。袋田の滝から続く国道461号の道路沿いには、沢山のリンゴ園があります。最初、当たりをつけて「ここにしてみよう」と決めてみたのですが、平日のせいかそのリンゴ園には誰もいませんでした。たわわに実ったリンゴからはなんともいえない甘く爽やかな香りが漂っています。しかたないので、看板をたよりに「飯村りんご園」というおばあさんが一人でいる小さなリンゴ園にたどりつきました。入場料は300円、リンゴ1キロ五百円。ちよっと高いかなぁ、と思ったのですが、おばあさんに話を聞くと「乱暴にとるひとがいて新しいリンゴの芽を痛めてしまうのでこれくらいは仕方ないんです」とのこと。なるほど、しかたあるまい。今ここでとれるのは、ジョナゴールドと陽光。ふじもありましたが、まだ時期が早いのでそれ以外なら取っていいと言われ、友人と大きくて赤い美味しそうなリンゴを優しく一つづつ取っていきました。あまりたくさん実っているのでどれを取っていいのか迷います。だいたい3キロほどとりました。

奥久慈で五感楽しむ:イメージ4

あとは、おばあさんの畑に実っていたというここにはない王林などを買いました。リンゴ狩をしなくてもここではシーズン中ならリンゴも買えます。少しリンゴを味見させてもらったりして、いろいろな味を食べてみました。わたしは、ジョナゴールドの甘酸っぱいものより陽光のみずみずしい甘さが好みでした。その他に商品にならないリンゴの山を値段交渉をして安く譲ってもらいました。これでジャムやジュースを作るつもりです。ここの農園のほかにもここ一帯には70ほどのリンゴ農園があり、ちゃんと調べていくといいかもしれません。また、ここは温泉地でもあり、気軽に日帰りの湯ができるところも多くあります。その中でも余暇活用センターやみぞ(tel:02957-2-1511)にある九月から正月までのリンゴ風呂やスチームバスは、地元の人にも人気だとか。リンゴ狩の後に温泉なんて贅沢ですよね。

奥久慈で五感楽しむ:イメージ5

日も暮れてきましたが、時間の余裕はまだあるようなので、竜神大吊橋へも行きました。竜神大吊橋は、歩行用専門では日本一長い吊橋です。平成6年にかけられた長さ375メートル高さ100メートルの竜神大吊橋は、奥久慈県立自然公園にあるV字形の美しい渓谷を流れる竜神川をせき溜めたダムの上にあります。橋の上を歩いている途中に正方形に切り取られた透明な部分がありました。なんだろう、とのぞくとなんと橋のはるか下の川の様子がはっきりと見えるではありませんか。強化ガラスのようなものなのでしょうが、足はがくがくその上は歩けません。高所恐怖所のひとは腰を抜かすかもしれません。それまでしっかりしていた橋が心細くも感じられてなるべく体重がかからないように気分はつま先立ち歩行。そんな所は数箇所あり、スリルがありました。橋の先には休憩場所もあり、とてもいい眺めで空気も美味しく、思いっきり深呼吸。時間があれば、ハイキングコースに直結しているので、コースを換えて出かけてみるのもいいかもしれません。ちなみに、ここはゴールデンウイークのころになると鯉幟が橋と平行して吊るされ風に泳ぐので有名です。このように、奥久慈はいろいろと五感喜ぶ場所がいっぱいでオススメです!

-DATA-

場所:
茨城県奥久慈
交通:
「袋田の滝」
JR水郡線袋田駅から車で五分、徒歩40分。車なら常磐自動車道那珂ICから国道118号経由で50分。福島空港より国道118号経由、車で90分。
「竜神大吊橋」
常磐自動車道那珂IC下車、国道349号経由し、水府方面へ。
駐車場:
「袋田の滝」 あり(有料)
「竜神大吊橋」あり(無料)
トイレ:
「袋田の滝」あり
「竜神大吊橋」あり
料金:
「袋田の滝」料金/大人300円 子供150円
「奥久慈リンゴ狩」料金/大人300円 子供200円
「竜神大吊橋」料金/大人310円 子供200円
期間:
「袋田の滝」時間/午前8時から午後6時まで(11月から4月までは午前9時から午後5時)
「奥久慈リンゴ狩」期間/9月上旬から11月末まで各リンゴ農園にて
「竜神大吊橋」料金/大人310円 子供200円
参考:
「袋田の滝」02957-2-4036
「奥久慈リンゴ狩」大子町観光協会0295-72-0285
「竜神大吊橋」水府観光協会0294-85-1116

エイベル・タズマン国立公園 トレント川

Oct.15, 2001 キャニオニング - エイベル・タズマンの隠れスポット

エイベル・タズマン国立公園 トレント川:イメージ1


苔生す大岩の上から、暗い碧の滝壷を見下ろす。水面は眼下6m、足がすくみ、弱気が心をかすめる。恐怖を制して3歩下がり、勢いをつけて空中に身を投げる。次の瞬間、全身に痛みを感じるほどの冷水の中で、私は明るい水面に向かって必死に水を掻いていた。再び空気を吸った時、同僚達の歓声が降って来た。下流の岩に向かって泳ぎつつ感じていたのは、跳べた事に対する達成感ではなく、「あぁ、これで先に進める」という安堵感だった。

エイベル・タズマン国立公園 トレント川:イメージ2

キャニオニング。日本ではまだ耳慣れない言葉だが、簡単に言えば、沢登りの反対の『沢くだり』の事。カヤックやラフトを使わず、身体一つで渓谷を下る遊びだ(時にはザイルも使用する)。海外では人気上昇中のアクティヴィティで、ガイドツアーを運行する会社も現れ始めている。私が所属するシーカヤック・ツアー会社は毎年春にガイド訓練週間を設けるが、今年のメニューにはキャニオニングが導入されていた。キャニオニング・ガイド経験を持つ同僚の指揮のもと、全員がエイベル・タズマン国立公園内のトレント川を下るのだ。エイベル・タズマンといえば、私はすでに『パドリングレポート No.9001』『トレッキングレポート No.9002』で紹介している。これらは観光客が気軽に楽しめる、いわば国立公園の『表の顔』。今回は、地元のプロだからこそ足を踏み入れる事の出来る『裏の顔』をお見せする事にしよう。

エイベル・タズマン国立公園 トレント川:イメージ3

天気予報によると、午後からは雨。雨量が多ければ行動中にも水位が上がり、危険性が跳ね上がる。討議の結果、参加者が全員プロという事もあって決行となったが、実は私も含めてほとんどの者がキャニオニング初体験。いつもにも増して軽口の多いスタートとなったのは、不安を押し隠そうとしての事か。まず、マラハウからスタートしてエイベル・タズマン・コースト・トラックに入り、最初のキャンプ場ティンライン・ベイを過ぎたところで現れる分岐点を、左折してエイベル・タズマン・インランド・トラックに入る。NZ有数の人気ルートであるコースト・トラックが海岸線沿いの比較的平坦なルートなのに対し、インランド・トラックは内陸部の準高山植物帯を巡るルート。訪れる人は各段に少なく、これだけでも立派な隠れ名所なのだが、今回はあくまでもアプローチゆえ、紹介は別の機会に譲ろう。出発から急ぎ足で2時間弱、キャニオニングのスタート地点のトレント川の源流に到着。標高約800mのここから海抜0mの海まで、一気に沢沿いに下るのだ。ひょいとまたげる細い流れに拍子抜けしつつも、用意して来たウェットスーツ、パドリングジャケット、ヘルメットなどを身に付ける。山中にそぐわぬ風体の集団の出来あがり。低体温症対策としてしっかり腹ごしらえをすませ、いよいよ出発。天候の崩れとの追い掛けっこだ。

エイベル・タズマン国立公園 トレント川:イメージ4

流れに足を入れた瞬間、脳天まで電流が走った。冷たい!英語の『icecream headache』は、なるほど言い得て妙だ。最初は両側から覆い被さる藪の下を、くぐるようにして進む。キャニオニングと言うよりも、藪漕ぎと言った趣。しかし数分おきに現れる小さな滝が、良いウォーミングアップとなる。いや、そのたびに冷たい水の洗礼を受けるので、クールダウンと言うべきか。やがて両側の山々からの小さな沢水を集めて流れが次第に大きくなるとともに、足元もどんどん険しくなる。時折腰まで水に浸かりながら渡渉するポイントも現れるが、誤って頭までビショビショになって悲鳴を上げる者が必ず1人はいる。足先が冷水で感覚を失っているため、ついつい踏み外すのだ。そのたびにヤジや歓声があがり、グループはリラックスして行く。プロばかりとは言え、どうもランボーのようなわけにはいかないらしい。

