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秋の上高地

Oct. 22, 2000 唐松の黄葉と清らかな梓川、穂高連峰を眺めながら歩く

秋の上高地:イメージ1

秋の上高地は唐松(カラマツ)が黄色に染まり、周囲の山が赤や黄色の紅葉に染まり、穂高連峰に雪が積もっていることもあり、素晴らしい風景が広がる。東南に六百山、霞沢岳と標高2600mほどの山、西から北へ焼岳、西穂高岳、奥穂高岳、前穂高岳、明神岳と3000m級の山が連なる。上高地はこうした山に囲まれ、梓川(あづさがわ)に沿った盆地状のところである。2000年は紅葉が遅れ気味で、ようやく紅葉の見頃になっていると聞いて、大正池から河童橋までゆっくりと歩くことにした。

秋の上高地:イメージ2

バスで上高地へ向かうが、手前の梓川にいくつかあるダム湖付近が全山紅葉していて青い空とのコントラストが見事だ。黄色が多めの紅葉である。交互通行の釜トンネルが近付いてきて、前が支えているようでバスはスピードを落とす。しかし両側の紅葉が見事なので、ゆっくりの走りでちょうどいい。ここは赤も黄色も混じった紅葉だ。タイミングが良かったようで、釜トンネルでは交互通行の信号待ちをほとんどせずに通り抜けた。焼岳の頂上が左側に見え、バスが2、 3のカーブを通り抜けると、大正池と、穂高連峰が目に飛び込んでくる。大正池バス停でバスを降りるが、客を降ろしているバスが多く、バス停の手前のトイレのあたりで降りることになった。大正池のほとりに出ると、左にわずかに噴煙を出している焼岳が見える。そして、右手の唐松が黄葉している向こうに、穂高連峰が大きくそびえる。雲一つない青空のせいか、今まで見たより大きく見える。

秋の上高地:イメージ3

今日は日曜ということもあって、人が多い。列に続くように、遊歩道を歩いていく。もう一度、大正池のほとりに出たあと、クマザサの多い林を抜けていく。唐松等がまばらにある林となり、まもなく草原状の所に出る。草紅葉は終わりかけで枯草色になっている。唐松の黄葉の向こうに穂高連峰が見える。右へ行ってすぐ、田代池がある。ほとんど川と言った方がいいが、向こう岸の唐松が黄葉している。元の三叉路に戻り、右へ行く。道が分かれるが左へ進むと、梓川のそばを歩くようになる。十字路に出たら左へ曲がり、田代橋と穂高橋の2つを渡る。ここからウェストンレリーフを経て河童橋までは、梓川をはさんで向こう岸に見事な唐松の黄葉が続く。河童橋から清らかな流れの梓川と穂高連峰の眺めが素晴らしい。穂高の峰々には、初雪は早く降ったらしいが、まだ今年の積雪は見あたらない。バスの時間に合わせて上高地バスターミナルへ向かう。またバスターミナルから路線バスを利用するときはバスターミナルの窓口で予約の必要がある。予約は前日から受け付けてくれる。帰りにトレッキングの汗を流したいときのお勧めの温泉は上高地のレポートに書いているのでご覧頂きたい。

秋の上高地:イメージ4

私が行ったときは昼間の気温が9度とさすがに標高が1500mなので、低い気温であった。日が射していたので、それほどの寒さは感じなかったが、休憩しているときや、風が吹いたりすれば、体感温度は下がるので、上着や羽織るものを持っていった方が良いだろう。大正池から田代橋まで等は雨上がりの時など道がぬかるんでいるので、防水性のあるハイカットの靴を履くと良い。夏の上高地・河童橋から明神池については、上高地のレポートに書いているので参照していただきたい。夏に1回、秋は3回来ているが、何度来ても上高地はいいところだ。新緑と穂高連峰の残雪の取り合わせが見事な5月下旬や6月上旬にも、また訪れたい。

(写真は上から、大正池より穂高連峰、焼岳、田代池、唐松の黄葉、河童橋と穂高連峰)

-DATA-

場所:
長野県南安曇郡安曇村
タイム:
計1時間25分
大正池-田代橋:40分 田代橋-河童橋:30分 河童橋-上高地バスターミナル:15分
鉄道・バス
(夜行):
1.東京(新宿)、横浜、大阪、京都、神戸から出る夜行バスのさわやか信州号 上高地行きで入る。(要予約)
2.新宿から中央線の夜行急行「アルプス」にて早朝松本下車、松本電鉄線に乗り換え終点新島々下車、上高地行きの路線バスにて上高地バスターミナルもしくは大正池下車。
3.大阪、名古屋から夜行急行「ちくま」にて早朝松本下車、以下は2と同じ。 鉄道・バス
(昼間):
1.新宿から中央線の特急「あずさ」にて松本下車、以下は(夜行)2と同じ。
2.大阪、京都、神戸から新幹線で名古屋へ。名古屋から中央線の特急「しなの」にて松本下車、以下は(夜行)2と同じ。
車:
関東、中京、近畿方面からは中央高速を利用、岡谷ジャンクションから長野道に入り、長野道を松本インターで降り、国道158号を西方向、上高地へ向かう。
沢渡から先は交通規制が敷かれているので沢渡周辺のいくつかある駐車場に車を駐める。 駐車場から上高地へは路線バスもしくはタクシー利用。
駐車場:
沢渡付近の駐車場:有料
トイレ:
大正池、河童橋そば、バスターミナル、各山小屋、ウェストン・レリーフ近くに有り
携帯電話:
大正池、明神付近を除き通話可能。

丹沢 堂平のブナ林

Oct. 21, 2000 原生林とシカたちの明日を考える

丹沢 堂平のブナ林:イメージ1

神奈川の水源、丹沢のブナ林の現状を、自然保護の立場から学びたい。こう思っていたところ、県が主催する森林インストラクター養成講座の一環で、堂平のブナ林に入る機会を得た。堂平は、丹沢山塊の主峰、丹沢山の中腹にあるブナの原生林で、県の美林50選にも指定されているところだ。登山口まで一般車両進入禁止の林道が長く続くアプローチしにくいコースだが、今回は県の許可を得た車で奥まで入る。起点施設の県立札掛森の家へ車で登る。垂れ込める朝霧を抜けると、純白に輝く雲海が眼下に広がった。

丹沢 堂平のブナ林:イメージ2

札掛橋より布川沿いに県道秦野清川線を北上すると、右手にモミ林が見える。希少な原生の純林で、県の天然記念物にも指定されている。この林には、県職員に語り継がれる武勇伝がある。物資が急速に欠乏していった戦時中、周辺の林は次々と伐採された。当地の林を戦闘機のプロペラ資材に供出せよ、と刀をつきつける軍に対し、当時の県林務課の職員は「このモミ林は後世に手渡すべき財産だ」と体を張り立ちふさがったのだ。こうして貫かれた信念が、絶滅危惧種のクマタカがすむという深い森を現在も育み続けている。

丹沢 堂平のブナ林:イメージ3

塩水林道への入り口で、一般車両侵入禁止の柵が現れる。ここからは許可を得た車両と歩行者のみが通行できる。塩水林道を抜け、登山口へ。丹沢自然保護協会会長、中川道也氏の案内で山へ入る。杉林を抜け、明るいブナの林に着いた。しかし我々が見る「美しいブナ林」は、シカがつくった風景だという。確かに植生保護のための柵内には青々と下草が茂っているが、外にはほとんど無い。シカの食害だ。柵の内外では植物の成長が10倍以上違い、柵外にはシカの好まない植物ばかり増えているという調査データもある。

丹沢 堂平のブナ林:イメージ4

水無沢の分岐に出て、昼食を取る。古来人々は、こうした沢すじを好むスギを乾燥した尾根などに植えても根付かないと、人工林に広葉樹を点在させていたそうだ。しかし一斉伐採、拡大造林が行われた頃から、シカは急増したという。7、8年前からは目に見えてヤブが後退し、物陰を好む鳥や、木の実を好むクマも激減した。「自然は、一つを壊すとみんな駄目になる」-それを実証するために一つ一つモニタリング、追跡調査をする必要があると語る中川氏の目には、現実を見据え、立ち討とうとする確かな力があった。

