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文京区!梅の花咲く文化の源

Feb.26, 2001 歩いて楽しむ!東京の定番ビューポイントvol.3

少しづつ暖かくなってきましたね!みなさんはどうお過ごしですか?“都会の四季折々”、“都会のアウトドア”をレポートさせていただいていますFootwork Messengerです。今回は2月ということで受験と梅の花に関するものを中心にレポートをしたいと思います。

今回の場所は、東京都文京区湯島を中心にレポートします。アクセスは、東京駅からJR中央線で御茶ノ水駅下車。出口は聖橋口です。所要時間4分。運賃130円(2/26現在)です。本日は午前10時頃に到着しました。

文京区!梅の花咲く文化の源:イメージ1 文京区!梅の花咲く文化の源:イメージ2

聖橋口の改札を出て左手にある横断歩道を越え、聖橋から本郷通りに向かいます。この神田川下流に架かる橋は北側にある国指定の史跡で江戸幕府の官学所「湯島聖堂」と、南側にある国指定の重要文化財でビザンチン風の建物「日本ハリストス正教会復活大聖堂」(通称ニコライ堂)の両聖堂にちなんで聖橋と言うそうです。聖橋を渡ってすぐに湯島聖堂への入り口が右側に見えてきます。その入り口の階段をおりるとすぐ左手に「入徳門」がみえますのでそこから「大成殿」に入りました。黒くて立派な門構えで中は広々としていました。う~ん歴史を感じます。この湯島聖堂の歴史は儒学に傾倒した五代将軍綱吉が1690年に創建し、孔子を祀る「大成殿」や「学舎」を建て、自らも「論語」の講釈を行うなどして学問の奨励をしたそうです。また、明治維新で新政府の所管となり明治4年には文部省が置かれたほか国立博物館(今の東京上野)、東京師範学校(今の筑波大学)、東京女子師範学校(今の御茶ノ水女子大学)などが置かれ、近代教育発祥の地でもあるそうです。現在は、江戸の大火(4回)、関東大震災などで焼失、再建を繰り返しながら、昭和10年に鉄筋コンクリートで再建されています。ただし、「入徳門」は宝永元年に建てられたものがそのまま残って貴重な文化財になっています。 受験の時期ともあって「大成殿」の中には、合格祈願の絵馬がたくさん飾られていました。「大成殿」を見た後は巨大な孔子の銅像を見て休憩所で一休み。自販機がありますのでコーヒーブレイクしました。それにしても孔子の銅像は大きく何か威圧感を感じました。ちょっと怖いです。近代教育の発祥の地と言うことですが教養のない自分は肩身が狭くなるような場所でもありました(笑)。一休み後に「仰高門」、「神農廟」を見学し、次の目的地へ...


文京区!梅の花咲く文化の源:イメージ4 文京区!梅の花咲く文化の源:イメージ3

次の目的地は「神田明神」です。湯島聖堂を後に再び本郷通りを約100メートル進むと国道17号とぶつかる交差点に着きますので交差点を渡って右側に進みます。50メートルくらい進むと「神田明神」へすすむ参道が見えてきます。目印は朱塗りの大きな鳥居です。参道をそのまま進むと見えてきました! 湯島聖堂とは違い朱塗りできらびやかな感じがしました。この「神田明神」の由来は天平2年(730年)、現在の千代田区大手町将門塚周辺に創建され、その200年後に平将門公が俵藤太に討たれ、その首が京都で晒されましたがこれを奪い返してきて塚を築いて葬り、廷慶2年(1309年)には将門公の霊も相殿に祀り、「神田明神」と名付けたそうです。その後、元和2年(1616年)に現在の場所に移り、江戸城の鬼門の守護神となりました。後に桃山風の豪華な社殿が築かれ、歴代の将軍の崇敬も厚く、江戸総鎮守として江戸の庶民にも親しまれてきたそうです。 豪華絢爛な門から中に入ると正面に「御社殿」、左側に「だいこく様」の大きな石造、右側には「明神会館」という披露宴会場があります。まず「だいこく様」にお賽銭をあげ、商売繁盛(収入が増えるよう)と Gofield.com のアクセスが増えますようにとお祈りをしときました。賽銭といっても1円なんですけど(笑)...「だいこく様」の笑顔が一瞬、曇ったような気がしましたが続いて正面の「御社殿」にお参りしました。ここでもお賽銭をあげ(定額1円)、いざ境内の散策へ。ここの境内には土・日・祝日に資料館が一般公開しているほか「御社殿」の裏側を取り巻くように「水神社」、「小舟町八雲神社」、「小伝馬町八雲神社」、「江戸神社」、「浦安稲荷神社」、「三宿・金刀比羅神社」、「末広神社」、「籠祖神社」と小さな神社があり、これ以外にも記念碑等などがあり見ごたえがあります。あまり小銭を用意してこなかったので神社によっては賽銭をあげたり、あげなかったりです。お賽銭をもらえなかった神社の神様には恨まれてしまったような気がしました... また、「神田明神」には住居が近かったことから「銭形平次の碑」があることでも有名です。「御社殿」の右側に石造りの寛永通宝があり、その中心に「銭形平次の碑」があります。その横に小さな「八五郎の碑」が並んでありました。この碑は、昭和45年12月に有志の作家と出版社とが発起人となって、建立したそうです。銭形平次のように小銭を使い切った私は、「御社殿」の中から聞こえる神楽の音を後に疾風のようにその場を立ち去り、次の目的地へ...