エイベル・タズマン国立公園 トレント川:イメージ5

下り始めて1時間も経った頃だろうか、100m近い滝が現れた。コース最大の難所だ。一気に100m落ちる『フォール』ではなく、小さな滝が無数に連続している『カスケード』なのだが、目もくらむ勾配だ。間違えれば命の無い場所も、10箇所や20箇所では無さそうだ。慎重にホールドを探りつつ、小山のような大岩に抱きついてジリジリと下る。足元が見えないので登るよりも遥かに難しい。なるべく水を避けてルートを取るが、滝に打たれつつ下らざるをえない場所も少なくない。水圧に阻まれて思った場所に手足を伸ばせない。滝の中に手を突っ込んで探り当てたホールドが、苔で滑る。これに体重を預けるときは、全身に脂汗がにじむ。冷水を浴びて低体温症ギリギリなのに。互いに声を掛け合い、手を貸し合いつつジリジリと下る。反対に、流れに身を任せる天然のウォータースライダーでは、あまりの爽快さに我知らず歓声を上げている。お調子者は頭から滑る。途中2箇所のザイルを使ったアブセイリング(懸垂下降)を含め、1時間半ほどかけて100mを全員無事で下り終えた時は、1週間のシーカヤック・ツアーに匹敵するほどの達成感と安堵感を覚えた。疲労で軽い低体温症を起こしていたメンバーもいたため、ここで食事休憩。下って来たばかりの滝を見上げつつの握り飯の美味かった事!

エイベル・タズマン国立公園 トレント川:イメージ6

だが、安心するのは早かった。再スタート後に、高さ5mの大岩からの大ジャンプが待ち受けていたのだ。水面は眼下6m。軽い高所恐怖症の気がある私にとって、黒々とした碧色の水が渦巻く滝壷は、悪夢そのものだ。一瞬引き返す事を考えたが、もう無理だ。アブセイリングで降りようかと思ったその時、頭の中で叱責の声が響いた。「何ビビッてんだ!?プロだろう!」フッと恐怖が消えた。その一瞬の隙をついて跳んだ。その後の3時間、私はプロの威信とアドレナリンの助けを借りて、何の躊躇も無く跳び続けた。助走して滝壷にジャンプ、流れに身を任せたまま滝から落下、滝の直前の流れに向かってジャンプしてそのまま水とともに滝壷へ。途中で止まらないと死が待ちうける長い長いウォータースライダー。1つとして同じ落ち方は無かった。怖い時は淡々と、余裕がある時は歓声を上げつつ、跳んだ。同僚の誰一人として私が高所恐怖症だとは気づかなかった。

エイベル・タズマン国立公園 トレント川:イメージ7

午後5時半、ようやく海抜0mに到着。全身くまなく打ち身だらけになり、指一本動かしたくないほど疲労しつつも、我々は完全にハイになっていた。冷たいはずの春の海は、川の水に1日さらされた身体にとっては、ぬるま湯だった。自分のテリトリーに帰ってきた安心感と、海水の優しい感触を楽しんでいると、本格的な雨が降り始めた。どうにか間に合った。春の氷雨が、暖かい歓迎のように感じられた。さて、次回は晴れた夏の日に行くとしようか。

-DATA-

場所:
・エイベル・タズマン国立公園 - ニュージーランド南島北端付近、タズマン湾に西側にある国内最小国立公園
・マラハウ - エイベル・タズマン国立公園南端に隣接する村
交通:
ネルソン - マラハウ間
・自家用車で70分
・バスで1時間半
駐車場:
マラハウの公園入り口に無料駐車場あり
トイレ・シャワー:
コースト・トラック沿いのビーチにはたいていトイレ付きのキャンプ場が整備されているが、インランド・トラック上には極めて少ないし、当然ながらトレント川キャニオニング中には皆無。
公園内でのキャニオニングについて:
本文中に記した通り、ニュージーランドのオフシーズンにスイスでキャニオニングガイドをやっている同僚が開拓したルートを、プロガイド向けのトレーニングとして下った時のレポート。観光客向けに整備されている訳ではなく、コースは完全に手付かずの自然ゆえ、決して素人さんにお薦め出来るコースではないし、経験者も単独行は絶対に避ける事。入山前に届を書いておく事もお忘れなく。

雲と空にとどきそうな街

Oct.14, 2001 「耳をすませば」を思い起こさせる街

宮崎駿プロデュースのアニメ映画『耳をすませば』。そのヒロインである女子中学生の月島雫が、その恋人である天沢聖司の祖父の家へ行ったときのことだ。高い丘の上にあるその家のテラスからは、空と丘の下の街並みがおりなす雄大な景色をながめることができる。大空に近い場所からその絶景を見た雫は、「空に浮いてるみたい」とつぶやく。その瞳は感激のためにきらきらと輝いている。

雲と空にとどきそうな街:イメージ1

このアニメ映画の舞台となっている街によく似たところが仙台市内にもある。太白区の八木山地区だ。ここは仙台市の中心部から南西へ約2km進んだところにある丘の街だ。傾斜の急な坂道が多いが、丘の上からはその下の街並みや仙台平野、さらには太平洋までながめることができる。その景色は雄大で美しく、雲と空を近くに感じる。そして雫と同じように空に浮いているような気分を味わうことができる。

雲と空にとどきそうな街:イメージ2

その映画の中で雫の恋人の聖司が自転車に乗って丘の街の坂道を進んでいた。彼と同じように私も自転車に乗って八木山の街の坂道をのぼったが、傾斜の急な道が長くつづくため、とても疲れた。しかし、汗だくになって丘の上までのぼったあと、そこを吹きぬけるそよ風をうけながら澄んだ青い大空をながめていたら、とてもさわやかな気分になった。

雲と空にとどきそうな街:イメージ3

街の中で「自転車通行可」の標識を見つけた。青い空と表示板、白い雲と鉄柱がおりなす光景が強い爽快感をかもしだしている。とある民家の庭先にはコスモスが咲いており、ピンクの花びら、茎の緑、青い空の三色のコントラストがすがすがしくて美しい。なお、この日は午前中は雲が多かったが、午後には快晴の状態になった。

雲と空にとどきそうな街:イメージ4

雲と空にとどきそうな街:イメージ5

街を通る主要道路のわきには街路樹がならんでいる。道路の中央に街路樹がならんでいるところもある。みずみずしい緑の木々のならぶ道路は、まるで“鮮緑の隧道”のようになっていて実に美しい。木々のまわりの空気は、うっすらと澄んでいるようにも思える。

雲と空にとどきそうな街:イメージ6

映画に登場する天沢聖司の祖父の家は、西洋風の木造家屋だが、その一階はアトリエであり、二階はアンティーク風の品物を売るとても素敵なお店になっているらしい。残念ながら八木山の街にはそのような素敵なお店はないが、丘の上にはレストランなどがあるので、窓の外の雄大な景色をながめながら食事を楽しむことができる。

雲と空にとどきそうな街:イメージ7

この街には地元のテレビ局があり、その送信塔もある。天にむかって高くそびえたつその塔には、見る者を威圧するような迫力がある。そして、赤と白に彩られた塔の色が背景の空の淡い青にとけこんでいるようで美しい。

雲と空にとどきそうな街:イメージ8

さて、丘の街である八木山の美しい光景を紹介してきたが、やはりこの街にいるとアニメ映画『耳をすませば』を思い起こしてしまう。この映画は首都圏のとある丘陵地帯を舞台にしているようだが、もし本当に雫や聖司の住む街のモデルになったようなところが首都圏に実在するならば、ぜひそこへ行ってみたいと思っている。

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場所:
宮城県仙台市太白区八木山地区
交通:
仙台駅前から仙台市営バス「八木山南団地行き」に乗車。
所要時間約15分で八木山地区内に入る。その地区内の各所で停車
駐車場:
基本的になし
トイレ:
八木山地区内の大きな公園には公衆トイレあり

照葉峡

Oct.14, 2001 錦繍に染まる滝と渓谷を巡る

照葉峡:イメージ1

照葉峡(てりはきょう)は利根川の支流の源流近くの渓谷であり、いくつもの滝がある。秋には渓流沿いの木々が紅葉し赤や黄の鮮やかな錦模様を織りなす。照葉峡の位置としては尾瀬の西端の至仏山の南側で、水上から尾瀬の玄関口である鳩待峠に至る道筋と言うとわかりやすいかも知れない。県道水上片品線に沿って、木の根沢が流れ、潜龍の滝と名付けられた滝から、上流のひぐらしの滝までが照葉峡と呼ばれている。今回はこの照葉峡をさかのぼって歩き、更に上流部の奥利根水源の森に至るコースを紹介する。

