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至仏山

Jul. 14, 2000 優美な裾野を広げる、尾瀬の花の名山

至仏山:イメージ1

尾瀬ヶ原の西に見える至仏山は優美な裾野を広げ、女性的な山である。百名山の一つに数えられ、日光国立公園の最西端に当たる。標高は2228mとさほど高くないが、北に位置し積雪も多いため、頂上付近は高山帯にはいる。尾瀬ヶ原の水芭蕉やニッコウキスゲを前景とした至仏山の姿は美しい。そして、至仏山も多くの高山植物の咲く、花の山である。特に土が蛇紋岩という珍しい地質のものであり、この地質に適合した独特の植物も多い。ホソバヒナウスユキソウやジョウシュウアズマギクがそれに当たる。

'88年から'97年まで至仏山東側の山の鼻から登るルートは閉鎖されていた。心ない登山者が花畑に入って植物が育たない部分を広げてしまったので、登山道を閉鎖し、植生を回復するための策を講じたり、登山道の木道や階段を新たに設け、'97年の登山道再開に至ったのであるた。現在は山の鼻ルートが残雪期の閉鎖期間(毎年6月末まで)を除き、通行できるので至仏山を縦断して歩くことが出来る。山の鼻ルートは下りに使うと、雨の後の蛇紋岩や木道が滑りやすく、膝に負担が掛かりやすいので、登りに使った方が良い。したがってここでは山の鼻から至仏山に登り、鳩待峠に抜けるルートで紹介する。山の鼻や鳩待峠、戸倉温泉で泊まって、翌朝至仏山に登ると良いだろう。山の鼻、鳩待峠の山小屋は予約が必要である。

至仏山:イメージ2

標高1591mの鳩待峠で身支度を整え、駐車場の先端にある尾瀬ヶ原方面への入口から尾瀬ヶ原の西端にあたる山の鼻へ向かう。左側には帰りに出てくる、至仏山からの道がある。靴に付いた植物の種子を落とすための人工芝の上を歩き、入山者カウンターを通っていく。今日の山の鼻までの行程は下りばかりである。ブナ・ミズナラなどの樹林で、左に視界が開けたところに明日登る至仏山の姿が見える。最初は土の道で、しばらく進むと木道や木の階段が現れる。下りきって川上川を渡り、平らな林を歩くと、今日の目的地、山の鼻に到着である。山小屋に荷物を置き、山の鼻ビジターセンターを見学したり、時間の許す限り、山の鼻周辺の尾瀬植物研究見本園や上田代のあたりを散策し、至仏山を眺めておくと良いだろう。

翌朝、標高1400mの山の鼻から登ることとする。至仏山頂上までの標高差は約830mである。山の鼻の広場から尾瀬植物研究見本園への左側の木道をたどって、木道の分岐を左へ行き、湿原の端に登山口がある。登山届が置いてあるので、グループで1枚書いて投函しよう。鳩待峠から登るときは広場西側の登山口に登山届の書類と投函箱がある。樹林の中を登っていく。雨の後はぬかるんでいたり、木道が滑りやすいので注意しよう。登りが続くが、樹林に囲まれ、日陰になっているのが救いである。しばしの登りの後、左にベンチがあるので一休みしよう。ここから振り返ると樹林の向こうに燧ヶ岳が見え、その手前に池塘と木道の延びる尾瀬ヶ原が見える。またしばらく登りが続き、登山道が少し広くなって、右側に土手のように見えるところに湧き水がある。この水は至仏山特有の蛇紋岩の影響により、アルカリ性である。

このあたりから高い樹木は無くなり、ハイマツと高山植物のみの高山帯となる。登山道脇にはハクサンコザクラなど小さな花が咲く。この付近から頂上までが、花畑が荒らされ、植生回復の対策を行って、木道・階段を作った所である。しばらく登るときの階段を登るようになり、ホソバヒナウスユキソウが増えてくる。ホソバヒナウスユキソウはヨーロッパアルプスに咲くエーデルワイスに似た花だ。頂上付近には緑の細いロープが登山道沿いにあるが、このロープは登山道以外に入れないようにあるもので、登るときの手がかりとしてはならない。ロープは人の体重を支えられるように張られておらず、ロープを支えている杭を倒したり、自分自身が怪我をする危険がある。登りが緩やかになると、ベンチがある。高天原と呼ばれるあたりだ。頂上まではもう一息なので、一休みしておこう。更に階段を登り、岩場を登ると頂上である。