丹沢 堂平のブナ林:イメージ5

ふと足元を見ると、ブナの実の殻が、朽木のコケの上に点々と埋め込まれている。中の実を食べるためにホシガラスが差し込んで固定したのではないか、ということだ。殻から出た小さな三角錐状の種を転がしていると、「持って帰って芽を出させて、苗になったらまたここに植えに来な」。丹沢自然保護協会では、在来樹種の植樹祭を、毎年春と秋に行っているそうだ。こんな小さなことからできる自然保護もある。

丹沢 堂平のブナ林:イメージ6

地面を掘り返したシカのヌタ場やフンなど、フィールドサインを辿って山道をジグザグに登る。視界が開け、堂平に到着。色づき始めたブナの林で、農工大の学生たちに出会った。彼らのようなボランティアの尽力で、200以上の植生保護柵が作られ、深刻な状況にある丹沢の山にも、かなりの植物が返ってきたそうだ。ブナの森を、明るく白い霧が静かに包み込んでいく。

丹沢 堂平のブナ林:イメージ7

ピィーヨー。下山する我々の耳に鋭くシカの声が響く。シカの食害は全国で問題になっているが、3頭捕獲すれば3頭分の被害が減るというわけではない。彼らが生存本能を貫くべく餌をとり、移動し、子孫を残せるだけの生息地を確保しなければ、人間と動物のいたちごっこは止まらないのだ。平成9年の「かながわ新総合計画21」は各地域間で生きものが行き来できる回廊づくりをうたい、国も西丹沢を遺伝子保存林として指定している。丹沢の未来を考えることは、森が育む水に支えられる人間自身の未来を考えることに他ならない。

-DATA-

場所:
神奈川県 愛甲郡 清川村 東丹沢県民の森内 堂平ブナ林
交通:
県立札掛森の家へのアプローチ
車では名古木交差点より約40分、清川村宮ヶ瀬より約35分、バス利用の場合秦野駅よりヤビツ峠行き終点下車徒歩約90分
タイム:
県立札掛森の家からのルート
県立札掛森の家→県道秦野清川線→塩水林道(徒歩2時間30分)→登山口(徒歩30分)→水無沢(徒歩20分)→堂平
起点施設:
県立札掛森の家
(神奈川県愛甲郡清川村煤ヶ谷5172-1 ℡0463-75-4896)
国民宿舎丹沢ホーム:丹沢自然保護協会事務局
(神奈川県秦野局内区丹沢札掛 ℡0463-75-3272)
駐車場:
起点施設に有り
トイレ:
起点施設に有り
その他:
登山口へのアプローチ法を起点施設で確認の上入山すると良い

中央アルプス千畳敷

Oct. 21, 2000 紅葉を楽しみながらロープウェイで登り、中央・南アルプスと富士を眺める

中央アルプス千畳敷:イメージ1

千畳敷カールは中央アルプスの宝剣岳の東側にある標高2612mのカールで、駒ヶ岳ロープウェイにより、簡単に登ることが出来る。この千畳敷カールは氷河により削られ擂り鉢状になっている所だ。夏は高山植物の花畑になり、秋は木々の紅葉と草紅葉が見事であり、駒ヶ岳ロープウェイは年中無休であるので、雪の多い時期にも登ることが出来る。中央アルプスの東に並んでそびえる、南アルプスの眺めも良く。南アルプスの向こうには富士山の姿も見える。千畳敷カールの紅葉はほぼ終わりかけであるが、しらび平付近の紅葉が見事だと聞き、出かけることとなった。

中央アルプス千畳敷:イメージ2

駒ヶ岳ロープウェイ行きバスに乗り、標高1662mのしらび平に向かう。雲の向こうに剣の矛先のような宝剣岳の鋭い峰が見え隠れする。バスで登る標高差は700mとかなり大きい。日光のいろは坂よりきついと思われる坂と急カーブの連続を登っていく。菅の台バスセンター付近では緑が多かったが、登って行くにつれ、紅葉の度合いが進んでいるのがわかる。ここではダケカンバなのだろうか、黄色が目立つ。約30分で、終点のしらび平に到着である。今日は土曜日で、紅葉も見頃ということで、ロープウェイは1時間半待ちだという。人数分の整理券をもらい、放送で番号を呼ばれるまで周辺を散策したり、売店をのぞいて、時間をつぶすことにする。遊歩道脇にはこんな時期なのに、ホタルブクロが2つ花を咲かせている。遊歩道周辺は唐松が黄葉を始めており、しらび平のバス停付近から見える山は、ダケカンバの黄葉が多い。ゆっくり歩くともう呼び出される時間となった。列に並び改札を通る。しかしこれから20分ほど、待たされる。ロープウェイに乗る時間は、7分30秒であるが、2台の交互運転であり、9分間隔の運行で、乗り込むのは3つ目のロープウェイなのだ。やっとのことでロープウェイに乗り込む。左右、そして前に紅葉が広がる。やはり黄色中心である。秒速7mで登っているというが、まわりを見ていると、そのスピードは感じない。その速さが分かるのは、中間地点で降りてくるロープウェイとすれ違うときである。登る勾配が急になって、駒ヶ岳ロープウェイの終点、千畳敷駅に到着する。ふもとのしらび平は標高1662mでここは標高2612mであり、その標高差950mとロープウェイ駅の標高2612mは東洋一らしい。

中央アルプス千畳敷:イメージ3

千畳敷駅から外に出ると、ふもとからも見えていたあの尖った岩峰の宝剣岳が目の前にそびえている。圧倒的な迫力だ。初雪は既に降ったと言うが、積雪はない。手前には草紅葉が続き、茶色の岩肌が続いて、宝剣岳の頂に至る。初めてここに来たが、この時期の宝剣岳が最も迫力があるのではないだろうか。ロープウェイ駅の出口から右へ回り込むと、宝剣岳と相対して、雲の上にそびえる南アルプスの姿を望むことが出来る。こちらも白い雪は見あたらないようだ。雲に隠れる伊那谷をはさんで、青く見える。ここから見える南アルプスの主な峰は左(北)より甲斐駒ヶ岳、ピークが2つ見える仙丈ヶ岳、そして北岳、間ノ岳、農鳥岳、つぎに塩見岳と続き、農鳥岳と塩見岳の間に富士山が頭をのぞかせている。南アルプスを眺めた後、千畳敷カールの周遊路を回ることにした。南アルプスに向けた望遠鏡のところから下っていく道を行く。ナナカマドは赤い実を残して、葉はもう落ちている。高山植物も花がドライフラワー状態になって、枯草色になっている。広場になっているところへ出て、右は木曽駒ヶ岳方面の登山道なので左の周遊路をたどる。少し登って右に宝剣岳の登山道を分けて、左へ回り込む。このあたりからは宝剣岳を見上げると、そびえ立った岩峰が迫っている。どんな花が咲いていたのかなと、遠い夏に思いをはせながら歩くと、元の千畳敷駅の広場に戻る。

中央アルプス千畳敷:イメージ4

千畳敷の周遊路には緑のロープが張ってあるが、これは立入禁止を示したもので、つかまって歩くと危険である。周遊路は高低差がほとんど無いが、岩が多いので歩きやすい靴で来て頂きたい。また千畳敷駅はホテル千畳敷とつながっており、宿泊も可能だ。今回は晩秋の感漂う時期の訪問であったが、残雪の多い時期にもロープウェイで千畳敷まで登ることが出来るので、是非行ってみたい。そんな頃なら、南アルプスも雪が多く、雲の上に白く連なる峰々が望めるらしい。もちろん、夏はコバイケイソウをはじめとする高山植物が咲き誇るというので、是非とも宝剣岳・木曽駒ヶ岳への登頂を含めて行ってみたい。

