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カイコウラ・ペニンシュラ・ウォーク

Sep.20, 2000 海岸線トラックのエッセンス!

カイコウラ・ペニンシュラ・ウォーク:イメージ1

ニュージーランド(以下NZ)南島最大の都市クライストチャーチから200kmほど北に、カイコウラ半島という小さな小さな半島が、太平洋にちょこんと突き出している。この半島の北側の付け根に、これまた小さな小さな町、カイコウラがある。聞くところによると人口わずか3,000人ほどというから、むしろ村といってもいいほどの規模なのだが、それにもかかわらずここは海外からの観光客の立ち寄る定番コースに入っている。実はこの町、NZで一番有名なホエール・ウォッチングのメッカなのだ。船や飛行機からのクジラ見物、イルカと一緒に泳ぐドルフィン・スイムなどが人気アクティヴィティだ。また、クレイフィッシュという伊勢エビの一種もここの名物(実はそもそも「カイコウラ」という地名がマオリ語で「クレイフィッシュを食べる」という意味)。というわけで、「クジラを見たりイルカと一緒に泳いだりしたあと、クレイフィッシュを食べる」という目的で、世界各国からの観光客が押し寄せるのだ。

カイコウラ・ペニンシュラ・ウォーク:イメージ2

だが、カイコウラの魅力はそれだけではない。太平洋が洗うここの海岸は黒っぽい玉砂利のビーチ。砂浜に打ち寄せる波音もいいが、玉砂利の浜を波が洗う時の甲高い音もまた素晴らしいものだ。海を職場とする私にとっては、こうした波音の違いも「気持ちのいい海」を見分けるための大切な要素。ここのビーチの波音は本当に気持ちが安らぐのだ。さらにクジラ、イルカだけではなく、町のすぐ側にオットセイのコロニーもある。とにかく海が豊かなのだ。陸からすぐの所で水深が突然数千mにまで深く落ち込む地形がそうした豊潤さの秘密らしい。そういう理屈を抜きにしても、ここは本当に気持ちのいい場所なのだ。実際にはクジラと伊勢エビだけで満足して立ち去る方が大多数なのだが、それだけでは非常に勿体無い。アウトドアズマンなら、やはり自分の足で歩いてみなくては!

カイコウラ・ペニンシュラ・ウォーク:イメージ3

カイコウラ・ペニンシュラ・ウォークは、その名のとおりカイコウラ半島の海沿いのトラック。そう、以前にもご紹介した通り、NZのトランピング(トレッキング)の醍醐味の1つである「海岸線トラック」なのである。しかもここはお手軽な半日ハイキングコース。とはいえ、海の美しさは折り紙付きだし、何よりカイコウラ半島はオットセイのコロニーだ。風景もコロコロと目まぐるしく変わり、短いコースなのに本当に楽しみが盛り沢山。十分に海岸線トラックのエッセンスを楽しめるコースであることは保証しよう。私はこのトラックが大のお気に入りで、今までにも季節を問わず何度も歩いている。夏に歩いても冬に歩いてもホントに素晴らしいトラックなのだ。

カイコウラ・ペニンシュラ・ウォーク:イメージ4

カイコウラの町からエスプラナードという海沿いの道を南東に車で10分足らず走ると、駐車場で道は行き止まりとなる。ここがペニンシュラ・ウォークのスタート地点だ。『トレッキングレポート No.9002』で、エイベル・タズマン・コースト・トラック名物として「タイダル・ウォーク」と呼ばれる干潮ルートをご紹介したが、実はここも干潮時と満潮時では全くルートが異なる。この半島は標高数十mの高さのなだらかな台地状なのだが、それが海に向かって急激に落ち込む地形。切り立った崖とまではいかないのだが、それでも直登が難しいほどきつい。崖上のなだらかな台地は、NZ名物の牧場地帯。いや、実を言えば急斜面部分も牧場で、中腹では羊がのんびりと草を食んでいたりする。満潮時は、この牧場の中を崖沿いに巡るようについている「クリフトップ」と呼ばれるルートを巡ることになる。つまり個人所有の牧場内を歩くわけだ。日本ではちょっと考えにくいのだが、この辺りのおおらかさはいかにもNZらしい。高さ数十mのルートゆえ、眼下に広がる藍い太平洋をたっぷり堪能できる。ただし景観に目を奪われすぎると、足元一面ビッシリの羊の糞を踏む羽目になるのでご注意を。

