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鎌倉 桜吹雪の源氏山へ

Apr.13, 2001 裏大仏ハイキングコース

鎌倉 桜吹雪の源氏山へ:イメージ1

サクラの花びらが舞う季節になった。散りゆく花を惜しみに、裏大仏ハイキングコースを通り源氏山公園へ行くことにする。まずは長谷大仏のある寺、高徳院へ。江ノ電の長谷駅から大仏までの500mほどの道には、観音像のある長谷寺や花のあふれる光則寺などの見どころがある。高徳院の門をくぐると、総高 11.5mの、青銅色の大仏が迎えてくれる。大仏の鋳造は建長4年(1252)年に始まったとされるが、完成時期や原形作者などもあきらかでない。もとは堂内にまつられていたが、明応4年(1495)年、大地震に伴った洪水で堂が壊れて以来、今のように露座の仏となっている。

鎌倉 桜吹雪の源氏山へ:イメージ2

大仏の姿を拝んだ後は、高徳院の門から再び大通りへ戻り、道なりに進む。新大仏坂トンネル脇から伸びる階段を上って、いよいよ山道へ。出発地点で左手に見える道は長谷貯水池を経て江ノ電極楽寺駅に通じ、またまっすぐ奥に進めば大仏坂切通しを歩くことができる。しかしお花見が目的の今回は、源氏山公園に向かって、右手の山道を登ることにする。最初の急坂で、一気に高度をかせいだ。先ほど歩いていた車道も、すぐに木立の間からかすかに見下ろせる程度となる。

鎌倉 桜吹雪の源氏山へ:イメージ3

このコースには、木の根が網目のように張り巡らされた場所が数箇所ある。張り出した木の根は、滑りやすい斜面の足がかりになってくれている。鎌倉では表土が薄く、岩盤が比較的、地表近くまで露出している。そのため木の根が地中深くまで張ることができず、地表に浮き出てくる傾向があるそうだ。根が木の重みを支えきれず、大木になる前に倒れてしまうものも多いと聞く。今足がかりにしている巨木もそのうち倒れ、その上から新しい生命が芽生えて、森は次の世代へと受け継がれていくことになるのだろう。

鎌倉 桜吹雪の源氏山へ:イメージ4

スダジイの茂る道を進む。一度尾根に出てしまえば、あとは比較的平坦でよく踏み鳴らされた歩きやすい道だ。長谷トンネルの上あたりから大仏の後姿「裏大仏」を眺められると聞き、目を凝らす。木々の茂みのなかに、ようやく小さな青い姿を見つけた。草木の茂みが少ない冬場に、目を凝らしてようやく見える程度で、かえって鎌倉の緑の深さが心残る。海を見下ろしながら歩いた後、山中の三叉路で、佐助稲荷へ降りることもできる。

鎌倉 桜吹雪の源氏山へ:イメージ5

森の道を抜け、山の尾根から住宅地や海を見下ろした後、ようやく源氏山公園に出た。源氏山は、源義家が前九年の役で奥州へと向かう際に、この山頂に源氏の象徴である白旗を立ててその勝利を祈願したゆかりの場所で、別名白旗山とも呼ばれている。約9万haの自然公園に点在する広間には、頼朝像などの名所がある。今回はこのまま鎌倉駅へ出るが、北上し北鎌倉へ抜けるハイキングコースの中継地点でもある。

鎌倉 桜吹雪の源氏山へ:イメージ6

源氏山公園のなかを少し北へ歩くと、苔むした日野俊基の墓がある。俊基は、後醍醐天皇の側近として北条氏の謀反に参画したため、北条氏の手により鎌倉で斬られた武将だ。〝落花の雪に踏み迷う…年久しくも住み慣れし 十重の帝都をば 今を限りと顧みて 思はぬたびに出で給う〟という『大平記』のくだりは、当時の東下りを叙したものという。はらはらと舞うサクラの花びらに、えもいわれぬ表情を浮かべる人々。今も私たちには、桜吹雪に自らのせつない想いを重ねる日本人の血が流れている。

鎌倉 桜吹雪の源氏山へ:イメージ7

ワラビやシダが顔を出す坂道を源氏山から東側に下りていくと、途中に岩山をくり抜いたトンネルがある。有名な銭洗弁天の入り口だ。本社の隣の洞窟に湧く水は鎌倉五名水のひとつで、銭洗水と呼ばれる。平安末期、災害や貧困にあえぐ世の救済を源頼朝が祈願したところ、「この地に湧く水で神仏を供養すれば大平の世が訪れる」とのお告げがあった。社を建て宇賀福神をまつると世は治まり、いつしか霊水でお金を洗うと倍になって戻るという言い伝えが広まった。歩くついでに、お金が増えれば儲けもの。ひんやりした水で小銭を洗い、佐助トンネルを抜けて鎌倉駅へ戻った。

-DATA-

場所:
神奈川県鎌倉市
交通:
江ノ島電鉄線長谷駅より徒歩
コース:
江ノ電長谷駅(徒歩10分)→高徳院:大仏(徒歩50分)→源氏山公園(徒歩5分)→銭洗弁天(徒歩20分)→佐助トンネル(徒歩15分)→鎌倉駅
駐車場:
なし
トイレ:
高徳院、源氏山公園にあり
参考文献:
岸由二編『いるか丘陵の自然観察ガイド』山と渓谷社、1997
御所見直好著『誰も知らない鎌倉路』集英社、1983
浄明寺太郎著『かまくらなんでもガイド』金園社
白井永二編『鎌倉事典』東京堂出版、1991

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