帰りに汗を流すことの出来る温泉を、電車・車それぞれに都合のいい所を紹介する。すこし、駒ヶ根から離れてしまうが、両者とも諏訪湖のほとり、上諏訪温泉にある。
車向け 片倉館 場所:中央高速を岡谷ICでおり、国道20号を東へ、上諏訪の市街に入ったらすぐ右の並行して走る湖岸通りに移り、湖岸通り3の信号、諏訪観光ホテルを過ぎて左側 電車の場合は上諏訪駅下車、徒歩10分。営業時間:10:00-21:00(火休) 入浴料:\300 湯舟の底に玉砂利が敷かれ、深さは1.1m。昭和初期にシルク産業が盛んだった頃、女工の厚生施設として建てられた歴史ある施設。 電車向け 上諏訪駅露天風呂 上諏訪駅ホーム内 営業時間:6:00-18:00(無休) 入浴料:乗車券または入場券でOK

(写真は上から千畳敷カールと宝剣岳、しらび平の紅葉、南アルプス、ナナカマドの実、宝剣岳)

-DATA-

場所:
長野県駒ヶ根市
タイム:
計1時間20分
しらび平 遊歩道一周30分、しらび平駅(7分30秒)千畳敷駅 千畳敷カール 遊歩道一周50分
鉄道・バス:
1.新宿から中央線の特急「あずさ」にて岡谷下車、岡谷より飯田線で駒ヶ根駅から駒ヶ岳ロープウェイ行きバスで50分
2.関西からは新幹線で名古屋へ、名古屋より中央線で岡谷へ、岡谷より飯田線で駒ヶ根駅から駒ヶ岳ロープウェイ行きバスで50分
車:
中央高速を駒ヶ根ICで降り、信号を右折、西へ向かう。約1kmで菅の台バスセンター駐車場、約3kmで黒川平駐車場
駐車場:
黒川平(120台)、もしくは手前の菅の台バスセンター(300台)どちらも有料
自動販売機:
しらび平駅、千畳敷駅
トイレ:
しらび平駅、千畳敷駅
携帯電話:
使用不可
公衆電話:
しらび平駅、千畳敷駅

硫黄岳2760m (本沢温泉~硫黄岳)

Oct. 21, 2000 八ヶ岳連邦のひとつ硫黄岳

硫黄岳2760m (本沢温泉~硫黄岳) :イメージ1

八ヶ岳は赤岳、天狗岳、権現岳、横岳、阿弥陀岳、編笠山、西岳、硫黄岳が集り八ヶ岳連峰と言います。山腹までバスが運行され、温泉、鉱泉などの山小屋もあり初心者にも登りやすい山として人気があります。今回は山腹にある本沢温泉まで来たのでちょっとだけ足を伸ばしてみました。

硫黄岳2760m (本沢温泉~硫黄岳) :イメージ2

ここ本沢温泉はゲート前駐車場から歩いて1時間、硫黄岳、天狗岳もゆっくり歩いて往復4時間ほどで行ける標高2100mの登山の基地です。本沢温泉から左に見える硫黄岳を目指し、最初に標高2440mの夏沢峠に向かいます。湯川渓谷の流れの音がだんだん小さくなり、整備された登山道も標高が上がるにつれて狭くなっていきます。しばらく道なりに歩いていると夏沢峠の山小屋が見えました。しかし今年度は閉鎖されたようで2件ある山小屋は扉が閉まったままです。

硫黄岳2760m (本沢温泉~硫黄岳) :イメージ3

夏沢峠のやまびこ荘の前で、休憩をしながら天然記念物のヤマネとモモンガの絵を見てました。ここの山小屋では餌をもらいに小動物達が寄ってくる事が書いてあったが、山小屋が閉まっているので詳しい話が聞けませんでした。硫黄岳山頂まであと半分、重い足取りでゆっくり出発。歩き出してからすぐ硫黄岳の絶壁が現れ、近くで見れば垂直にそびえています。いつの間にかガレ場の中を歩き始め、山頂目指して空を見渡せば、空が青々としてました。

硫黄岳2760m (本沢温泉~硫黄岳) :イメージ4

ゆっくり歩いて1時間は掛からなかったが硫黄岳2760m山頂に到着。丘のように広い山頂から北八ヶ岳と南八ヶ岳がよく見え、雲海のかなたには北アルプスまでが顔をだしていた。昨日まで降っていた雨雲が嘘のように消え、残っていたのは所々にある氷だけだった。昼食を取るには時間的に少し早かったが、南八ヶ岳を目の前にして、ゆっくり食べることにした。次回来る時は硫黄岳から横岳、赤岳に足を伸ばしてみる計画を立てて山頂をあとにした。

硫黄岳2760m (本沢温泉~硫黄岳) :イメージ5

来た道を戻り始めたが行きと違い非常に寒い。トレーナーとヤッケを着込んで夏沢峠まで降りてきたが、来た時に閉まっていたやまびこ荘が何故か開いていた。恐る恐る中を覗いてみると、本沢入口駐車場で出会った女性が山小屋を管理していた。一杯のお茶をもらい、先ほどまで山小屋の中にいたモモンガの話しを一生懸命説明してくれました。ちょっと綺麗な人だったので後悔しながらも足を本沢温泉に向けて下山していきました。

八ヶ岳は山腹に本沢温泉、やまのこ村とアプローチが短く入門者にはお勧めします。しかし装備は充分に用意していったほうが無難です。夏季は学生の登山宿泊場所になりますので、予約状況などの確認が必要です。

-DATA-

場所:
長野県 八ヶ岳連峰 硫黄岳
交通:
JR小海駅よりタクシーで本沢入口駐車場まで30分、本沢入口駐車場より本沢温泉まで徒歩で1時間45分、本沢温泉から夏沢峠まで徒歩で1時間、夏沢峠から硫黄岳まで徒歩で1時間
駐車場:
本沢入口駐車場、ゲート前駐車場
トイレ:
本沢温泉
宿泊施設:
本沢温泉(通年)、やまびこ荘(冬季以外)、やまびこ荘と本沢温泉は同じ系列です。 
連絡先:
090-3140-7312(本沢温泉直通)
0266-72-3260(事務所)
料金:
8200円~
キャンプ場:
本沢温泉
料金:500円(場所代だけ)
携帯電話:
本沢温泉以外良好

白馬岳

Aug. 19, 2000 高山植物の宝庫、雲上の楽園へ大雪渓から登る

白馬岳:イメージ1

白馬岳は南アルプスの北岳と並んで、高山植物が多い花の名山として知られる。北アルプスの北部に位置し、標高は2932mとさほど高くないが、日本海に近く積雪が多いため、豊かな高山植物をはぐくんでいる。また最短の登山ルートである白馬大雪渓は日本三大雪渓の一つとして知られる。大雪渓から登るルートでは、花の多い白馬岳の中でも、最も多くの種類を目にすることの出来るルートである。今回はこのルートを登ることとした。

白馬岳:イメージ2

夜行の急行「アルプス」で早朝白馬駅に降りる。白馬岳まで1日がかりのコースなので、夜行は苦手という方は、前日白馬周辺のホテル・ペンション・民宿などに泊まると良い。白馬村はスキー場として開けているので、好みの宿を探すのはたやすい。登る当日の時間短縮をしたいときは、登山ルート中の白馬尻、猿倉の山小屋に泊まっても良い。猿倉の村営猿倉荘前で登山届を提出し、ルートの情報を得てから出発する。猿倉の標高は1240mであり、白馬岳まで約1700mの登行となる。猿倉荘の左側から登山道を登り、間もなく林道に出る。林道を歩いていくと、これから登る白馬岳がそびえているのが見える。しばらくすると林道が終わり、細い登山道になる。沢沿いに登ると山小屋が2軒ある白馬尻に着く。ここまで猿倉から1時間10分の行程である。