文京区!梅の花咲く文化の源:イメージ5

「神田明神」の裏参道を進むと蔵前通りにぶつかりますのでそこから左手に進むと清水坂下交差点にぶつかります。そこから清水坂を下り本日のメイン「湯島天神」へ... 約7、8分程度で到着しました。「梅まつり」の期間中と受験合格のお礼参りで平日にもかかわず大勢の人が来ていました。ここは学問の神様、菅原道真公をお祭りしているのでこの時期は受験生とその親御さんの合格祈願のお参りで賑わっています。さっそく境内に入って正面の本堂でお賽銭をあげました。 1円がなくなっていまったので今回は奮発して10円です(こんなことを書いていて少しはずかしです)。周りを見渡すと合格祈願の絵馬がたくさん飾れていました。先の湯島聖堂よりさらに多く、さすがに少子化傾向とはいえ、教育熱の凄さを感じました。また、境内にある数百本もの梅の木に花が咲き乱れ、まさに見頃という感じです。梅の花にレンズに向けている人も多く、私も負けずにデジカメを取りまくりました。天気もよく、早春を感じさせます。今回のおすすめビューポイントです。また、境内をよく見ると意外と石碑が多く。中にはプロ野球福岡ダイエーホークスの監督、王貞治さんの「努力」と彫られた石碑もあり、ちょっとした発見でした。ここ「湯島天神」は雄略天皇の勅命によって、458年1月創建したと伝えられています。その後、1355年2月に郷民が菅原道真公の御偉徳を慕って、分道の大祖と崇め奉ったたそうです。境内で売られている甘酒を飲み一休み... せっかくなのでここから東大に行こう!と急に思いつき、東大へ。甘酒に酔った勢いでしょうか(笑)? 東大とは言わずとしれてた日本の最高学府である東京大学です。この「湯島天神」から春日通りへ出てそこから真っ直ぐ本郷三丁目の交差点へ、そこから右折し、本郷通りを進むと右手に「赤門」がありました。ちょうど2次試験が行われているようで門の前に試験会場の案内の人がいました。ここも歴史がある大学ですので外からでも校舎の古さがわかりました。

文京区!梅の花咲く文化の源:イメージ6

時計を見るともう12時です。本郷通りにあるカレー屋さん(プティフ)で昼食をとり、そのまま帰路へ。今回のレポートは文化、教育をキーワードに進めてきましたが、いかがでしたでしょうか? まだ、寒い日が続くと思いますが春も、もうそこまできています。寒いとなかなか外にでる気持ちになりませんがこれからも読者のみなさんが興味をもたれるようなレポートを発信したいと思いますので次回もお楽しみに!

-DATA-

場所:
東京都文京区湯島
交通:
JR中央線で御茶ノ水駅下車。改札は聖橋口。
駐車場:
なし。都心ですので渋滞の恐れがあります、電車をご利用ください。
トイレ:
湯島聖堂、神田明神、湯島天神いづれもトイレ、ベンチ、休憩所等あり。
昼食:
湯島天神へ向かう清水坂の通り沿いや湯島天神近くにお食事処多数あり。
今回のレポートでは東大へ向かう本郷通り沿いのカレーショップ「プティフ」
お勧めは「白身魚カレー」850円。第一、三日曜日が休日。
施設:
◆湯島聖堂
・開門時間:毎日9:00~17:00(冬は16:00)。入場無料。
・土・日・祝祭日には「大成殿」が一般に公開され記念品も販売。

◆神田明神 資料館
・開館日:土・日・祝祭日(10:00~16:00 )拝観料は大人500円、小人200円 (5名以上は団体割引あり)
・休館日:平日「拝観希望の方は社務所までお申し出ください」とのこと。

◆湯島天神 「梅まつり」
・期間:2月8日~3月8日まで。

瀬戸蔵山1320m

Feb.25, 2001 山を丸ごと味わう

まだ雪深いため山スキーの季節ではないが、今からウズウズしてもう待ちきれない。少しでも山スキーの気分を味わうために、登山とゲレンデスキーを組み合わせた「バックカントリースキーごっこ」を実践しようと思った。冬季に登れて、近くにゲレンデがある山は限られてくる。富山県内で見つけたのが、今回登った瀬戸蔵山である。

雪やんだ寒空の下、車で現地に向かう。称名川沿いには極楽坂、らいちょうバレーそして粟巣野と3つのスキー場が並んでおり、シーズンとあって県内ナンバーの車が続々と集結してくる。スキー客はゲレンデのそばに駐車しようとするが、自分だけは瀬戸蔵山にアプローチしやすい場所を探した。スキー場には立山山麓家族旅行村が隣接しており、そのはじを通る行き止まりの道が山に近いと判断し、登山準備に入る。足にはかんじき、手にはストック、背中にはスキーボード。

瀬戸蔵山1320m:イメージ1

家族村の散策道から一人山へ向かう。他の人々はリフトへ向かうというのに。歩き始めてすぐに人の気配がなくなる。地形図から雪の下の登山道を確認し登り始める。堰堤に出たところで左に折り返し、更に登山道を進む。積雪は多いが、沈むのはくるぶしまでで歩行に支障はない。15分ほどすると麓の自動車や建物が小さくなっていた。順調に高度を上げられるかと思った矢先、突然道が消えてしまった。この先は道が細く、雪に埋もれると判別しにくくなるようだ。実際道がどこにあるのか全く分からない。斜面に立つスギはどれも等間隔で、道の手がかりとはなってくれない。何度も地形図とにらめっこをしてもらちがあかないので、まっすぐ上を目指すことにした。本来の登山道も水平移動から垂直移動に転ずる付近であった。斜面の雪はパウダーで、カンジキに力を入れると足場はぼっこりと崩れてしまう。迂回できるような場所はない。雪の壁に拳を打ち込み穴を開け、そこを足がかりとしてぐいと体を上げていく。なりふりかまう余裕はなく、汗は滴り、鼻水は垂れ、全身は粉雪だらけとなる。登山というよりハードな雪上訓練(修業か?)のようだ。そんな悪戦苦闘を小一時間続け、小尾根にたどり着いた。

