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梅雨の季節は玉川上水

Jun.25, 2001 歩いて楽しむ!東京の定番ビューポイントvol.6

梅雨の季節ですね!なかなか外に出る機会が少なくなってきていますが、皆さんはお元気でしょうか? 私は梅雨が嫌いです。そんな梅雨嫌いの貴方へ梅雨の季節にもってこいのウォーキングスポットを紹介したいと思います。それではいつものように本題へGO!

今回は玉川上水から井の頭公園へと向かうコースになっていますのでまずJR三鷹駅からの出発になります。アクセスはJR東京駅からJR中央線中央特快でJR三鷹駅です。時間は27分。料金は380円(6/25現在)です。午前11時に到着しました。改札を出て南口へ。南口を出ると左側に御殿山通り沿いに玉川上水があります。

梅雨の季節は玉川上水:イメージ1

 玉川上水沿いに散歩用の遊歩道がありますのでそれに沿ってまっすぐ進みます。この遊歩道は「玉川上水水緑道」と呼ばれ三鷹市から福生市までつながり、全長が 23.8km になります。三鷹駅から「むらさき橋」にかけては夜になるとライトアップがされ、とても雰囲気のある遊歩道になります。ソメイヨシノやヤマザクラが散在しているので花見のシーズンにも是非、お勧めです。今回は美しいアジサイの花たちが私を迎えてくれました。また上水は草木に覆われていて川の流れを直接見ることは難しいのですがときおり草木の間から見える水面には大きな鯉が姿を見せることがあります。500m くらい歩くと「むらさき橋」に到着します。「むらさき橋」とは三鷹市と武蔵野市を結ぶ都市計画街路の一部として両市により、昭和30年11月に建設されました。その後、橋の老朽化に伴い平成10年3月に架け替えられたとのことです。橋の名前は橋が完成した当時、両市民の公募により、応募総数594通の中から選定されました。「むらさき橋」のいわれについては、古今和歌集の中にある「紫の ひともとゆへに 武蔵野の 草はみながら あはれとぞ見る」という和歌が由来で昔、このあたり一面に咲き誇っていた紫草で染めあげた「むらさき染」にちなんで命名したそうです。

梅雨の季節は玉川上水:イメージ2

 「むらさき橋」を過ぎ、玉川上水沿いに横断歩道をわたって約100m 進むと右手に「山本有三記念館」があります。この建物は建築的にも評価が高く、大正期の欧風建築を知るうえで、価値ある貴重な建物だそうです(三鷹市の文化財に指定)。実際の見た感じも現代に通じるモダンな感じがしました。竣工は大正15年で持ち主は当初山本有三ではなく、清田龍之介という貿易商だったそうです。当時、この辺りは雑木林など自然が多く残されていて、別荘地として建てられたようでした。山本有三の一家が移ってきたのは昭和11年4月からで創作の場を求めて閑静なこの地を選んだそうです。ここで昭和21年まで過ごし、代表作の「路傍の石」や今、小泉総理の発言で有名な「米百俵」の執筆がなされたそうです。記念館の前には「路傍の石」のモデルとされた大きな石がありました。この石は有三が中野旧陸軍電信隊付近の道端で見つけてこの家の裏庭に運び、その後、東京都に寄付された山本邸が昭和33年に「有三青少年文庫」として開設されるときに現在の位置に移されたそうです。見た感じはかなり大きな石(石というか岩みたいです)でしたが、どうやってもってきたんでしょうか?由来よりもそのことが気になりました。まさか山本有三、本人が担いで?まさか?と思いつつも先に進むことにしました。

梅雨の季節は玉川上水:イメージ3 梅雨の季節は玉川上水:イメージ4

 「山本有三記念館」からさらに約200m 進むと吉祥寺通りとぶつかる「万助橋」に着きますのでそのまま横断歩道を渡ります。この「万助橋」とは下連雀の旧家・渡辺家の世襲の名である「万助」から付けられたのが由来で当初は松の大木を川に数本かけた状態の簡単のものだったそうです。用途としては人に味噌や醤油などを買ってきてもらう為とのことです。ここからさらに「万助橋」のすぐ脇にある玉川上水沿いの「玉川上水水緑道」を先に進みます。ここからは「玉川上水水緑道」の名にふさわしく、「井の頭恩賜公園」の雑木林が鬱蒼としげっていて道がコンクリートの道路からウッドチップの足にはやさしい道とかわります。木が多いせいか気温も梅雨の湿った蒸し暑さから心地よい涼しさに変わった気がしました。中に進んで行くと静かでとてもリラックスできます。森林浴といった感じでしょうか?先に進んで「蛍橋」という橋を過ぎるとすぐ傍に「小鳥の森」というバードウォッチングができる場所に着きます。ここは「井の頭恩賜公園」の中でも下草や中低木が多く茂っていてそういう所ところを好んでやってくる小鳥たちを保全している森だそうです。木製のバードウォッチング用のフェンスがあり、そこからツミ、ツグミ、シロハラ、ルリビタキなどの小鳥を観察できるようになっています。すでに先客の女性の方いて、熱心にフェンスから観察しているのが印象的でした。再び、心地よい緑道を進み、しばらく森林浴を謳歌しました。玉川上水はここから三鷹市牟礼、杉並区高井戸の浅間橋、明大前、新宿四谷大木戸まで流れてゆきますがさすがにそこまでは歩いていけないので東京女子大牟礼キャンパスの先にある「井の頭橋」から上水をはさんだ反対の緑道へUターンして戻りました。戻る途中に再び「井の頭恩賜公園」に入りますのでそこから本日の最終地である「井の頭池」のある方へ向かいました。

梅雨の季節は玉川上水:イメージ6 梅雨の季節は玉川上水:イメージ5

この公園は、大正2年に日本で最初の郊外公園として生まれました。また、園内にある「井の頭池」は神田上水として初めて江戸にひかれた水道の源とされ、明治 31年の「改良水道」ができるまでとても重要な役割をはたしていたそうです。公園自体は4つの区域に分かれていて、「井の頭池」の周辺、「自然文化園」がある御殿山、西園、第二公園といった感じで見どころたっぷりですが、今回は「井の頭池」の西側にある「弁財天堂」に到着! この「弁財天堂」の由来は関東源氏の祖、源経基の創建で、源頼朝や新田義貞が戦勝祈願をしたことがあると伝えられています。全体が朱色でとても小奇麗な感じがしました。また、「弁財天堂」には銭洗いがあり、ご利益!とばかりお金を出そうとしましたがお札が一枚も無かったのでしぶしぶ100円硬貨(500円硬貨もなく、悲...)を洗いました。これってやっぱりお札を洗わないとすごくかっこ悪いですね.... あと、この「弁財天堂」にカップルでお参りをすると弁財天がやきもちをやいて破局するというジンクスがあるそうですが本日は私の他にカップルが2,3組はお参りにきていましたが彼らは大丈夫なのでしょうか?その後が心配です...  それはともかく次に向かいます。園内の橋をわたり分園をすぎるとボート乗り場があります。このボート乗り場は足こぎ用のサイクルボートとオーソドックスな手こぎのボートがあり親子やカップル、友達同士とけっこう平日にもかかわらず乗っている人が多かったです。ただ、このボートもカップルで乗ると破局するというジンクスがあるそですが、みんな気にしないで乗っているようでした。この池の周りは緑が多く、池には大きな鯉やかもやオシドリなども多いとても自然の豊かな公園でした。また、売店では鯉のエサが売られていますのでボートに乗りながら鯉にエサをあげたりできるそうです。普通は「鯉にエサをあげないでください」と看板が立ててあるところのが多いと思いますが鯉とのふれあいを大切にしているでしょうか?そのせいかここの鯉は本当に大きいです。 鯉の大きさやジンクスに関心がいってしまいがちですが全体の印象としては梅雨の蒸し暑い時期には暑さを忘れさせてくれるちょっとした避暑地のようでした。この公園は桜の名所としても有名ですがそれ以外にものんびりとくつろげるウォーキングポイントとして、この公園はお勧めだと思いました。

 梅雨の時期は外にでるのも家に居るのもつらいですよね!そんな時に川のせせらぎや緑に囲まれたのんびりできる場所というコンセプトで今回はレポートをさせていただきました。ビューポイントというより、ヒーリングポイントといったところでしょうか?これからますます暑くなるとウォーキングするのには厳しくなりますがいいレポートができるようにがんばりたいと思いますので次回もまた、お楽しみに!