白馬尻で身支度を整えて歩き出す。夏の早い時期ならキヌガサソウやサンカヨウが咲く道を5分ほど登ると、大雪渓が現れる。ここから雪渓上の2時間の登りである。アイゼンをつけた方が登りやすいので、持っていない方は白馬駅前で借りるか、白馬尻の山小屋で買うと良い。レンタルは最初1000円払い、白馬山荘や各下山口で返却すると300円の保証金が戻ってくる。買う場合は1000円である。他の方の迷惑にならない場所でアイゼンをつけたら登り始めよう。またストックがあるとバランス良く歩くことが出来る。紅ガラでコースが示してあるのではずれないように登る。目の弱い方はサングラスをかけると良いだろう。晴れていると背中への日射と雪面からの照り返しで日射病になりやすい。体調がすぐれないときは休みをこまめに取るなど対応が必要だろう。雨や霧の時は気温が下がり、雪渓を吹き降りてくる風が冷たいので、重ね着するなど対策が必要となる。

大雪渓は落石が多く、特に上部では注意が要る。雪渓を落ちてくる落石は音がせず、スピードもあるので気を付けたい。途中で休憩する際にも、上方を向いて常に落石に注意を払う。大雪渓の両側にミヤマキンポウゲなどの花が群落を作っている。コース以外は落石で危険なので、遠くから眺めるだけにしよう。約2時間で雪渓を登り切る。登り切った地点は落石の危険があるので安全ですれ違いの出来る場所でアイゼンをはずす。ここから急な登りとなるが花になぐさめられながら、登っていく。

白馬岳:イメージ3

しばらく登って行くと、小雪渓と呼ばれる雪渓をトラバースする。(横切る)ここはステップが切られているので歩きやすい。不安な方はアイゼンを付けると良いだろう。ガレ場を登ると避難小屋がある。トイレと水場がある。ここで昼食とすると良いだろう。ここからはこのコースで最も花の多い通称「お花畑」の中を登っていく。黄色のミヤマキンポウゲの他、クルマユリやハクサンフウロなど多くの花が咲く。花を見ながら更に登ると左に村営頂上宿舎がある。このあたりには8月後半にミヤマトリカブトに群落が出来る。

宿舎前に雪渓の残っている頃には雪渓の解けた水を飲むことが出来る。冷たくておいしいので是非寄りたい。宿舎から一登りで主稜線に出る。主稜線には夏の早い時期ならウルップソウの紫の花、夏の終わり近くには淡い黄色のトウヤクリンドウが多く見られる。主稜線を右に向かう。目指す白馬岳が見える。20分の登りで登山道の両側に建物の並ぶ白馬山荘に着く。更に20分の登りで白馬岳頂上である。山小屋もしくはテント場に荷物を置いて登るのが良いだろう。

白馬岳:イメージ4

晴れていれば頂上からは360度の展望である。南に白馬三山の他の2つ、杓子岳と白馬鑓ガ岳が見え、南西には剱岳と立山が青く見える。北には主稜線を連ねる小蓮華山、北西には雪倉岳、朝日岳が見え、空気が澄んでいれば北に日本海と能登半島、佐渡、南に鹿島槍ヶ岳、穂高へと続く北アルプス、遠く八ヶ岳、富士山も見えるので方位盤で確認すると良い。宿泊は村営頂上宿舎、白馬山荘と2つの山小屋のどちらかか、テント泊なら村営頂上宿舎の南側にあるテント場を利用しよう。翌日の早朝は頂上からの御来光と展望を楽しもう。下山は往路を戻っても良いが、別のコースをたどった方が楽しいと思う。1日で下山するには、白馬三山を続けて登り、花の多い大出原を通り、雲上の露天風呂がある鑓温泉を楽しんで猿倉へ降りるコースがお勧めである。または白馬岳から北へ向かい小蓮華山を経て白馬大池から栂池自然園へ降りるか、白馬大池から蓮華温泉へ降りるのも良い。

-DATA-

場所:
長野県北安曇郡白馬村、富山県下新川郡朝日町
タイム:
1日目(登り)計6時間
猿倉-白馬尻:1時間10分 白馬尻-葱平(大雪渓の上):2時間10分 葱平-村営頂上宿舎:2時間 村営頂上宿舎-白馬山荘:20分 白馬山荘-白馬岳頂上:20分
2日目(下山)計8時間20分
白馬山荘-白馬岳頂上:20分 白馬岳頂上-白馬山荘:15分 白馬山荘-村営頂上宿舎:15分 村営頂上宿舎-杓子岳:40分 杓子岳-白馬鑓が岳:60分 白馬鑓が岳-大出原分岐:30分 大出原分岐-大出原:110分 大出原-白馬鑓温泉小屋:30分 白馬鑓温泉小屋-小日向のコル:90分 小日向のコル-猿倉:90分
鉄道・バス:
1.新宿始発の中央線を走る夜行の急行「アルプス」、昼間の特急「あずさ」で白馬駅下車。
2.東京、上野、大宮などから長野新幹線で長野下車、白馬方面行きの高速バスにて白馬下車。
3.新宿西口から白馬・栂池方面夜行バスにて白馬下車。 1から3とも白馬駅前から猿倉行きバスにて猿倉下車、またはタクシーにて猿倉へ。
車:
関東、中京、近畿方面からは中央高速を利用、岡谷ジャンクションから長野道に入り、豊科インター下車、国道147、148を北上。 猿倉の駐車場、もしくは白馬駅付近の駐車場に車を駐める。
駐車場:
猿倉:駐車可能台数が少ない。
白馬駅周辺:白馬駅からバス、タクシーで猿倉へ。
トイレ:
各山小屋と小雪渓上の避難小屋に有り。
携帯電話:
信州側の街が見渡せる所は通話可能。

極楽寺~稲村ガ崎ハイキング

Oct. 14, 2000 鎌倉 ひなびた谷戸と海を臨む

極楽寺~稲村ガ崎ハイキング:イメージ1

海を臨み、秋枯れの谷戸の風景に出会いたい。雨上がりの青空の下、江ノ電に乗り稲村ガ崎を目指した。極楽寺駅で降りる。谷あいの清水の音に包まれた、古い造りの駅だ。朱色の橋を渡ると、左手に草葺の極楽寺の山門が見える。ここは北条重時(北条義時の3男)が7つの切通しを抑える意味で邸を構えていた跡。戒律を重んじる真言律宗布教の関東拠点で、開山の忍性が療養院をつくり慈善事業を行う拠点でもあったという。

極楽寺~稲村ガ崎ハイキング:イメージ2

北に進路をとり、下校途中の子どもたちの声を聞きながら稲村ガ崎小学校の前を経る。やがて現れた分かれ道で左の道をたどると、木造の月影地蔵堂へ。開け放たれた堂には、鮮やかな紅の衣をまとった等身大のお地蔵様が立っている。古くから人々の暮らしを見守り続けてきたどっしりとした姿に、頭が下がる。

極楽寺~稲村ガ崎ハイキング:イメージ3

月影地蔵の角に沿って左に曲がると、秋の日差しを浴びて小さな谷戸が姿を現す。谷戸は山と、そのすそ野に広がる谷間を一体とした空間で、昔から人々は山からそこで田んぼや畑を営んできた。森、林、野原、湿地、小川などがセットとなる複雑な環境は、多くの生き物の宝庫でもある。

極楽寺~稲村ガ崎ハイキング:イメージ4

谷戸は山がちな鎌倉の典型的な風景だが、今では田んぼや畑のあった谷あいに住宅が進出し、ひなびた景色も急速に減少している。ここの一角にも駐車場ができていたが、まだトビの舞う畑は健在だった。農作業の道具を入れる古びた納屋がたたずみ、鮮やかなカキが目にまぶしい。当たり前にあった風景だからこそ、誰の目にも懐かしく、そして名も無い風景であるが故に、ひっそりと消えていく。谷戸の風景、そして生き物たちの明日を奪うことは、私たち自身の心のふるさとを奪うことに他ならないのに。

極楽寺~稲村ガ崎ハイキング:イメージ5

道を登ると、スダジイのうっそうと茂る常緑の森に迎えられる。山道を登ると、人影はパタリと途絶えた。「そっちに行くと迷うよ!」振り向くと、虫取り網をもった子どもが走っていく。道標も無いこの付近の道は、人々が生活のなかで培ってきたものだ。3方に伸びる分岐を右手、北に進めばやがてススキの生える尾根道に達する。