瀬戸蔵山1320m:イメージ2

いつのまにか青空がのぞき、日が差している。正面には目指す瀬戸蔵山、右手の西尾根上にはらいちょうバレーのゴンドラ山頂駅が見える。着いた小尾根は平らで休憩にはもってこいな場所。熱い茶を飲み、山並みを写真撮影する。尾根幅は10mほどで両側は切れ落ちているため、道はなくても山頂まで迷うことなく進める。雪面にカモシカの足跡を発見する。おそらく歩いたばかりなのだろう、形がきれいに残っている。上へ上へと続くのでしばらく先導してもらう。平らだった尾根は緩斜面から徐々に勾配がつき、体力的に上るのがきつくなってくる。そんな時考えることは、登頂の瞬間のことばかりだ。山頂に立つ達成感、麓を見下ろす開放感、嬉しさと同時にこみ上げてくる空腹感・・・。気持ちが先行し体はそれにつられてペースを上げる。雪の壁から頭ひとつ出すと、稜線上に銀色の反射板が見える。山頂が近い証拠。一直線に駆け上がる。雪壁と苦闘すること3時間半、ついに瀬戸蔵山山頂に立つ。恨めしいことに雲が急速に流れてきて視界不良となりつつある。かろうじて見えたのは、隣の大品山(1404.0m)と6km南方の有峰ダムだけだ。登頂の証拠として、特徴ある形の枯れ木を写真に撮る。楽しみにしていた山頂での昼食は、厳しい寒さのため諦めることにした。お茶と行動食のようかんを口にするだけで帰り支度を始める。

瀬戸蔵山1320m:イメージ3 瀬戸蔵山1320m:イメージ4

下山は西尾根上のルートをとる。赤布を目印にゴンドラ駅まで下る。ゴンドラに乗れば8分の場所に、4時間20分かかってたどり着いた。ここからはカンジキをスキーボードに履き替える。待ちに待った滑降タイムだ。4時間20分ためにためた位置エネルギーを13分間で一気に放出する。機械に頼らず、自力で高度を稼いだ分、価値があるように思える。今まで数多くのゲレンデを滑ってきたが、今回ほど興奮したところはなかっただろう。斜度や距離、表面状態に縛られない、滑降の純粋な面白さが見えた。麓まで滑り降り、充ち足りた気持ちで瀬戸蔵山を見上げる。上りから下りまで丸ごと山を味わうことができた。幸福感に浸りながら家族旅行村の散策路を歩いてスタート地点へと戻る。

-DATA-

場所:
富山県 上新川郡 大山町
交通:
北陸自動車道立山ICもしくは富山ICで降り、立山・黒部アルペンルートを目指す。県道6号線(富山立山公園線)を立山大橋で右折すると、正面から右手斜面にかけてスキー場が並んでいる。瀬戸蔵山へは立山山麓家族旅行村からのアプローチが近い。
タイム:
家族旅行村 (15分) 堰堤 (160分) 小尾根 (50分) 瀬戸蔵山山頂 (35分) ゴンドラ山頂駅
駐車場:
冬季はスキー場の駐車場を利用(500円)
トイレ:
スキー場の施設を利用
水場:
なし

立岩湖

Feb.20, 2001 立岩湖の氷上トレッキング

立岩湖:イメージ1

立岩湖周辺の景色を氷上から楽しめるのも、厚さが40cmもある氷のおかげで、1月~3月までに限定されたフィールドになっている。雪深い立岩湖は、釣り客以外ほとんど歩く人がいないが、2月16日を過ぎると渓流釣りが解禁となる為、川の中にある雪景色が壊される前に出かけてみた。

国道152、254、141号線経由で立岩湖を目指して進みます。小海町に入ってから、北相木村、南相木村の標識が国道沿いに立っているので、標識に従って左折し、最初の目的地の南相木村役場を目指します。南相木村役場周辺のお店で必要な物を買い込み、道なりに10分ほど進めば立岩湖(立岩荘)が見えてきます。

立岩湖:イメージ2

立岩荘の駐車場で準備を済ませ、スパッツ、ブーツ、持っていればスノーシューを履いて氷上に立ちます。氷上の積雪は5cm程度ですが、風が通り抜けない湖の周りは50cmも雪が残っており、動物の足跡を追って軽快に歩くことは出来ません。駐車場から対岸に小さな小屋が見えます。山の斜面から立岩湖に流れ込む周辺の氷は非常に薄くなっており、落ちないように動物の足跡を追って迂回していきます。

立岩湖:イメージ6 立岩湖:イメージ5

近づいて行くにしたがって、氷が大きく成長した水車小屋が見えてきます。氷は水車に水が落ちる付近まで凍っており、近づいて水が流れる部分を覗いてみると氷の中は空洞になっています。室内の様子を覗くと、水車が回っていれば動いているはずの石臼も止まったままです。

立岩湖:イメージ1 立岩湖:イメージ1

しばらく氷上を歩き、湖の上流にやってきた。風が吹くたびに透明な氷の上を雪が駆け巡り、大きなキャンバスを作っている。この辺りになると氷も薄くなり、近づくにはとても危険です。その昔、氷が割れて水の中に落ちた事がある自分は、どの状況で氷が割れるか分かっているので遠くから様子を伺います。和製かんじきを履いて、湖から南相木川沿いに歩いていきます。ウサギの足跡も川沿いに沿って残されていたが、不思議と足跡は対岸に渡って山に入ってしまった。ウサギは冷たい水の中を歩いて渡ったのか?それとも間違って川に落ちてしまったのか分からないが、今回の目的は川沿いを上流に向かって歩く予定だったので、次の動物の足跡を探して先に進みます。

標高1100mの立岩湖から雲までは、とても近く見え、雲が流れる様子が良く見える。雪の上に寝転び、真っ青な空と転々と変わる雲を見ながら、空に浮かぶ物体を見つけてしまった。「飛行機?鳥?星?」と考えてみるが、とても小さく、まったく動かない。目をそらせば焦点がズレて見えないほど分からないが、多分、人工衛星だろうと思い込み、その場を立ち上がった。1時間ほど川沿いに歩いてきたが、帰りの事も心配になり、横を走る道路から立岩荘に向かって歩きます。帰りは除雪された道路なので、スムーズに駐車場に戻ります。