カイコウラ・ペニンシュラ・ウォーク:イメージ5

一方の海岸線だが、干潮時には崖下に岩場や玉砂利のビーチが現れ、ここを歩く事が出来るようになるのだ。このルートは「ショアライン」と呼ばれる。クリフトップ・ルートで遭遇できるのは羊、牛、馬だが、ショアライン・ルートではオットセイ、クラゲ、ジャイアント・ケルプなどとも遭遇できる。貴方の行いがよければ、イルカのジャンプが見られるかもしれない。色とりどりの海藻類も美しい。場所によっては岩海苔がビッシリ貼りついた岩もあるし、運が良ければ潜らずしてアワビを手にすることも出来るかもしれない。(ただし殻の長辺12.5cm以下のものは禁漁。実はこのサイズのものは、やはり潜らないとなかなかお目にかかれない。)また、岩場の地形自体も非常に面白い。扇型に褶曲している場所、シャレコウベ型に浸蝕された岩がゴロゴロしている場所など、目まぐるしく色々なバリエーションを見せてくれる。

カイコウラ・ペニンシュラ・ウォーク:イメージ6

ビーチコーミングをしつつのんびりのんびり歩いても、ショアライン・ルートは2時間半程度。一方のクリフトップ・ルートもゆっくりあるいて1時間半程度。もちろんお薦めは行きにショアライン、帰りにクリフトップを歩く事。干潮時刻をチェックして両方を堪能しよう。逆の歩き方はお薦めしない。水が引いたばかりのショアライン・ルートは岩場がまだ濡れており、非常に滑りやすいからだ。安全のためにもなるべくなら乾いた岩場を歩きたいものだから、潮が引いたばかりの時間帯よりも、潮が満ちてくる直前の時間帯を狙った方が賢明だと思う。ちなみに一番に水没するのはトラック北の端の駐車場付近。途中の玉砂利ビーチ周辺は水没しない。ついでにもう1つ注意点を付け加えよう。このルートはスニーカーでも歩けるほどのお手軽コースなのだが、雨上がりにはクリフトップ・ルートもグチャグチャにぬかるみ、トレッキング・ブーツでも難渋するほど滑りやすくなる。というわけで、両ルートとも濡れたコンディションの場合は要注意。ちなみにショアラインとクリフトップ、2つのルートを行き来出来るのは、トラックの両端と丁度中間地点の合計3箇所だ。

カイコウラ・ペニンシュラ・ウォーク:イメージ7

もう一つ付け加えれば、『トレッキングレポート No.9005』でご紹介した通り、NZの場合は真夏になると、乾燥と強烈な紫外線の影響で草が夏枯れするため、緑滴る牧場風景と蒼い太平洋のコントラストを楽しみたい方は、春か秋がお薦め。海の恐ろしいほどの藍さと黄金に夏枯れした牧草とのコントラストの妙を体験したければ、真夏だ。(ちなみに今回日付は最後に訪れた時のものを記載したが、ご紹介した画像の方は主に98年春に撮影したもの。緑が一番美しい季節ものだ。他に99年夏のものも一部混じっている。)ともかく、これだけ短いコースながら、日本では絶対に味わえない海岸線トラックのエッセンス全てを体験できるトラックは他にはちょっと思い当たらない。カイコウラを訪ねる際はホエール・ウォッチングと伊勢エビだけで満足しないで、ここも歩いてみてはいかが?

-DATA-

場所:
・カイコウラ - ニュージーランド南島最大の都市クライストチャーチから北に約200kmのところにある小さな町。
・カイコウラ・ペニンシュラ・ウォーク - 本文参照。
交通:
○クライストチャーチ - カイコウラ間
・自家用車で約3時間。
・電車で約3時間(1日1本)
・バスで約3時間半
駐車場:
ペニンシュラ・ウォークのスタート地点が無料駐車場。
トイレ:
なし
注意事項:
・本文中に記した通り、クリフトップ、ショアラインともに、乾いていればスニーカーでも歩けるが、濡れているとトレッキングブーツでも難渋するほど滑りやすくなる。

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