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北穂高岳

Jul. 30, 2000 穂高連峰の入門編、穂高・槍の展望が素晴らしい

北穂高岳は、北アルプス南部の穂高連峰のなかでは北に位置する。岩場や難所の多い穂高連峰の中では、比較的登りやすい山で、登る途中の南陵からの前穂高や奥穂高、花畑の眺めや、頂上から360度の展望も素晴らしい。北穂高岳は南峰と北峰の2つのピークを持つが、高い方の南峰に登山道は無く、北峰のそばに北穂高小屋とテント指定地がある。北穂高岳南峰の標高は3106mであり、これは日本で第9位にあたる。北穂高岳への登山道は、奥穂高岳から涸沢岳を越えてくるルート、槍ヶ岳から南岳・大キレットを越えてくるルート、涸沢からのルートの3つがある。前の2つは登山の上級者向けであり、ここでは涸沢から登るルートを梅雨明けから8月いっぱいに歩く前提で紹介する。

涸沢から登るとすると、上高地から入って行くことになる。上高地から北穂高岳は2日の日程が良い。ここでは夜行バスで上高地へ入り、涸沢で1泊するコースで紹介する。夜行が苦手な方は、朝自宅を出発して上高地に入り、横尾などで1泊すると良い。バスの上高地行きで終点の上高地バスターミナルで下車するが、手前の大正池で降りて河童橋までの景色を楽しむのも良い。(上高地のトレッキングレポートを参考にしていただきたい)

標高1500mの上高地バスターミナルでバスを降り、まずは河童橋へ出て梓川の清らかな流れと穂高連峰の眺めを楽しもう。河童橋を渡る手前の右側の川沿いに方位盤があるので山の名を確認すると良いだろう。目指す北穂高岳は奥穂高岳の陰にあるので見えない。河童橋から明神へ向かう。梓川の両岸に道があるが、ここでは時間の短い川の東側を行くこととする。清水川の小さな流れを渡ると、上高地ビジターセンターがあるので、自然の情報などを入手しよう。小梨平のキャンプサイトを抜けカラマツやハルニレの林に入っていく。途中までほぼ平だが少しずつ登るようになって明神館の建つ三叉路に着く。白沢の橋を渡ると徳本峠(とくごうとうげ)への分岐がある。沢渡からの道が開通する前、徳本峠は上高地への唯一の道として歩かれていた峠だ。この先、横尾までほぼ1時間ごとに山小屋があるので歩くペースがつかみやすい。徳沢まではほぼ平らであり、徳沢から横尾で少しの登りがある。横尾で泊まる場合は、横尾山荘か山荘前のテント指定地となる。早朝上高地を出た方は、ここで昼食にすると良いだろう。横尾から涸沢へは山荘前の橋を渡っていく。槍ヶ岳方面と別れるので人は少なくなる。

樹林の中の細くなった道を歩いていく。始めの内は緩やかな登りで、少しずつ登りらしい道になり、左に川と川の向こうの屏風岩が見えてくる。雨の後など屏風岩を流れる沢の水量も多く滝のように流れている。屏風岩を登攀している人の姿が見えるかもしれれない。屏風岩を見ながら歩いていくと、川を渡る橋がある。通称本谷橋と呼ばれている。最近架け替えられた吊り橋だ。一人ずつ渡るようにという注意書きがある。渡っていくと上下に揺れるが焦らずに渡ろう。渡り終えると河原で休んでいる人が多い。ここから急な登りが始まるので休憩しておこう。川の水は飲めないので注意しよう。急な登りに取り掛かる。しかしガレ場も無く、歩きやすい道だ。しばらく急な登りが続き、右に川が近付いてくると、前方に涸沢のカールが見えてくる。夏の早い時期だと、雪渓が2ヶ所ほどある。道が 2つに分かれるところまで来ると、今日の目的地、涸沢は目の前だ。左は涸沢ヒュッテ、右は涸沢小屋とテント場、自分の泊まるところに合わせて登っていこう。大きな石で階段状になっているので、登りやすい。キバナシャクナゲの花を見つつ、登っていくと涸沢カールが目の前に現れ、標高2300mの今日の目的地到着である。

