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瀬戸蔵山1320m

Feb.25, 2001 山を丸ごと味わう

まだ雪深いため山スキーの季節ではないが、今からウズウズしてもう待ちきれない。少しでも山スキーの気分を味わうために、登山とゲレンデスキーを組み合わせた「バックカントリースキーごっこ」を実践しようと思った。冬季に登れて、近くにゲレンデがある山は限られてくる。富山県内で見つけたのが、今回登った瀬戸蔵山である。

雪やんだ寒空の下、車で現地に向かう。称名川沿いには極楽坂、らいちょうバレーそして粟巣野と3つのスキー場が並んでおり、シーズンとあって県内ナンバーの車が続々と集結してくる。スキー客はゲレンデのそばに駐車しようとするが、自分だけは瀬戸蔵山にアプローチしやすい場所を探した。スキー場には立山山麓家族旅行村が隣接しており、そのはじを通る行き止まりの道が山に近いと判断し、登山準備に入る。足にはかんじき、手にはストック、背中にはスキーボード。

瀬戸蔵山1320m:イメージ1

家族村の散策道から一人山へ向かう。他の人々はリフトへ向かうというのに。歩き始めてすぐに人の気配がなくなる。地形図から雪の下の登山道を確認し登り始める。堰堤に出たところで左に折り返し、更に登山道を進む。積雪は多いが、沈むのはくるぶしまでで歩行に支障はない。15分ほどすると麓の自動車や建物が小さくなっていた。順調に高度を上げられるかと思った矢先、突然道が消えてしまった。この先は道が細く、雪に埋もれると判別しにくくなるようだ。実際道がどこにあるのか全く分からない。斜面に立つスギはどれも等間隔で、道の手がかりとはなってくれない。何度も地形図とにらめっこをしてもらちがあかないので、まっすぐ上を目指すことにした。本来の登山道も水平移動から垂直移動に転ずる付近であった。斜面の雪はパウダーで、カンジキに力を入れると足場はぼっこりと崩れてしまう。迂回できるような場所はない。雪の壁に拳を打ち込み穴を開け、そこを足がかりとしてぐいと体を上げていく。なりふりかまう余裕はなく、汗は滴り、鼻水は垂れ、全身は粉雪だらけとなる。登山というよりハードな雪上訓練(修業か?)のようだ。そんな悪戦苦闘を小一時間続け、小尾根にたどり着いた。

瀬戸蔵山1320m:イメージ2

いつのまにか青空がのぞき、日が差している。正面には目指す瀬戸蔵山、右手の西尾根上にはらいちょうバレーのゴンドラ山頂駅が見える。着いた小尾根は平らで休憩にはもってこいな場所。熱い茶を飲み、山並みを写真撮影する。尾根幅は10mほどで両側は切れ落ちているため、道はなくても山頂まで迷うことなく進める。雪面にカモシカの足跡を発見する。おそらく歩いたばかりなのだろう、形がきれいに残っている。上へ上へと続くのでしばらく先導してもらう。平らだった尾根は緩斜面から徐々に勾配がつき、体力的に上るのがきつくなってくる。そんな時考えることは、登頂の瞬間のことばかりだ。山頂に立つ達成感、麓を見下ろす開放感、嬉しさと同時にこみ上げてくる空腹感・・・。気持ちが先行し体はそれにつられてペースを上げる。雪の壁から頭ひとつ出すと、稜線上に銀色の反射板が見える。山頂が近い証拠。一直線に駆け上がる。雪壁と苦闘すること3時間半、ついに瀬戸蔵山山頂に立つ。恨めしいことに雲が急速に流れてきて視界不良となりつつある。かろうじて見えたのは、隣の大品山(1404.0m)と6km南方の有峰ダムだけだ。登頂の証拠として、特徴ある形の枯れ木を写真に撮る。楽しみにしていた山頂での昼食は、厳しい寒さのため諦めることにした。お茶と行動食のようかんを口にするだけで帰り支度を始める。

瀬戸蔵山1320m:イメージ3 瀬戸蔵山1320m:イメージ4

下山は西尾根上のルートをとる。赤布を目印にゴンドラ駅まで下る。ゴンドラに乗れば8分の場所に、4時間20分かかってたどり着いた。ここからはカンジキをスキーボードに履き替える。待ちに待った滑降タイムだ。4時間20分ためにためた位置エネルギーを13分間で一気に放出する。機械に頼らず、自力で高度を稼いだ分、価値があるように思える。今まで数多くのゲレンデを滑ってきたが、今回ほど興奮したところはなかっただろう。斜度や距離、表面状態に縛られない、滑降の純粋な面白さが見えた。麓まで滑り降り、充ち足りた気持ちで瀬戸蔵山を見上げる。上りから下りまで丸ごと山を味わうことができた。幸福感に浸りながら家族旅行村の散策路を歩いてスタート地点へと戻る。

-DATA-

場所:
富山県 上新川郡 大山町
交通:
北陸自動車道立山ICもしくは富山ICで降り、立山・黒部アルペンルートを目指す。県道6号線(富山立山公園線)を立山大橋で右折すると、正面から右手斜面にかけてスキー場が並んでいる。瀬戸蔵山へは立山山麓家族旅行村からのアプローチが近い。
タイム:
家族旅行村 (15分) 堰堤 (160分) 小尾根 (50分) 瀬戸蔵山山頂 (35分) ゴンドラ山頂駅
駐車場:
冬季はスキー場の駐車場を利用(500円)
トイレ:
スキー場の施設を利用
水場:
なし

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