照葉峡:イメージ2

バスの場合は、終点の湯の小屋バス停で降りると、その道が県道水上片品線なので、バスが登ってきた方向に更に登って行けばよい。車の場合は奈良俣ダムの駐車場に車をとめて、奈良俣トンネルを歩いて抜け、県道水上片品線へ出る。県道を東に向かって歩いていき、登って行く。県道は川の北側にずっと川に沿った形で続いている。落差がそれほど無い滝が現れ、道路端に潜龍の滝と書かれた札がある。ここから照葉峡で、水原秋桜子がここの11の滝に名前を付けている。歩き始めの方では、川が道路からだいぶ下に見えているが、だんだんと道からすぐ下に川が見えるようになってくる。川のそばも紅葉がきれいだし、山の斜面も赤から黄の色がきれいだ。さらに登って行くと、白い龍が川を下っているように見えることから名付けられた白龍の滝と、落差が大きめの山彦の滝がある。そこから少し上には、水の量が多く、新緑の頃にはヒスイ色に見えるという翡翠(ひすい)の滝がある。

照葉峡:イメージ3

このあたりから坂がきつくなっていく。木精(こだま)の滝、落差12mの細い不断の滝、つづみの滝、時雨の滝と渓流が続く。少し間が空いて、木の実の滝、そしてひぐらしの滝で、照葉峡の11の滝は終わりである。さらに登って行くとブナの黄葉が増えてきて、坂が更にきつくなり、駐車場とトイレのある奥利根水源の森に到着する。この森は国有で、0.6kmから1.5kmくらいの8本の遊歩道があるので時間があれば歩いてみると良いかも知れない。帰りは、奥利根水源の森から来た道を戻るか、タクシーを呼んで、湯の小屋温泉まで戻り、汗を流して帰途に着くと良いと思う。

照葉峡:イメージ4

照葉峡の下から奥利根水源の森までは標高差があるので、場所によって紅葉の見頃には時期の差が出てしまう。下の方で紅葉がきれいな時は、奥の方では葉が茶色になって散り始めているという具合である。そんな感じで標高により、またその年の気候により、紅葉の見頃は変わるが、だいだい10月上旬から11月上旬が見頃となる。登って行くに従い、道が狭くなり通る車がすれ違うのに苦労する箇所もある。このコースは終始、車が走る道路の脇を歩くことになるため、車には注意が必要である。今回は奥の方が紅葉が終わりに近い時期に歩いたので、次回にはもう少し早い時期にも歩きたい。新緑の頃もきれいだろうと思われるので訪れてみたいものだ。

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場所:
群馬県利根郡水上町
タイム:
湯の小屋温泉(1時間)岩魚の滝(20分)翡翠の滝(40分)木精の滝(70分)奥利根水源の森
鉄道・バス:
上越新幹線 上毛高原駅から関越交通バス湯の小屋温泉行き湯の小屋バス停下車
車:
関越自動車道を水上ICで降り、国道291号を北上、藤原湖・奈良俣湖方面へ右折、県道水上片品線にて、奈良俣ダム駐車場または奥利根水源の森駐車場へ
駐車場:
奈良俣ダム、奥利根水源の森
トイレ:
奈良俣ダム、奥利根水源の森
自動販売機:
湯の小屋温泉
携帯電話:
一部で通話可能
公衆電話:
湯の小屋温泉

大菩薩嶺

Oct.14, 2001 紅葉、雪道、富士山の見える日本百名山

大菩薩嶺:イメージ1

大菩薩峠は、山梨県北東部の塩山市にある峠路である。武州の多摩川筋から富士川上流の笛吹筋へと抜けるこの峠越えのルートは、江戸時代に青梅街道の難所の一つだった。当時の人々は、関東平野から2000m近い標高を旅して、甲府盆地を往来したわけで、その労苦は忍ばれるところだが、現在では、明治11年に柳沢峠を越える新道が開通し、行楽シーズンには、比較的便利に登山客を楽しめるようになった。

大菩薩嶺:イメージ2

大菩薩嶺は、そのように、人と自然が向き合った舞台であり、一度登ってみたい山の一つだった。名神、東名高速道路、国道411号線を乗り継ぐこと約 8時間、大菩薩峠登山口である裂石に到着したのは翌朝の7時過ぎだった。気温6度、登山マップを片手にスタート地点を確認する。裂石は標高720m、登山口付近の民家の集落である。そこから芦倉沢の流れに沿ってジグザグに延びる登山道を登っていくと、上日川峠へと達する。透き通るような青空、澄んだ空気は気温6度。もみじの落ち葉をカサカサ踏みしめながら登り始めると、ミズナラやブナの木々が黄金色に色付いていた。そんな山道を1時間ほどかけて標高 1400m地点まで向かった。

朝日が樹間より差し込みはじめ、ブナ林の中にもみじの紅色も添えられていった。1600m地点より、両脇にクマ笹の生い茂る急な坂道へと一変。登山口より2時間後、上日川峠の標識と共に、ロッジ長兵衛に到着。そこで20分ほど休憩を取った。小屋の中のストーブに当たりながら、林檎や葡萄製品の土産物を買い求めることができる。

大菩薩嶺:イメージ3

ロッジ長兵衛より再び笹の山道に入り、20度程の緩やかな勾配が続いた。ブナ林を10分ほど登った時、後方には、朝日を受けてくっきりと浮かび上がる富士山の雄姿。そこからアップダウンの坂道を20分ほど進んで、福ちゃん荘に到着。気温は2度に下がり、足下にはつららの混じりの黒土や凍結した水溜まりが現れはじめた。そこで登山靴にアイゼンを装着。

大菩薩嶺:イメージ4

福ちゃん荘からは、唐松尾根の道が分岐し、その先の富士見山荘からも富士見新道が分かれていた。いずれに進んでも大菩薩峠の稜線上に導いてくれるのだが、当日は積雪の度合いを推し測って、三介庵より大菩薩峠へと延びるルートを取ることにした。左右の視界は深い杉の木々で覆われ、足下も砂利道から次第に本格的な雪道へ。

福ちゃん荘を出発してから約1時間半、大菩薩峠介山荘に到着した。標高1897mと書かれた大菩薩峠の標識が立っていた。視界を360度遮るものがない大菩薩峠からは、3000m級の南アルプスの山々が一望できた。そして、大菩薩嶺へと続く稜線上に立ったとき、再び、雪化粧をした富士山の雄姿。ここは、多くの山道が合流する要所であり、文人中里介山の文学碑や、土産屋もある。訪れたのは10月下旬。最高地点の大菩薩嶺に続く稜線上には、ススキ野が銀色に光り輝き、遥かには、青空に浮かび上がるように富士山と南アルプスの山々が一列に並ぶ大パノラマ。岩がごろごろと点在する道を登ったり下りたりすること40 分、左手に雷岩と呼ばれる巨大な岩石に辿り着く。その地点は、当ルートでも絶好の撮影スポットであり、眼下にダム湖や草原、正面に富士山と南アルプス、右手に八ヶ岳連峰や五丈岳を一望できる。お弁当を広げるのもここがお勧め。


雷岩からは、賽の河原と呼ばれる瓦礫の下り道となる。目の前の山小屋を過ぎると、鬱蒼としたツガの原生林へと入る。木道を10分程歩くと、視界の途切れた樹間に、「2057m」と書かれた大菩薩嶺の三角点がポツリと立っている。

今回は、裂石から大菩薩峠を経由して、大菩薩嶺に向かうルートを取った。往復9時間近くは要し、中高年にとっては少々厳しいコースかもしれない。しかし、明るく開けた稜線歩きや、富士山や南アルプスの眺望など見応え十分である。足に自信がなかったり、日帰りを考えていて、ルートを短縮したい方は、マイカーか貸し切りバスで福ちゃん荘まで登ったら良いだろう。

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場所:
山梨県塩山市
交通:
JR中央線塩山駅下車、塩山駅前から大菩薩峠登山口行きバスで約25分 車の場合は中央自動車道勝沼ICから国道20号線を利用し約40分
駐車場:
福ちゃん荘、ロッジ長兵衛、菩薩の湯
トイレ:
裂石登山口、介山荘、福ちゃん荘、ロッジ長兵衛