極楽寺~稲村ガ崎ハイキング:イメージ6

タデの花やノギクが揺れ、色づき始めたトンボが飛び交う。山に包まれた鎌倉の町並みの奥には、相模湾が広がっている。さらに両側にササの生えるゆるやかな道を進むと、コスモスの揺れる丘へ出た。遠くに海が光り、赤トンボがパリッ、と羽音をたてて飛んでいく。土手に腰を下ろし、のんびり休憩。ハイキングガイドにも出ていず、とりたてて名所があるわけでもないコースだが、その分、そこに暮らす人々の生活のリズムに溶け込める楽しさがある。

極楽寺~稲村ガ崎ハイキング:イメージ7

次第に江ノ島方面の視界も開けてくる。つきあたりで左へ階段を降りると稲村の駅へ出られるが、そのまま直進し、桜並木の「山の辺通り」から南下して、七里ガ浜を通り江ノ電の鎌倉高校前駅へ抜けた。大きな夕陽が落ちていく。21世紀の秋も、ひなびた谷戸の風景に会いに行けることを願いつつリュックを置いた。

-DATA-

場所:
神奈川県鎌倉市 江ノ島電鉄線極楽寺駅より稲村ガ崎または七里ガ浜方面へ
交通:
江ノ島電鉄線極楽寺駅より徒歩
駐車場:
無し
トイレ:
極楽寺駅を過ぎるとコース中には無い

赤谷山 2260m

Oct. 14, 2000 霧中から現れた紅葉に夢中

赤谷山 2260m:イメージ1

赤谷山は、ボランティアの手によって登山道が拓かれた山である。登山口から山頂まで標高差が1300mあり、日帰りにはきつい山だとガイドブックには書かれている。今回の目的は自己のトレッキングレベルを知るためと、2000m級の山に紅葉が下りてきているので、それを見ることである。剣岳の玄関口、馬場島から白萩川沿いの谷を詰めると、堰堤前の広場に着く。曇り空の下、堰堤のハシゴ場から始まるが、ここは慎重に足場を確かめながら上へ。まずは谷の右岸を歩く。道の両脇は人の背丈より高い草に囲まれている。いくつか小さな沢をまたぐ。沢の両端やカーブ、分岐には布で目印がしてあり、迷うことなく安心して進める。沢を流れる水の音がサラサラと心地よい。50分程歩くと、登りが緩やかになり、沢から離れて静かになる。いつのまにか細かい雨が降ってきて、全身は湿気と汗でグッショリ濡れている。

赤谷山 2260m:イメージ2

出発から90分ほど歩くと、岩の上にあるケルンを目印に沢を横切り、林の中へ登山道を求める。緩やかな登り坂を歩いていると、等高線を一本づつ越えているのを実感する。このあたりの道は、下草が刈られていてスムーズに歩ける。そして30分程進むと、林を抜けて、岩がごろごろ露出した斜面に出る。急登なうえに足元が崩れやすく、滑落や人工落石に注意しなければならない。慎重に登っていると、突然日が射し霧が見る間に薄れていった。そして周囲にオレンヂ色に染まった木々が現れた。いつのまにか紅葉の真っ只中にいたのだ。谷全体が輝いており、その美しさにしばし足を止めた。

赤谷山 2260m:イメージ3

出発から2時間でクマザサの茂るブナクラ峠に到着する。雲の向こうに後立山連峰が見える。稜線を南東方面に伝い、黒部峡谷側の谷を巻き、狭い沢を登っていく。沢を登りきると、眼下に雲海が広がっていて、思わず声を上げる。西南西に残雪の大日岳と奥大日岳が見える。雲海の眺めに圧倒されながら、夢中でカメラのシャッターを押す。最後の急登は、ハイマツの茂る稜線上にとられており、西側斜面の雪渓を見ながら進む。風がなく、自分の周りからは全く音が消えた。不思議な感覚に襲われる。

赤谷山 2260m:イメージ4

出発から3時間半で赤谷山頂上(2260m)に到着する。秋空をバックに圧倒的な存在感の剣岳が迎えてくれた。山頂には登山の安全を祈るためか、地蔵がまつられている。きれいに晴れた秋空と剣の紅葉が見事だ。美しい、とにかく美しい。剣の左側には、鹿島槍ヶ岳、五竜岳、唐松岳、白馬三山が連なっている。山頂付近は草地となっていて、グループ登山ならお弁当を広げるのにちょうどよい。一幅の絵のような山々を見ながらの昼食は、いつになくおいしい。山頂直下の岩場にはあちこちで花が見られる。チングルマの花房が風にゆれ、ウサギギクがコロニーを形成している。仙人方面の谷にはまだ雪が残っている。頂上には秋の風が吹き、刷毛ではいたような薄い雲が秋空に浮かび、白馬方面へ流れてゆく。ゆったりとした時間に身をゆだね、いつまでも剣を眺めていたい気分だ。

ルートが長いので、あまり長居はできない。後ろ髪を引かれる思いで往路を戻る。ブナクラ峠まで降りてきたら霧となる。枯れ沢のようなガレた道を歩いていたら、サルナシが実っているのを見つける。サルナシはマタタビ科で、キウイフルーツとも親戚関係。見た目も味もキウイみたいだ。サルナシはいい香りのする果実酒になるとのこと。採取しながら熟れたサルナシを口に放り込むと、甘さがジュワッと口中に広がる。標高差があるので、ダブルストックがあると膝への負担が緩和され、楽に降りられる。赤谷山は、登りに自信がある人でも、かなりの登り応えがあると思う。日帰り登山は大変であるが、その苦労に見合う美しい景色を楽しむことができる山である。

-DATA-

場所:
富山県中新川郡上市町
タイム:
登山口(2時間)-ブナクラ峠(1時間)-稜線(30分)-赤谷山頂上(20分)-稜線(40分)-ブナクラ峠(1時間45分)-登山口
アクセス:
上市から県道馬場島線で馬場島家族の森キャンプ場へ。その先に分岐があるので、「赤谷方面」と書かれた左の砂利道を進む。橋を2回渡った先の堰堤前の広場が登山口である。
交通:
自家用車が望ましい。
駐車場:
堰堤前の広場に停められる。
トイレ:
なし
水場:
馬場島に水道あり。また沢がいくつもあるのでそこでも補給は可能。
携帯電話:
山頂においてドコモは通話可能、Jフォンは不通。

秋の八方尾根

Oct. 10, 2000 赤や黄色の紅葉に染まる尾根を、北アルプスを眺めつつ歩く

秋の八方尾根:イメージ1

八方尾根は北アルプスの唐松岳への登山コースにあたるが、八方池付近まで紅葉前線が降りていると聞き、急遽出かけることにした。八方尾根といえば、一般的にはスキーのゲレンデとして知られ、長野冬季オリンピックでも会場として使われ、更に有名になったところだ。地形的には北アルプスの北部、後立山連峰の唐松岳から東に延びる尾根である。スキー用に設けられたゴンドラとリフトを利用することにより、標高1830mの地点まで簡単に登ることが出来る。よって長野行き新幹線と組み合わせると、首都圏から日帰りで紅葉を楽しむトレッキングが出来る。

秋の八方尾根:イメージ2

バスが八方に近付くと、左手の山のふもとに、緑の人工芝が綺麗な施設がみえる。長野冬季オリンピックでジャンプの会場として使われたジャンプ台である。バスを降りて、少し歩き、ゴンドラリフト・アダムに乗り込む。動き始めて、下を見下ろすと、所々の木が色付き始めており、期待は膨らむ。ゴンドラリフト・アダムとリフトを乗り継ぐと、黒菱平の湿原がある。湿原は小さいが草紅葉の黄金色が綺麗で、ニッコウキスゲは実を結んでいる。さらにもう一つのリフトに乗ると、八方池山荘の真ん前に到着。山荘の右側から登山道が始まるので、リフトの最終の時間を確認して歩き始めよう。石が敷き詰められた道で、緩やかな登りである。八方尾根はいくつものケルンがあるので、現在位置を確認しやすい。道の両側は斜面になっており、確かに尾根を歩いていることが分かる。左側の斜面に草紅葉が見える。しばらくの登りで道が広くなり、2つに分かれる。右は木の階段で八方池に向かう道、左は八方池の南側の高い所にある第三ケルンに向かっている。どちらへ行っても八方池の先で一緒になる。ここの八方池・第三ケルンからは不帰キレットから天狗ノ頭、白馬三山が見えるはずだが、私が行ったときには、天狗ノ頭が時々姿を見せるだけだった。西方向に見える斜面が赤や黄に色付き始めている。八方池・第三ケルンでは休憩している人が多い。家族連れの方はここまでで下りる人が多いようだ。