-DATA-

場所:
東京都三鷹市
交通:
JR東京駅からJR中央線中央特快でJR三鷹駅。改札を出て南口。
駐車場:
井の頭公園駐車場。料金1時間までは乗用車400円、バス(予約制)1000円。
超過30分ごとにそれぞれ200円と500円。駐車場は狭く、休日はほとんど満車。
電車をお勧めします。
トイレ:
「山本有三記念館」と「井の頭恩賜公園」にあります。
昼食:
「井の頭恩賜公園」内に売店や食堂がありますがJR吉祥寺駅に近いのでそちら方まで出た方が美味しいお店やグルメが楽しめます。「Hanako」などの情報雑誌を持参した方がいいでしょう。
施設:
◆「山本有三記念館」 
・開館時間:午前9時半~午後4時半。
・休館日:月曜日(月曜が祝休日の場合は開館し、翌日と翌々日は休館)
・料金:無料。
◆「井の頭文化園」
・観覧時間:午前9時半~午後4時半。  (入園は午後4時まで)
・休園日:月曜日(祝日や都民の日に当たるときは翌日)12月29日から1月3日まで。
・料金:一般は、大人400円、中学生150円。団体(20人以上) 大人320円、中学生120円。
◆「ボート料金」
・手こぎボート 60分 600円
・足こぎボート 30分 600円
・スワン    20分 600円

湯沢高原

Jun.17, 2001 珍しい高山植物咲く高原を歩く

湯沢高原:イメージ1

新潟県の湯沢町は苗場やガーラ湯沢がある町で、スキーヤーには説明の必要がないところであるが、雪の無い季節に訪れたことが無い方も多いと思う。しかし、夏にガーラ湯沢手前のロープウェイで湯沢の街や上越国境の山々を眺めながら登ると、そこには国内外の珍しい高山植物を楽しみながら歩くことが出来る場所がある。ヒマラヤでしか見られない青いケシが咲き始めたということで訪ねることになった。

湯沢高原:イメージ2

関東からは電車で行くにしろ、車で行くにしろ、川端康成が書いたように上州と越後の「国境の長いトンネル」を通っていくことになる。この時期であればトンネルを通った先の天候が大きく違うことは少ない。越後湯沢駅の西口を出て、駅前の線路と平行している道を北へ歩き出す。温泉旅館が軒を連ねるその名も温泉街通りである。民俗資料館を過ぎ、左側に湯沢温泉ロープウェイの山麓の駅、「山麓ステーション」が見えてくる。無料の駐車場は駅の建物の北側から入った所になる。ロープウェイは166人乗りの世界最大級のものであり、乗り場の行列が長くていつ乗れるのだろうかと思っていたが、あっさりほとんど待つことなく乗り込むことが出来た。ロープウェイからは山あいに長く連なる湯沢の街が見えて、上越新幹線、上越線、関越自動車道が走っているのが見える。景色を楽しんでいると7分はあっと言うまで、終点のパノラマ・ステーションに到着する。標高は約1000mで、アルプの里と名付けられた場所になる。駅舎から出た右側からは、湯沢の街とその向こうに飯士山、それから右へ巻機山、そして上越国境の武能岳から一ノ倉岳などの峰々が見える。パノラマ・ステーションの駅舎から左へ坂を登っていくと。「雲の上の美術館」があり、更に登っていくと、道が二股に分かれる。左へ行くとパノラマコースと名付けられたコースになっているが、右のミニ・トレッキングコースへ入って行く。ブナなどの木の森の中を登って行くが、大きくコースが曲がったところから下りになる。更に下っていくと右側が開けてくる。ミニ・トレッキングコースと平行するように「サマーボブスレー」のコースがあって706mのボブスレーコースを歓声を上げながら滑っていく人たちがいる。サマーボブスレーのスタート地点は「雲の上の美術館」のそばにあるので、園内を一周してから楽しんでも良いだろう。

湯沢高原:イメージ3

ボブスレーコースが見えなくなってしばらく下ると、「ロックガーデン」があって、ここに国内外の珍しい高山植物が集められている。ロックガーデンの上の方には、ハクサンフウロなどが咲いている。チングルマは白い花が終わって、果穂になっている。一段降りたところには、ヨーロッパアルプスに咲くエーデルワイス、その仲間で日本の高山にあるウスユキソウが何種類か集められている。そしてヒマラヤの青いケシがある。青いケシは15株ほどあるが、まだ2株ほどしか咲いていなかった。青い花というのは私はこれ以外に知らず、本来なら相当の装備を持ってヒマラヤの高山に登らないと会えない花なので、こんなに簡単に見てしまっていいのだろうかとも思う。ロックガーデンの一番下にはピンク色の可憐なコマクサや、不思議な形の花を付けている悪魔の爪がある。悪魔の爪とはちょっとかわいそう名前と思う。ロックガーデンから坂を下りながらあやめヶ池へ向かう。東北の山々に多いヒメサユリが清楚なピンク色の花を付けている。その先にはクリンソウの群落やミヤマオダマキが咲いている。その先にはあやめヶ池という小さな池があって、ヒオウギアヤメやリュウキンカの黄色の花が咲き、オタマジャクシが泳いでいる。ミズバショウもあるが既に葉が大きくなっている。あやめヶ池の脇にある木道を歩き、池の反対側に出ると、ロープウェイのパノラマ・ステーションへの登り坂が始まる。途中には湧き水の飲み場があり、アメリカコマクサなどの花がある。10分ほどの登りで、パノラマ・ステーションに到着する。

湯沢高原:イメージ4

貴重な高山植物に気軽に会いに行けるのがここの良いところである。ロックガーデンの花には名札が付けらており、高山植物の名前を覚えるのにも良い。ヒマラヤの青いケシの見頃は6月中旬から7月上旬で、花が多いのは6月から7月である。5月にミズバショウ、チングルマ、リュウキンカが咲き出し、9月のレンゲショウマまでなんらかの花を楽しむことが出来る。また、歩いた後に汗を流したいとき、ロープウェイで降りた山麓ステーション2階に「コマクサの湯」という天然温泉がある。

「コマクサの湯」
営業時間: 10:00~20:00
料金:大人\300、子供\150

写真は上から、クリンソウ群落、ヒマラヤの青いケシ、悪魔の爪、あやめヶ池とヒオウギアヤメ、コマクサ。

-DATA-

場所:
新潟県南魚沼郡湯沢町
タイム:
計1 時間10分/越後湯沢駅西口(12分)-ロープウェイの山麓ステーション(ロープウェイにて7分)-パノラマ・ステーション(5分)-ミニトレッキングコース入口(12分)-ロックガーデン(5分)-あやめヶ池(10分)-パノラマ・ステーション(ロープウェイにて7分)-ロープウェイの山麓ステーション(12分)-越後湯沢駅西口
アクセス:
電車/上越新幹線または上越線にて越後湯沢駅下車、西口より徒歩12分
車/関越自動車道にて湯沢ICを降り、国道17号を越後湯沢駅方面
駐車場:
ロープウェイの山麓ステーション北側に1000台(無料)
売店:
不可ロープウェイのパノラマ・ステーションに有
トイレ:
パノラマ・ステーション、あやめヶ池近くに有
携帯電話:
一部通話可
公衆電話:
ロープウェイのパノラマ・ステーションに有

南保富士 711.7m

Jun.17, 2001 涼吹いて 地蔵見下ろす 南保富士

富山県東部の山にはあまり登ったことがない。3000m級の山はあるが、私のモットー としている「日帰り登山+温泉」をクリアする山がなかなかないからである。それで も探してみたところ、展望がよいという南保富士という山を発見、散歩がてら行くこ とにした。

国道8号線から三峰グリーンランドまでの道のりは快調に走ったものの、その先の登山口へと向かう林道はぬかるんでいた。林道の途中で車を降り、歩いて登山口を目指す。看板に従って二又路の右側に進むと、スギ林の中に延びる登山道がすぐに見つかる。スギ林の中は明るく、風が通る。道はつづら折に変わり、幅の狭い尾根を巻く。勾配がきつく地肌むき出しの道は滑りやすいため、ゆっくり上る。目指す山頂が、上っている尾根の右前方に見え隠れする。勾配は一度緩くなり、木の根が足元をはびこるブナ林コースになる。見通しはきかず、獣とばったり顔を合わせないか心配になる。道は右方に回り込みながら、変化に富んだ様相を見せる。木が低くなり、空を広く感じたら、山頂である。

南保富士 711.7m:イメージ1

山頂直下の朝日町、黒部市方面の扇状地は、若稲の緑に染まり、その先の富山湾は、太陽光を反射してきらめいている。山頂をそよぐ風が、ほてった体をクールダウンしてくれる。山に目を転じれば、朝日岳や毛勝三山のナイスビュー!と思いきや、今回は雲の中。山頂に立つのはお地蔵さんと三角点。誰の仕業か、お地蔵さんは帽子をかぶり涼しげに海を見つめている。その姿が面白くて、絵手紙の題材にする。そこで浮かんだのがサブタイトルの一句である。眺めを楽しみたいのだが、虫があまりにうるさくて、写真を撮ったら昼食摂らずに下山開始。さくさく下りて最後のスギ林の中を早足で歩いていると、カモシカが黙ってこちらを見ていてびっくりする。カメラを向けてもまったく動じない。のんびり屋なのか大胆なのか。