大洗サンビーチで磯歩き

Oct.13, 2001 自然の中を気軽に楽しみたい

「海にゐるのは、あれは人魚ではないのです。海にゐるのは、そうサーファーばかり…」

大洗サンビーチで磯歩き:イメージ1

久しぶりに茨城県の大洗サンビーチを歩いてきました。海水浴客のいなくなった秋の海は、磯歩きにはもってこいです。砂浜を歩くのは、普通の道を歩くのよりも楽しみがいっぱい。青い海、青い空。潮風を吸い込みながら歩くのは、「海気浴」といって近年見直されているともいいます。潮風には海水のしぶきに含まれる海塩や磯の香りの成分などが含まれていて、それらは心を落ち着かせて、精神のバランスを正常に戻してくれるのだとか。また、砂浜を歩くのは、足跡がめりめりとつくように負荷がかかるので、良い運動にもなりそう。波に近づきながら、濡れないように注意して歩くのも、童心に返ったようで楽しいものです。

大洗サンビーチで磯歩き:イメージ2

それにしても、ここの大洗サンビーチではたくさんのサーファーが波乗りをしていて驚きました。遠くから見ると黒い点が無数に見えて、一瞬ギョッ。大洗の海は、磯節民謡でも「波の花散る大洗」と歌われるほどで、海底が砂地のせいもあり波の表情がとっても豊か。とくに秋から冬にかけては波が高くなるので、サーファーの波乗りポイントとしても重宝されているようです。ちなみに大洗サンビーチは遠浅の海岸であり、白い砂浜にはビーチバレーのコートもあります。マリンスポーツにはもってこいのスポットですね。磯歩きの足を時々止めて、サーファーたちの波乗りを見物するのも一興です。「あの人、下手ね。また波乗りに失敗した」「あの人は上手いね。プロかな」と一緒に歩いていた母と勝手に評論しては観察してしまいました。

大洗サンビーチで磯歩き:イメージ3

磯釣りを楽しんでいる人も多く、寄り道をして釣り人たちの様子をうかがいに行きます。ここでは、秋にはアジ、イワシ、アイナメが、冬はサヨリ、ウミタナゴなどが釣れるそうです。近くの集波ブロックに波が当たって砕ける眺めは、なかなかの迫力。油断をすると頭から波をかぶってしまうので、スリル満点でした。ちなみに、近くには全国でも珍しい港湾施設「大洗港魚釣り園」もあります。自然の中で、安全快適なフィシングを1年中楽しめるそうです(問い合わせ先029 -266-3776)。

大洗サンビーチで磯歩き:イメージ4

また、この日は浜辺から見上げる空にパラグライダーが浮かんでいました。どうやらエンジン付きのモーターパラグライダーのようで、澄みきった秋空の中を色とりどりのグライダーが悠長に舞っています。かなりの至近距離で仰ぎみることができました。ちよっと羨ましい気分。

大洗サンビーチで磯歩き:イメージ5

ここの海岸は、実はあまり綺麗ではありません。浜辺にはゴミが散乱し、少々嘆かわしい状態。けれど、そんな中にも、申し訳程度に綺麗な貝殻が落ちています。その中から形のいいものを選んでおみやげにしました。キャンドルスタンドやペンダントヘッド、小皿の代用として利用する予定です。また、ここは潮干狩りのできる場所でもあります。ちょうどいい潮の時間だったのか、よく見ると波打ち際の砂浜には小さい蛤がたくさんいました。ただし、まだ1センチほどと、とても小さく、春まで成長を待たなければなりません。海岸には看板に「3センチ以下のハマグリ捕獲禁止」と大きな赤い字で書かれていました。残念。

大洗サンビーチで磯歩き:イメージ6

夕暮れ近くなり、空はとても美しい鬼灯色に染まっていきました。浜辺では外国人の親子連れが裸足で波の中を走りまわったり、砂でお城を作ったりして遊んでいました。辺りには、そんな無名の作家たち(?)が製作した砂のお城がたくさん残っています。中には、なかなか芸術的な作品もあって、思わずパチリ。貝殻でデコレートされていて、ちよっとオブジェ風。潮が満ちて、波に消えてしまうのがもったいないような気がします。こんな砂遊びも楽しいですね。わたしはふざけすぎてスニーカーのまま波に浸かってしまい、ちょっと濡れてしまいました。こうなったら裸足になってしまえ、とも思ったのですが、日が落ちてひんやり寒くなってきたので諦めました。こんなふうに磯歩きは、上にも下にも目を向ける場所がたくさんあり、楽しさも満載です。海は夏ばかりではなく、秋や春など気候のいい時期に遊びにいくのもお勧めです。もう一つの海の魅力を発見できるかもしれません。海の目の前には県立大洗海浜公園もあり、多目的広場などのレジャーゾーンもあります。ビーチのそばには大洗のシンボルでもあるマリンタワーがそびえ、夜になるとライトアップされてとてもロマンチック。マリンタワーへ移動して、タワーの最上階の展望室からパノラマな海の風景を楽しむの素敵です。

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場所:
茨城県大洗町
交通:
車なら、水戸ICから国道50号に入り、51号へ抜けて15キロ。東京から1時間半ほど。
電車なら東京の上野駅より特急で1時間10分、水戸駅下車。水戸駅から大洗鹿島線で17分、大洗下車。
駐車場:
あり
トイレ:
あり
参考:
大洗町商工観光課ホームページ
http://www.town.oarai.ibaraki.jp/~kankou/
※地図や観光情報など便利な情報がたくさん出ています

大山

Oct.10, 2001 秀麗なる中国地方の最高峰

大山は、国引神話の一節で、「島根半島を繋ぎ止めた杭」として、描写されているように、平安時代から、山岳仏教の聖地とされてきた。また、その秀麗な姿から、「伯耆富士」とも呼ばれ、中国地方の最高峰として、山陰地方独特の景観を作ってきた。大山には、弥山へと至る夏山登山道や、中国自然歩道などが整備されており、比較的登りやすい山の一つである。

朝7時頃、大阪を出発。近畿道、中国道、米子自動車道と乗り継いで、大山橋たもとの駐車場に到着したのは、正午過ぎだった。駐車場から土産屋の立ち並ぶ通りを抜けると、佐陀川に架かる大山寺橋に差しかかった。橋の上からは、上流方向に、大山の三鈷峰や大山北壁が雄大に見えた。

大山:イメージ1

その付近で準備体操をして、早速、登山開始。大山寺橋を渡って、車道を100mほど進めば、左手に、夏山登山道の入り口。そこから、苔むした石垣に挟まれた階段を100段ほど上ると、登山届のポストがあり、そこで名簿を提出。すぐに、狭い溝状に延びる登山道が現れる。

大山:イメージ2

土留めが施された道を10分ほど登って1合目の標柱を通過。この付近は、杉や檜などの針葉樹林の大木が、うっそうと生い茂り、まだ視界は良くない。徐々に傾斜が次第に増してゆく。訪れた季節は秋。30分ほど登って、2合目に差し掛かる案配より、取り囲む木々は、深い緑からミズナラやブナの黄金色へと変化していった。山道はジグザグに蛇行を繰り返し、標識を除いては一段落できるような目標物も先に見えない。4合目を通過すると、次第に展望が開けてきて、樹間より、大山寺の街並みが小さく見え隠れしはじめた。植生は、樹齢を重ねたブナへ。麓を見下ろせる5合目付近にて、休息を取った。そこは、元谷からの行者コースとの合流地点となり、山の神を祀る石の祠もある。

大山:イメージ3

避難小屋が見えると6合目。そこから、急に、勾配がきつくなる。もう一度休憩を取って、靴ひもなどのチェックを行おう。足下に注意しながら、砂利道を踏みしめるにつれて、後方の視界は大きく開けはじめる。振り向けば、大山寺の集落が眼下に一望できる大展望。西には、三沽峰、宝珠の尾根が横たわり、北西方向には、日本海から弓ヶ浜半島までを遠望できた。

大山:イメージ4

8 合目、麓より絶えることなく続いていた登り坂が、平坦な木道に変わる。天然記念物に指定されているダイセンキャラボクの群落が、深緑の葉に赤い実を付けて一面に広がっていた。すぐ先に見える避難小屋の裏側が、大山のピークの一つである弥山だ(標高1711m)。「大山」と書かれた横長の標石を目印に折り返そう。北側に、もう一つのピークである剣が峰(標高1729m)が見えるが、落石の危険性ゆえに縦走禁止なので注意。

下山は、避難小屋をそのまま時計回りで廻って、ダイセンキャラボクの群落を右手に見ながら木道を進む。左手に、梵字ヵ池を過ぎて、僅かな傾斜を登ると、往路の主道と合流する。あとは、足下に注意して、大山寺集落へ。1合目のポストで、下山届けも忘れずに。