時期的にも今頃がとても歩きにくいのですが、誰も歩いてない場所をゆっくり歩くには丁度いい。しかし、釣り人が岩陰に潜み、静かに釣りをしているので気を付けたい。

-DATA-

場所:
長野県南佐久郡南相木村 立岩湖
交通:
上信越自動車道 佐久ICより国道141号線を小海町に向かって走り、南相木村の標識より、南相木村役場を経由して約10km
駐車場:
約10台(冬季)
トイレ:
立岩荘の駐車場に1つ
問合せ:
立岩湖交流センター立岩荘
電話:0267-78-2750
南相木村役場観光係
電話 :0267-78-2121
宿泊施設:
立岩湖交流センター立岩荘
住所:長野県南相木村5567
電話:0267-78-2750
料金:5000円~10000円
URL:http://www1.ocn.ne.jp/~bluelake/index.html

小鹿熊山 571.5m

Feb.18, 2001 スギ林 過ぎて見下ろす 雪景色

立春が過ぎ、日増しに春の足音が近づいてくる。そうなると、山スキーの季節到来だ。地元の低山で山スキーのできそうなところを探したところ、国土地理院発行地形図「宇奈月」に、小鹿熊山(おがくまさん)というのを発見した。池尻という集落からアプローチでき、山頂付近まで山道が通じている。前回の登山で、魚津市の大杉山に向かったが、天候悪化で登頂を断念したこともあり、今回は是非登頂して景色を満喫したかった。天候が崩れるという予報は外れ、なんとかもちそうだ。冬用装備を詰めたザックにウサギの耳のようにスキーボードを差し、池尻に向かう。

小鹿熊山 571.5m:イメージ1 小鹿熊山 571.5m:イメージ2

国道8号線から県道125号線(福平石田線)に入れば、あとはどんづまりまで一本道。緩やかに標高を上げつつ池尻集落手前のバス転回所に着く。はじに車を停め、神社脇の細道を歩き始める。一度折り返したところで、道は雪に閉ざされている。ここからはワカンを履いて斜面に取り付く。スギ林の下はほどよく締まったザラメ状の雪となっている。ストックをリズミカルに突きながら軽快に進める。10分でスギ林を抜け、白一色の棚田に出くわす。動物すら踏みこんだ形跡の無い雪面は、自分だけのもの。自由に足跡を残せるのが心地良い。畦道から林の向こうに小鹿熊山がどんと構えているのが見える。「待っていろ、今すぐ登ってやる」という、はやる気持ちを抑えて棚田から静かな林道に入る。左に見える法面上部から、雪のかたまりが転がり、直径50cmの巨大バームクーヒェンになっている。フカフカでうまそうだ。林道は積雪量が多くワカンでも膝まで沈むため、雪の締まったスギ林に入り高度を稼いでゆく。それでも1時間に 200mの上昇率である。夏山の半分以下だ。それでも地道に登ればいつかは頂上に立てる。努力すれば報われる人生のようだ。

予定では林道とスギ林を出たり入ったりしながら登るつもりが、どうやらルートを外れてしまったらしい。送電線が上空を横切る棚田に到着したところで、地形図で現在地を確認する。北におよそ250mずれたようだ。軌道修正をかけ、尾根を直登する。尾根の斜度はきつく、さらに新雪のため足場が作れない。踏み込んでもゴソッと斜面が崩れてしまう。なるべく楽なルートを見定めながら、スギの間を右に左に回り込みながら少しずつ上がっていく。登山開始2時間で370mアップし、林道脇に立つ小屋の前に出る。地形図によれば山頂まで170mの地点。ここからは植林スギの中を一気に登っていく。目の前は雪の壁で、そこにへばりつきながら上を目指す。雪が湿り気をおび、アルミのワカンに食らいつく。ずしりと重くなった足を意地と気合で持ち上げ持ち上げ、最大の難所を越える。だんだんと山が狭くなってきた。頂上はすぐそこだ。

小鹿熊山 571.5m:イメージ4 小鹿熊山 571.5m:イメージ3

登山開始2時間20分で小鹿熊山山頂へ。三角点の埋まった地点を示すと思われる木の台が雪に刺さっている。山頂の展望は植林スギに遮られているが、少し下がった尾根は抜群の展望台となっていた。曇り空の下、木々の間からは白く細長い平野が見える。魚津市と黒部市を隔てる布施川が、造り上げた地形だ。それをおかずにオニギリを口にする。全身にしみわたる味だ。山頂に滞在して30分、体が冷えきってきた頃にワカンの緩みを締め直し、下山開始。

急登だった分、下るのは速い。帰りは往路をたどらずに、林道とスギ林を出たり入ったり近道しながら歩く。林道を横切る幾筋もの足跡が見えた時、何かの気配を察知した。視線の先には警戒した表情のカモシカが1頭立っていた。一瞬たりとも目を離さない体勢は、人と遭遇したカモシカがよくとる行動だ。見つめ合いながら、こちらから静かに遠去かる。その後も林道や斜面にカモシカの足跡を散見する。登りの2倍のスピードで一気に降りてこられた。スキーはかなわなかったが、天候がもちこたえて見晴らしがきいたことと、カモシカに遭ったことで今回の山行は満足だ。帰路には国道8号線手前の金太郎温泉に立ち寄る。泉質は地下 1000mから噴出する、含硫黄?ナトリウム・カルシウム?塩化物泉だ。露天風呂につかり宵の空を眺めていると、湯気と一緒に山での疲れも飛んでいくようだ。

-DATA-

場所:
富山県 黒部市
交通:
国道8号線木下新交差点を山間に向かって曲がり、小川寺交差点を左折。T字路に突き当たったら右折し県道125号線(福平石田線)に入る。あとは一本道で池尻の集落まで行ける。また、池尻までバスが運行している。
タイム:
バス転回所(30分)棚田(70分)送電線下(20分)林道脇の小屋(20分)小鹿熊山山頂
駐車場:
スタート地点のバス転回所にスペースあり
トイレ:
なし
水場:
なし