南保富士 711.7m:イメージ2

登山後のお楽しみは、温泉に限る。国道8号線を魚津方面に進み、小川温泉の案内板に従う。温泉への道は、朝日岳登山口への道でもある。ダムを左手にして急な上りのトンネルを過ぎれば、ホテルおがわの立派な建屋が見えてくる。ここ小川温泉の名物は、天然岩の露天風呂である。ホテルから400mほど上流に歩くと、男女別の露天風呂が設けられている。男湯は、天然岩のドームで半分ほど覆われており野趣満点。壁上部からはパイプで引かれた湯が流れ落ちて、鍾乳石を濡らしている。湯船から見える新緑を眺めながら、ぬるめの湯にいつまでも浸かっていたくなる初夏の午後であった。

-DATA-

場所:
富山県下新川郡朝日町
コースタイム:
登山口 (15分) 尾根 (30分) 山頂 (20分) 尾根 (30分) 登山口
交通:
国道8号線 横尾(西)交差点を小川温泉方面に曲がり、トンネルを通る。あとは道なりに進めば三峰グリーンランドに着く
駐車場:
三峰グリーンランドに駐車場あり。また登山道手前の二又路付近には、バックホーで拓かれたスペースがあり、数台駐車可能
トイレ:
三峰グリーンランドにあり
水場:
三峰グリーンランドにあり
登山上の注意点:
・林道はぬかるんでおり、登山口まで車を入れると汚れる。駐車場から歩くのが望ましい。山頂は虫がうるさい。スズメバチやミツバチなども見られたので、夏でも長袖で防護したい。
・登山口手前の道を左に進むと、七重の滝へと続く。その名の通り、滝が7段にわたって流れ落ちており、雪解けで水量が多い時期が見頃
温泉:
泉名/小川温泉、泉質/ナトリウム-塩化物泉、効能/神経痛、筋肉痛、冷え症、消化器病、飲泉/可(胃腸病、冷え症)、入浴料/日帰り300円(ホテルおがわにて受付)

高千穂峡

Jun.12, 2001 神話のふるさと

天孫降臨の伝説でも知られる宮崎県高千穂町。この町にある高千穂峡は、全国でもよき観光名所としても有名な場所。かつて阿蘇火山活動で溢出した溶岩流が侵食されて出来た渓谷で、昭和9年に五ヶ瀬川渓谷として、文部省より名勝・天然記念物にも指定されているとか。夏は涼・秋は紅葉、そんな四季折々の美しい姿を見ることのできるという渓谷を訪れてみることにした。

高千穂峡:イメージ1

この町は、ほとんど熊本の宮崎の県境に位置しており、熊本市内からでもおよそ2時間強で到着できる。熊本市内からは、まず国道266号線(通称・浜線バイパス)を御船・甲佐方面へ。途中から国道445号線へつながるのでそのまま直進するとよい。実は、このまま445号線を進んでもよいのだが、今回は途中の交差点(看板・甲佐方面)を左折し国道443号線へ進むことにした。この交差点の右には「御船警察署」が所在しているので、間違えることは少ないだろう。443号線を道なりに直進していると、一ヶ所左折する個所があるが、ここにも「甲佐方面」の看板が出ているので大丈夫。その後、約10キロほどで国道218号線とぶつかるのでこれを左折。あとは218号線を看板通りに進んでいくと、高千穂峡の看板が見えてくる。

高千穂峡:イメージ3 高千穂峡:イメージ2

この日は、梅雨の最中・しかも平日だというのにかなりの観光客で賑わっていた。ひとまず、駐車場へと車を入れた。ここは、車とバイクの駐車場が別々になっており、バイクの場合は無料で止めることができるのでお得。車から下りると、真っ先に涼しげな水の音と空気が迎えてくれ、思わず深呼吸したくなるような清々しさだ。到着したのがちょうどお昼時ということもあり、まずは中にあるお店で軽く食事をすることにした。水辺の近くで、外で食事ができるようにテーブルが用意されていたり、ラムネが冷やしてあったりとさすがに涼を感じる。流しソーメンも本格的で、店内の中央に大きな竹が2本用意されており、清流な水が惜しげもなく流されていた。

高千穂峡:イメージ4

軽く食事を済ませたあとは、食後の運動ということで、この峡のメインでもある「真名井の滝」を見物するべく、渓谷沿いの遊歩道を歩くことにした。遊歩道は、登り下りも多く、距離もあるので、スニーカーか歩きやすい靴をお勧めしたい。80メートルの断崖が約70キロに渡り続いているといわれる渓谷が、進むにつれて雄大で神秘的な姿が目の前に現れてくる。ふと下をみると、ボートが二艘ゆっくりと進んでいる。そうだった。ここでは、この渓谷の間をボートで見物できるように貸しボートが用意されているのだ。もちろん、真名井の滝の真下を通ることも出来るとあって、観光客にはかなりの人気。遊歩道からの景色もよいが、違った目線からこの渓谷を見てみるのも楽しいかもしれない。

高千穂峡:イメージ5

ちょうど中間地点辺りで遊歩道を引き返し、物産の店を覗いてみると、外には水で冷やされた美味しそうなトマトが「一個100円」で販売されていた。塩もちゃんと用意してあり、誘惑に負けて思わずカブリ。。。これぞ夏の風物詩といった絵になっただろうか??? さて、美味しいトマトも食べ終わり、お土産屋の前にある「淡水魚水族館」を覗いてみることにした。ここでは、五ヶ瀬川に生息する淡水魚を中心に、ブラジル・アフリカなどに生息する熱帯淡水魚などを見ることができる。(別途有料)

高千穂峡:イメージ6

約二時間ほどで一通り散策を終えたので、水辺の近くのベンチでしばしの休憩。ここで、水の音を聞きながらボーッしていると、現実とは違う世界にいるような気になるから不思議だ。もう少し遊んでいたかったが、帰りの時間を考えるとそうも言えず、重い腰を上げて帰途へ着くことにした。

ここには、ボート・遊歩道・水族館のほかに、釣堀も用意されている。池には鯉も放されており、エサをやったりと盛り沢山の遊びも満載で、秋には渓谷を覆うように、美しい紅葉も見ることができる。近くには、「ふれあい動物園」や「高千穂神社」「国見ヶ丘」「天岩戸神社・温泉」などの見所も点在している。

-DATA-

場所:
宮崎県西臼杵郡高千穂町
交通:
熊本:国道266号線→国道445号線→国道218号線
福岡:松橋IC→国道218号線
駐車場:
有り(P50台 一日500円)
バイクは別駐車場 無料
トイレ:
有り
水族館:
大人・高校生:300円(団体20人以上 250円)
小・中学生:200円(団体20人以上 150円)
開館時間:9:00~17:00
備考:
近くには宿泊施設もあり、一泊すると夜神楽も見物できるとか

焼走り(やけはしり)

Jun.10, 2001 岩手山中腹から3キロも続く溶岩流の痕跡

岩手県西根町にある焼走り溶岩流。その昔、岩手山が噴火した際、流れ出た溶岩流が冷えて固まった跡で、国の天然記念物にも指定されています。私がまだ中学生だった頃、飯盒炊爨しに行ったことがありましたが、思えばそれきり一度も行っていなかった。岩手山火山活動の活発化が報道される昨今、久々にあの異様な光景を眺めてみたくなって、車を飛ばしました。

焼走り(やけはしり):イメージ1 焼走り(やけはしり):イメージ2 

遠方の方は東北自動車道をご利用ください。西根ICで降り、国道282号線に入ります。そこからほんの数分、盛岡方向に車を走らせますと、右側に焼走りへと続く道路があるのですが、ちょっと入り口が分かりにくいかもしれませんね。すぐ近くに「道の駅 にしね」がありますので、そこで一服し、入り口を確認してから旅を続けてはいかがでしょうか。そこから直進、15分もしたところで目的地に到着です。