大山:イメージ5

今回は、大山寺橋から弥山間の往復登山を行った。所要時間約5時間。6合目からの勾配が当ルートの最大の難所であるが、それまでの緩やかな勾配での疲労が、意外と大きいかもしれない。何しろ、視界がほとんど開けず、変化の乏しい一方的な登りが続くのだから。歩いても歩いても、なかなか先が見えてこないわけだが、6合目からの展望を楽しみにしつつ、豊かな植生に、しばしば足を止めながら、歩を進めてみてはどうだろうか。

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場所:
鳥取県西伯郡大山町
交通:
マイカーの場合、米子自動車道米子IC~県道24号線で大山寺
JRの場合、JR米子駅から日本交通バスで50分大山寺下車
駐車場:
大山寺橋周辺(下山駐車場、南光河駐車場ほか)
トイレ:
大山寺橋周辺、山頂避難小屋

仙台港とその周辺地

Oct.07, 2001 観光地としての仙台港

仙台港とその周辺地:イメージ1

仙台港は東北地方における流通の重要拠点となっている。仙台市の最北東部に位置し、港にはおよそ六つの埠頭がある。貨物輸送船や北海道苫小牧~仙台~名古屋間を航行する長距離大型フェリーなどが出入港する。そのまわりの臨港地区には約90の企業の社屋、工場、倉庫などがあり、陸あげされた物資を市街地へ輸送するための貨物列車専用鉄道(仙台臨海鉄道)も通っている。なお、今回は、移動手段として自分の自転車を利用した。

仙台港とその周辺地:イメージ2

港に隣接する中央公園の展望台から東側をながめると、堀込型の港を一望できる。埠頭には貨物船や大型フェリーが停泊しているし、外洋から港へ入ろうとしている船もある。港湾内は波がおだやかで、とても静かだ。ときおり、船の汽笛の音が鳴り響くことがあるが、その音を聞いていると、何となく心がなごやかになる。港を吹きぬける風は弱くやさしげで、ほのかに甘い潮の香りをはこんできていた。

仙台港とその周辺地:イメージ3

この港の南側にはかなり長い防波堤がある。陸地から外洋にむかって突き出ており、その長さは数百メートルもある。そして、その先端には白い灯台がたっている。港の北側にも防波堤があるが、こちらのものはさほど長くない。船はこの二つの防波堤のあいだを通って港湾内へ出入りする。さらに、この沖には、もう一つの防波堤がある。これは港から陸つづきになっておらず、まるで島のようになっている。そして、ここにも白い灯台がたてられている。

中央公園には、展望台、時計塔、スポーツ施設などがある。展望台は鮮やかな緑の芝生におおわれた高台の上にあり、幾何学的なかたちの屋根がかけられている。その高台のすぐそばにもやや幾何学的な形状の時計塔があるが、その素材となっている光沢のある銀色の金属が太陽の光によってギラギラとしたメタリックな輝きを反射しているのがまぶしかった。

仙台港とその周辺地:イメージ4 仙台港とその周辺地:イメージ5 仙台港とその周辺地:イメージ6

港のまわりの臨港地区を通る貨物列車専用鉄道。その線路がやわらかな逆光を浴びてうっすらと輝く光景は、何となく感傷的であり、おぼろげな旅愁を感じさせるのだった。また、臨港地区を取り囲むように通っている西と南側の道路わきには1km以上の並木道が続いている。木々はみずみずしい緑の葉をつけ、海からのそよ風にゆられている。木肌の模様が美しく、幹がすっと天にむかってのびている。一定間隔の木々の間には草が生え、まるでふわふわとした緑のじゅうたんのようになっている。そんな光景を見ながら並木道を進むと、やはり心が安らいでくる。

仙台港とその周辺地:イメージ7 仙台港とその周辺地:イメージ8

港の南側に防波堤があるが、そこからさらに南にむかって長浜とよばれる砂浜がつづいている。海は深いコバルトブルーの色に染まり、それが青い空と相まってわずかに荘厳な雰囲気を醸し出している。水平線のあたりには貨物船や漁船が浮かび、それがゆっくりと水上を進んでいる。淡い黄土色のきめ細かな砂浜には、やや高い波が打ち寄せ、サーフィンを楽しむ多くの人たちでにぎわっていた。

仙台港とその周辺地:イメージ9

長浜の西側には蒲生干潟がある。急速に天気が悪化し、どんよりとした薄灰色の厚い雲におおわれた空の下、水位が下がり、剥き出しになった水底が見える光景は、どことなく荒涼としていながら哀愁に満ちた美しさを感じさせた。また、ここは野鳥の宝庫であり、カワセミ、コサギ、ミヤコドリ、コチドリ、シロチドリ、メダイチドリ、オオソリハシシギ、カルガモなどを見ることができる。

仙台港とその周辺地:イメージ10

さて、仙台市民にとって仙台港は物流と交通の要所であろう。また、ここは絶好の釣り場なので、休日になると大勢の釣り人でにぎわう。だから、この港を観光地と考える人は少ないだろう。しかし、今回のレポートでは、そのような仙台港をあくまで観光地として考え、この港やその周辺の美景ポイントを紹介したつもりだ。

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場所:
宮城県仙台市宮城野区の仙台港とその周辺
交通:
(車を利用した場合)
仙台市中心部から国道45号線か産業道路を通り約40分。
(電車を利用した場合)
JR仙台駅から仙石線の多賀城か東塩釜行きに乗り、中野栄駅にて下車。
所要時間約20分。そこから南東へ徒歩約30分で中央公園。
(バスを利用した場合)
仙台駅前から仙台市営バスの蒲生行きに乗り、夢メッセにて下車。
所要時間約45分。そこから東へ徒歩約1分で中央公園。
駐車場:
中央公園内に無料駐車場あり。
トイレ:
中央公園内に数カ所あり。

木曾駒ヶ岳

Oct.07, 2001 天空の氷河圏谷から駒ヶ岳山頂へ

長野県南部、伊那谷を流れる天竜川の上流方向へ目を遣ると、ちょうど西の方角に高い山が聳えている。それが今回登った木曾駒ヶ岳(標高2956m)。隣の甲斐駒ヶ岳とともに日本百名山に数えられている中央アルプス最高峰である。覚明行者の名を刻んだ石柱が登山道に点在することから、かつては厳しい信仰登山が隆盛していたと考えられるが、現在では急速な交通機関の整備により、駒ヶ根市から千畳敷間をバスとロープウェイで行き来できるようになった。風衝地帯である千畳敷の氷河地形、稜線上からのアルプス連山の景観など、四季折々に変化する自然の美しさや雲上からの大パノラマは、登山者を魅了して止まないだろう。

前日の21時に大阪を後にし、名神高速道路から中央道へと進む。駒ヶ根IC出口を右折して菅の台バスターミナルへ。駒ヶ岳ロープウェイの基点であるしらび平駅周辺には、観光バスやマイカーを駐車できるスペースがないので、ここで路線バスに乗り換えることになる。朝6時発の路線バス。色付き始めた麓の山々を窓外に細道を揺られること40分ほどでしらび平駅に到着し、バスからロープウェイへ乗り換え。

木曾駒ヶ岳:イメージ1

昭和42年に完成した駒ヶ岳ロープウェイは、しらび平(標高1690m)と千畳敷(標高2640m)間を約8分で結び、その高低差(950m)は日本最大である。高度が上がるに従って、眼下に見下ろす初秋の緑は、次第に深秋の黄金色の木々へと染まっていった。当日は残念ながら出逢えなかったが、季節によってはカモシカや野猿の姿も見られるという。

木曾駒ヶ岳:イメージ2

千畳敷は、峻険な宝剣山を正面になだらかな扇形を描いて広がる圏谷地形。氷河期から浸透し始めた地下水が豊富なため、植生が豊かなのが特色。殊に夏はシナノキンバイ、コバケイソウ、ハクサンイチゲなど高山植物の花畑が広がる。当日の千畳敷は秋の盛。ホテル千畳敷より右に折れて、楕円を描くように延びる遊歩道を進んでいくと、ダケカンバやナナカマドの木々が、黄色と紅色の見事な彩りで迎えてくれた。すぐに八丁坂分岐と呼ばれる分かれ道に差し掛かった。左折する登山ルートを取ると、ジグザグの急登りが始まった。この付近の注意点として、足下の石が水分で侵食されていて滑りやすいこと。また、金属の網が施されているものの、右の和合山から小石の落下が時々あることが挙げられる。それらを考え合わせると、この周辺での長い休憩は避けた方が無難である。

木曾駒ヶ岳:イメージ3

登るにつれて次第に傾斜も大きくなり、踏みしめていた小石はごつごつした岩へと変っていく。雲が近くなり、濃い霧が立ち込めはじめる。歩き始めてから1時間半強で乗越浄土と呼ばれる平坦地に辿り着いた。見晴らしも良く、休憩には絶好の場所である。ピークの一つである中岳(標高2912m)までは20分ほど。山頂(標高2956m)まではそこから30分ほどだ。

