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江の島 夏の湘南自然探検

Aug.19, 2001 片瀬東浜~江の島一周

江の島 夏の湘南自然探検:イメージ1

湘南、といえば、青い海と江の島が真っ先に思い浮かぶ。この江の島を、自然の視点で歩いてみようと考えた。江ノ電江の島駅で下車し、南へ向かう。島内に入ってしまうと砂浜にはお目にかかれないため、弁天橋を渡る前に東浜海岸へ下りた。見ると、白い菊の花のようなものが打ち上げられている。管状の房が多数集まった、アカニシという貝の卵のうだ。房の一つを口に含んで空気を入れ、つぶすとギュッと音がする。ナギナタホオズキとも呼ばれ、土産物屋などで売られていたが、近年は数が減少しているという。

江の島 夏の湘南自然探検:イメージ2

砂州の上にかかる江の島大橋を渡り、島内へ。ちょうど干潮の時間となったので、青銅の鳥居の手前から右の脇道へ入り、磯遊びに岩礁へ向かった。島の南西側に広がる岩場は、大正12年(1923)の関東大震災のときに、高さ1.2m、幅50mにわたり隆起したところだ。岩の上を歩けば、渡りの途中で羽を休めるキアシシギがピィー、と声をあげて飛ぶ。潮溜まりを覗くと、白と黒の横縞をもつカゴカキダイの稚魚が無数に泳いでいるのが見えた。潮が満ちる前に道を戻り、みやげ物屋が並ぶ参道を上がる。

江の島 夏の湘南自然探検:イメージ3

海の守護神の女神をまつる江島神社を参拝した。言い伝えでは、海から弁財天が現れた折に衣から垂れた雫が、江の島となったとされる。同じ島の成り立ちでも科学的に見れば、第三紀の中頃まで海底にあった部分が隆起した後再び沈み、浸食された上部に富士山の火山灰が積もった、という説明になる。いにしえの伝説や壮大な地殻変動に思いを馳せれば、一歩一歩の足の運びも丁寧になる。頂上へ到着。自然状態で生育する亜熱帯植物の植栽地としては国内最北限とされる、江の島植物園がある。

江の島 夏の湘南自然探検:イメージ4

左手に、渓谷の様相を呈する断崖が見えてきた。ここを境に島が二つにくびれて見えるため、「山ふたつ」と呼ばれている。島の中央部を南北に走る断層に沿い、海水が激しく浸食してでできたものだ。海や岩礁、緑がおりなす江の島の風景は江戸時代の名所図絵にも描かれ、当時から屈指の観光地だったことが分かる。江島神社の三宮は源実朝の創建とも伝えられる古社で、古くから庶民の信仰の対象だった。大山詣でのついでに江の島参詣に立ち寄るという遊覧の道筋が多くとられ、徳川家康が訪れたという記録も残っている。

江の島 夏の湘南自然探検:イメージ5

先へ進むと、1996年に新しく整備された「龍恋の鐘」に至る遊歩道がある。龍野ヶ岡自然の森と呼ばれるところで、ヤブツバキなど常緑の木立の間を歩くことができる。甘い香りを放つ白い花に、チョウたちが集まっていた。葉が強烈な匂いをもつことから、「臭い木」のもじりでクサギと呼ばれる木だ(写真)。と、ピックイー、と笛のような声が響いた。見上げると、翼をピンとはったタカが滑空する。猛禽類の一種、サシバだ。エサの昆虫やノネズミがいる豊かな自然があるところにすみ、秋には東南アジア方面へ渡っていく。

江の島 夏の湘南自然探検:イメージ6

龍恋の鐘の地点からは、南の海が見下ろせる。この岩屋沖には、2年前から野性のバンドウイルカの親子2頭がすみついている。エサが豊富な江の島近海を子育ての場所として選んだらしく、相模湾でイルカの定住が確認されたのは初めてだ。並んでジャンプする姿もよく見られたが、今年6月頃から姿を消し、ときおり鎌倉や七里ガ浜の沖合いで確認されている。付近では赤潮の発生や原因不明の不漁も続いており、エサを求め移動したことが考えられる。ジェットスキーなどで追ったりせず、そっと見守りたいものだ。

江の島 夏の湘南自然探検:イメージ7

島西端の稚児ケ淵へ。建長寺広徳院の自休蔵主との悲恋の末、鎌倉相承院の稚児白菊がこの淵に身を投げたと伝わる場所だ。断崖の下に広い岩の台地が広がり、岩屋洞窟へも続いている。山ふたつの地点に戻って左折し、県内では希少なタブノキの自然林を見て下った。江島神社などの文化遺産とともに豊かな自然植生や地形を残す江の島は、県の史跡・名勝地にも指定されている。古来から文化が築かれ、今も大勢の観光客を集め続ける江の島の「湘南らしさ」は、海や岩礁、森など開放感あふれる自然に支えられている。

※2002年3月から、江の島の展望塔と植物園は建て替えられており、中に入ることはできなくなっている。

-DATA-

場所:
神奈川県藤沢市江の島
交通:
小田急線片瀬江ノ島駅より徒歩5分 または
江の島電鉄・湘南モノレール江の島駅から徒歩8分
駐車場:
島内3カ所に有り
トイレ:
島内6カ所に有り
参考文献:
大木靖衛監修『神奈川の自然をたずねて』築地書簡、1992
神奈川県『かながわの探鳥地50選』1993
浄明寺太郎『鎌倉なんでもガイド』金園社
藤沢市『江の島 GUIDE MAP』
藤沢市『藤沢観光マップ 湘南Fujisawa』

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