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鎌倉・横浜 いるか丘陵を歩く

Jun.03, 2001 明王院-横浜自然観察の森

鎌倉・横浜 いるか丘陵を歩く:イメージ1

「いるか丘陵」と呼ばれる場所がある。高尾山の東、町田市から、三浦半島の先端まで続く緑地を、上空から見てイルカになぞらえたものだ。慶応大学の岸由二教授の提唱で、各地の自然保護団体が、手を携えて活動している。鎌倉の天園周辺の森は、イルカのしっぽの部分にあたると聞き、尾根をつたって横浜自然観察の森まで歩いてみることにした。まずは天園へ向かう。瑞泉寺から上る道もあるが、今回は静かな十二所からのコースをとろうとJR鎌倉駅からバスに乗り、泉水橋で下車した。

鎌倉・横浜 いるか丘陵を歩く:イメージ2

金沢街道をバスの進行方向へ歩き、緩やかに曲がって明王院の道標に従い左折する。橋を渡り、材を左右と天に組んだ冠木門(かぶきもん)をくぐると、わらぶき屋根の本堂が見えてくる。素朴さのなかにも凛とした空気が漂う明王院は、4代将軍頼経の創建で、「鬼門厄除け不動」とも呼ばれている。門を再び出て、明王院の角に沿い左折する。脇に竹が茂る石畳の道から、左手の細い石段へ入る。湿った斜面では、イワタバコの赤紫の花がうつむき加減に咲いている。ジグザグと足場の悪い道を登った後、尾根に出る。

鎌倉・横浜 いるか丘陵を歩く:イメージ3

しばらく登り、分岐を右手にとると、柵で囲まれた石造りの祠がある。コースは右手の道を行くが、寄り道をして左手の道を少し登ると、丘の上に七層の鎌倉石の塔がある。大江広元の墓といわれるものだ。今は森の木陰にひっそりと立っているが、当時の大江広元邸を南に見下ろす場所に建てられたようだ。いったん祠まで戻り、今度は右手へ向かう。樹林に囲まれた尾根道を進むと、瑞泉寺から伸びる天園ハイキングコースと合流した。分岐の道標に従い、天園方面へ。

鎌倉・横浜 いるか丘陵を歩く:イメージ4

天園を経て、北方の金沢八景方面に進む。鎌倉霊園の脇を抜けて15分ほど行くと、広間に出て西方に視界が開けた。大きな看板に、円海山(えんかいさん)緑地のハイキングコース地図が描かれている。道は、瀬上市民の森や金沢市民の森など様々な場所に通じているため、何日かに分けて踏破するのもいいだろう。円海山緑地は、冒頭に述べた、いるか丘陵でいえば背中の部分にあたる約200haの森だ。港南区、磯子区、金沢区、栄区にまたがる緑地で、市が民有地を借り上げ、整備している。

鎌倉・横浜 いるか丘陵を歩く:イメージ5

地図に沿って北上し、横浜自然観察の森へ到着した。身近な自然とのふれあいの場として、横浜市が1986年にオープンしたところだ。約45haの園内には雑木林の丘陵、草地、湿地、砂地など多様な自然環境がある。まずは園内南端の自然観察センターへ向かう。館内では、現在見られる生きものの情報や、全国から集まる自然保護団体の会報、ホタルの観察会や森林ボランティアなどのイベント情報も閲覧できる。センターで園内の地図を手に入れ、一休みして、園内の散策に出発した。

鎌倉・横浜 いるか丘陵を歩く:イメージ6

ヘイケボタルがいるという湿地のそばの木道を歩くと、もうシオカラトンボが羽化していた。ミズキの道を抜け、バッタのはねる広場に出る。現在、薪や炭が使われなくなり、人と森との関わりが減って、森に遷移が進み、極相の常緑樹の森が増えている。草原や湿地の環境を守るには、下草刈りや間伐といった定期的な作業も必要だ。ここでは運営委託先の(財)日本野鳥の会が、市民ボランティアとともに生物調査や自然環境の整備を行っている。生きものとふれあい、楽しみながら環境保全活動に参加できる貴重な場だ。

鎌倉・横浜 いるか丘陵を歩く:イメージ7

せせらぎにかかる木道では虹色のハンミョウに出会い、池でカワセミを見ることもできた。園内は北側3分の1が野生生物のための保護区となっており、タヌキやノウサギ、イタチなどもすんでいるという。このあたりの動物たちが、森の回廊を通じて移動し、すみかとできる環境があれば、いるか丘陵一帯に、森の豊かさは広がっていくだろう。これまで続けられてきた「緑」を残す活動の次に目指すべき目標は、市民が楽しみながら、様々な野生生物のすむ環境を保全し、自然の質を高めていくことなのかもしれない。

-DATA-

場所:
神奈川県鎌倉市・横浜市
交通:
JR鎌倉駅よりバス(金沢八景駅、太刀洗、ハイランド行)泉水橋下車
コース:
泉水橋バス停下車(徒歩20分)→天園ハイキングコース(徒歩20分)→天園(徒歩30分)→横浜自然観察の森(徒歩約8分)→横浜霊園前バス停(バス)→大船駅または金沢八景駅
駐車場:
無し
トイレ:
鎌倉駅、横浜自然観察の森にあり
参考文献:
岸由二『いるか丘陵の自然観察ガイド』山と渓谷社、1997
御所見直好著『誰も知らない鎌倉路』集英社、1983
浄明寺太郎著『かまくらなんでもガイド』金園社

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