焼走り(やけはしり):イメージ4  焼走り(やけはしり):イメージ3 

周囲一帯は「岩手山焼走り国際交流村」として整備されており、交流プラザ焼走りの湯やキャンプ場、オートキャンプ場、岩手山銀河ステーション天文台、スノーモービルランドなど、数多くの施設が利用できます。さて私は、温泉館前の広い駐車場に車を止めまして、ともかくも溶岩流ウオッチング出発。駐車場のすぐ横が、溶岩流のただ中を歩いて行く自然観察路の入り口になっています。幅1.5メートルほどのチェーンで仕切られた中を歩いて行きますと、あたり一面は真っ黒な溶岩流。小さな気泡がたくさん空いていて、一見、お風呂で使う軽石のような感じかな?なんて思ったのですが、手に取ってみるとそこそこ重い。それが右手目前にそびえる岩手山中腹まで、はるかに続いています。道は平らにならされているとはいえ、やはり溶岩流。ゴツゴツとして歩きにくい。時おり足をくじきそうになりますので、用心が必要です。ハイヒールなんかじゃ、ちょっと無理ですね。あたりに何も遮るものが無いので、岩手山から吹き下りる風が、びゅうびゅう頬にあたります。駐車場のあたりでは盛んに聞こえていたセミの声も、ここではまったく聞こえません。殺伐たる風景の中をどんどん歩いていくと、一体この道がどこまで続いているのかと、少し不安になってきました。ですが20分ほどしたところで無事終点へ。そこには木製の展望台が組み上げられており、隣接するキャンプ場を訪れていた中学生たちが、かわるがわる上って、目前の景色を楽しんでいました。

焼走り(やけはしり):イメージ5 

帰りは溶岩流のほとりをぐるっと回る、別の(普通の)道が整備されていて、周囲の緑に親しみながら、元の駐車場前まで戻ってこれるようになっています。さて、本当は温泉にも入ってみたかったし、天体観測もしてみたかったのですが、今回は時間の都合でカット。ちょっと残念です。季節が夏本番になったら、ぜひキャンプがてら、もう一度訪れてみたいところです。

八幡平

Jun.10, 2001 岩手と秋田の真ん中で

岩手と秋田の丁度県境に位置する八幡平。頂上のすぐ近くまで車で行って、あとは楽しくハイキング登山。整備された散策路を歩きながら大自然を満喫できる、家族連れにおすすめのコースです。

八幡平:イメージ1

関東方面から行くならば、まずは東北自動車上を北上します。松尾八幡平ICで降りて、県道四十五号線を通り、八幡平アスピーテラインに。ここからは蛇行を繰り返しながらの上り道、走り進むにつれて外の景色が素晴らしくなっていく様には、きっと目を見張るはず。途中途中に、車を止めて楽しめる眺望をスペースがありますので、壮大な景色を眺めながら、休み休み登って行くのもいいかもしれません。アスピーテラインは、冬場は積雪のため通行できませんが、初夏の開通時には除雪された雪が、道の左右にうずたかく積み上げられます。ドライバーは雪のトンネルをくぐるようにしながら、車を走らせるのです。今回のレポートは六月のものですが、それでもまだ岩肌の所々に、雪渓が残っていました。雪避けのシェルターをいくつもくぐりながら、4、50分もすると頂上へ到着。ただし本当の頂上は、ここで車を降りて30分ほどハイキングしたところにあります。駐車場料金は普通車410円。ただし私のようなケチケチ星人を考慮してか、そこより手前百メートル程の所に、無料の駐車スペースもあります。百メートルほどの登山が苦にならないのならば、こちらに駐車するという手もあります。

八幡平:イメージ2 八幡平:イメージ3 八幡平:イメージ4

さてここからの景色もすばらしいのですが、せっかくここまで来たのですから、頂上を目指してトレッキングを楽しみましょう。整備された散策路を登って行きますと、広大な自然が待ち構えています。あたりはニッコウキスゲをはじめとする貴重な高山植物の宝庫。カッコウや鶯など、おなじみの鳥たちも涼やかな声で出迎えてくれます。二十分も歩いたところにある、見返り峠からの眺望は最高。眼下に八幡沼が、美しい姿を横たえています。そこから右手に折れ、沼を一時間ほどかけて回るコースもあるのですが、今回は別コースで頂上へ向かうことに。すると何と、六月初旬だというのに、目の前の散策路が雪で塞がれているではありませんか。これ以上を進めないのかな?とも思いましたが、よく見ると、ずらっと並んだ竹の棒の先に、赤い布きれがヒラヒラ。ああ、これを目印に歩いて行けばいいのだなと、気を取り直して歩を進めました(盛夏になれば立派登山道が表われているはずなのですが)やがて十分もしないうちに頂上へ。木製の展望台がありましたが、あいにくこの日は雲が多く、見晴らしはイマイチでした。晴れた日には岩手山や早池峰山、秋田駒ヶ岳などが四方に眺められるとのことです。ひと休みして、今度は別の道を通って帰ることにしました。エメラルド色に美しいガマ沼、鏡沼を眺めながら、20分ほどで元の駐車場へ。全体の時間にして小1時間ほどでしょうか。心地よい汗をかいた、お手軽トラッキングを楽しみました。

なお、この付近一帯は有名な温泉が数多くあります。山歩きの後は、お湯にのんびりとつかって、十分に疲れをとってから帰路についてはいかがでしょうか。

-DATA-

場所:
岩手県岩手郡松尾村
交通:
東北自動車道、松尾八幡平ICから県道四十五号線を通り、八幡平アスピーテライン頂上へ
駐車場:
有り(普通車410円)
トイレ:
有り
他設備:
レストハウス、食堂、売店、有り。
問い合わせ先:
岩手県松尾村 松尾八幡平観光協会 (0195)78-3500

逗子 サンコウチョウのすむ森と渓谷

Jun.09, 2001 森戸川-二子山

逗子 サンコウチョウのすむ森と渓谷:イメージ1

もうすぐ梅雨。森を抜け、海に注ぐ水の流れを感じてみたいと思い、葉山の森戸海岸につながる森戸川を、源流付近までさかのぼることにした。JR逗子駅からバスで約10分、長柄交差点バス停下車。住宅地を抜け、東へ向かう。道端には葉山町の重要文化財に指定されている庚申塔がある。御霊神社の前を通り、逗葉新道を越えてさらに東へ。河口付近の川に、ヨシが茂り、オイカワやウグイなどの魚の群れも見える。付近にはカワセミもいるそうだ。次第に、こんもりした常緑の山なみが迫ってきた。

逗子 サンコウチョウのすむ森と渓谷:イメージ2

山のふもとでは、今も畑や田んぼが耕作されている。小さな実が成り始めたナスやカボチャ、モンシロチョウの舞いを見ていると、こういうところで自給自足の生活も悪くないな、という気がしてくる。車止めの柵の脇にある歩行者用の入り口を抜けて、大山林道へ。道も川も、コンクリートで固められた場所はほとんど無くなる。平坦な道だが、蛇行を繰り返す川の流れを、間近に見ながら歩くことができる。水辺の森林の空気を吸いながら歩くと、体じゅうの細胞に酸素がしみ込んでいくようだ。

逗子 サンコウチョウのすむ森と渓谷:イメージ3

緑色に輝く小さな虫が、湿った土の上を軽やかに飛ぶ。「道教え」の異名をもつハンミョウだ。白い斑点をもつ虹色の背中に見とれていると、ギィーン、という機械音が聞こえてきた。行ってみると、林道に直交する巨大な高架橋が現れた。橋げた付近の山肌は切り崩され、表土がむき出している。道路が完成し交通量が増せば、騒音や排気ガスによる自然への影響は避けられないだろう。そのすぐ先のスギ木立の上では、青い小鳥、オオルリが高く澄んだ声でさえずっていた。

逗子 サンコウチョウのすむ森と渓谷:イメージ4

フィフィフィと、突然、深い声が森に響く。サンコウチョウだ。黒色で目の周りが青く、尾と頭の上の飾り羽が長く伸びる優雅な姿の鳥で、このあたりに営巣すると聞いたことはあったが、まさか出会えるとは思わなかった。「月日星」と早口でつぶやいた後、「ホイホイホイ」と歌う独特の鳴き声をもつ。双眼鏡を覗くと、土でつくられた握りこぶし大の巣が、つる植物に釣り下がるようにかかっているのが見えた。越冬地、東南アジアの森林伐採などの影響で減少が懸念されている鳥だが、ヒナは無事に巣立つだろうか。

逗子 サンコウチョウのすむ森と渓谷:イメージ5

広い林道の最奥部にある広間から、二子山を示す道標に沿い左手へ。ここから先は、濡れる覚悟が無ければ進めない。沢歩き用のシューズに履き替え、ひんやりした流れに足を浸す。くるぶしまで水につかる程度の渡渉を4回繰り返すと、5分ほどで、左へ登る道に出た。「もう川は終わりですか。」前を行く人に尋ねると、振り向いたのは白髪のアメリカ人。孫娘と2人で、毎週この森に来ているそうだ。何度も立ち止まっては息を整え、急な坂をゆっくりと登っていく。荒い息の向こうに、彼はどんな世界を見ているのだろう。