鎌倉 湖とかつての山道をたどる

Feb.16, 2001 散在ヶ池(鎌倉湖)~建長寺

鎌倉 湖とかつての山道をたどる:イメージ1

大船方面から鎌倉へ、かつては山づたいに歩くことができたという。地図を辿って、ふとこの道を歩いてみたくなった。大船駅からバスに乗り、神社前で降りる。山の斜面に立つ白山神社は、今泉の鎮守。参道で、見ざる・聞かざる・言わざるをかたどる庚申塔が迎えてくれる。市の有形民俗資料とのことだ。鳥居に渡らせた太いしめ縄は、ムカデをモチーフにしている。素朴なたたずまいの神社だが、本殿の毘沙門天立像は、頼朝が京都の鞍馬寺から移したものといわれる。

鎌倉 湖とかつての山道をたどる:イメージ2

滝を見に、車道を抜けて称名寺へ。ゴミ焼却場の煙突、ゴルフ場の看板、ものものしい称名寺の門が並び、本当に滝があるのかと不安になる。六地蔵の並ぶ入り口を抜け右下に下ると、手前に小さな女滝、奥に大きな男滝が現れた。光を反射して揺れる水面、小さな虹。滝しぶきから上る清浄な空気に、ため息が出る。苔に覆われ磨り減った、急な石段を登る。寺の縁起によると、弘法大師が巡遊の折、紫雲のたなびくこの峰を見つけ、現れた老翁老媼の言に従い不動明王の像を収めたという。堂の背後にある無数の石仏。時とともに孤立する自然の行く末を案じるようにも見える。

鎌倉 湖とかつての山道をたどる:イメージ3

散在ヶ池森林公園、通称鎌倉湖へ出る。この池は明治初年、当時一帯に広がっていた大船千石という大水田の農業用貯水池としてつくられたものだ。現在は神奈川県と鎌倉市により公園として整備され、周囲には遊歩道がめぐらされている。「せせらぎの小径」は切り立った崖の合間の湿地帯の道。湖から流れ出た清水のしたたる渓谷を眺め、木道を歩く。ツーピー、ツーピーと朗らかに春を告げるシジュウカラの声が、谷の向こうから響いてきた。

鎌倉 湖とかつての山道をたどる:イメージ4

丸太の階段を上ると、深いみどりの湖が現れる。周囲772m、面積約12.8ヘクタールとそれほど大きな湖ではないが、木々が水面に枝を垂れ、こんもりとした森の印象が強い。池は中心付近が急に深くなっており、水死事故も多かったそうだ。近くの部落では、大ウナギがすむこの池に沈んだ神次という少年の悲話を語り、子どもがこの池に近づかないようにしたという。しかし現在、湖はコンクリート護岸され、コイの姿が目立つ。ブラックバスなどが在来の小魚や水棲生物を食べてしまうと、この池の生態系を危惧する声も多い。

鎌倉 湖とかつての山道をたどる:イメージ5

尾根すじの「馬の背の道」を伝い、公園南端の出口から住宅地へ出る。このまま湖の散策路を一周し、大船駅へ戻っても良いのだが、昔は山続きになっていたという道を通って、鎌倉駅方面へ抜けてみたかった。公園北側出口から斜めに延びる道を南東に進み、突き当たりの山の際を通って六丁目公園へ出る。道標に従い、天園ハイキングコースに入った。向かって右、西の方角へ進む。

鎌倉 湖とかつての山道をたどる:イメージ6

勝上嶽から階段を降りる。ふいに、般若心経を読む声が響き渡った。ここはもう、建長寺の半僧坊だ。普段は天狗像の並ぶ正面の階段を降りるのだが、素通りして西の端まで進むと、再び細い道に入る。石だたみの感触や、風格あるタブの老樹と出会える山道だ。降りきったところで右に曲がれば川村瑞賢の墓。山の合間のぽっかりあいた空間に、わらぶきの屋根を被った石碑がある。江戸時代に新たな海路を開き、荒ぶる川を治めてきた瑞賢の魂は、今、山の懐で何を感じているだろう。

鎌倉 湖とかつての山道をたどる:イメージ7

瑞賢の墓から階段を降りきり、そのまま東に進むと回春院へ出る。イヌがふいの客に警戒の声を上げる。大覚池を臨めば、グワッ、グワッとアヒルが尾を振る。裏庭に回ると、今度は草をはむヤギに出くわした。小川のそばで「何しに来たんだ?」とでもいいたげにこちらを見つめるネコ。動物たちに囲まれる静かな庵は、かつての人々の暮らしを彷彿とさせる。観光客の歩く建長寺に戻り、桃源郷から抜け出てきたような気分になった。車の少ない亀ガ谷切通しを抜け、鎌倉駅へ。今日歩いた車道や宅地で分断された自然を、頭の中でつなぎ合わせてみる。未来に手渡したい鎌倉の青写真が、少しだけ見えた気がした。

-DATA-

場所:
神奈川県鎌倉市
交通:
大船駅よりバス白山神社前下車
コース:
白山神社(徒歩15分)→ 称名寺(徒歩15分)→ 散在ヶ池(徒歩30分)→六丁目公園(徒歩30分)→建長寺半僧坊(徒歩15分)→川村瑞賢の墓(徒歩10分)→回春院(徒歩30分)→鎌倉駅
駐車場:
無し
トイレ:
散在ヶ池森林公園、建長寺にあり
参考文献:
御所見直好『誰も知らない鎌倉路』集英社、1983
浄明寺太郎『鎌倉なんでもガイド』金園社
その他:
建長寺の境内を通る際は参拝料が必要