秋の八方尾根:イメージ3

八方池から先の、歩く人の少なくなった道を登る。両側の斜面の紅葉を見ながら登ると、下ノ樺に着く。ダケカンバが多いことから名付けられたところで、さらに登ったところに、上ノ樺がある。八方池山荘からここまでは見下ろす紅葉が多かったが、下ノ樺には登山道のすぐ横で、ダケカンバやナナカマドがあり、見事に色づいているので、目の高さにある紅葉を間近に見ることが出来る。ここから尾根の南側を登っていくことになり、北側の天狗ノ頭方面の展望は望めない。南側の斜面に続く紅葉を楽しみながら登っていこう。しばらくの登りで、上ノ樺を過ぎ、扇雪渓と道標のある場所に出る。前方に秋まで残る雪渓がある。この雪渓には落石の危険があるので近付いてはならない。登山道は道標があるところから右へ曲がり、階段を少し登り、折り返すような道筋で登って行く。ダケカンバの黄葉が多い中を更に登ると、前方に丸山ケルンが見え、右手の北側の展望も開ける。時間があるなら、丸山ケルンまで登ろう。今までより急な登りだ。晴れていれば、天狗ノ頭、白馬三山の眺めが見事だ。帰りは往路を戻ろう。リフトは早い時間に終わってしまうので、間に合うように時間配分を考えておこう。

帰りに立ち寄りやすい温泉を紹介する。ゴンドラリフト・アダムを降りて、八方のバス停に向かうちょうど中間地点にある。

第二郷の湯(白馬八方温泉)
場所:ゴンドラリフト・アダムを降りて、八方のバス停に向かい、大楢川の橋を渡ってすぐ
営業時間:12:00-21:00 火曜定休(祝日を除く)

秋の八方尾根:イメージ4

紅葉の美しい時期は、登っているときは汗をかいても、休憩していると体温を奪われるので、アンダーウェアには綿以外の水分を放出しやすい素材が良い。また、上に羽織るものを用意した方が良い。日帰りが日程的に難しく、八方池山荘に泊まる場合は、特に朝夕は冷え込むので注意したい。唐松岳などではこの時期に既に雪が降っており、八方池付近もいつ雪が降ってもおかしくない。きちんとした装備を持っていないときは、唐松岳まで登るのは避けよう。今回は紅葉の時期に歩くコースを紹介したが、夏山シーズンなら八方尾根から登り始めて、唐松岳へ登ることが出来る。唐松岳へ登ったら、唐松岳頂上小屋に泊まって、翌日のコースは次の3つがある。
1.西へ北アルプスを横断する形で、祖母谷温泉へ下る。
2.北アルプスの後立山連峰の稜線を南へ行き、白岳、小遠見山を経て、五竜とおみテレキャビンを利用して降りる。(白岳から五竜岳を往復することも出来る)
3.北アルプスの後立山連峰の稜線を北へ行き、不帰キレット、天狗ノ頭を経由。白馬鑓温泉へ降りるか、白馬鑓ガ岳を経て、白馬岳へ。白馬鑓ガ岳、白馬岳のレポートも書いているので参照していただきたい。

(写真は上から尾根南側の紅葉、八方池、第3ケルンから西方向斜面、下ノ樺付近、天狗の頭)

-DATA-

場所:
長野県 北安曇郡 白馬村
タイム:
計5時間40分
行き 八方バス停(10分)八方(ゴンドラリフト・アダム8分)兎平(リフト7分)黒菱平(5分)八方池山荘(90分)八方池(80分)丸山ケルン
帰り 丸山ケルン(50分)八方池(60分)八方池山荘(5分)黒菱平(リフト7分)兎平(ゴンドラリフト・アダム8分)八方(10分)八方バス停 (リフトの待ち時間は含まないので注意いただきたい)
鉄道:
1.東京、上野、大宮などから長野新幹線で長野下車、白馬方面行きの高速バスにて白馬駅またはその先の八方下車。
2.新宿始発の中央線を走る夜行の急行「アルプス」、昼間の特急「あずさ」で白馬駅下車。白馬駅前から八方行きもしくは猿倉行きバスにて八方下車
3.大阪、京都、神戸から新幹線で名古屋へ。名古屋から中央線の特急「しなの」にて松本下車、大糸線 特急「あずさ」または各駅停車で白馬駅下車。白馬駅前から八方行きもしくは猿倉行きバスにて八方下車。
バス:
東京(新宿)、横浜、大阪、京都、神戸から出る夜行バスのさわやか信州号 白馬・扇沢コースで八方下車。(要予約)
車:
関東、中京、近畿方面からは中央高速を利用、岡谷ジャンクションから長野道に入り、豊科インター下車、国道147、148を北上。白馬駅付近に数ヶ所ある駐車場に車を駐め、白馬駅前から八方行きもしくは猿倉行きバスにて八方下車。
駐車場:
白馬駅付近に数ヶ所
トイレ:
八方池山荘、石神井ケルンの手前に有り
自動販売機:
八方池山荘に有り
携帯電話:
八方池山荘付近は通話可能
山小屋:
八方池山荘
キャンプ指定地:
八方池山荘-丸山ケルン間に無し

秋の奥日光

Oct. 9, 2000 紅葉に彩られるふたつの滝と、草紅葉の戦場ヶ原

秋の奥日光:イメージ1

奥日光は、中禅寺湖の奥、男体山や日光白根山に囲まれた自然の豊かな地域である。山もあれば、川があり、滝があり、戦場ヶ原などの湿原もあって、中禅寺湖のような大きい湖もあれば、湯ノ湖や刈込湖のような小さな湖もある、と言った具合に変化に富んだ地域である。トレッキングのコースはいくつもあるが、今回はふたつの滝を結んで途中に湖と湿原を歩き、紅葉の楽しめるコースを選んでみた。

秋の奥日光:イメージ2

湯元温泉から下っていくコースとしたが、逆コースとしても、それほどの急な部分は無いので、充分歩けると思う。車で行かれる方は竜頭ノ滝近くの駐車場に車を駐め、バスに乗って竜頭ノ滝から湯元温泉へ行き、湯元温泉から歩き出すと良いと思う。湯元温泉から南方向へ、湯ノ湖目指して歩き始める。湖畔に出て、南北に長い湯の湖の、東の湖畔を歩く道になる。向こう岸の湖畔の木々が、赤や黄に色づき始めている。湖には留鳥と思われるカモが数羽泳いでいる。湯ノ湖の南端に来ると、湯川と言う川になる。まもなく川は滝となって落ちていく。湯滝である。滝の東側を降りる階段があるので、滝を見ながら下っていく。滝の下に出ると、下の方が広がっている滝で、豪快な滝だ。落差は60mということだ。この滝のそばはあまり木々の紅葉が進んでいない。茶店があって、店に向かって左側から遊歩道が続いている。主な分岐点には標識があり、道は分かり易い。

