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雲ノ平

Aug.07-12, 2000 高山植物咲き乱れる北アルプスの秘境へ

雲ノ平:イメージ1

雲ノ平は北アルプスの秘境と呼ばれるほどで、富山県側の折立から往復するのに通常4日以上はかかる。富山県側からだけでなく、岐阜側や長野県側からもいくつもの山を越えなければ雲ノ平に到達することはできない。しかしながら、その高山植物の豊富さ、素晴らしい数々の庭園、雄大な山脈の眺望、また少し足をのばせば天然の露天風呂などもある。雲ノ平は日本一高い所にある高原でもあり、広さも北アルプスの五色ヶ原や弥陀ヶ原をはるかに凌ぐほどである。健脚な登山者のみが訪れることが許されるこの楽園は、だからこそその素晴らしさが人々の間で語られるのであろう。2年前に大学のワンダーフォーゲル部の夏合宿で中房温泉から表銀座を越えて、槍ケ岳、鷲羽岳、水晶岳、雲ノ平、そして富山県側の折立まで2週間弱の大縦走をした。ここではそのコースを紹介する程時間とスペースがないので、折立から雲ノ平を往復するコースとして紹介する。

雲ノ平:イメージ2

登山口となる折立までは、富山駅から有峰口経由のバスで2時間35分もかかる。ザックが大きければ荷物代も取られるので注意。ここで標高は1350m、国立公園の入り口だ。登山口には折立ヒュッテがあり、通常管理人がおり、売店と無料休憩所がある。折立には広大なキャンプ場もあり、水道・トイレ施設も完備しているので、ここでゆっくり一泊してから出発するのもいいだろう。ここから1870mのピークまで樹林帯を2時間ほどひたすら登る。展望は何もないが、ピークまでくると高い棒が立っており、少し展望が開けてくる。ここから樹林帯をもう少し行くと、いきなり展望が開けて、広大な草原に緩やかな舗装された登山道を、緩やかに太郎平小屋まで2時間半ほど登ってゆく。左には埋蔵金伝説で有名な鍬崎山、左前には日本百名山の薬師岳がどっしりと構えている。平たい場所に立つ太郎平小屋には、ハイシーズン中なら診療所もあり、山岳警備隊も常駐しているから安心だ。小屋から薬師岳の方に木道を15分ほどいけばキャンプ場がある。

雲ノ平:イメージ3

ここから太郎山まではわずかの距離だが、それほどたいした山ではない。今日は太郎山へ続く道を左に降りて、何度か渡渉して薬師沢小屋を目指す。体力と時間があれば1日で薬師沢まで降りても良い。しかし、あまり人のいない道でもあるので少し心細いかもしれない。周りにトリカブトの花を見ながら、増水時は危険な沢を何度も渡り、だらだらした展望のあまりない道を下る。ここまで約1時間半。急に道が平たくなって木道を歩くようになったら、あとはかなり楽である。平坦な木道を1時間ほど歩けばもう薬師沢小屋だ。途中何度か沢を細い橋で渡ったり、休憩できるベンチがあったりする。薬師沢に着いて何より驚くのが、沢の美しさである。深い緑に染まる沢の横で一休みしたら赤い釣り橋を渡って雲ノ平へ出発しよう。目的地の雲ノ平小屋は標高2550m、薬師沢小屋から標高差 600mちょっと、展望のないきつい登りを3時間半の行程である。樹林帯を登りきったら針葉樹林が目立つようになり、木道に入ったらもうそこは雲ノ平の入り口、アラスカ庭園だ。そこから50分ほど平らな木道を歩きつづければ、もう雲ノ平小屋だ。

雲ノ平:イメージ4

雲ノ平小屋に着いたら、さっそく周辺を散策してみる。周りにはアラスカ庭園と同じように、アルプス庭園、ギリシャ庭園、スイス庭園など様々な様相の美しい高原地帯が目に飛び込んでくる。小屋の周りは20分ほど遠いキャンプ場までずっと木道であり、歩きやすい。雲ノ平では夏期の間、チングルマやコバイケイソウ、イワイチョウ、ウサギギクなどの高山植物が群生していて素晴らしい。雲ノ平からはカール地形で有名な黒部五郎岳や、日本一アプローチがかかると言われる水晶岳が間近に望める。ちょっと足をのばせば祖父庭園を通り過ぎて祖父岳へ、黒部源流方面へ歩けば日本庭園へも行ける。祖父岳の山頂直下西側では携帯電話が通じることも多い。体力に余裕があるならば、ここから水晶岳へは往復で約5時間半、鷲羽岳へは往復約4時間40分、うわさの高天原温泉へは往復7時間半、いずれも岩苔乗越を経由して行って帰ってこれる。雲ノ平でもう一泊するスケジュールを立てれば有意義な山旅になるだろう。

雲ノ平:イメージ5

帰路は同じ道を戻る。しかしここから黒部五郎岳を回って岐阜側へ、裏銀座を縦走して高瀬ダムへ、双六岳を経由して新穂高温泉へ抜けるのも楽しいが、どれも雲ノ平から2日以上は確実にかかるであろう。帰りは薬師沢小屋までの下りが2時間半ほど、けっこう膝に負担がかかるので注意したい。そこから太郎平を経由して折立までは、往路同様、そんなに辛くはないだろう。時間が許せば太郎平から薬師岳をピストンしてきても良い。雲ノ平に来ると、辛い思いをして辿り着いたせいか、「遠くにきた」「秘境に足を踏み入れた」という実感が湧く人も少なくないだろう。なんと文明・科学技術から疎外された世界であることか。雲ノ平に行くには技術的に難しいところは全くないが、体力だけは要求される場所である。

-DATA-

場所:
富山県上新川郡大山町
交通:
1.東京方面からは越後湯沢経由で新幹線・特急を乗り継いで5時間ほどで、富山駅下車
2.名古屋からは高山線を特急で約4時間半、富山駅下車
3.京都からは特急に乗り約2時間40分ほどで、富山駅下車
4.池袋から富山まで夜行、昼行の高速バスで6時間50分
5.大阪・京都方面から会員制の夜行バスで有峰口5時半着
駐車場:
有峰口(台数多い)、折立
トイレ:
有峰口、折立、太郎平小屋、太郎兵衛平キャンプ場、薬師沢小屋、雲ノ平山荘、雲ノ平キャンプ場
コースタイム:
折立(4時間半)太郎平小屋(2時間20分)薬師沢小屋(3時間半)雲ノ平小屋(2時間40分)薬師沢小屋(2時間50分)太郎平小屋(2時間50分)折立
注意事項:
1.太郎平から薬師沢小屋までは、増水時の渡渉に気をつけること
2.雨天時は、木道は滑りやすい

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