鎌倉 苔むす切通しと静かな尾根道

Feb.10, 2001 名越切通し~浅間山

鎌倉 苔むす切通しと静かな尾根道:イメージ1

冬枯れのまちを見ていると、緑の山が恋しくなる。海岸にほど近い常緑の、名越切通しに向かった。長勝寺でバスを降りると、色とりどりの垂れ幕が見える。2月11日の大国祷会に備えるものとのこと。千葉県の法華経本山で百日間修行を積んだ僧たちが、冷水を浴びる荒行だ。春のきざしがあるとはいえ、まだ風は冷たい。男たちの世界平和への願いが、天に通じることを祈る。街道をトンネル側に進み、踏み切りを渡って線路沿いの住宅地の坂を上がる。梅の花の下で、犬ものんびりと日向ぼっこだ。山道の入り口で、悠々とタブの巨木が迎えてくれる。

鎌倉 苔むす切通しと静かな尾根道:イメージ2

古い石畳の道を行く。リョウメンシダが辺りを覆い、木漏れ日が差し込む。巡礼の道のようだ。ここは、日本武尊が東征の際横須賀走水から海を渡り、房総に向かった古東海道ともいわれる。谷戸の真上の山ふちに、名越切通しの解説版がある。その先のまんだら堂跡へ向かおうとすると、立ち入り禁止の立て札が。近年管轄が逗子市に移されたのを機に、発掘調査を経て公園化する旨の張り紙がある。かつて当地は葬送の場で、死者を弔う曼荼羅堂があったらしい。やぐらと五輪塔、あじさいの名所という当地の面影をしのぶ。

鎌倉 苔むす切通しと静かな尾根道:イメージ3

急峻な崖が、行く手を阻む。名越切通しは鎌倉七切通しの一つで、三浦半島に対する要害だ。人一人やっと通れるほどの道幅で、確かにこの上から矢を射られては、ひとたまりも無い。危険回避のため小高い迂回路を進めば、木々の間から海が見える。この景色に勢い込んで進むや、小坪の亀ヶ岡団地が目の前に。名越切通しは、横須賀線名越トンネルの真上に位置し、東・西・南を住宅地に囲まれている。三方を分断されるなか、これだけの幽邃さを保つ方が不思議なのかもしれない。もう少し自然を楽しみたくて、踵を返した。

鎌倉 苔むす切通しと静かな尾根道:イメージ4

迂回路の下方へ、道が伸びている。落ち葉を踏みしめ坂を下ってみると、小さな広間に出た。ブランコも滑り台も無い分、辺りの自然に存在感がある。たわわに実る夏みかんの木の下で、弁当を広げた。スズメたちの、ふくらみを帯びたつややかな声。春を迎える小鳥の歌は、一年で最も幸せそうに響く。しかしここから下は鎌倉葉山線で、ひっきりなしに車の音が聞こえてくる。

鎌倉 苔むす切通しと静かな尾根道:イメージ5

再び先の道を登り、名越切通しの最初の看板の後ろの坂へ入った。無縁仏の碑のある広場から林を抜けると、左右を見晴らせるのびやかな尾根に出る。右に逗子方面、左に鎌倉方面を臨み日だまりを歩く。人影の少ない木立に囲まれ、二基の石の祠がある。石廟という珍しい形式のもので市の文化財に指定されているが、誰のものかは専門家にも分からないという。その脇にある分かれ道を左、北東へと進む。

鎌倉 苔むす切通しと静かな尾根道:イメージ6

30 分ほど進むと、道に数本の杭が打たれており道が二手に別れる。右手の山は、昔、地元の山岳信仰の一つであった浅間山だ。急斜面を一気に登る。ヨットの浮かぶ海。鎌倉最東端の孤高の峰からは、鎌倉のまちなみも遠く山なみに埋もれて見える。頂上は久木高区配水池を兼ねており少々狭いが、360度のパノラマには口笛が出る。再び杭のある場所に戻り、左の平坦な道を行けば鎌倉市子ども自然ふれあいの森へ。ここにも展望台があり、木のベンチに座って一休みできる。

鎌倉 苔むす切通しと静かな尾根道:イメージ7

子ども自然ふれあいの森の北端に、小首をかしげたお地蔵さんが立っている。小さな祠は、お供えで一杯。少々心細かった山道もここで終わりだ。道標に沿い、左へ下って大町へ出た。道なりに北西へ進めば、鎌倉方面に向かう大通りへ出る。木漏れ日を浴び、やわらかな光を放つ古道が、まぶたに残る。時空を超えた世界へと人を誘う空気が、名越の聖域に時を重ねる力を与えているようだ。

-DATA-

場所:
神奈川県鎌倉市・逗子市
交通:
鎌倉駅より京急バスで長勝寺下車
コース:
長勝寺(徒歩10分)→踏み切り右折(徒歩15分)→名越切通し(徒歩15分)→石廟(徒歩20分)→浅間山(徒歩15分)→子ども自然ふれあいの森展望台(徒歩10分)→地蔵(徒歩15分)→大町住宅地
駐車場:
無し
トイレ:
鎌倉駅出発後コース上には無し
参考文献:
御所見直好『誰も知らない鎌倉路』集英社、1983
浄明寺太郎著『かまくらなんでもガイド』金園社
自然観察研究会編『てくてくマップ鎌倉』北海道新聞社、1988
その他:
浅間山への道は見つけにくく人通りも少ない。山歩き初心者は熟練者にルート確認の協力を依頼するとよい。

