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ピヤシリ岳トレッキング

Jul.27, 2000 日本一寒い山を日本一暑い日に歩く

ピヤシリ岳トレッキング:イメージ1

北海道の名寄市付近は山々に囲まれた盆地で、典型的な内陸性気候だ。夏にはプラス30℃以上、冬にはマイナス30℃以下にまで下がる。最高記録では夏と冬の寒暖差が78.8℃という。天塩川をカヤックで下りに行ったこの年、北海道は異常なほど雨が降り続いた。北海道の西海岸に沿って居座る寒冷前線に為すすべもなく、名寄「曙橋」下に10日も停滞し続けた。雨の止み間を縫ってオホーツク海と日本海の利尻岳が見渡せるというピヤシリ岳に出かけたが。

ピヤシリ岳トレッキング:イメージ2

名寄市街からは名寄温泉「サンピラー」まで無料バスが出ている。ピヤシリ森林公園の一郭にあり、他にスキー場やジャンプ競技用のシャンツェがある。先日(2001.2.24)も複合のワールドカップが行われた。

ピヤシリ岳トレッキング:イメージ3

名寄温泉は宿泊もできる。登山届けを出すと支配人から鈴やラジオを持っているかと訊ねられた。やはりここもヒグマに注意しなければいけないのだ。支配人に鈴を借りて歩き出す。山を無理矢理削ったスキー場は連日の雨で大きく削られていた。スキー場を過ぎるとすぐに深い森になった。まだ林道だが鬱蒼とした森にヒグマが潜んでいるようだ。キャンプ場があった。しかしあまり使われていないようで、朽ちかけたような木造小屋が寂しい。小さな橋を渡って道はカーブし、斜度が増してきた。霧雨が降ってきたと思ったらそれがすぐに強風を伴った大粒の雨になった。傘もカッパもあるし、まだ森の中の道なので大丈夫だろうと歩き続けた。風雨はさらに勢いを増し目の前の小枝が折れて降ってくる。傘も役目を果たさなくなった。振り向くと道は折れた木々で埋まっていた。ヤバイと思い慌てて駆け戻った。宿でも心配して車で迎え来てくれた。山肌の至る所からものすごい勢いで水が噴き出ていた。車はごうごうと唸る森の中を倒れた木を避け、思い切り水しぶきを飛ばして走った。この日旭川地方は大洪水に見まわれた。温泉の風呂上がりにそれをテレビで知って、生ビールを手に「そうだろなあ。」とつぶやいた。川原のテントに戻ってみると風に飛ばされて、水たまりの中でくしゃくしゃになっていた。

2日後再び同じ道を歩き出した。予報では今日だけは晴れるらしい。キャンプ場を過ぎ橋を渡る。そこまでは前回通った。つづら折れがまだ続く。天気は時折晴れ間が覗くだけだが気温が高い。名寄の街で沖縄から来た人が、沖縄より暑いと言っていたという話を聞いた。それほどここは蒸し暑いのだ。歩き出しておよそ2時間、登山口にあたる山小屋が現れた。立派なログ造りで、中に入るとひんやりしている。しかし水はなかった。持参したのは500mlしかないので心許ない。

ピヤシリ岳トレッキング:イメージ4

ここから本格的な山道と思ったらまだ林道が続いていた。それも舗装されている。斜度はさらに増しどんどん高度を稼いだ。このまま山頂なのか。しかしやがて舗装は終わり、等高線に沿ったダート道に変わり山を西に巻く。暑い。どうせ誰も通るわけないのだからと裸になって歩く。向こうからとことことキタキツネがやってきた。黒いハイソックスを履いているのですぐ判る。樹林を抜け視界が開けた。日も射してきた。原生林に被われた山々が続き、それを縫って道ははるか彼方まで延びていた。ほこりっぽい道ばたの草にクジャクチョウが舞っている。

ピヤシリ岳トレッキング:イメージ5

一度下った道は再び上り坂になり、またもや舗装道路になった。何処まで行っても車道のままに閉口した。また「ピヤシリ岳登山口」の標識が現れた。そこをゲートをくぐって右の道に入った。この道も軽トラなら走れる広さだ。両側は高い草木に被われ視界が効かない。道端を流れる水をすくって飲んだが埃っぽくて美味くなかった。空が開けて小屋が現れた。サンピラー観測小屋だ。これもログの立派な造りだった。ハイマツの細い道に入り、潜るように行くと山頂に着いた。この間だけは登山道の雰囲気だったがそれもほんのわずかだ。温泉からおよそ4時間半。山頂からはハイマツやクマザサ、時たまカンバが混じり緩やかな山がいくつも続いていた。しかし楽しみにしていたオホーツク海や利尻岳は雲の中だった。

余談だが、旭川空港で「当機の目的地羽田は現在快晴で気温30℃・・・」のアナウンスに乗客からほっとするかのような声が上がった。旭川地方は連日36~7℃の日が続いていた。

-DATA-

場所:
北海道名寄市・上川郡
交通:
名寄市街から無料バスでピヤシリ温泉まで。
マイカー、タクシーを使えば温泉からおよそ15kmの登山口まで行くことが出来る。ここから山頂まで1時間弱。ただしほとんどダート。
駐車場:
路肩に数台可。温泉から歩く場合は温泉駐車場に。
トイレ:
温泉にあり。キャンプ場、山小屋については不明。途中水場はない。
備考:
サンピラーとは空気中の氷の粒に太陽の光が乱反射したもの。名寄市で日本最初の観測が行われた。
<参考>「厳冬のきらめき」名寄北国博物館刊
名寄天塩川「曙橋」下キャンプ情報
左岸は広い運動公園になっていて簡易トイレが置いてある。
水はないので近くの民家からもらった。
買い出しは市街地へ1.5km歩く。さらに2km程歩くとデパート「西条」がある。

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