秋の奥日光:イメージ3

樹林の間を歩いていき、小田代橋を渡ると戦場ヶ原の湿原が始まる。湿原は草紅葉の黄金色にそまり、唐松は黄色くなり始めている。東側には男体山が大きく見える。山腹が少しずつ紅葉を始めている。湯川に沿って、草紅葉の戦場ヶ原を歩いて行き、湿原が終わるあたりで、赤沼分岐に出る。右へ折れて、湯川に沿って、道の回りに笹が茂る樹林を歩いていく。小田代ヶ原へのハイブリットバスが通る道を渡り、さらに緩やかな下りの道を行く。しばらく川沿いに下り、国道120 号と交差する。ここから湯川は竜頭ノ滝となって流れ落ちている。緩やかな滝だが、その長さは300mもある。滝の脇の木々の色は、湯滝よりも赤や黄の色が濃くなっている。ここの方が湯滝より標高は低いはずなので、不思議である。竜頭ノ滝の脇も滝を見ながら、歩くことが出来る。竜頭ノ滝の一番下は、滝筋が二つに分かれている。そこには茶店があって、うどんやお団子を食べながら、滝の眺めを楽しむことが出来る。ここで今回のコースは終わりとなる。茶店から階段を下りて、国道120号に出ると、すぐそばにバス停がある。今回のコースはここが終点となる。

秋の奥日光:イメージ4

奥日光周辺は例年、10月上旬から11月上旬に紅葉を楽しむことが出来る。5,6月には湯ノ湖の北側にトウゴクミツバツツジが咲き、戦場ヶ原には6月にズミ、7月にホザキシモツケが咲く。戦場ヶ原の西側の小田代ヶ原も素晴らしい景色である。また違う季節に訪れたいところだ。歩き始めた湯元温泉は温泉街であり、日光市街も温泉が多い。トレッキングの汗を流したいとき、帰りに寄りやすい、日帰りで入浴できる温泉ホテルを紹介する。

ホテルいろは


場所:

日光市街 国道120号沿い 総合会館の日光駅寄り(東照宮正門前)

バス:

湯元温泉、竜頭の滝より日光駅行きバス総合会館下車すぐ

入浴料:

\600

営業時間:

15:00-21:00

(写真は上から、湯ノ湖の黄葉、湯ノ湖の湖畔、湯滝、戦場ヶ原、竜頭ノ滝)

-DATA-

場所:
栃木県日光市
タイム:
計3時間30分 湯元温泉(40分)湯滝(1時間10分)青木橋(50分)赤沼分岐(50分)竜頭ノ滝バス停
鉄道・バス:
東武日光線・東武日光駅、JR日光駅から湯元温泉行きバス、終点下車
車:
東北道宇都宮ICから日光宇都宮道路に入り、国道120号、いろは坂を経由
駐車場:
湯元温泉(無料)、竜頭ノ滝周辺に数カ所(無料)
トイレ:
湯元温泉、湯滝近くの駐車場、竜頭ノ滝の下
自動販売機:
湯元温泉、湯滝の下、竜頭ノ滝の下
携帯電話:
湯元温泉、湯ノ湖、竜頭ノ滝付近のみ通話可
公衆電話:
湯元温泉、湯滝の下、竜頭ノ滝の下

八方尾根丸山ケルン2460m

Oct. 8, 2000 好天から一変、四方八方霧の中

会社の先輩から「スキーで滑る冬の八方もいいけれど、秋の八方はどうや?」とお誘いの声がかかった。インターネットで情報を仕入れたところ、八方尾根は10月5日あたりから見頃と書かれている。これは行くしかないと、車で一路白馬村へ。

まずはJR白馬駅で八方尾根トレッキングチケットを購入する。2260円でゴンドラとリフトが往復乗れる。ゴンドラリフト「アダム」八方山麓駅から兎平駅まで約8分。さらにアルペンクワッドリフト(約10分)とグラートクワッドリフト(約6分)を乗り継いで八方尾根山荘(1850m)まで一気に上がる。ここまで来るとかなり肌寒く、標高の高さを実感する。

八方尾根丸山ケルン2460m:イメージ1

10:15スタート。登山道にはゴロゴロした蛇紋石を荒く敷いてある。青黒い石の表面は乾いているのだが、つるつるして歩きにくい。歩いている途中に立ち止まると、秋の風がふうわり頬をなぜる。15分で「八方山1974m」と書かれた石神井ケルンに到着する。ケルンの周りは水分を補給したり写真を撮っている人で一杯だ。その地点から八方尾根の終点の唐松岳(2696m)を見ると、尾根上に登山者が行列ではないにせよ、途切れることなく続いている。いま登ってきた方向を振り返ると、水墨画で描かれたような山々が、重くて静かな雲海の上にぼうっと浮かんでいる。

八方尾根丸山ケルン2460m:イメージ2

10: 51に八方ケルン(2035m)、10分後に八方池(2060m)に到着。この標高に池があるのが不思議。説明によると、雪によりずり落ちた土砂が堆積して池をつくったとのこと。目の前の鑓ヶ岳が逆さまになって水面に映っていた。この辺りの紅葉具合と山の位置関係が抜群で、何人ものアマチュア写真家が三脚を据えて、自然の創り出した芸術美を収めようとしていた。八方池を過ぎると、ダケカンバ、ナナカマドなどが茂る林に入る。ここが八方尾根で一番美しい場所で、赤や黄色のトンネルに入るとパッと明るくなる。八方池から45分で、「唐松岳山荘まで1.4km」の標識、と同時に雪渓が現れる。概算50m四方の雪渓は、融けきることなく清新な雪をかぶることだろう。この辺りの木々は、根元が真横に伸びており、雪深さを物語っている。

八方尾根丸山ケルン2460m:イメージ3

雪渓から急登を踏ん張り、12:02丸山ケルン(2460m)に到着。幅広い尾根で絶好の休憩地である。景色を遮るものは何もなく、燃えるような紅葉と北アルプスの大パノラマが360度見渡せる。唐松岳に向かって右手から鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳がくっきりと見え、雲上には八ヶ岳、そして手に取るような近さに五龍岳と鹿島槍ヶ岳が見える。絶景を見ながらの昼食となる。最っ高の気分だ!この標高に達するとさすがに空気がヒンヤリしていて、食事中は防寒具を着込む。本当は唐松岳頂上まで行きたいが、丸山ケルンまでの往復が時間的に無理がない。周りの登山者も同じ考えのようだ。山頂からの景色を網膜とフィルムに焼付けたら、12:33下山開始。

八方尾根丸山ケルン2460m:イメージ4

休憩しながら降りてきて、13:50に八方池。麓からガスがわき始め、山々が乳白色の海に浮かぶ島に見えてくる。14:10八方ケルンに到着する頃にはガスに包まれた。視界は15mしかなく、眺望は不可。太陽も見えない有り様で、ひたすら下山するしかない。14:36八方尾根山荘に到着。空気が湿っていて、鼻がツンとし、粘つく感じだ。

登山後の恒例、温泉に向かう。県道322号線を白馬方面から3kmほど上がると、白馬八方温泉(おびなたの湯)がある。400円で入れる男女別のアルカリ性単純温泉で、露天風呂となっている。晴れていれば湯船に浸かりながら鑓ヶ岳や杓子岳を眺望できたであろう。

-DATA-

場所:
長野県 北安曇郡 白馬村 八方尾根スキー場
交通:
国道148号線を白馬駅前交差点で曲がり、あとは道端の矢印に従う。
駐車場:
ゴンドラリフト「アダム」八方山麓駅周囲に有料(500円)駐車場があるが、5分歩けば無料の駐車場がある。
トイレ:
八方尾根山荘と尾根上にトイレ小屋あり。
水場:
なし
携帯電話:
丸山ケルンでは通話可能(ドコモ)
詳細の問い合わせ先:
白馬観光開発
長野県北安曇郡白馬村大字北城6329-1
TEL:0261-72-3150 FAX:0261-72-4784

廃線トレッキング 旧福知山線

Oct. 4, 2000 ファミリーでどうぞ!お手軽廃線トレッキング!