羽根木公園

「せたがや梅まつり」開催中! Feb.06, 2001

羽根木公園:イメージ1

2月・・・梅のシーズン本番。各地で、梅に関するイベントも始まった。世田谷区にある区立羽根木公園でも、2月3日~25日まで、「第24回せたがや梅まつり」が開催されている。ここには、白梅528本、紅梅172本の計700本、66種類の梅が植栽されている。最寄駅は、その名も「梅ヶ丘」。新宿から小田急線各停で8駅だ。駅構内には「梅見マップ」が置かれているので、もらっておくと便利。さて、駅北口から3分ほど歩くと、公園に到着。しかし、まだあまり梅は咲いていない。見頃は、2月17日・18日くらいからである。管理事務所の方のお話では、今年は1月の冷え込みが厳しかったため、開花は少し遅れているそうだ。そんな中、早くも花を咲かせている種類もある。訪れた2月6日現在では、700本中206本が開花しているとのこと。入口からの階段を上って行くと、濃い紅色の「一重寒紅」、そして淡いピンクの「紅冬至」が咲いていた。梅の花を見ると、春への期待感で胸がいっぱいになる。

羽根木公園:イメージ2

園内は、平日にもかかわらず、かなりの人出である。ふらっと立ち寄った人もいれば、わざわざ遠くから見に来た人もいるようだ。「ちょっと早かったかな?」なんて言いながらも、のんびりと早咲きの梅の前で楽しんでいる。中年から年配の夫婦やグループの他、親子連れも多い。また、車椅子の来園者もだいぶ目に付いた。園内には車椅子用のトイレが3ヶ所ある。また、梅園は丘になっているので階段で登らなければならないが、スロープのコースも設けられており、車椅子の来園者への配慮がなされているようだ。ならば、ベビーカーにもやさしい公園ということになり、赤ちゃん連れのお母さんも多かった。そして、梅の花に熱心にカメラを向ける愛好家の姿も、あちこちで見られた。

羽根木公園:イメージ3

ついつい、人間ウオッチングに夢中になってしまったので、本題に戻ろう。入口の階段を少し登ったところに、様々なしだれ梅が植えられている。大きな八重咲の「淡路しだれ」が咲いていた。メイン園路を歩いて行くと、大宰府天満宮から贈られたという「飛梅」のコーナーがある。これは、菅原道真が京から大宰府に左遷された時、大切に育てていた梅が、主人を慕って大宰府まで飛んできた、という伝説の梅だ。紅白2本の梅(寒紅、白加賀)が植えられているが、どちらもまだ咲いていない。その先には、「中国野梅」が。まだ小さく、華奢な感じのする木に、小さな白い花が少しだけ開いていた。つきあたりには、売店が出ていて、お茶をサービスしてくれた。「梅大福」を1つ買って、近くの広場にあるベンチで、休憩しながら味見。大福の中に、白あんと梅の甘露煮が入っているというお菓子だった。梅の甘酸っぱさがたまらない。

羽根木公園:イメージ4

また、本題から外れてしまった。ベンチの近くに立っている、梅の解説板でお勉強。この梅園は、元々笹が生い茂っていたところに、昭和42年、区議会議員選出記念として55本の梅の木を植えたのが始まり、とある。園内には、「花よし、実よし、香りよし」ということから名づけられた「花香実」、同じ木の中に紅白の花が入り混じって咲く「思いのまま」など、珍しい品種も多い、とのこと。「花香実」は、解説板のすぐ近くにあるが、白い花が咲くのは、通常2月下旬以降である。一方「思いのまま」は、広場の道を挟んだ向かい側、中村汀女さんの句碑の近くにある。こちらも開花は2月下旬位。品種名は小さな札に書かれているが、近づいて見なければ分からないものもあるので、探すのに苦労するかもしれない。句碑の近くには、「俳句コンクール」の入選作が展示されている。どれも梅を題材にした句で、他市区町村、他県からの応募も多い。

羽根木公園:イメージ5

梅園の中をぶらぶらと歩いていると、梅の香りがほんのりと感じられる。2月も後半になれば、もっと香りを楽しめるだろう。園内で最も多い品種は「白加賀」で、やはり開花は2月下旬から3月がピーク。園内で一番早く咲くのは「八重寒紅」で、12月から咲いているので、もうピークを過ぎているが、まだ、濃い紅色の花を楽しむことができた。茶室「日月庵」の門の中には、青梅市から贈られた梅の古木が植えられている。その横を下って行くと、芝生の広場に出る。ここには、傘のような樹形のしだれ梅「ふじぼたん」と、あざやかな紅色の「緋の司」が見事な花をつけていた。広場をずっと下って行くと入口前なので、これで園内をほぼ一周したことになる。

それほど広い公園ではないけれど、園内のゆったり、のんびりした雰囲気が、何とも心地いい。もっとも、開花のピーク時には、もっと混雑し、にぎやかになるだろう。「梅まつり」期間中の土日には、もちつきや民謡・民舞などのイベントも行われ、ちょっとしたお祭り気分を味わえそうだ。

-DATA-

場所:
東京都世田谷区
タイム:
計50分
(梅を見ながら歩いた場合の目安)南西入口-売店:15分 売店-梅解説板(広場)-園内東側を散策:20分 梅解説板(広場)-中村汀女句碑-茶室-芝生の広場-南西入口:15分
交通:
小田急線梅ヶ丘駅北口より徒歩3分、井の頭線東松原駅より徒歩5分
駐車場:
北入口近くにあり(30分100円)
トイレ:
3ヶ所(東口、北口、テニスコート横:うち身障者用2ヶ所)他、茶室にもトイレあり(身障者用もあり)。
売店:
管理事務所近くにあり
施設:
茶室(休憩コーナー無料、和室は有料:月曜休館
他、野球場、テニスコート、屋外プール、緑化相談所、プレイパークあり

生田緑地

Feb. 2, 2001 住宅地に残された雑木林

生田緑地:イメージ1

生田緑地は、多摩丘陵の雑木林の生態系が残されている、広さ54haの緑地公園。小田急線向ヶ丘遊園駅南口からまっすぐに歩いていくと、「日本民家園・青少年科学館」(いずれも生田緑地内にある施設)という看板が導いてくれる。12、3分ほどで、こんもりとした丘が見えてくる。落葉樹が中心のため、訪れた 2月には、茶色い枝が目立って見えた。そして、「生田緑地入口」の看板。入口近くには、住宅地にもかかわらず「動物に注意」の標識が・・・。生田緑地内には、ホンドタヌキが生息しているとのこと。