木曾駒ヶ岳:イメージ4

なだらかな稜線を歩いて山頂に到着すると、視界を遮っていた霧は去り、青空が一面に広がった。東に目を遣ると、南アルプスが相対し、御岳山、乗鞍岳、遥かには富士山までもが眺望できた。稜線を吹き抜ける涼しい風を感じながら、改めて登山の喜びを噛み締めたのだった。

木曾駒ヶ岳:イメージ5

今回行ったのは千畳敷から木曾駒ヶ岳山頂までの往復登山。所要時間にして登り2時間半、下り2時間ほどで中級者向きか。ところで乗越浄土から宝剣岳を経由してから木曾駒ヶ岳山頂に向かうルートもあるが、宝剣岳への鎖場は相当の難所なので、本格的な岩場に慣れていない方はくれぐれも避けておきたい。

-DATA-

場所:
長野県駒ヶ根市
交通:
車の場合:
中央自動車道駒ヶ根ICから菅の台バスターミナル。路線バスに乗り換えてしらび平へ
鉄道の場合:
JR駒ヶ根駅より路線バスでしらび平へ
駐車場:
菅の台バスターミナル付近
トイレ:
ホテル千畳敷、山頂山荘(有料200円)

剱岳(2998m)

Oct. 07, 2001 早月尾根タイムトライアル

剱岳は筆者にとってあこがれの山である。市街地から見える剱岳は、岩稜荒々しく人を寄せ付けない雰囲気が強い。それがアルピニズムをかきたてる。登山ルートは別山尾根と早月尾根があるが、前者ルートの往復なら室堂から容易にアプローチできるので一般的なルートである。しかし今回は、自分の山行の通過点として大きな意味を持たせようと、早月尾根の日帰り登山を計画した。これまでの自己の登攀ペースを参考にすると、日帰りは十分可能と判断したためである。

夜が明ける前に車で馬場島に向かう。3連休のため、馬場島家族の森キャンプ場の駐車場は満車であった。まだ薄暗い登山口は、いきなり急登から始まる。30分ほどで松尾平に着くと、目指す剱が樹上に見える。水平移動の先は下りが全くない一気上りとなる。200mごとにコンクリートの標柱が置かれていて行程の参考になる。うっそうと茂る木々で視界は遮られているが、時折大日岳や奥大日岳の連なりが右手に見える。標高1800mを超えたあたりから鮮やかな紅葉に包まれる。

剱岳(2998m):イメージ1 剱岳(2998m):イメージ2


道すがらの小さな池溏はあたかも鏡のようで、紅葉した木々と夜明けの月を映している。そのほとりには、真っ赤に色づいたチングルマの葉が、霜を身にまとっている。ロープを使って溝の中を上がり、林の合間からディーゼル発電機の音が聞こえてくると早月小屋に到着である。小屋の周囲は見頃を迎えた紅葉と、それに対抗するかのようにカラフルなテントが点在する。ここは素通りして、小屋がポツンと小さく見えるハイマツの尾根まで高度を上げ、景色を眺めながら休憩をとる。

剱岳(2998m):イメージ3

2400m の標柱から山頂までは険しい岩稜が続く。ここからは息が上がるばかりで、なかなか高度は上がらない。日陰の岩には、この時期すでにつららが下がっている。手を付く岩もキンと冷えており、手袋がないとかじかんでしまいそうだ。クサリ場と岩壁のトラバース(カニのはさみ)では滑落に十分に注意したい。危険な岩場を過ぎれば、あとは岩礫帯の山頂まですぐである。早く着こうとわき目もふらず一直線に駆け上がり、ついに祠の横で仁王立ちになる。4時間20分で標高差 2200mを登りきった。

山頂に着くと、意外に人が多い。30~40人位いてびっくりする。ほとんどの人が別山尾根経由である。上空は晴れ渡り、遠望の山々は雲上に頂をのぞかせる。眼下には赤屋根の剱沢小屋、視線を上げると立山と槍ヶ岳が重なって見える。左に目を移せば、後立山連峰が存在感を誇示している。北西の毛勝三山はひとつの岩塊のようで、その斜面には紅葉と緑が入り混じり、移りゆく季節を感じさせてくれる。混雑する山頂で腰を落ち着ける場所を探し早めの昼食とする。予定より非常に短時間で登頂できたことに充実感いっぱいだ。ことのほかおにぎりがおいしい。
眺望を楽しんだ後、下山は往路を戻ったが、早月尾根の往復は体力的にきついだけなので、別山尾根経由で立山室堂方面へ抜けるルートや、仙人池ヒュッテから阿曽原温泉、欅平へと至ってトロッコ電車に乗るルートをとった方が面白いと思う。

-DATA-

場所:
富山県中新川郡上市町
アクセス:
上市町から県道馬場島線で馬場島家族の森キャンプ場へ向かう。
その先に大きな案内石がある。アプローチはタクシーか自家用車に限られる。
タイム:
【超健脚ペース】
馬場島(2時間35分)早月小屋(1時間45分)剱岳山頂(1時間30分)早月小屋(2時間20分)馬場島
注:このコースタイムはあくまで筆者のものです。所要時間は経験・体力に大きく左右されると思いますので、自分に合った計画を立ててください。
トイレ:
馬場島の剱岳青少年旅行村にあり
水場:
馬場島の剱岳青少年旅行村にあり
宿泊:
馬場島にはキャンプ場あり。 早月小屋は10月10日まで開いており、要予約。
注意点:
早月尾根は標高差が大きいので、下山時には膝にかなり負担がかかる。ダブルストックを使うと膝への衝撃が緩和されるため、持っていると楽である。山頂近くのカニのはさみでは、三点支持を念頭に置いて慎重に行動したい。

仙台市太白山自然観察の森

Oct.06, 2001 森林浴を楽しむ

仙台市太白山自然観察の森:イメージ1

仙台市太白区の住宅地から少しはなれたところに位置している茂庭地区には、なだらかな丘陵地がひろがっているが、そこに一つだけこんもりともりあがったかたちをしている山がある。標高321mの太白山だ。ゆるやかな丘陵がつづく中、一つだけぽこっと突起したようなその山の姿が少々こっけいに見える。

仙台市太白山自然観察の森:イメージ2

太白山のふもとには木々のおおい茂った豊かな森がひろがっているが、その山の北東方面に「太白山自然観察の森」がある。園地面積約30ヘクタール。コナラ、クヌギ、スギなどの樹木が生育した森におおわれた園内には、池・湿地・小川・野原などが散在している。そのあいだをぬうように遊歩道(自然観察路)が通っており、その長さおよそ4km。太白山の山頂へ通じる道もある。野生の生物の宝庫であり、ジョウビタキ、コゲラ、ホオジロなどの野鳥、ヒメギフチョウ、ミヤマカラスアゲハなどの蝶類、オニヤンマ、ムカシヤンマなどのトンボ類、クワガタムシ、カミキリムシなどの甲虫類が生息している。また、園内には自然観察センターがあるが、ここには展示室や研修室などがあり、この森のスライド解説やビデオ上映などが行われている。

仙台市太白山自然観察の森:イメージ3 仙台市太白山自然観察の森:イメージ4

森の中の空気は澄みわたっていた。野鳥たちの透きとおるように美しい鳴き声がひびきわたる。秋のやさしげな陽の光をうけて木々の葉の緑がまぶしいくらいに色鮮やかに輝く。ゆるやかなそよ風が吹くたびに木々の枝や葉がざわざわとふれあう音がする。そして、葉のあいだからはきらきらとした明るい木洩れ陽が薄暗い森の中に落ちている。その光景はまるで光と影がおりなすファンタジアの世界。そんな自然環境の中に身をおいていると、心がとても安らいでくる。「森林浴」を楽しむ場所として、この森は最適であろう。

仙台市太白山自然観察の森:イメージ5

春には、カタクリ、ニリンソウ、ウスバサイシン、ヤマツツジなど花が咲きほこるが、この時期に咲いている花はほとんどなく、遊歩道のわきに一輪の白い花がひっそりと咲いているだけだった。しかし、その花は可憐で美しく、強い生命力を誇示しているように見えた。

ところで、この森の中での写真撮影は難しかった。光と影の差が大きいため、適正露出での撮影が困難だったからだ。そのため、ボツになった写真が少なくない。今回の経験を今後の森林での撮影に役立てたいと思う。