涸沢から東に見えるのは、屏風の頭、右に目を移すと、前穂高岳の北尾根が続き、前穂高岳、穂高連峰の最高峰の奥穂高岳と続く。更に右に涸沢岳、涸沢槍と続き、連峰の北の外れの顕著な2つのピークが北穂高岳である。2日目はいよいよ北穂高岳へ向かう。涸沢小屋右側のヘリポート脇から北穂沢沿いに登って行く。登り始めは石が階段状に積まれているので歩きやすい。夏の早い時期には北穂沢は雪渓となっており、一部雪渓上を歩くことになる。しばらく北穂沢沿いを登った後、花畑の中を登っていくようになる。ハクサンフウロやクルマユリが咲いているのが目に入る。左側に見える奥穂高岳や前穂高岳、前穂高岳の北尾根が見える。ガレ場を登っていくと長い鎖場が現れる。下ってくる人と声を掛け合って、譲り合って進もう。更にハシゴを登っていくと、南陵に出る。奥穂高岳がすぐそこに見える。

南陵に出ると西からの風が強いことがあるので注意しよう。ここから岩場の登りが増えるが、ペンキの○印を目安にルートを見極め、3点支持を守って登っていけばよい。途中で休憩する場合は登山道をふさがないよう、また植物を痛めることのない場所を選ぼう。北穂高岳の南峰と北穂沢源頭が近付いてきて、岩場を更に歩くと、南峰下の南陵のテラスに着く。ここがテント指定地である。テラスを抜け、奥穂高岳からの道を合わせ、北穂沢源頭をトラバースする。初夏には雪が残っている。高度感があるが下る人とのすれ違いに注意すれば、問題なく歩けるだろう。ここからは少しの登りで北穂高岳の北峰に到着である。北穂高岳北峰頂上からは南に南峰がすぐ隣に見え、その向こうに奥穂高岳・前穂高岳が見える。北には飛騨泣き、大キレットと深い切れ込みがある稜線が続き、稜線は南岳、槍ヶ岳へと続いている。飛騨泣き、大キレットは東西の両側が切れ落ち、この稜線に登山道があるとはにわかには信じがたいが、双眼鏡などで見ると飛騨泣きを飛騨側に回り込んで進む人の姿が見えるだろう。東には常念岳が見え、西には笠ヶ岳から双六岳の稜線を望むことが出来る。頂上からの眺望を楽しんだら、昼食にしよう。頂上のすぐ北側の下に北穂高小屋があり、11時から1時の間は、食事が出来る。小屋の名物はラーメンである。また小屋前の売店は朝 5時からほぼ日没まで営業しており、生ビールやコーヒー、おつまみがあるので小屋の前のテラスにて、槍ヶ岳・常念岳方面の景色を楽しみながら休憩できる。

3 日目の朝、小屋の前のテラスまたは頂上でご来光を迎えよう。もう一度360度の展望を目に焼き付け、下りに取り掛かろう。ここでは北穂高岳を朝の内に出れば、上高地の最終バスに乗ることが出来る。時間の計算をして帰りの電車・バスに合わせて降りていこう。下りではガレ場で落石を起こさないように注意し、万が一、落石を起こしたり、落石を発見したら、「ラクッ」や「落石」と大声で周りの人に注意を呼びかけよう。今回は穂高連峰の入門編としての北穂高岳を紹介した。しかし、梅雨明け前では残雪が多く、アイゼン・ピッケルが必要となるし、10月以降は稜線に雪が降り始めるので、それなりの装備が必要となるので注意しよう。また夏でも、奥穂高岳から涸沢岳を越えてくるルート、槍ヶ岳から南岳・大キレットを越えてくるルートは岩場の昇降の経験をある程度積んで、上級者と一緒に歩こう。上高地バスターミナルから路線バスを利用するときはバスターミナルの窓口で予約の必要がある。予約は前日から受け付けてくれる。

上高地のレポートと重複するが、帰りに汗を流したいときには、次の2つがお勧めできる。

1.上高地温泉ホテル
場 所:ウェストンレリーフのすぐ西、河童橋から25分
入浴料:600円
営業時間:6:30-9:00 12:30-16:00
2.島々妙鉱温泉
場所:新島々駅前 駅から国道の反対側、徒歩1分
入浴料:入浴料:400円
営業時間:時間 15:00-20:30

