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大磯 新緑の尾根道を行く

Apr.21, 2001 高麗山-湘南平

大磯 新緑の尾根道を行く:イメージ1

現在受講中の県森林インストラクター養成講座の同期生が、親睦会もかねて山歩きをすることになった。今回歩く大磯高麗山(こまやま)の自然林は、古くから神域として保護されてきた場所だ。現在は「高麗山自然林」と称され、神奈川県指定の天然記念物にもなっている。高来(たかく)神社の境内に集合。あいにく小雨まじりの曇天だが、海岸特有の常緑の木々のおかげで、雨をしのぎながら歩けそうだ。

大磯 新緑の尾根道を行く:イメージ2

神社の奥に、登山口がある。道は男坂と女坂に分かれており、中腹で合流するが、後者の方が関東ふれあいの道のメインルートとなっている。女坂の方も、なかなかの急坂だ。一気に高度をかせぐ。木の皮がはがれた様子が鹿の子のようなまだら模様に見えるカゴの木など、温暖な地方に生える木が多い。しばらく展望は無いが、ところどころで、樹林の間から大磯や平塚のまちなみを一望できる。大磯丘陵の東端に位置する高麗山は、相模川の広い沖積平野に接する特徴的な景観をもっている。

大磯 新緑の尾根道を行く:イメージ3

海抜165mの高麗山へ。奈良時代のころ、高句麗王族をはじめとする朝鮮半島の一族がこの山のふもに住んだことが、高麗という地名の由来とされる。白いブラシのような珍しい花は、ウワミズザクラ。サクラらしくないサクラの代表格だ。樹木に囲まれた広間のようなところに、石造りの柱の跡が残っている。ここにはかつて高麗神社の上社があり、また左右の峰の白山・毘沙門天とあわせて三社権現と称されていた。土地の人は、今でも高麗の権現様と呼び親しんでいる。

大磯 新緑の尾根道を行く:イメージ4

辺りには大きなスダジイやタブの木が多く、深い森の精気が漂っている。このタブノキ・イロハモミジなどが多い高木のタブ林は、谷部のように、土壌が厚くて湿度や養分の多い場所に見られるそうだ。一方土壌が浅い山腹斜面にはシラカシやウラジロガシの生えるスダジイ林が発達し、山の南面には、シイやタブなど沿海性の常緑広葉樹が多いという。多様な環境のある高麗山付近ではオオルリ、キビタキなど75種類の鳥が確認され、「かながわの探鳥地50選」にも指定されている。付近の海岸、照ヶ崎は、夏から秋にアオバトの群れがやってくることで有名だが、そのアオバトも当地で見られるそうだ。

大磯 新緑の尾根道を行く:イメージ5

尾根沿いの道を行く。すがすがしい新緑の道は広々として、歩きやすい。八俵山を通り、ヒガンバナの群生地を見て、浅間山へ。山岳信仰の場所らしく、ほこらが立っている。江戸時代、富士山を神とし、白装束をまとって経を唱えながら富士登山をする浅間信仰が広まったといわれる。しかし富士登山は女人禁制で費用と日数がかかったため、富士の見える高台に浅間社をまつってお参りすることで願いが富士山に通じるとする信仰が生じた。浅間社をまつったこの山が、のちに「浅間山」と呼ばれるようになったと伝わる。

大磯 新緑の尾根道を行く:イメージ6

湘南平は海抜181mの丘陵で、桜や夜景の名所としても知られる。かつては千畳敷とも呼ばれたところで視界が広く、晴れた日には相模湾の海岸線をはじめ、丹沢山塊、箱根連山や伊豆の山々、房総半島までが展望できる。が、今日はあいにくの天気。とはいえその分すれ違う人も少なく、静かな山歩きを楽しめる。霧雨に濡れる深紅のツツジの花が、鮮やかだ。山頂部の下段は駐車場、上段は公園になっていて、レストハウスや展望台、テレビ塔などがある。夜景やサクラの名所としても知られる場所だ。

大磯 新緑の尾根道を行く:イメージ7

高麗山や湘南平を含む大磯丘陵は、箱根火山などの火山灰が厚い地層をつくったところ。ここ数十万年に海岸平野から丘陵に変わるなど、激しい地殻変動の証拠もあり、多くの研究が続けられている。楊谷寺谷戸横穴古墳群へ下る分岐点を左手に見ながら、右手の道をとり高田公園へ。ここは相模湾を見下ろす坂田山の一角。「ぶらりひょうたん」などで知られる高田保の墓碑がある。山道に別れを告げ、民家の間を抜けると、JR大磯駅の北側に出た。振り向くと、今日歩いた山並みが見渡せる。海岸性の常緑の森からは想像できなかった高度感のある尾根道。山の自然は歩くたびに、新たな顔を見せてくれる。

-DATA-

場所:
神奈川県中郡大磯町・平塚市
交通:
大磯駅より徒歩20分→高来神社 JR平塚駅より国府津行バス→花水バス停下車→徒歩約5分で高来神社
コース:
高来神社(徒歩40分)→高麗山(徒歩40分)→浅間山(徒歩40分)→湘南平(徒歩40分)→高田公園(徒歩15分)→JR大磯駅
駐車場:
湘南平にあり
トイレ:
高来神社、湘南平、高田公園にあり
参考文献:
大磯町『大磯 歴史と味の散策路 コースガイドマップ』
大木靖衛監修『日曜の地学20 神奈川の自然をたずねて』築地書館、1992
神奈川県『かながわの探鳥地50選』1993
コースガイドマップはJR大磯駅前の観光案内所で入手可

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