逗子 サンコウチョウのすむ森と渓谷:イメージ6

しばらく山道を行くと、広い林道にぶつかった。ここでも数人の欧米人とあいさつを交わす。池子の米軍住宅に住む人たちのようだ。同じ自然に抱かれて、笑い合うことのできる平和が続くことを願う。道標に沿って、KDDの中継施設を経て二子山の「上の山」へ。標高207.9mの頂上には展望台が立ち、東京湾の追浜付近や逗子の山並みを見渡すことができる。明るい草原の向こうに海と山とを見下ろしながら、弁当をつついた。この先、「下の山」に向かっても良いのだが、今回は道を戻り、東逗子の駅に出ることにする。

逗子 サンコウチョウのすむ森と渓谷:イメージ7

なだらかな山道を降りる。両脇に並ぶ大きなサクラの木は、昔、薪や炭をとるために植えられたようだ。1970年代までは、茅葺き屋根に使うススキの原もあったという。前日の雨の影響で足元はぬかるみ、滑りやすい。大きなシダの茂る道を下り、二子山から1時間ほどで、沼間小学校そばの車道に出た。北に向かえば10分ほどでJR東逗子駅に到着する。水を蓄える山から川の源流、河口付近に至るまで、三浦半島随一のまとまった自然が残る森戸川。変化に富んだ深い森を守る意味を、森の宝石、サンコウチョウが教えてくれた。

-DATA-

場所:
神奈川県逗子市
交通:
JR逗子駅よりバス→長柄交差点バス停下車
コース:
長柄交差点(徒歩30分)→川久保交差点(徒歩20分)→逗葉林道(徒歩60分)森戸川渡渉(徒歩60分)→二子山:上の山(徒歩80分)→JR東逗子駅
駐車場:
無し
トイレ:
JR逗子駅、東逗子駅にあるが、その間コース上には無し
参考文献:
岸由二『いるか丘陵の自然観察ガイド』山と渓谷社、1997
神奈川県『かながわの探鳥地50選』、1993

ミズバショウの尾瀬ヶ原

Jun.08, 2001 尾瀬の代表的な花の時期を訪ねる

ミズバショウの尾瀬ヶ原:イメージ1

尾瀬と聞いてほとんどの方が思い浮かべるのはミズバショウであろう。”夏が来れば思い出す・・・”の歌い出しで始まる「夏の思い出」の印象や、尾瀬の観光ポスターが至仏山を背景としたミズバショウの写真が多いこともあるようだ。ミズバショウ(水芭蕉)は主に中部地方以北の日本海側に分布しているが、やせた土壌や気候のため、尾瀬のミズバショウは葉が大きくならず、花が特に美しいという特徴があるらしい。今年もほぼ例年と同じ時期にミズバショウが見頃になっていると聞いて出かけた。

ミズバショウの尾瀬ヶ原:イメージ2

今回は日帰りで行くこととした。夜行バスで東京を出発すれば、5時頃のまだ暗い時間に鳩待峠に到着し、尾瀬ヶ原を歩く時間を多く取ることが出来るが、夜行バスは慣れないと良く眠れないことがある。今回は朝自宅を出て、いつもは暗い中を歩いている鳩待峠から山の鼻を明るい時間に歩くことで、新たな発見があった。鳩待峠を出発して入山者カウンターを通り歩き始めると、道端に白い小さな花を付けたサンカヨウや、3つの花びらが印象的なエンレイソウが咲いていた。ミズナラやブナの樹林が続き、所々にムラサキヤシオツツジや白いアジサイに似たムシカリが咲いていて明るい気分にさせてくれる。階段や木道が整備された道を降りていくと、道の脇に黄色のスミレの仲間が咲いている。道が緩やかになってくると、小さな群落のミズバショウがある。更にその先には花を咲かせ始めたばかりの紫色のシラネアオイがあった。川上川の橋を渡ると、左側に白いニリンソウが小さな群落を作っている。

ミズバショウの尾瀬ヶ原:イメージ3

ほんのりピンク色のミネザクラが咲く林を抜けると、すぐ山の鼻に着く。山の鼻ビジターセンターと山小屋が3軒有る。山の鼻の広場から左へ木道をたどると、尾瀬植物研究見本園がある。至仏山が間近に見え、湿原は枯れ野原のように見えるが、足元にはタテヤマリンドウが小さな花を付け、更に進むと水の流れに沿ってミズバショウが群落を作っている。木道は見本園を周回できるように付けられており、短い周回コースと長い周回コースがある。短い周回コースには木道の間近に黄色のリュウキンカやミズバショウが多い。また木道は人が歩きやすいように付けられているのではなく、湿原と湿原の植物を保護するためにあることを忘れないようにしたい。木道からはずれて湿原に足を踏み入れることが無いようにしたい。この時期に湿原の土が見えていても、夏になればニッコウキスゲやヒオウギアヤメなどが花を咲かせるのだ。

ミズバショウの尾瀬ヶ原:イメージ4

山の鼻の広場に戻り、いよいよ尾瀬ヶ原に入っていく。ここから竜宮十字路まではほぼ平らな木道が続く。燧ヶ岳の方向へ歩いていくことになる。小さな流れに沿ってミズバショウが咲いているが、その他の湿原の大部分は土が見えていて、ここが緑に覆われるのは1ヶ月くらい後である。歩むにつれて両側の湿原の幅が広くなっていき、池塘(ちとう)と呼ばれる湿原独特の池が増えてくる。右に小高い牛首と呼ばれる丘が近付いてきて、川を渡る。川の縁にはミズバショウが咲いており、水中で花を開いているものもある。まもなく牛首三叉路である。ここを直進して竜宮方面へ向かう。湿原の幅が広くなり、湿原の中にポツリポツリと白樺の木立が見える。2本の木道の間などでミツガシワが白い花を咲かせている。高くなっている下ノ大堀川の橋を渡ると、左に道が分岐しているのでそちらへ行くと、2つに分かれた川に挟まれた洲に、ミズバショウやリュウキンカが咲き、歩いてきた道を振り返る方向に雪を残している至仏山が見える。ポスターなどでおなじみの、この時季を代表する尾瀬の風景である。元の木道へ戻り、さらに東へ向かう。左の少し低いところにミツガシワの群落があり、さらにその先の竜宮十字路手前では右側にリュウキンカの群落があって、湿原を黄色に染めている。日帰りなら、竜宮十字路かすぐ近くの竜宮小屋でお昼にすると良いだろう。そして来た道を、至仏山方面へ戻ろう。もちろん、日程に余裕が有れば竜宮小屋や、その先の見晴、または北にある東電小屋に泊まって尾瀬ヶ原をゆっくり楽しんでも良いし、尾瀬沼へ足を延ばしても良いだろう。

ミズバショウの尾瀬ヶ原:イメージ5

7 月に歩いたときの尾瀬ヶ原のレポートと読み比べていただけると、判ると思うが、同じ場所でも時期によって咲く花が異なり、受ける印象も異なったものになる。ミズバショウで本格的なトレッキングのシーズンを幕開けする尾瀬は、6月下旬や7月上旬のワタスゲの果穂・レンゲツツジ、7月中旬から下旬のニッコウキスゲ、9月中旬のミヤマトリカブト、エゾリンドウなどまで花が絶えない。秋のクサモミジ、木々の紅葉まで歩く楽しみは多い。また花の見頃はその年の積雪量、気候によりずれることがあるので、観光協会や団体・個人のホームページで情報収集して計画を立てると良いと思う。

写真は上から、研究見本園のミズバショウ群落、ムラサキヤシオツツジ、木道とリュウキンカ・ミズバショウ、下の大堀川ミズバショウ群落、ミツガシワ、ミズバショウ

-DATA-

場所:
群馬県利根郡片品村
タイム:
計5時間30分 鳩待峠-山の鼻:1時間 山の鼻-牛首三叉路:50分 牛首三叉路-竜宮十字路:40分 竜宮十字路-牛首三叉路:40分 牛首三叉路-山の鼻:50分 山の鼻-鳩待峠:1時間30分 (休憩、食事の時間は含んでいないのでご注意下さい)
鉄道・バス:
1.池袋・新宿などから出る夜行バスの鳩待峠行きで入る。
2.東京、上野、大宮などから上越・長野新幹線で高崎下車、上越線に乗り換え沼田下車、大清水行きのバスにて戸倉下車、マイクロバスもしくはタクシーで鳩待峠へ。
車:
関越自動車道を沼田ICで降り、国道120号を北上、戸倉へ向かう。
駐車場:
並木駐車場(250台)尾瀬戸倉スキー駐車場(900台) 両者とも有料
トイレ:
鳩待峠、山の鼻、竜宮小屋横に有り
自動販売機:
鳩待峠のみ、山小屋に売店有り
水場:
各山小屋に有り
携帯電話:
鳩待峠まで通話可能。2001年秋より尾瀬ヶ原でもi-modeのみ非常時に通話可能になる予定。