-DATA-

場所:
長野県南安曇郡安曇村、岐阜県吉城郡上宝村
タイム:
1日目 計 6時間35分
上高地バスターミナル-河童橋:15分 河童橋-明神館:50分 明神館-徳沢:1時間10分 徳沢-横尾:1時間20分 横尾-本谷橋:1時間 本谷橋-涸沢:2時間
2日目 計 3時間
涸沢-南陵取付:1時間30分 南陵取付-北穂高岳北峰:1時間30分
3日目 計 7時間45分
北穂高岳北峰-南陵取付:50分 南陵取付-涸沢:1時間 涸沢-本谷橋:1時間20分 本谷橋-横尾:50分 横尾-徳沢:1時間20分 徳沢-明神館:1時間20分 明神館-河童橋:50分 河童橋-上高地バスターミナル:15分
鉄道・バス(夜行):
1.東京(新宿)、横浜、大阪、京都、神戸から出る夜行バスのさわやか信州号 上高地行きで入る。(要予約)
2.新宿から中央線の夜行急行「アルプス」にて早朝松本下車、松本電鉄線に乗り換え終点新島々下車、上高地行きの路線バスにて上高地バスターミナルもしくは大正池下車。
3.大阪、名古屋から夜行急行「ちくま」にて早朝松本下車、以下は2と同じ。
鉄道・バス(昼間):
1.新宿から中央線の特急「あずさ」にて松本下車、以下は(夜行)2と同じ。
2.大阪、京都、神戸から新幹線で名古屋へ。名古屋から中央線の特急「しなの」にて松本下車、以下は(夜行)2と同じ。
車:
関東、中京、近畿方面からは中央高速を利用、岡谷ジャンクションから長野道に入り、長野道を松本インターで降り、 国道158号を西方向、上高地へ向かう。 沢渡から先は交通規制が敷かれているので沢渡周辺のいくつかある駐車場に車を駐める。
駐車場から上高地へは路線バスもしくはタクシー利用。
駐車場:
沢渡付近の駐車場:有料
トイレ:
上高地バスターミナル、各山小屋に有り。
携帯電話:
上高地バスターミナル付近、北穂高岳の西寄り(新穂高温泉が見える場所)通話可能。
公衆電話:
各山小屋に有り、夜は7時までなど限定あり。
水場:
北穂高小屋:水は宿泊者には無料(売店で容器を渡すと入れてもらえる)。お湯も朝、受付で容器を渡すともらえる。
北穂高小屋以外の沿道の山小屋:水場あり、無料

上高地

Jul. 29, 2000 気軽に歩けてアルペン的風景が楽しめるトレッキング初歩コース

上高地:イメージ1

上高地は、長野県の西部に位置し、長野県と岐阜県、富山県の県境となっている北アルプスのすぐ東側にある。穂高連峰や槍ヶ岳への登山口として知られ、誰でも手軽に穂高連峰のアルペン的風景が楽しめる所である。ほとんど高低差が無く、トレッキング初歩コースとして家族連れでも楽しく歩くことが出来る。夜行バスで入って日帰りのコースで紹介するが、夜行が苦手な方は大正池ホテルや河童橋付近の宿泊施設で1泊してから歩くと良いだろう。

上高地:イメージ2

夜行バスの上高地行きで上高地へ向かう。終点の上高地バスターミナルまで行っても良いが、手前の大正池で降りて歩き始めた方が楽しめる。夜行バスで行くと、大正池には朝6時くらいに着く。バス停から坂を下っていくと大正池のほとりに出る。朝は霧が出ていることもある。池にはカモが遊ぶ。大正池は焼岳の溶岩によりせき止められて作られた。左にその焼岳が見える。右手には西穂高岳から明神岳と続く穂高連峰が連なり、初夏には雪が残っているのが見えるだろう。

上高地:イメージ3

大正池に沿って右へ歩いていくと、遊歩道があり、湿原の中の一段高いところを歩いていく。湿原が終わり、低い木立の中を歩いていくと草原状の所に出る。右へ1分も歩かずに田代池へ出る。池と言っても、今は上流から流れてくる土砂が堆積し、ほとんど川と言った方がいい所だ。初夏には向こう岸にレンゲツツジが咲き、夏には周囲にニッコウキスゲが咲く。元の草原状の所に戻り、先へ進む。道の脇の花が増えてくる。そのうち梓川の河原近くを歩くようになる。梓川は水が澄んでいて川底がよく見え、川底の岩のためかエメラルドグリーンに見える。しかし水は飲用不可なので注意したい。十字路に出たら左へ折れて田代橋と穂高橋の2つを渡って、梓川の向こう岸に渡る。十字路をまっすぐ行っても同じ様に河童橋に出る。川の西側を歩いていくと川の向こう側にカラマツ林が見えてくる。川が大きく蛇行する所で、左の岩壁にウェストン・レリーフがある。日本アルプスを世界に紹介し、日本にスポーツとしての登山をもたらした功績を讃えたレリーフである。更に川沿いを上流へ歩いていくと河童橋が見えてくる。上高地で最も賑わう所だ。河童橋から梓川の上流方向に穂高連峰が見える。橋を渡り、左へ少し行った川沿いに方位盤があるので山の名を確認すると良いだろう。