場所:
宮城県仙台市太白区茂庭の太白山麓
交通:
(車の場合)
東北自動車道の仙台南ICから北へ約5分 もしくは、仙台市の中心部から国道286号線を通り約40分
(バスを利用した場合)
仙台駅前から宮城交通バス「山田自由ヶ丘行き」に乗り、「公営アパート前」で下車。所要時間約40分。そこから西へ徒歩約15分
駐車場:
遊歩道の入口付近に無料駐車場あり
トイレ:
自然観察センター内にあり
その他:
自然観察センターの開館時間は午前9時から午後4時30分まで。休館日は月曜日と祝日の翌日。入館料は無料

屏風のコル

Oct.06, 2001 紅葉に彩られる稜線を歩き槍穂高の眺めを楽しむ

屏風のコル:イメージ1

屏風のコルは涸沢カールの紅葉や槍ヶ岳、穂高連峰の眺めの良いところだ。北アルプス南部に位置し、涸沢から徳沢へのパノラマコースが通じている。横尾から涸沢への横尾谷から南側に見える岩壁が屏風岩、そしてそこのピークが屏風ノ頭、屏風ノ頭と前穂高岳との鞍部が屏風のコルである。標高は2420mである。涸沢からの帰りに来た道とは違う道を通ろうと思い、コースガイドや地図で下調べして、屏風のコルから下ってみることにした。実際に行ってみると、コースガイドで読むよりむずかしい道だった。涸沢から屏風のコルまで、片側が切れ落ち、補助用にロープのある道が続き、初心者向きでないことを最初にお断りしておく。また逆コースの徳沢から屏風のコルを越えて、涸沢のコースは意外に標高差があり、上高地から涸沢を1日コースとするのは苦しいだろう。

屏風のコル:イメージ2

上高地から横尾を経て涸沢へのコースは、紅葉の涸沢前編・後編のレポートを見ていただきたい。屏風のコルへのパノラマコースは涸沢ヒュッテから一段下がったところから始まる。涸沢ヒュッテの売店から水場の前を通り、階段を下りていくと、横尾への道と屏風のコルへの道に分かれる。前穂高岳側の斜面をトラバースして少し登り気味に道が付いている。道が狭く、すれ違いはしにくい。左側が切れ落ち、足場が少ない箇所が出てきて、補助用のロープが付いている所がある。手でロープをつかみ、もう一方の手で岩をつかんで、足を乗せる場所を探しつつ進んでいく。そんな場所が5,6箇所あるが、ほとんど水平方向である。それらの間に登りがあって標高を稼いでいく。進行方向左前方に屏風の頭が見えてくる。屏風の頭は岩が紅葉に彩られている。左下の横尾谷へと続く斜面は緑から黄・オレンジといった明るい鮮やかさを持った紅葉だ。さらに登って行くと右の視界が開けて右下はるかかなたに梓川が見える。ここからしばらくは前穂高岳から屏風の頭への尾根を歩く。歩いてきた方向を振り返ると涸沢カールと穂高連峰、そこから右へ視線をずらすと尖った峰の槍ヶ岳が意外に近くに見える。それらの峰々との間の谷から斜面は紅葉におおわれている。尾根から少し下ったところで直進が屏風の頭、右が徳沢への下りだ。時間と体力に余裕が有れば、屏風の頭まで行くと良いだろう。ここから屏風の頭への往復は1時間程度である。私は涸沢を出るのが遅かったので、屏風の頭へは行かず、右へ下っていくことにした。

屏風のコル:イメージ3

屏風の頭の東側も岩壁の樹木が紅葉して、岩との対比が見事だ。ここからずっと下りである。花の時期は過ぎている高山植物群の中を下り、そのうち樹林帯の中の下りとなる。道の両側の黄色を中心とした紅葉が綺麗だ。沢を2つ過ぎる。2つ目の沢では登山道から沢の少し上へ上がると水場がある。慶応尾根を越える登りがあって再び下りになる。前方に見える梓川がなかなか近付かない。大きな岩がゴロゴロしている沢の横に出ると、道は治山用の林道となる。クルマ用の道なので直線的に付いた、結構急な坂だ。三叉路を右へ梓川に平行した道へ入る。ここも林道だが、久しぶりにほぼ平らな道だ。車が付けた車輪の跡がある道を歩き、左に梓川を渡る新村橋への道があるので、そちらへ行き、河童橋に比べると長く感じる吊り橋の新村橋を渡ると、横尾から上高地への道と合流する。三叉路を右に曲がって、ゆるやかな下りを上高地へと下っていこう。

屏風のコル:イメージ4

涸沢から屏風のコルに至るまでが、歩きにくい道だが、紅葉が見事な時期には苦労が報われるコースである。高山植物の咲きほこる初夏から盛夏にかけても歩いてみたい道だ。

写真は上から、屏風の頭、屏風のコル手前の紅葉、屏風のコルより穂高連峰と涸沢カール、屏風のコルより槍ヶ岳と横尾右俣、屏風岩、早稲田尾根の紅葉

歩行所要時間/計6時間15分
涸沢(1時間)-屏風のコル(1時間)-慶応尾根乗越(30分)-奥又白谷分岐(50分)-奥又分岐(20分)-新村橋(30分)-徳沢(1時間)-明神(50分)-河童橋(15分)-上高地バスターミナル

-DATA-

場所:
長野県南安曇郡安曇村
鉄道・バス:
夜行:
1.東京(新宿)、横浜、大阪、京都、神戸から出る夜行バスのさわやか信州号 上高地行きで入る。(要予約)
2.新宿から中央線の夜行急行「アルプス」にて早朝松本下車、松本電鉄線に乗り換え終点新島々下車、上高地行きの路線バスにて上高地バスターミナルもしくは大正池下車。
3.大阪、名古屋から夜行急行「ちくま」にて早朝松本下車、以下は2と同じ。
昼間:
1.新宿から中央線の特急「あずさ」にて松本下車、以下は(夜行)2と同じ。
2.大阪、京都、神戸から新幹線で名古屋へ。名古屋から中央線の特急「しなの」にて松本下車、以下は(夜行)2と同じ。
車:
関東、中京、近畿方面からは中央高速を利用、岡谷ジャンクションから長野道に入り、長野道を松本インターで降り、 国道158号を西方向、上高地へ向かう。沢渡から先は交通規制が敷かれているので沢渡周辺のいくつかある駐車場に車を駐める。駐車場から上高地へは路線バスもしくはタクシー利用。
駐車場:
沢渡付近の駐車場/有料
トイレ:
上高地バスターミナル、各山小屋に有り
携帯電話:
上高地バスターミナル付近、通話可能
公衆電話:
各山小屋に有り
水場:
各山小屋に有り、無料
宿泊:
涸沢小屋、涸沢ヒュッテ
キャンプ指定地:
涸沢

紅葉の涸沢 後編

Oct.05, 2001 錦繍の涸沢カールと穂高連峰の素晴らしい眺め

紅葉の涸沢 後編:イメージ1

『ナナカマドの赤に染まる涸沢を目指す』に続いて、涸沢を目指して登るルートを紹介する。登山者が多い横尾山荘前から涸沢へ向けて出発する。夏と比べ秋は槍ヶ岳方面よりも涸沢へ向かう人が多いようだ。山荘前の広場から槍ヶ岳方面の道と分かれ、橋を渡って行く。横尾谷の左岸を歩いて行く。最初は樹林の中のゆるやかな登りだが、だんだんと傾斜が付いてくる。横尾からの歩き始めでは、登山道からすぐに川があったが、いつのまにか川は登山道のはるか下になっている。足元から川の両側の木々まで紅葉が始まっている。ダケカンバなど黄色に色が変わる木が多いようだ。川をはさんで左側には屏風岩の絶壁が見える。ほんとに絶壁なのだが、垂直に切れ落ちた岩には樹木が生えていて、それらの木も紅葉している。

紅葉の涸沢 後編:イメージ2

さらに登って行くと、横尾谷の川を渡る吊り橋がある。通称本谷橋である。橋を渡ったところは、休むのにちょうど良いところでたくさんの人が弁当を広げるなどして休んでいる。目の前の川の水は飲めないので注意したい。ここを過ぎると川の右岸を歩くことになり、涸沢まできつい登りが続く。登山道の両側はダケカンバの黄色に囲まれる。急な坂が続くが、左の斜面に続く紅葉と、右に谷をはさんで見られる紅葉を眺め、休みつつ登って行こう。やがて前方の視界が開け、オレンジ色のナナカマドの固まりが目に入る。あれはどこに当たるのだろうと、よく見ると、ナナカマドの向こうに建物が見えた。涸沢ヒュッテだ。右の方にはテント場が見える。意外なほど早く涸沢が見えるところにたどり着いた。ヒュッテの向こう側も紅葉している。カールの上部や、周りの山々は雲に隠れているが、カールが紅葉に包まれているのは確認できる。目的地が見えると、足は軽くなる。沢が近付いてきた登山道をさらに登る。ここまでほとんど無かったナナカマドが葉をオレンジや赤に染めている。ナナカマドの実も真っ赤だ。