鎌倉・横浜 いるか丘陵を歩く

Jun.03, 2001 明王院-横浜自然観察の森

鎌倉・横浜 いるか丘陵を歩く:イメージ1

「いるか丘陵」と呼ばれる場所がある。高尾山の東、町田市から、三浦半島の先端まで続く緑地を、上空から見てイルカになぞらえたものだ。慶応大学の岸由二教授の提唱で、各地の自然保護団体が、手を携えて活動している。鎌倉の天園周辺の森は、イルカのしっぽの部分にあたると聞き、尾根をつたって横浜自然観察の森まで歩いてみることにした。まずは天園へ向かう。瑞泉寺から上る道もあるが、今回は静かな十二所からのコースをとろうとJR鎌倉駅からバスに乗り、泉水橋で下車した。

鎌倉・横浜 いるか丘陵を歩く:イメージ2

金沢街道をバスの進行方向へ歩き、緩やかに曲がって明王院の道標に従い左折する。橋を渡り、材を左右と天に組んだ冠木門(かぶきもん)をくぐると、わらぶき屋根の本堂が見えてくる。素朴さのなかにも凛とした空気が漂う明王院は、4代将軍頼経の創建で、「鬼門厄除け不動」とも呼ばれている。門を再び出て、明王院の角に沿い左折する。脇に竹が茂る石畳の道から、左手の細い石段へ入る。湿った斜面では、イワタバコの赤紫の花がうつむき加減に咲いている。ジグザグと足場の悪い道を登った後、尾根に出る。

鎌倉・横浜 いるか丘陵を歩く:イメージ3

しばらく登り、分岐を右手にとると、柵で囲まれた石造りの祠がある。コースは右手の道を行くが、寄り道をして左手の道を少し登ると、丘の上に七層の鎌倉石の塔がある。大江広元の墓といわれるものだ。今は森の木陰にひっそりと立っているが、当時の大江広元邸を南に見下ろす場所に建てられたようだ。いったん祠まで戻り、今度は右手へ向かう。樹林に囲まれた尾根道を進むと、瑞泉寺から伸びる天園ハイキングコースと合流した。分岐の道標に従い、天園方面へ。

鎌倉・横浜 いるか丘陵を歩く:イメージ4

天園を経て、北方の金沢八景方面に進む。鎌倉霊園の脇を抜けて15分ほど行くと、広間に出て西方に視界が開けた。大きな看板に、円海山(えんかいさん)緑地のハイキングコース地図が描かれている。道は、瀬上市民の森や金沢市民の森など様々な場所に通じているため、何日かに分けて踏破するのもいいだろう。円海山緑地は、冒頭に述べた、いるか丘陵でいえば背中の部分にあたる約200haの森だ。港南区、磯子区、金沢区、栄区にまたがる緑地で、市が民有地を借り上げ、整備している。

鎌倉・横浜 いるか丘陵を歩く:イメージ5

地図に沿って北上し、横浜自然観察の森へ到着した。身近な自然とのふれあいの場として、横浜市が1986年にオープンしたところだ。約45haの園内には雑木林の丘陵、草地、湿地、砂地など多様な自然環境がある。まずは園内南端の自然観察センターへ向かう。館内では、現在見られる生きものの情報や、全国から集まる自然保護団体の会報、ホタルの観察会や森林ボランティアなどのイベント情報も閲覧できる。センターで園内の地図を手に入れ、一休みして、園内の散策に出発した。

鎌倉・横浜 いるか丘陵を歩く:イメージ6

ヘイケボタルがいるという湿地のそばの木道を歩くと、もうシオカラトンボが羽化していた。ミズキの道を抜け、バッタのはねる広場に出る。現在、薪や炭が使われなくなり、人と森との関わりが減って、森に遷移が進み、極相の常緑樹の森が増えている。草原や湿地の環境を守るには、下草刈りや間伐といった定期的な作業も必要だ。ここでは運営委託先の(財)日本野鳥の会が、市民ボランティアとともに生物調査や自然環境の整備を行っている。生きものとふれあい、楽しみながら環境保全活動に参加できる貴重な場だ。

鎌倉・横浜 いるか丘陵を歩く:イメージ7

せせらぎにかかる木道では虹色のハンミョウに出会い、池でカワセミを見ることもできた。園内は北側3分の1が野生生物のための保護区となっており、タヌキやノウサギ、イタチなどもすんでいるという。このあたりの動物たちが、森の回廊を通じて移動し、すみかとできる環境があれば、いるか丘陵一帯に、森の豊かさは広がっていくだろう。これまで続けられてきた「緑」を残す活動の次に目指すべき目標は、市民が楽しみながら、様々な野生生物のすむ環境を保全し、自然の質を高めていくことなのかもしれない。

-DATA-

場所:
神奈川県鎌倉市・横浜市
交通:
JR鎌倉駅よりバス(金沢八景駅、太刀洗、ハイランド行)泉水橋下車
コース:
泉水橋バス停下車(徒歩20分)→天園ハイキングコース(徒歩20分)→天園(徒歩30分)→横浜自然観察の森(徒歩約8分)→横浜霊園前バス停(バス)→大船駅または金沢八景駅
駐車場:
無し
トイレ:
鎌倉駅、横浜自然観察の森にあり
参考文献:
岸由二『いるか丘陵の自然観察ガイド』山と渓谷社、1997
御所見直好著『誰も知らない鎌倉路』集英社、1983
浄明寺太郎著『かまくらなんでもガイド』金園社

黒姫山 2053m

Jun.03, 2001 山椒魚の卵が見れる黒姫山

黒姫山 2053m:イメージ1

長野県の北信地方に北信五岳と呼ばれる山がある。斑尾山、妙高山、黒姫山、戸隠山、飯綱山、略して「まみくとい」。黒姫山は北信五岳の中心に位置し、山頂付近の大池では山椒魚が観察できる。登山道の脇には湿地帯と池が多く存在し、自然探査、山菜を目的とした人達も大勢いる。この付近の山々ではネマガリダケが多く見られ、食用として採取する人もいるが、戸隠村ではネマガリダケを県指定伝統的工芸品竹篭材料として、タケノコ取りの採取を禁止しているので注意したい。

黒姫山 2053m:イメージ2

上信越自動車道、長野ICより国道18号線、善光寺を経由して戸隠バードラインより戸隠村に進み、戸隠村と信濃町の境を流れる鳥居川の堰堤横に車を停める。駐車場から大橋林道を歩くコースが一般的だが、300mほど信濃町側にある種池登山口から黒姫山を目指す。登山口から10分ほど歩いた場所に種池がある。蛙の鳴き声が聞こえる種池は、流出口と湧水が無い池で、雨乞い用の水として古くから利用されていた。途中、ザックにタケノコをいっぱい詰め込んだ人達とすれ違いながら古池に到着。古池の湿地帯では、山菜取りをしている人達を見かける。何を採取しているのか分からないが、池を右周りに歩くと再び登山道が見えてくる。

黒姫山 2053m:イメージ3

大ダルミの分岐に至る途中で、本に載っているよな沢を見つけた。水が絶える事なく流れ続けている証拠に、苔も綺麗に生えている。気分はプロカメラマン。ちょっと遊んでシャッターを切ってみる。大ダルミの分岐で、大橋林道を歩いてきた人達と合流して黒姫山を目指す。大ダルミ、大池方面に間違ぬように新道を進み、背丈以上のネマガリダケの間を歩きながら「しらたま平」に到着した。歩いてきた道のりを確認できる場所で、古池、種池、飯綱山、戸隠山が見える。黒姫山と小黒姫山の間には、山椒魚が住む大池が見える。大池には帰りに立ち寄る事にして、最後の登りを一気に登り始めた。

黒姫山 2053m:イメージ4

それほど広くない山頂に、15人ほどの登山者がいる。ネマガリタケを鰹節と醤油で味付けしながらラーメンの準備を始めた人と世間話が始った。器用にナイフを使いながらネマガリダケを剥いているおじさんは、山頂付近で採取したネマガリダケを食べている。とってもおいしそうだ。山頂で、しばらく話をしてたが、周辺の雲行も怪しくなり早目に大池経由で下山する。稜線から大池の分岐を下り、雪に残された足跡を辿って歩き始める。しかし、周りにいた団体と共に道に迷ってしまい、登山道を探しながら大池の目の前に到着した。

黒姫山 2053m:イメージ5

山椒魚の卵を捜しながら池を半周すると、白い怪しげな物が見えてくる。静かに白い物を観察すると、山椒魚の姿も確認でき、息継ぎの為に10cm前後の山椒魚が水面下までやってきてUターンする。山椒魚とは不思議な生き物だ。きっと1mを越すような池の主が何処かに居るかもしれない。