上高地:イメージ4

眺めを楽しんだら、再び河童橋を渡り、川の西側を上流へ歩こう。樹林の中の砂利道を行くが、途中には木道になっているところもある。池があり、沢を2、3渡る変化があって楽しい道だ。川のそばを歩くところでは、向こう岸にカラマツ林が見える。木道が終わるとここまで平らだったのが少し登るようになる。少し登って平らになると、左に嘉門次小屋がある。その奥に安曇野の穂高町にある穂高神社の奥宮があり、拝観することが出来る。明神池を中心とした庭で、水と木々が美しい所だ。山腹が迫っている山は明神岳である。池にはカモが泳いでいる。美しい庭と池を楽しんだら、嘉門次小屋に戻って、昼食にしよう。嘉門次小屋は上條嘉門次が始めた山小屋である。上條嘉門次はイギリス人のウェストンが明治期に穂高や槍に登るときにガイドをつとめた人物で、当時は猟師だった。名物のイワナの塩焼きや薫製などを食べるのも良い。

元の道に戻って、少し上流方向へ歩くと梓川に橋が架かっているのでそこを渡る。道ばたにクガイソウなど小さな花が咲いている。このあたりは野生の猿が現れることもある。まもなく明神館の建つ三叉路に出る。左手にトイレがある。道標に従って右へ折れ、上高地方面に向かおう。樹林の間のだらだらとした下りである。小梨平のキャンプ場を抜けていくと河童橋に出る。穂高の峰々を目に焼き付けてバスの時間に合わせて上高地バスターミナルへ向かう。河童橋付近やバスターミナル前に土産物屋がある。またバスターミナルから路線バスを利用するときはバスターミナルの窓口で予約の必要がある。予約は前日から受け付けてくれる。帰りにトレッキングの汗を流したいときには、次の2つがお勧めできる。

1.上高地温泉ホテル
場所:ウェストンレリーフのすぐ西、河童橋から25分
入浴料:600円
営業時間:6:30-9:00 12:30-16:00
2.島々妙鉱温泉
場所:新島々駅前 駅から国道の反対側、徒歩1分
入浴料:入浴料:400円
営業時間:営業時間 15:00-20:30

標高1500mなので朝夕は冷え込む。夏でも羽織る物を用意した方がいいだろう。また足元だが、雨上がりの時など道がぬかるんでいることもあるので防水性のある靴を履くと安心である。夏は花やまぶしい緑が楽しめるし、10月中旬にはカラマツ林が黄葉する。川沿いに黄金色のカラマツが連なるさまは、とても美しい。10月末には穂高連峰に初雪が来る。上高地バスターミナルに入るバスは例年11月3日頃まで運行されているので、服装に注意すればトレッキングを楽しむことが出来る。5月下旬や 6月上旬の新緑の頃も素晴らしい。この頃は穂高連峰に雪が残っており、新緑との取り合わせが眼にまぶしい。春から秋まで楽しめる所である。

-DATA-

場所:
長野県南安曇郡安曇村
タイム:
大正池-田代橋:40分 田代橋-河童橋:30分 河童橋-明神池:1時間 明神池-明神館:10分 明神館-河童橋:50分 河童橋-上高地バスターミナル:15分
鉄道・バス(夜行):
1.東京(新宿)、横浜、大阪、京都、神戸から出る夜行バスのさわやか信州号 上高地行きで入る。(要予約)
2.新宿から中央線の夜行急行「アルプス」にて早朝松本下車、松本電鉄線に乗り換え終点新島々下車、上高地行きの路線バスにて上高地バスターミナルもしくは大正池下車。
3.大阪、名古屋から夜行急行「ちくま」にて早朝松本下車、以下は2と同じ。
鉄道・バス(昼間):
1.新宿から中央線の特急「あずさ」にて松本下車、以下は(夜行)2と同じ。
2.大阪、京都、神戸から新幹線で名古屋へ。名古屋から中央線の特急「しなの」にて松本下車、以下は(夜行)2と同じ。
車:
関東、中京、近畿方面からは中央高速を利用、岡谷ジャンクションから長野道に入り、長野道を松本インターで降り、 国道158号を西方向、上高地へ向かう。
沢渡から先は交通規制が敷かれているので沢渡周辺のいくつかある駐車場に車を駐める。 駐車場から上高地へは路線バスもしくはタクシー利用。
駐車場:
沢渡付近の駐車場:有料
トイレ:
バスターミナル、各山小屋、ウェストン・レリーフ近くに有り。
携帯電話:
大正池、明神付近を除き通話可能。

