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稲村ヶ岳

Sep.23, 2001 大峰山脈を見渡す展望抜群の秀峰へ

稲村ヶ岳は標高1725.9m、山上ヶ岳から西へ延びる大峰山脈の支稜上にあり、山頂からの展望は素晴らしく、大峰山脈を横から眺めることができる貴重な展望台となっている。山上ヶ岳が修験道の行場として未だ女人禁制を敷いているのに対し、こちらは女性の登山者に人気と言われている。とりわけ秋はブナやカエデの紅葉が素晴らしい。洞川温泉から法力峠を経て山上辻に至るルートが一般的で、登山口からの標高差は約900mにも達するが、距離が長いため勾配は緩やかで初心者にも安心して歩ける。今回は最もアプローチが短い母公堂から入るルートを紹介しよう。

洞川温泉に至るには国道309号線の天川川合から入るルートと国道169号線から洞川高原林道で五番関を越えるルートがあるが、母公堂までなら後者の方が時間的に早いだろう。五番関から下ってくると大峰大橋からの道と合流して約1km先の左手にあるお堂が母公堂である。大峯山の開祖者・役行者の母を祭っている。そのすぐ先に稲村ヶ岳の登山口がある。母公堂の前に駐車場はあるが、参拝者用の駐車場なので長時間駐車は慎むこと。来た道を200mほど戻れば少し道の広がったスペースがあり、そこに駐車する。

登山口から入ると植林の中のやや急な登りとなる。鬱蒼とした林の中は昼なお暗く、空気は湿っぽい。ほぼ真っ直ぐに登っていって、約10分で五代松鍾乳洞からの道と合流する。以前この道は土砂崩れのため通行止めとなっていたのだが、真新しい道標が立っているところを見るとどうやら復旧したようだ。合流点を過ぎるとやや勾配は緩くなり、山腹に沿って斜めに登っていく。ところどころハガクレツリフネの可愛らしい花が咲いている。無味乾燥な植林の中の唯一の慰めだ。法力峠まではほぼ一定の勾配で淡々とした登りが続き、薄暗い植林の中を歩いていると気が滅入ってくる。いい加減嫌になってきた頃、やや明るくなって周りの山々が少し見えるようになるとようやく法力峠に到着する。ここは観音峰との分岐点になっており、やはり以前はなかった真新しい道標が立っている。

稲村ヶ岳:イメージ1

法力峠を過ぎると自然林の割合が多くなり、気分的にも楽になってくる。ここまで既に約400mを登っているのに対し、山上辻までの標高差は約300mだから以前にも増して勾配は緩くなる。ほとんど苦になるほどの登りでもなく、自然とピッチが上がってしまうだろう。よく踏まれて道幅も広く、歩きやすい道だ。法力峠から15分ほど登ると右手に大日山の尖鋒がちらちらと見え隠れするようになる。そのあまりにも突出したピークにハッと驚くだろう。途中で水場もあるが、水量はそれほど多くない。山腹をトラバースする道はところどころコンクリートの橋も架けられており、よく整備されている感じがうかがえる。道が崩壊している部分が一ヶ所あり、少し迂回させられた。次第に近づいてくる大日山のピークを眺めながら、周りにササが多くなってくると間もなく山上辻に到着する。

稲村ヶ岳:イメージ2

山上辻は山上ヶ岳方面との分岐点であり、稲村小屋が建っている。その前はちょっとした広場になっており、たくさんの登山者が休憩している。そして以前はなかったきれいなトイレができている。何とソーラーシステムを利用した水洗式の立派なものである。特に女性にはありがたいだろう。ここまで来ればあと一息だ。少し休憩してすぐ登り始める。ここからは笹原の中を行く大変気持ちのいい道となる。10月の中旬にもなればブナやカエデが色づいて大変美しいのだが、まだ青々としていた。ここから先、すれ違う人も大変多くなる。山上辻から15分ほどで大日のキレットと呼ばれる場所に着く。振り返れば大日山の尖ったピークが大きくそびえ立っている。稜線の右側は大きく切れ落ちており、その向こうには奥高野の山々を望む絶景だ。キレットからは少し険しい登りとなり、鎖場が連続する場所がある。下ってくる人も多いのですれ違いに注意しながら登ろう。鎖場を過ぎてしばらくすると南側から巻き込むようにして稲村ヶ岳の山頂へ一気に登る。

稲村ヶ岳:イメージ3

山頂には三角点があるが、そこは展望がよくないので櫓が組まれて展望台が作られている。そこへ登ると360度遮るもののない大展望が広がる。すぐ前には台形の山頂が特徴的な山上ヶ岳、そして竜ヶ岳から大普賢岳へ連なる稜線が屏風のように広がるのが見渡せる。行者還岳でいったん高度を落とした山脈は西へと向きを変え、真南で弥山の巨大な山体へ向けて一気に盛り上がっていく様は壮観だ。さらにその後ろには仏生ヶ岳も顔を覗かせている。北へ目を移せば遠く曽爾の倶留尊山や伊勢の局ヶ岳まで確認できる。そして普段はめったに見えない奈良盆地までうっすらと見えるのに驚いた。眼下には神童子谷の渓谷が深い。天気は快晴で1時間ほど素晴らしい展望を満喫した。展望台の上は次から次へと登ってくる人々でいっぱいだった。

稲村ヶ岳:イメージ4

帰りは同じ道を引き返すことになるが、鎖場の下りだけは注意したい。なお時間と体力に余裕があれば山上辻からレンゲ辻を経て大峰大橋へ下るコースもおすすめである。下山後は洞川温泉で疲れを癒していくのがいいだろう。

-DATA-

場所:
奈良県吉野郡天川村
交通:
(マイカーの場合) 下市町から国道309号線で天川川合へ入り、県道で洞川温泉へ。または国道169号線「道の駅・川上」の先を左折して洞川高原林道に入り、五番関を越えて洞川へ。 (鉄道・バスの場合) 近鉄吉野線下市口駅から奈良交通バス「洞川」行きまたは「大峰大橋」行きに乗り換え、「洞川」下車。
駐車場:
母公堂付近に数台分の駐車スペースあり。ただし交通の妨げにならないよう注意すること。洞川温泉センターには広い駐車場があるので便利である。洞川温泉から出発する場合は五代松鍾乳洞経由のルートとなり、約30分余分にかかる。
トイレ:
母公堂前と山上辻にトイレあり。
タイム:
母公堂=0:50=法力峠=1:00=山上辻=0:30=稲村ヶ岳=0:25=山上辻=0:55=法力峠=0:40=母公堂(上り2:20、下り2:00)

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