黒姫山 2053m:イメージ6

目的の山椒魚も見れたので大ダルミを目指して下山する。所々にある目印と足跡を捜しながら雪の上をウロウロし、再び道に迷う。整備がされていない登山道は何処を歩いて良いのか分からず、後を追いかけてくる団体も同じような事をしていた。大池から天狗岩まで道なき道を歩き、天狗岩を超えれば普通の登山道となる。笹ヶ峰への分岐を通り過ぎ、大ダルミの湿地帯まで20分。大ダルミは見落としやすい場所にあるので、注意深く捜してみよう。ここを通り過ぎれば大ダルミの分岐に戻れる。そして大橋林道を下っていけば大橋の駐車場に到着する。

黒姫山 2053m:イメージ7

黒姫山の大池周辺は登山道が荒れている。山椒魚が見たい為に大池から駐車場に戻ったが、来た道を戻ったほうが正解だろう。

-DATA-

名前:
黒姫山
場所:
長野県上水内郡信濃町
コースタイム:
種池登山口~古池 20分
古池~大ダルミ分岐 70分
大ダルミ分岐~山頂 90分
交通:
上信越自動車道 長野ICより国道18号線、善光寺、戸隠バードライン、を経由して戸隠村と信濃町の境にある大橋の駐車場に停める。
駐車場:
大橋林道入口20台 種池登山口 3台
トイレ:
無し
問合せ:
信濃町観光協会
電話:
026-255-3114
URL:
http://www.shinano-machi.com/

釈迦ヶ岳

Jun.03, 2001 新緑が眩しい尾根歩きと大峰随一の展望

釈迦ヶ岳は標高1799.6m。大峰山脈の中央部に位置し、東の大台ヶ原から眺めると急角度で立ち上がるピラミッド型の端正な山容を見せる。山頂には一等三角点が置かれ、大峰山脈のほぼ全容を見渡せる素晴らしい展望が広がる。展望の良さは大峰随一と言えるだろう。初夏の頃はシロヤシオツツジが咲き乱れる花の山でもある。かつては東側の前鬼から登るのが一般的だったが、近年西側の旭口からのルートがよく整備され、林道利用で大幅に時間を短縮できることから人気を集めている。このルートは自然林の尾根歩きが大変気持ちよく、初心者にも安心して楽しめるコースとなっている。

マイカーでのアプローチは国道168号線の旭橋の手前を左折し、旭ダムを過ぎてさらに奥の不動小屋谷林道へ進む。「釈迦ヶ岳」の標識があるので迷うことはない。途中地道の部分もあるが、上の方は立派な舗装路になっていて走りやすい。登山口は2ヶ所あって、最初に「釈迦ヶ岳登山口」の標識が立っているところは古くからの登山口である。もう一つは林道を尾根まで登ったところにある峠の登山口である。こちらは近年林道が延長されたために利用者が多くなった。もちろんどちらから登ってもいずれ合流するが、峠の登山口の方が標高が高い分、少し楽である。今回はこちらから登ることにした。

釈迦ヶ岳:イメージ1

切り通しの峠から登山道に入るとすぐ背丈ほどある熊笹に覆われ、少々鬱陶しい道である。10分も歩けば熊笹の中を抜けて少し急な登りとなってくる。このあたりシャクナゲの木が多いが、残念ながらもう花はほとんど終わりかけていた。もう少し登ればやや広い尾根状となってカエデやブナの自然林が多くなり、シロヤシオが満開の花をつけていた。このあたりから遠方に大日岳の尖峰がちらっと見える場所があり、槍ヶ岳のような特異な姿に驚くだろう。あともう少しで下の登山口からの道と合流する。

釈迦ヶ岳:イメージ2

合流点を過ぎると広く開放的な尾根道となり、実に気分良く歩ける。空は青く澄み渡り、初夏の清々しい空気に心が洗われる思いがする。特に右側の展望が良く、大日岳の尖峰がちらちらと見え隠れする。カエデの新緑は今が一番美しく、足元には鮮やかなグリーンのコバイケイソウや背の低い笹が埋め尽くしている。勾配も大変ゆるやかで自然とピッチも上がる。20分も登るとやがて正面に釈迦ヶ岳のピークが姿を現してくる。ここから見るとまだずいぶん上に見える。そしてコバイケイソウが生い茂るやや急な斜面を登りつめたところが古田の森と呼ばれるピークである。ここから道はやや下りとなり、鞍部の手前からは右手に釈迦ヶ岳の山頂が大きく見える。黒々とした針葉樹の中にポツポツと落葉樹の新緑が混じっている姿は印象的である。鞍部からはいよいよ急な登りとなり、千丈平と呼ばれる広場に着く。

釈迦ヶ岳:イメージ3

千丈平には水場もあり、キャンプ地として好適である。そのためテント張り用の木の床なども造られている。ここから先、道が二手に分かれるのでちょっと注意が必要である。右へ下っていく道は深仙宿へ至る道で、こちらに入ってはいけない。左へ登っていく道が山頂へ向かう道である。しかし右の道の方がはっきりしているので間違える人が多い。ここからの登りはかなり急で、全コース中で唯一の登りらしい登りである。だがそれも10分ほどの辛抱だ。一気に登りつめると南の深仙宿からの道と合流して直角に左折し、笹の茂る中を山頂へ向かって登っていく。合流点に標識もあるが、あと10分足らずだ。このあたりからシロヤシオの木が多くなるが、今年は開花が遅れていてまだちょっと早かったようだ。ほどなく人の話し声が聞こえてきて、たくさんの登山者で賑わう山頂に飛び出した。

釈迦ヶ岳:イメージ4

山頂には山名の由来となった青銅の釈迦如来像が青空に向かって優しい微笑みを浮かべている。十津川村の強力がたった一人で担ぎ上げたと言われ、多くの人々の信仰を集めている。お釈迦様の前では般若心経の読経が絶えない。時々白装束の行者さんも訪れる。ここからの展望はまさに360度遮るもののない大パノラマを楽しめる。近くには孔雀岳・仏生ヶ岳から八経ヶ岳へと続く大峰山脈の核心部を手に取るように眺められる。東には大台ヶ原を中心とする台高山脈、南には笠捨山・玉置山へと続く南部大峰の山々が幾重にも重なって続いている。さらに遠く五條の街並みまでうっすらと見える。山頂にはシロヤシオの木がたくさんあるが、残念ながらまだほとんど蕾のようだ。

釈迦ヶ岳:イメージ5

帰りは同じ道を引き返す。少し標高が下がるとシロヤシオも咲いているので写真を撮りながら下る。今日は6月とは思えない素晴らしい快晴であった。帰り道、大塔村の温泉「夢の湯」で汗を流して帰る。

-DATA-

場所:
奈良県吉野郡十津川村
交通:
国道168号線「旭橋」の手前を左折し、旭ダムを経て不動小屋谷林道へ。
駐車場:
峠の登山口に10台くらいの駐車スペースあり。その下の釈迦ヶ岳登山口にも駐車場あり。
トイレ:
登山口付近にはなし。旭ダムにトイレあり。
タイム:
峠の登山口=0:35=太尾分岐=0:55=千丈平=0:20=釈迦ヶ岳=0:20=千丈平=0:50=太尾分岐=0:35=峠の登山口(上り1:50、下り1:45)

千手ヶ浜・小田代原

Jun.02, 2001 クリンソウの千手ヶ浜と新緑の小田代原

千手ヶ浜・小田代原:イメージ1

千手ヶ浜は、奥日光の中禅寺湖の一番奥にあり、クリンソウの群落で知られる。また、小田代原は戦場ヶ原の奥にあるというとわかりやすいと思う。小田代原はカラマツ、ブナなどの木々に囲まれた湿原で7月頃にニッコウアザミが咲くことで知られる。この付近は、低公害バスか徒歩で入るかしかルートが無く、静かに自然を楽しむことが出来るところである。「秋の奥日光」「竜頭滝」のレポートでも奥日光周辺を紹介しているが、今回紹介するのはそれらより西側の地域になる。

千手ヶ浜・小田代原:イメージ2

千手ヶ浜・小田代原スタート地点の赤沼に152台駐車可能な駐車場があるが、ここに止める人は釣りやトレッキングを楽しむ人なので、ほぼ1日止める人が多く、かつ朝早い人が多いので、朝早く到着できる人以外は鉄道・バスの利用が勧められる。湯元温泉行きバスに乗り込む。バスは、日光市街を抜け、いろは坂を登って、左手に中禅寺湖を眺めて進み、竜頭滝の近くを過ぎると、まもなく赤沼に到着する。バスを降りて、国道120号を渡ると、売店があって、売店に向かって左側の道を少し行くと、右側に駐車場があって、そこに千手ヶ浜行きのバス停がある。このバスは小田代原を経て、千手ヶ浜まで一般車通行禁止の道路を走っており、環境を守るために電気バスを走らせている。(一部の車両は電気とガソリンのハイブリットバス)休日なら1時間に2本、平日は1時間に1本程度運行している。バス停には簡単なトレッキング・マップが載っている「自然体験ガイド」のパンフレットがあるのでもらっておくと良いだろう。バスに乗ると、国道120号を少し南へ戻り、左に曲がって一般車通行禁止の道路へ入る。白樺の林が続き、林床には笹が生い茂っている。ほぼ平らな道が続き、すこしアップダウンした約 10分の乗車で右側が開け、湿原が現れる。小田代原である。こちらは後で訪れることとして、そのままバスで終点の千手ヶ浜まで行くことにする。さっきより大きいアップダウンがあって、道は川沿いに下っていく。バスが西ノ湖入口を過ぎると、白樺などの林が広がる中、所々に赤い花の群落がある。それがこれから見に行こうとしているクリンソウである。