生田緑地:イメージ2

東口から入ると、すぐに「菖蒲園」が見える。1月の大雪の時につもった雪で真っ白だ。水の中を、コサギが、優雅に歩き回っていた。向かい側には「日本民家園」の入口。古民家を20数件移築して作られた、野外博物館である。そこには入らず、舗装された道路を進んでいくと、売店、レストハウスが見えてきた。廃車となった列車の車両も置かれていて、中では、遠足に来ていた幼稚園児が大騒ぎ!その奥の青少年科学館で「生田緑地ガイドマップ」を100円で購入。科学館を離れ、さらに進むと、「かおりの園」というスペースがあり、タイサンボク、クチナシなど、香りのする花をつける植物が植えられている。ちょうど、黄色いロウバイの花が咲いていた。そして、つる植物のテイカカズラがアーチになっている。今は花は見られないが、かわりに、長いふわふわの綿毛がついた種が、たくさん落ちていた。「奥の池」に向かう道には、メタセコイヤの林があり、いい雰囲気。葉がない今の季節はちょっとさみしいが・・・。奥の池をすぎ、「岡本太郎美術館」前へ。ここまでは、道も平坦で、整備された都市公園、という感じ。

生田緑地:イメージ3

美術館横の、木の階段を上るあたりから、足元も土になり、少し雑木林の雰囲気が感じられるようになる。クヌギ、コナラにまじって常緑のヒサカキなどが生える、細い自然観察路を歩いていくと、下方には、「日本民家園」の藁葺き屋根が見える。なんだか、昔話の村にまよいこんだような気分。観察路の途中には展望スポットもある。北部公園事務所に到着し、公園の資料をゲット。「グリーンアドベンチャー」の用紙も置いてある。園内の樹木に番号札がついていて、その木の名前をあてるゲームだ。さっそくチャレンジ、と思ったら、なんとここが「グリーンアドベンチャーコース」の終点。それならば、逆から・・・と行ってみたものの、コースの一部が工事中で、入れなくなっている。仕方なく、「グリーンアドベンチャー」は断念。自然探索路(尾根道)に入っていくことにした。コナラ、イヌシデ、ヤマザクラなどやはり落葉樹中心。落ち葉を踏みながら進んでいく。道は多少アップダウンがある。平日ということもあって、来園者は少なく、鳥の声だけが林内にひびく。常緑樹で多いのはシロダモの木。大きめの緑の葉は、もむとにおいがする。アセビの白い花が咲き始めていた。

生田緑地:イメージ4

ふと視界が開けて、「芝生広場」に到着。一面の雪景色である。コブシがふさふさの冬芽をつけている。雪がとけてぐちゃぐちゃにぬかるんだ道を進むと、その先は湿地となっている。ここにはまた夏に来たい。「まむしがでます」との看板が気になるが・・・。木道の上を渡っていくと、その先から道は登りに。葉を落とした今の季節は、樹皮の違いが分かりやすい。幹ががさがさにはがれるアサダの木を通りすぎると、枡形山広場に到着。今日は広場には誰もいない。ここには展望台がある。なんだか周囲から浮いている建物だが、是非階段で上まで登ってみよう(エレベーターもある)。360°の眺望は気持ちがいい。案内板によれば、西南の方向には富士山が見えるらしいが、今日はあいにく曇っていて、見ることはできなかった。景色を満喫したところで、広場を見下ろすと、黄色っぽい色をした木が見える。展望台を降りてみると、それは、エンジュの木。黄色い実がたくさん枝に残っており、下にもばらばらと落ちていた。さて、ここからは下り。エナガやシジュウカラが群れをなして、木から木へと飛びまわりながら、うるさいくらいに鳴いている。キジバトもたくさんいる。シラカシなどの常緑樹が多くなり、さきほどとは少し違った雰囲気。ムラサキシキブの木は今は枝ばかりだが、よく見ると、紫の実が少し残っている。ほどなく、東口の駐車場前に到着した。これで、今日のお散歩はおしまい。

生田緑地:イメージ5

コースのあちこちに、「植物採集はかたく禁ずる」「歩行中禁煙」「ゴミは持ちかえり」などの看板があり、この緑地の自然が手厚く守られていることが分かる。冬の雑木林は少し殺風景だけれど、なかなか趣があるし、野鳥の観察をしたい人には良い(「野鳥の森」というコースもある)。展望台からは、飯室山へ向かうコースもある。プラネタリウムや美術館、民家園などの施設も利用するなら、ファミリーでもたっぷり1日楽しめそう。自然観察なら、新緑、花、紅葉やどんぐりなど、1年を通じて訪れたい。

-DATA-

場所:
神奈川県川崎市多摩区
タイム:
計1時間30分
東口-香りの園-岡本太郎美術館前:30分 岡本太郎美術館前-北部管理事務所:15分 北部管理事務所-自然探索路(尾根道)-芝生広場:15分 芝生広場-湿地-枡形山広場:15分 枡形山広場-グリーンアドベンチャーコース(逆行)-東口:15分
交通:
小田急線向ヶ丘遊園駅南口から徒歩15分
駐車場:
西口、東口にあり。2時間400円。以降30分ごとに+50円。
トイレ:
各入口等6ヶ所(うち身障者用4ヶ所)
レストハウス:
プラネタリウムの近くにある(ただし12~2月の間は、土、日、祝日のみ営業)山芋そば・うどん500円、カレーライス400円など
売店:
各入口等6ヶ所(うち身障者用4ヶ所)
自動販売機:
売店、枡形山広場などにある
施設:
・伝統工芸館(無料、月曜・祝日の翌日休館)
・日本民家園(有料、月曜・祝日の翌日休館)
・青少年科学館(プラネタリウムは有料、月曜・祝日の翌日休館)
・岡本太郎美術館(有料、月曜・祝日の翌日休館)

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