トレッキングレポート

サブナビゲーションをスキップ


フィールドレポート

現在のレポート数は811件です。

最新記事
最近のコメント
カテゴリー
バックナンバー

Since Apr.01,2000


« 秋の八方尾根トレッキングレポート:トップページ極楽寺~稲村ガ崎ハイキング »

赤谷山 2260m

Oct. 14, 2000 霧中から現れた紅葉に夢中

赤谷山 2260m:イメージ1

赤谷山は、ボランティアの手によって登山道が拓かれた山である。登山口から山頂まで標高差が1300mあり、日帰りにはきつい山だとガイドブックには書かれている。今回の目的は自己のトレッキングレベルを知るためと、2000m級の山に紅葉が下りてきているので、それを見ることである。剣岳の玄関口、馬場島から白萩川沿いの谷を詰めると、堰堤前の広場に着く。曇り空の下、堰堤のハシゴ場から始まるが、ここは慎重に足場を確かめながら上へ。まずは谷の右岸を歩く。道の両脇は人の背丈より高い草に囲まれている。いくつか小さな沢をまたぐ。沢の両端やカーブ、分岐には布で目印がしてあり、迷うことなく安心して進める。沢を流れる水の音がサラサラと心地よい。50分程歩くと、登りが緩やかになり、沢から離れて静かになる。いつのまにか細かい雨が降ってきて、全身は湿気と汗でグッショリ濡れている。

赤谷山 2260m:イメージ2

出発から90分ほど歩くと、岩の上にあるケルンを目印に沢を横切り、林の中へ登山道を求める。緩やかな登り坂を歩いていると、等高線を一本づつ越えているのを実感する。このあたりの道は、下草が刈られていてスムーズに歩ける。そして30分程進むと、林を抜けて、岩がごろごろ露出した斜面に出る。急登なうえに足元が崩れやすく、滑落や人工落石に注意しなければならない。慎重に登っていると、突然日が射し霧が見る間に薄れていった。そして周囲にオレンヂ色に染まった木々が現れた。いつのまにか紅葉の真っ只中にいたのだ。谷全体が輝いており、その美しさにしばし足を止めた。

赤谷山 2260m:イメージ3

出発から2時間でクマザサの茂るブナクラ峠に到着する。雲の向こうに後立山連峰が見える。稜線を南東方面に伝い、黒部峡谷側の谷を巻き、狭い沢を登っていく。沢を登りきると、眼下に雲海が広がっていて、思わず声を上げる。西南西に残雪の大日岳と奥大日岳が見える。雲海の眺めに圧倒されながら、夢中でカメラのシャッターを押す。最後の急登は、ハイマツの茂る稜線上にとられており、西側斜面の雪渓を見ながら進む。風がなく、自分の周りからは全く音が消えた。不思議な感覚に襲われる。

赤谷山 2260m:イメージ4

出発から3時間半で赤谷山頂上(2260m)に到着する。秋空をバックに圧倒的な存在感の剣岳が迎えてくれた。山頂には登山の安全を祈るためか、地蔵がまつられている。きれいに晴れた秋空と剣の紅葉が見事だ。美しい、とにかく美しい。剣の左側には、鹿島槍ヶ岳、五竜岳、唐松岳、白馬三山が連なっている。山頂付近は草地となっていて、グループ登山ならお弁当を広げるのにちょうどよい。一幅の絵のような山々を見ながらの昼食は、いつになくおいしい。山頂直下の岩場にはあちこちで花が見られる。チングルマの花房が風にゆれ、ウサギギクがコロニーを形成している。仙人方面の谷にはまだ雪が残っている。頂上には秋の風が吹き、刷毛ではいたような薄い雲が秋空に浮かび、白馬方面へ流れてゆく。ゆったりとした時間に身をゆだね、いつまでも剣を眺めていたい気分だ。

ルートが長いので、あまり長居はできない。後ろ髪を引かれる思いで往路を戻る。ブナクラ峠まで降りてきたら霧となる。枯れ沢のようなガレた道を歩いていたら、サルナシが実っているのを見つける。サルナシはマタタビ科で、キウイフルーツとも親戚関係。見た目も味もキウイみたいだ。サルナシはいい香りのする果実酒になるとのこと。採取しながら熟れたサルナシを口に放り込むと、甘さがジュワッと口中に広がる。標高差があるので、ダブルストックがあると膝への負担が緩和され、楽に降りられる。赤谷山は、登りに自信がある人でも、かなりの登り応えがあると思う。日帰り登山は大変であるが、その苦労に見合う美しい景色を楽しむことができる山である。

-DATA-

場所:
富山県中新川郡上市町
タイム:
登山口(2時間)-ブナクラ峠(1時間)-稜線(30分)-赤谷山頂上(20分)-稜線(40分)-ブナクラ峠(1時間45分)-登山口
アクセス:
上市から県道馬場島線で馬場島家族の森キャンプ場へ。その先に分岐があるので、「赤谷方面」と書かれた左の砂利道を進む。橋を2回渡った先の堰堤前の広場が登山口である。
交通:
自家用車が望ましい。
駐車場:
堰堤前の広場に停められる。
トイレ:
なし
水場:
馬場島に水道あり。また沢がいくつもあるのでそこでも補給は可能。
携帯電話:
山頂においてドコモは通話可能、Jフォンは不通。

コメント(0)

コメントはまだありません。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

コメント投稿フォーム

ページのトップに戻る