紅葉の涸沢 後編:イメージ3

最初はまだ緑の多い樹林の中の砂利道を行く。池や川のそばでは木道になっているところもある。いったん、林道を歩くところへ出て、また登山道となり明神が近付いてくるとダケカンバ類の葉がだいぶ黄色になっている。数段の階段を上って、明神に着く。左に嘉門次小屋が有り、その奥に穂高神社の奥宮がある。この付近については上高地のレポートで詳しく書いているので参照していただきたい。梓川に架かる橋を渡り、明神館の前の三叉路で左に折れ、横尾方面に向かう。

紅葉の涸沢 後編:イメージ4

涸沢の紅葉はうわさ通りの素晴らしさだった。穂高の峰々に雪が積もったときの、雪と紅葉の取り合わせも見事だというので、また人が多いことをわかっていながら、ここへ来ることになるのだろう。もちろん、まだ雪に埋め尽くされているゴールデンウィークや、高山植物の咲く夏にもここにいることだろう。

写真は上から、朝の涸沢カールと涸沢岳、屏風岩、涸沢カール下部の紅葉、ナナカマドの実、涸沢小屋近くの紅葉。

-DATA-

場所:
長野県南安曇郡安曇村
タイム:
歩行所要時間/計 6時間35分
上高地バスターミナル-河童橋:15分
河童橋-明神館:50分
明神館-徳沢:1時間10分
徳沢-横尾:1時間20分
横尾-本谷橋:1時間
本谷橋-涸沢:2時間
鉄道・バス:
夜行:
1.東京(新宿)、横浜、大阪、京都、神戸から出る夜行バスのさわやか信州号 上高地行きで入る。(要予約)
2.新宿から中央線の夜行急行「アルプス」にて早朝松本下車、松本電鉄線に乗り換え終点新島々下車、上高地行きの路線バスにて上高地バスターミナルもしくは大正池下車。
3.大阪、名古屋から夜行急行「ちくま」にて早朝松本下車、以下は2と同じ。
昼間:
1.新宿から中央線の特急「あずさ」にて松本下車、以下は(夜行)2と同じ。
2.大阪、京都、神戸から新幹線で名古屋へ。名古屋から中央線の特急「しなの」にて松本下車、以下は(夜行)2と同じ。
車:
関東、中京、近畿方面からは中央高速を利用、岡谷ジャンクションから長野道に入り、長野道を松本インターで降り、 国道158号を西方向、上高地へ向かう。沢渡から先は交通規制が敷かれているので沢渡周辺のいくつかある駐車場に車を駐める。 駐車場から上高地へは路線バスもしくはタクシー利用。
駐車場:
沢渡付近の駐車場/有料
トイレ:
不上高地バスターミナル、各山小屋に有り
携帯電話:
上高地バスターミナル付近、通話可能
公衆電話:
各山小屋に有り
水場:
各山小屋に有り、無料

紅葉の涸沢 前編

Oct.05, 2001 ナナカマドの赤に染まる涸沢を目指す

紅葉の涸沢 前編:イメージ1

涸沢の秋は、カールいっぱいの紅葉に包まれ、一度は見た方がいいと良く言われる所だ。涸沢は北アルプス南部の穂高連峰の中に位置する。涸沢は標高 2300mで、前穂高岳・奥穂高岳・涸沢岳・北穂高岳など日本の標高ベストテンに名を連ねる3100m級の高山に囲まれた、擂り鉢状のカール地形の底である。ナナカマドの赤が多い涸沢の紅葉は、「涸沢が燃えている」とまで言われ、9月末から10月上旬の紅葉の見頃にはカール底のテント指定地は色とりどりのテントで埋め尽くされ、山小屋も超満員となる。それをわかっていても、皆、涸沢を目指して登る。私も紅葉の見頃だと聞いて、涸沢を目指す登山者の列に加わった。今回は上高地から横尾を経て、横尾谷を登って涸沢へ至るルートで行くこととした。

紅葉の涸沢 前編:イメージ2

涸沢へは、上高地から入って行くのが一般的なルートになる。ここでは夜行列車・夜行バスで早朝上高地へ入り、涸沢まで1日で歩くコースで紹介する。夜行が苦手な方は、朝自宅を出発して上高地に入り、徳沢・横尾などで1泊すると良い。バスの上高地行きで終点の上高地バスターミナルで下車するが、手前の大正池で降りて、田代池や梓川などの河童橋までの景色を楽しむのも良いと思う。このあたりは上高地のトレッキングレポートを参考にしていただきたい。標高 1500mの上高地バスターミナルでバスを降り、まずは河童橋へ出て梓川の綺麗な水の流れと険しい穂高連峰の眺めを楽しもう。河童橋を渡る手前の右側の川沿いに方位盤がある。河童橋周辺の唐松(カラマツ)はまだまだ緑で、黄金色に変わるのは10日くらい後だろうか。穂高連峰の手前の岳沢は紅葉が始まっているようだ。河童橋から明神へ向かう。梓川の両側に道があり、どちらから行っても良い。河童橋を渡って梓川の西側を歩いていくこととする。

紅葉の涸沢 前編:イメージ3

最初はまだ緑の多い樹林の中の砂利道を行く。池や川のそばでは木道になっているところもある。いったん、林道を歩くところへ出て、また登山道となり明神が近付いてくるとダケカンバ類の葉がだいぶ黄色になっている。数段の階段を上って、明神に着く。左に嘉門次小屋が有り、その奥に穂高神社の奥宮がある。この付近については上高地のレポートで詳しく書いているので参照していただきたい。梓川に架かる橋を渡り、明神館の前の三叉路で左に折れ、横尾方面に向かう。

紅葉の涸沢 前編:イメージ4

ここから横尾まで梓川を左にしての道が続く。横尾までゆるやかな登りだ。まもなくの白沢の橋を渡ると右に徳本峠(とくごうとうげ)への道を分ける。樹林の中の道が続き、時々左に梓川と向こう岸が見渡せる。このあたりの木々の紅葉はまだ先のようだ。徳沢を過ぎて、しばらく行くと、梓川に架かる新村橋がある。この橋を渡ると、屏風のコルを越えて涸沢へ至るパノラマコースになる。渡らずにまっすぐ、横尾を目指す。少し登りがきつくなる箇所があって横尾に到着する。早朝上高地を出た場合は、ここで昼食にすると良い。朝、自宅を出て1日目に横尾で泊まる場合は、横尾山荘か山荘手前のテント指定地となる。

(後編『錦繍の涸沢カールと穂高連峰の素晴らしい眺め』に続く)

写真は上から、涸沢カールの紅葉、明神手前の黄葉、明神手前の紅葉と川、明神付近のダケカンバ、横尾付近梓川近くの紅葉。

-DATA-

場所:
長野県南安曇郡安曇村
タイム:
歩行所要時間/計 6時間35分
上高地バスターミナル-河童橋:15分
河童橋-明神館:50分
明神館-徳沢:1時間10分
徳沢-横尾:1時間20分
横尾-本谷橋:1時間
本谷橋-涸沢:2時間
鉄道・バス:
夜行:
1.東京(新宿)、横浜、大阪、京都、神戸から出る夜行バスのさわやか信州号 上高地行きで入る。(要予約)
2.新宿から中央線の夜行急行「アルプス」にて早朝松本下車、松本電鉄線に乗り換え終点新島々下車、上高地行きの路線バスにて上高地バスターミナルもしくは大正池下車。
3.大阪、名古屋から夜行急行「ちくま」にて早朝松本下車、以下は2と同じ。
昼間:
1.新宿から中央線の特急「あずさ」にて松本下車、以下は(夜行)2と同じ。
2.大阪、京都、神戸から新幹線で名古屋へ。名古屋から中央線の特急「しなの」にて松本下車、以下は(夜行)2と同じ。
車:
関東、中京、近畿方面からは中央高速を利用、岡谷ジャンクションから長野道に入り、長野道を松本インターで降り、 国道158号を西方向、上高地へ向かう。沢渡から先は交通規制が敷かれているので沢渡周辺のいくつかある駐車場に車を駐める。
駐車場から上高地へは路線バスもしくはタクシー利用。
駐車場:
沢渡付近の駐車場/有料
トイレ:
不上高地バスターミナル、各山小屋に有り
携帯電話:
上高地バスターミナル付近、通話可能
公衆電話:
各山小屋に有り
水場:
各山小屋に有り、無料

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