千手ヶ浜・小田代原:イメージ3

終点の千手ヶ浜バス停でバスを降りると、バス停前の川沿いにクリンソウが小さな群落を作っている。ロープが張られたりといった保護がされていないが、群落の近くにはまだ花を付けていないクリンソウの小さな株があるので、遠くから見るだけにしよう。ここから少し歩くと大きなクリンソウの群落を見ることが出来るのだ。舗装された道がバスが進んできた方向の東方向へ続いているのでこの道を歩いていく。5分ほどで中禅寺湖の湖畔に出る。白い砂浜があり、湖畔の新緑が綺麗だ。湖の向こう側に男体山が大きくそびえている。湖畔に沿って右へ道が続いている。橋を二つ渡って歩いていくと、右側に赤い花の群落が見えてくる。クリンソウの群落である。個人宅の庭らしいが、花をシカが食べないようにネットで敷地全体を囲んでいる。入口にネットの維持をするための募金箱があるので、自分の適切であると思う額を入れよう。ネットをくぐって入った右側は、びっしりと花が連なり、またバス停付近では赤が中心だったが、ここでは赤、ピンク、白、色が混じったものなど、色さまざまだ。また一部ではクリンソウの親戚に当たるサクラソウがピンクの花を咲かせている。ここは個人宅の敷地内なので、注意書きにもあるように通路以外には入らないようにしよう。花を楽しんだら来た道を千手ヶ浜バス停まで戻る。赤沼行きのバスで先程通過した小田代原へ向かう。歩くこともできるが、峠を越えての1時間30分の歩きとなる。小田代原バス停で降りたら、目の前に広がる小田代原を歩いてみよう。一周50分ほどの遊歩道がある。その外側にはシカの侵入を防ぐフェンスがある。異常に増えすぎてしまったシカが木の皮や高山植物を食べてしまうことを防ぐためのフェンスである。小田代原で花を咲かせるのはニッコウアザミ、ハクサンフウロなどだが、まだこの時期には見ることが出来なかったが、白樺などの木々の新緑の中を歩くのは気持ちがいい。

千手ヶ浜・小田代原:イメージ4

小田代原から出発点の赤沼まで歩くと約40分であり、余裕があれば歩いても良いし、小田代原バス停からバスで戻っても良い。今回はクリンソウの咲く時期に合わせて歩いたが、次回は小田代原の花が咲く7月から8月頃にも来たいものだ。また、今回の木々の新緑も良かったが、秋も見事な紅葉を見せてくれると思われた。

写真は上から、千手ヶ浜クリンソウ群落、クリンソウ、千手ヶ浜から中禅寺湖と男体山、小田代原の貴婦人と呼ばれる白樺、小田代原の林

-DATA-

場所:
栃木県日光市
タイム:
計2時間20分 赤沼車庫(千手ヶ浜行きバスに乗車-所要30分)千手ヶ浜バス停(15分)千手ヶ浜クリンソウ自生地(15分)千手ヶ浜バス停(赤沼車庫行きバスに乗車-所要18分)小田代原バス停 小田代原一周50分(赤沼車庫行きバスに乗車-所要12分)赤沼
鉄道・バス:
東武日光線・東武日光駅、JR日光駅から湯元温泉行きバス、赤沼下車
車:
東北道宇都宮ICから日光宇都宮道路に入り、国道120号、いろは坂を経由
駐車場:
赤沼駐車場152台、駐車台数が限られるので鉄道・バスの利用が勧められる
トイレ:
赤沼バス停、千手ヶ浜バス停、小田代原バス停
自動販売機:
赤沼バス停
携帯電話:
圏外の地域が多い
公衆電話:
赤沼バス停

竜頭滝

Jun.02, 2001 ミツバツツジの竜頭滝から戦場ヶ原を訪ねる

竜頭滝:イメージ1

奥日光は、6月から8月にかけて、あちこちでさまざまな花が咲き、豊かな自然を感じさせてくれる。5月下旬から6月上旬にピンク色のトウゴクミツバツツジが花を咲かせる竜頭滝(りゅうずのたき)を訪ねることにした。秋の奥日光のレポートでも奥日光周辺を紹介しているが、そのとき紹介したルートを逆向きに登っていくコースで行くことにした。

竜頭滝:イメージ2

いろは坂を登って、中禅寺湖の奥、竜頭滝から歩き始める。周辺の駐車場が狭く、よほど朝早く出かけないと駐車できないので、鉄道・バスの利用が勧められる。竜頭滝バス停から国道を渡って、茶店に向かうと、竜頭滝の正面に出る。長さ300mにも及ぶ長い滝で、下の方は二筋に分かれている。新緑が目にまぶしく、滝の流れの近くには、トウゴクミツバツツジがピンク色の花を付けている。また、茶店では、お団子やソバ、おぞうにを食べながら滝の眺めを楽しむことが出来る。茶店の右側から、滝の右を歩いていくことが出来る。滝の途中でもトウゴクミツバツツジのピンク色や白の花が、滝の両側に咲いている。滝の上の方は幅が広くなっている。滝の始まりの所で国道120号とぶつかる。橋の上から竜頭滝を振り返ると、滝の両側にトウゴクミツバツツジが咲き、滝の向こう側に中禅寺湖を眺めることが出来る。

竜頭滝:イメージ3

国道120号を渡って川の右側を上流へと歩いていく。笹が地面をおおった林が続き、川の近くの所々にヤシオツツジの赤紫色の花が見える。舗装されたバス専用道路を石楠花橋の横で横切る。さらに笹の多い林の中を歩いていくと、赤沼分岐の三叉路になる。道標に従って、左へ入り、小さな橋を渡ると戦場ヶ原方面である。ズミが白い花を咲かせている。左側に湯川を見ながら進むが、川では釣りを楽しむ人が多い。しばらく行くと右側に戦場ヶ原の乾燥の進んだ湿原が見えるようになる。ポツンポツンとワタスゲが白い果穂を付け、右斜め後ろを振り返ると、男体山が大きい。戦場ヶ原は6月から8月にかけて花の季節を迎えるが、まだ 6月の頭では咲いている花が少ない。湯川に沿って、戦場ヶ原の西縁の遊歩道を北へ歩いていき、青木橋を渡ってしばらく行くと三叉路に出る。左に行くと小田代原だが、直進して泉門池の横を行く。小田代橋を渡り、三叉路を右へ行き、木道を通ると、間もなく国道120号に出る。南へ少し下ると光徳入口バス停があるので、ここから帰りのバスに乗ろう。車で来ている場合は、竜頭滝バス停までバスに乗ればよい。車窓から男体山、そして中禅寺湖、いろは坂のながめを楽しみながらの帰りとなる。

竜頭滝:イメージ4

竜頭滝にトウゴクミツバツツジが咲く時期というのは、初めて来たが、この地域は季節ごとに印象がまったく違く感じる。同じ滝だし、水量が変わったわけでもないのだが、明るい花の色のせいか、やさしく流れているようだ。もちろん、戦場ヶ原の印象も秋とは異なる。季節が変わっても、変わらないのは奥日光が気軽に自然に触れることのできる所だということだろうか。

写真は上から、竜頭滝、トウゴクミツバツツジと竜頭滝(2枚)、ズミの花、戦場ヶ原と男体山

-DATA-

場所:
栃木県日光市
タイム:
計1時間55分
竜頭滝バス停(15分)竜頭滝上(15分)石楠花橋(15分)赤沼分岐(30分)青木橋(15分)小田代橋(25分)光徳入口バス停
鉄道・バス:
東武日光線・東武日光駅、JR日光駅から湯元温泉行きバス、竜頭滝下車
車:
東北道宇都宮ICから日光宇都宮道路に入り、国道120号、いろは坂を経由
駐車場:
竜頭滝の周辺に3箇所計50台、駐車台数が限られるので鉄道・バスの利用が勧められる
トイレ:
竜頭滝
自動販売機:
竜頭滝
携帯電話:
圏外の地域が多い、竜頭滝付近は通話可
公衆電話:
竜頭滝

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