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針の木岳・蓮華岳

Jul.19-20, 2000 針の木雪渓と針の木・蓮華の二峰をめぐる

針の木岳・蓮華岳:イメージ1

夏山シーズンの到来とともに、北アルプスの名だたる名峰を有する山域は多くの登山者たちであふれかえる。そんな中、比較的静かな山旅が愉しめ、北ア三大雪渓の一つに数えられる針の木雪渓の踏破や、眼下に黒部湖を見下ろし北アの名峰たちを遠く近く眺める絶景の大パノラマなど見どころも多い北アルプスのへそ、針の木岳、蓮華岳に東京発夜行+小屋泊まり一泊で訪れた。

登山口となる扇沢は黒部立山観光の拠点でもあり信濃大町からのバス便利用でも不便は感じられないし、大駐車場も完備されマイカー登山にも好都合である。道標に従い「針の木遊歩道」に歩を進め、針の木雪渓取り付き手前の大沢小屋を目指す。車道を何度かまたぎ越しながら遊歩道を進む。展望はきかないが樹林の中の軽快な遊歩道歩きである。ところどころに自然観察の案内板が設置されているのでゆっくりとそれらを読みながら進むのも楽しいだろう。およそ1時間半の行程は足慣らしには丁度良い。それでも、大沢小屋前のベンチに腰を下ろすとあまりの心地よさに大休止となってしまう。冷たい清水が流れ缶ジュースなどが泳いでいる。雪渓の状態などを小屋で確認してから出発しよう。雪渓に備え軽アイゼンの用意のない方はここでレンタルすると良い。

針の木岳・蓮華岳:イメージ2

さて、ザングツの紐を締め直しザックも整えて出発しよう。ダケカンバと笹の台地状のところを乗っこすと展望が開け、眼前に長大な針の木雪渓の全貌と、その先に針の木岳まで見通すことができる。標的を捕らえて闘志の沸き上ってくる瞬間だ。白馬の大雪渓のような広大さは感じないが、細く天を衝くように伸びる様は鋭角的な印象を与える。いよいよアイゼンを着け雪渓に踏み込む。ところどころに赤くベニガラがまかれコースを誤ることはない。小気味よくアイゼンをきかせながら高度をかせぐが、ここでオーバーペースにならないように気を配りたい。雪渓上では小休止するにも腰を下ろす訳にはいかないし、およそ3時間の長丁場である。次第に傾斜がきつくなり、雪渓中部あたりではふくらはぎにかなりの負担が蓄積されてくると同時に、アイゼンをつけていてさえ次の一歩を踏み出すのに勇気が要るほど傾斜がついてくる。次の一歩の接地面と目の距離の長くなる下りではさらに恐怖感と戦わなければならない。ステッキやピッケルなど用意があればさらにベターであろう。雪渓上部で雪渓は2本の角のように分岐するが、ベニガラに従い左手の雪渓の途中から大岩のごつごつした丘に上陸する。アイゼンをはずし、腰を下ろして大休止。針の木峠は間近であるが昼食に丁度よい時間である。

針の木岳・蓮華岳:イメージ3

雪渓を踏破してしまえばもうあと一歩、と思いたいところであるがここからが意外に手強い。針の木小屋のある針の木峠はもう指呼の間に見上げられるのに砂っぽいジグザグの登りはなかなか高度をかせいでくれない。最後はヨタヨタで小屋前にたどりつく(まだまだ初心者だな~)。針の木峠は南アルプス三伏峠につぐ高度を誇る峠である。小屋で宿泊の手続きをすませたら空身で針の木岳を往復しよう。高山植物たちも見事な岩と草の長野県側斜面を登りつめた2821mの山頂には北アルプスのど真ん中を確信させる大パノラマが待ち受けている。遠く北に白馬連山から後立山連峰、鹿島槍の双耳峰も美しい。西に目を転じれば眼下に黒部湖の湖面が光り、遊覧船であろうか白い航跡が認められる。対岸には立山、剣が大きい。やや左手にはゴルフ場のグリーンを思わせる五色が原がベルベットの肌触りを連想させるように広がる。さらに目を南へとむければ槍の穂から穂高連峰、まさに北アルプスの全てを一つかみしたような大パノラマといっていい。さらに尾根続きに、間近にはスバリ岳の荒々しい岩肌が迫力ある質感をもって迫る。時間の許す限り眺めていたい展望は感動ものであった。

針の木岳・蓮華岳:イメージ4

小屋に一泊したらもう一方のピーク、蓮華岳を目指そう。ザックは小屋に預け最小限の装備で向かうことができる。峠からいきなり急登に取り付き、岩とハイマツの間を高度をあげてゆく。眼下の針の木小屋の小さくなってゆく様子で高度を感じることができテンポよく登ってゆける。背後には剣岳が大きい。やがてポッと広い尾根状の道に出る。岩礫の中に可憐な高山植物がところどころ群落をつくっている。展望の山頂までは束の間ウォーキングハイになれる楽しい道程だ。三角点のある山頂は2799m、蓮華岳からの眺望も針の木岳のそれに劣らずすばらしいものがあるが、どちらかというと「女性的」な印象を受けるのが蓮華岳ではなかろうか。爺が岳や鹿島槍は昨日よりもぐっと近くに感じられる。逆コの字を描く稜線は北葛岳、船窪岳方面へ伸びている。日程に余裕があるのであれば次の船窪小屋まで蓮華岳から約4時間強、更に静かな山旅が期待できる。是非とも縦走してみたい山域である。また、針の木小屋から針の木谷へ下り、黒部湖畔の「平の渡し場」へ至るコースも5時間半程度の行程である。今回は針の木雪渓のピストンによる針の木岳、蓮華岳の二峰に挑んだが、それだけでも十二分に北アルプスを堪能できる山旅であった。

-DATA-

場所:
長野県大町市
交通:
JR信濃大町駅より扇沢行きバス(松電バス他40分)
駐車場:
扇沢に駐車場、但し夏休み期間中の日中は混雑も予想される。
トイレ:
扇沢バスターミナル、大沢小屋、針の木小屋
宿泊:
大沢小屋、針の木小屋(テント場は針の木小屋前に数張り)
装備:
軽アイゼンは必須。用意がなければ大沢小屋、針の木小屋でのレンタルが可能。
コースタイム:
扇沢-(1:30)-大沢小屋-(3:00)-針の木小屋-(1:10)針の木岳-(0:40)-針の木小屋<1日目計6:20>
針の木小屋-(1:00)-蓮華岳-(0:40)-針の木岳-(2:00)-大沢小屋-(1:00)-扇沢<2日目計4:40>
注意:
雪渓の状態は年により、また時期により異なるので小屋では必ず雪渓の状態を確認したい。特に雪渓上部では霧が発生しやすく、右手のヤマクボ雪渓の方に迷い込まないようにしたい。その他、クレバスや落石にも充分注意が必要。ルートをはずれることのないように。

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