至仏山:イメージ3

頂上からは尾瀬ヶ原の池塘や木道が見え、その向こうに燧ヶ岳がある。右には日光連山、左には越後の山々が連なっている。至仏山は尾瀬ヶ原側は緩やかだが、反対側は大きな岩が並び、荒々しい姿であることが分かる。ここで昼食にすると良いだろう。眺望を楽しんだ後、頂上のもう一つ延びている道をたどって小至仏山を経て鳩待峠へ向かう。ホソバヒナウスユキソウやヨツバシオガマが多い。ガスが出ていると小至仏山までの道がわかりにくいので、しっかり踏み跡をたどり、不安なら地図と磁石で進行方向を確認しよう。岩場を回り込み、稜線を少し下り、登り返すと小至仏山に着く。岩ばかりの頂上で、休むスペースはほとんど無い。標高は2162mある。このあたりはハクサンシャクナゲやジョウシュウアズマギクが多い。岩場を下りていくと、ハクサンイチゲやチングルマが咲く中を下りていくようになる。左側が開けたところから尾瀬ヶ原が見えるが、下っていくとそのうち見えなくなってしまう。オオシラビソが道の両側に現れる頃、右に笠ヶ岳への道を分ける。そちらには入らないように注意しよう。まもなく道の両側にオヤマ沢田代という湿原が現れる。ワタスゲの果穂が斜面上の湿原にそよぐのは見事だ。コイワカガミも咲いている。このあたりから下りが急になってくる。樹林の中の下りが続く。道脇にはゴゼンタチバナやギンリョウソウがひっそりと咲いている。更に下っていくと、ガヤガヤとした音が聞こえてきて、鳩待峠に到着する。戸倉へのチケットを買ってタクシーかマイクロバスに乗り込もう。鳩待峠からのタクシー・バスは意外と早い時間に終わってしまうので、前もって確認しておこう。

至仏山:イメージ4

至仏山付近はアブなどが多いので、虫除けスプレーを持参しよう。また刺されないように、暑くなければ、長袖シャツを着た方がいい。日程によっては、尾瀬ヶ原を歩いてから山の鼻で1泊して至仏山に登っても良い。山登りに慣れているなら、尾瀬沼・燧ヶ岳・尾瀬ヶ原と歩いて至仏山に登るコースも考えられる。例年、花が多く見られるのは残雪期の閉鎖期間が終わった7月上旬頃であり、この時期が一番のお勧めである。クサモミジの尾瀬ヶ原と組み合わせて登ることも考えられるが、9月下旬以降は降雪が予想されるので、それ相応の装備が必要となる。

-DATA-

場所:
群馬県利根郡片品村
タイム:
1日目:計1時間
鳩待峠-山の鼻:1時間
2日目:計4時間40分
山の鼻-至仏山:3時間 至仏山-小至仏山:40分 小至仏山-オヤマ沢田代:20分 オヤマ沢田代-鳩待峠:40分
( 休憩、食事の時間は含んでいないのでご注意下さい)
鉄道・バス:
1.東京、上野、大宮などから上越・長野新幹線で高崎下車、上越線に乗り換え沼田下車、大清水行きのバスにて戸倉下車、マイクロバスもしくはタクシーで鳩待峠へ。
2.池袋・新宿などから出る予約制バスの鳩待峠行きで入る。朝出発の昼着の便がある。
車:
関越自動車道を沼田ICで降り、国道120号を北上、戸倉へ向かう。 戸倉から鳩待峠は交通規制が敷かれているので戸倉周辺の並木駐車場、尾瀬戸倉スキー駐車場に車を駐める。 駐車場から鳩待峠へはマイクロバスもしくはタクシー利用。
駐車場:
並木駐車場:250台
瀬戸倉スキー駐車場:900台
両者とも有料
トイレ:
鳩待峠、山の鼻に有り (至仏山付近にないので注意)
水場:
各山小屋に有り。文中で紹介した山の鼻-至仏山間の高天原手前に有り。
携帯電話:
鳩待峠まで通話可能。至仏山、小至仏山付近の見晴らしのいい所のみ通話可能。尾瀬ヶ原は盆地状になっており、圏外。

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