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箱根 明神ヶ岳から臨む元旦の富士

Jan. 1, 2001 おせちに温泉*正月山行

箱根 明神ヶ岳から臨む元旦の富士:イメージ1

正月は、富士の見える山に登ることにしている。21世紀を迎える今年は、箱根の明神ヶ岳に行くことにした。元旦の朝。強い風がみるみるうちに雲を飛ばし、見渡す限り青い空が広がった。JR小田原駅から箱根登山バスに乗る。曲がりくねった急坂は、明日、箱根駅伝の選手たちが山越えに挑む道だ。仙石バス停下車。道祖神が、朝日を浴びて立っている。小さな道の神に、一年の無事を祈った。

箱根 明神ヶ岳から臨む元旦の富士:イメージ2

右手に金時山登山口から上りに入る。ササに囲まれた道を上がると矢倉沢峠へ。峠にあるうぐいす茶屋で一休み。仙石原方面が見渡せる。金時山への道を左手に見て、右の道を行く。細かなアップダウンを繰り返す苅川峠。深く茂るハコネダケで、展望は無い。敷き詰められたササの葉に足をとられつつ進む。樹林帯へ入れば、赤いツルシキミの実が正月を彩る。

箱根 明神ヶ岳から臨む元旦の富士:イメージ3

標高が上がり、風が冷たくなってきた。歩くたびに霜柱がサクサクと鳴る。赤い木肌のヒメシャラやブナ、ウツギが枝をくねらせる、箱根らしい山の景色だ。しかし神奈川県レッドデータ生物リストによると、箱根地域では111種もの植物が絶滅しており、県内でもその多さが懸念されているという。これは早くから観光地化が進み、生育環境の破壊や採取が行われたことによる。昭和11年に、箱根は国立公園に制定された。自然の恩恵を受けている我々登山者にも、インパクトの少ない行動が期されている。

箱根 明神ヶ岳から臨む元旦の富士:イメージ4

尾根へ出ると、刈り払われた茅の丘、火打石岳への道標が。説明によれば、ここは玄武岩の一種、黒色の火打石を産出した地だという。これを加工した石器は、箱根や小田原の縄文時代の遺跡からも発見されるそうだ。寄り道をして、ここで昼食をとることにした。醤油と塩で味を付けただし汁に別鍋で軟らかくした餅、持参したおせちの具を入れれば、雑煮の完成だ。あたたかな日差しの下で乾杯し、枯草の上に寝転がる。

箱根 明神ヶ岳から臨む元旦の富士:イメージ5

のびやかな尾根づたいの道。いよいよ、緑の草が茂る明神ヶ岳の山頂が見えてきた。最後の急登を、一気に登る。左に無線中継所を見送れば、頂上はもうすぐそこだ。右手に、荒涼とした崩落地が現れる。溶岩と火砕物の噴出が繰り返された、成層火山の名残の姿だ。

箱根 明神ヶ岳から臨む元旦の富士:イメージ6

頂上へ。神々しく雪を抱く富士。奥にまばゆく光る峰は、南アルプスだ。木々の冬芽の色からか、赤茶けて見える丹沢山塊。東南には青い相模湾が広がる。3回の爆発と2回の陥没を繰り返してできた三重式火山の箱根の様子も、手にとるようだ。1169メートルの明神ヶ岳は、古箱根火山が陥没した後リング状に取り残された、古期外輪山の最高峰にあたる。ダイナミックな大地の造型に、地球の息吹を感じる。

箱根 明神ヶ岳から臨む元旦の富士:イメージ7

石の露出する尾根道を下る。潅木のなかを進み、明星ヶ岳との鞍部から、宮城野に下りた。車道に出て一休みしたあと、さらに直進。すがすがしいヒノキの香りがたちこめる。南足柄から明星ヶ岳を越え、宮城野の碓氷峠に下る道は、日本武尊東征の道ともいわれる。別荘地から人里に抜け、国道に到着。正面の神山の中腹にたなびく白い煙は、硫化水素を含んだ大湧谷の火山ガスだ。そのお膝元の宮城野温泉へ。不動明王のお告げで翁が掘り当てたという「勘太郎の湯」は、金運や厄除けのご利益があるとか。銀の月を見上げながら、露天風呂でゆったり汗を流した。

-DATA-

場所:
神奈川県足柄下郡箱根町
交通:
JR東海道線小田原駅より箱根登山バス40分→仙石バス停下車
駐車場:
無し
トイレ:
矢倉沢峠にあり
コース:
JR小田原駅(バス40分)→仙石バス停(徒歩10分)→金時登山口(徒歩30分)→矢倉沢峠(徒歩1時間)→火打石岳(徒歩50分)→明神ヶ岳(徒歩40分)→鞍部(徒歩1時間)→宮城野
問い合わせ先:
小田原市観光課 0465-33-1521
小田原市観光協会 0465-22-5002
勘太郎の湯 0460-2-4477
参考文献:
神奈川県立生命の星・地球博物館
『追われる生きものたち-神奈川県レッドデータ調査が語るもの』1996
昭文社『エアリアマップ 山と高原地図19 箱根』

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