僕が所属する山岳会では、一年を通じこの辺りの山域である鳳来峡や不動岩、百丈岩などでロッククライミングや縦走登山のトレーニングを行っていて、僕自信も秋が深まる頃になると冬山シーズンに向けて毎週トレーニングでこの山域にお世話になるのがここ数年の晩秋の行事になっている。その折に今日歩く廃線の存在を聞かされ以前から興味を持っており、来るべきシーズンの足馴らしがてらようやく本日の廃線トレッキングへ出かける事が出来た。

大阪駅に8:00集合。今日のパートナーは遊び仲間のなおこと我が山岳会の会長、横山さんが同行してくれる事となった。昨年仕事をリタイアされてからはひたすら山三昧。近所の山だろうが海外であろうが2つ返事で手助けし適切なアドバイスをくれる頼もしいお方だ。

廃線トレッキング 旧福知山線:イメージ1

9: 00 福知山線生瀬駅着。改札をでて国道176号を三田方面に10分程歩くと頭上に中国自動車道が横切っている。進行方向に向かって左側、丁度その自動車道の下あたりから廃線に入れる。ここが廃線になったのはもう10年以上も前になるという事でさすがに人が通った踏み後以外は草に覆われ線路や枕木は跡形もなく、錆びた線路の上を歩くと思っていた僕は少々がっかりしたのだが、平日という事もあり人気は全くないし、右手には稲刈りの終わった田んぼが広がり結構大きな川が横を流れ何はともあれ気分は良し。

廃線トレッキング 旧福知山線:イメージ2

全部で6ヶのトンネルがあると聞かされていたが、前方に一つ目のトンネルが現れた。ここまで駅から約30分。ザックを降ろしヘッドランプを取り出して小休止。このコースではヘッドランプは必携であると聞いていた。トンネルをのぞき込むと成る程、真っ暗で先は何も見えない。ご親切に照明無しの看板まであるのでヘッドランプは必ず用意したい。

廃線トレッキング 旧福知山線:イメージ3

二つ目のトンネルに向かう途中から枕木が現れだした。ようやく廃線トレック気分が盛り上がる。二つ目のトンネル突入。暗闇の中を小さなヘッドランプの光を頼りに歩くとトンネルがことのほか長く感じる。会長が言うにはこのトンネルが一番長いとの事だ。枕木をひとつひとつトコトコ踏みながら、これは面白いトレッキングだとワクワクする単純な僕。結局ゴール手前までこの廃線気分を盛り上げる枕木は続いた。三つ目のトンネルを抜けると赤い鉄橋が現れる。すぐに四つ目のトンネルも見える。ここまで約一時間とちょっと。なかなか風情のある眺めである。鉄橋のたもとから河原へ降りてティータイム。コーヒーを飲みながら注意深く辺りを見回すと、古い標識や退避場所の標し書きなど廃線トレック気分を盛り上げてくれるものがそこかしこに見つけられる。

四つ目のトンネルを抜けた辺りで会長が言うには、水上勉と言う作家の「桜の守」という小説の舞台になった桜の古木がこの辺りにあったはずだとおっしゃる。会長の記憶をたどって山手を見ながら歩いていくとあったあった。今はすっかりこのコースの名所となっているようで「桜の園」と言う看板が立てられ休日にはかなり賑わっているのだろう、ゴミがやたら目に付いた。ともかくなかなか立派な桜の古木である。

五つ目、六つ目とトンネルを抜けるとゴールのJR武田尾の駅はもうすぐだ。約3時間の楽勝トレッキングであった。

あと1ヶ月もすればぼちぼち紅葉のなかを歩けるはず。アップダウンもなく子供の足でも3~4時間もあれば楽に歩けるコースだ。休日だとトレッカーも多く道に迷う心配も無い。なによりもいい大人の僕たちがかなりワクワクしたコースなのでデイパックにお弁当でも持って、家族でふらっと出かけるには最高のコースだと思う。ヘッドランプは忘れずに!廃線トレッキング、きっと楽しめます。。。

-DATA-

場所:
兵庫県宝塚市周辺
交通:
JR大阪駅よりJR宝塚線生瀬駅まで約30分。¥480。 今回ゴールした武田尾駅をスタート地点にしても良い。
駐車場:
JR武田尾駅前に一日¥500。生瀬駅前には 無し。
買い物:
生瀬駅前にはスーパーもあり。
トイレ:
無し。駅構内にあるのみ。

僧ヶ岳1855.4m

Oct. 1, 2000 雨中に夢中で登山

僧ヶ岳の名は、春の残雪が笠をかぶった僧に見えることに由来する。ゆったりとした山すそは魚津の街からよく見えるためなじみ深く、いつかは登りたいと思っていた。立山の紅葉が見頃と新聞にあり、僧ヶ岳ではどうかと調べに登ってみた。

宇奈月温泉を目指し車を走らせる。ススキの茂るスキー場を通過し、1280m登山口まで車で上がる。いつもは1043m地点で通行止めなので1280mまで上がれたのはラッキーであった。雨上がりの霧の中を8:25出発する。雨露対策にショートスパッツを着用する。しばらく広葉樹林の中を進む。自分の呼吸音と時折さえずる鳥の声以外は、何も聞こえない。日常とかけ離れたあまりの静けさに自然の崇高さを感じた。

僧ヶ岳1855.4m:イメージ1

40分で僧ヶ岳/宇奈月/小杉谷林道の三叉路。看板があるので迷うことはない。尾沼谷沿いの細い道を快調に進む。雨上がりで蒸し暑く、額から汗がたらたら流れてくる。ガスが消えてきて天候は回復しつつあるように見えた。53分で宇奈月コースと前僧ヶ岳への分岐(1600m)となり、ここは後者へ。登山道には木や岩に目印として紐やペイントがついていて、安心する。75分で本流(立入禁止)と仏ヶ平・僧ヶ岳の分岐。道はぬかるみ歩きにくい。見上げると雲間から太陽が顔を出している。

分岐からすぐに笹と潅木が広がる仏ヶ平に出る。笹の緑と潅木の紅葉、そしてニッコウキスゲの枯れ草色が、仏ヶ平をパッチワーク模様に彩る。深まる秋をしばらく楽しんだ後は、笹に覆われた急登となり、藪漕ぎを強いられる。100分で1800mの標識。霧の向こうに目指すピークが見えた。5分後小さな池が左手に現れる。鏡のように澄んだ水の中にはサンショウウオが浮かんでいた。いつになったら藪漕ぎは終わるのかと苛立ちながら笹をかき分けかき分け登っていたら、突然山頂に到着した。登山口から110分後である。

僧ヶ岳1855.4m:イメージ2

山頂には大理石のどっしりとした標柱があり、魚津市長の筆で「僧ヶ岳」とある。晴れていれば東に白馬岳・鑓ヶ岳・駒ヶ岳、南に毛勝山・大日岳、西に富山湾が見えたはずなのに、霧に包まれて何も見えず、おまけに雨がパラパラ降ってきた。しかしこんなこともあろうかと、雨具とザックカバーをゆっくり取り出す。「備えあれば憂いなし」の金言を思い出しつつ写真撮影し、すぐに下山開始。笹がしっとりと濡れだし、水滴がズボンを冷たくしてゆく。15分ほどで雨はおさまったものの、霧は一向に晴れない。遠望は次の登山のお楽しみとして、今回は下山する。ゆっくり下山したので周りを見る余裕があり、リンドウや紅葉を写真に収め、赤く熟したナナカマドの実を採取した。いい色の果実酒ができそうである。下山から130分で登山口まで戻る。

僧ヶ岳1855.4m:イメージ3

登山でかいた汗を流すため、麓の宇奈月温泉に寄る。富山地方鉄道宇奈月温泉駅近くに町営の温泉があり、250円という安さで入れる。弱アルカリの単純温泉でやや熱め、疲労回復に効果があるので登山にはぴったりの泉質である。今度は山頂からの景色を堪能したい。

-DATA-

場所:
富山県魚津市、下新川郡宇奈月町
交通:
富山地方鉄道宇奈月温泉駅手前に僧ヶ岳登山道の看板あり。道は細く曲 がりくねった上にガードレールがないため、車の運転には注意。 登山口は650m、1043m、1280m地点の3箇所にある。自家用車なら1280m登 山口まで登れることができるが、通常は1043mの広場に駐車し、林道を300m歩い た先のはしごからスタートする。
駐車場:
数台停まれるスペースあり
トイレ:
なし
水場:
なし
温泉:
宇奈月温泉 250円
携帯電話:
1280m登山口では通話可能。山中は全域で圏外

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