ピヤシリ岳トレッキング

Jul.27, 2000 日本一寒い山を日本一暑い日に歩く

ピヤシリ岳トレッキング:イメージ1

北海道の名寄市付近は山々に囲まれた盆地で、典型的な内陸性気候だ。夏にはプラス30℃以上、冬にはマイナス30℃以下にまで下がる。最高記録では夏と冬の寒暖差が78.8℃という。天塩川をカヤックで下りに行ったこの年、北海道は異常なほど雨が降り続いた。北海道の西海岸に沿って居座る寒冷前線に為すすべもなく、名寄「曙橋」下に10日も停滞し続けた。雨の止み間を縫ってオホーツク海と日本海の利尻岳が見渡せるというピヤシリ岳に出かけたが。

ピヤシリ岳トレッキング:イメージ2

名寄市街からは名寄温泉「サンピラー」まで無料バスが出ている。ピヤシリ森林公園の一郭にあり、他にスキー場やジャンプ競技用のシャンツェがある。先日(2001.2.24)も複合のワールドカップが行われた。

ピヤシリ岳トレッキング:イメージ3

名寄温泉は宿泊もできる。登山届けを出すと支配人から鈴やラジオを持っているかと訊ねられた。やはりここもヒグマに注意しなければいけないのだ。支配人に鈴を借りて歩き出す。山を無理矢理削ったスキー場は連日の雨で大きく削られていた。スキー場を過ぎるとすぐに深い森になった。まだ林道だが鬱蒼とした森にヒグマが潜んでいるようだ。キャンプ場があった。しかしあまり使われていないようで、朽ちかけたような木造小屋が寂しい。小さな橋を渡って道はカーブし、斜度が増してきた。霧雨が降ってきたと思ったらそれがすぐに強風を伴った大粒の雨になった。傘もカッパもあるし、まだ森の中の道なので大丈夫だろうと歩き続けた。風雨はさらに勢いを増し目の前の小枝が折れて降ってくる。傘も役目を果たさなくなった。振り向くと道は折れた木々で埋まっていた。ヤバイと思い慌てて駆け戻った。宿でも心配して車で迎え来てくれた。山肌の至る所からものすごい勢いで水が噴き出ていた。車はごうごうと唸る森の中を倒れた木を避け、思い切り水しぶきを飛ばして走った。この日旭川地方は大洪水に見まわれた。温泉の風呂上がりにそれをテレビで知って、生ビールを手に「そうだろなあ。」とつぶやいた。川原のテントに戻ってみると風に飛ばされて、水たまりの中でくしゃくしゃになっていた。

2日後再び同じ道を歩き出した。予報では今日だけは晴れるらしい。キャンプ場を過ぎ橋を渡る。そこまでは前回通った。つづら折れがまだ続く。天気は時折晴れ間が覗くだけだが気温が高い。名寄の街で沖縄から来た人が、沖縄より暑いと言っていたという話を聞いた。それほどここは蒸し暑いのだ。歩き出しておよそ2時間、登山口にあたる山小屋が現れた。立派なログ造りで、中に入るとひんやりしている。しかし水はなかった。持参したのは500mlしかないので心許ない。

ピヤシリ岳トレッキング:イメージ4

ここから本格的な山道と思ったらまだ林道が続いていた。それも舗装されている。斜度はさらに増しどんどん高度を稼いだ。このまま山頂なのか。しかしやがて舗装は終わり、等高線に沿ったダート道に変わり山を西に巻く。暑い。どうせ誰も通るわけないのだからと裸になって歩く。向こうからとことことキタキツネがやってきた。黒いハイソックスを履いているのですぐ判る。樹林を抜け視界が開けた。日も射してきた。原生林に被われた山々が続き、それを縫って道ははるか彼方まで延びていた。ほこりっぽい道ばたの草にクジャクチョウが舞っている。

ピヤシリ岳トレッキング:イメージ5

一度下った道は再び上り坂になり、またもや舗装道路になった。何処まで行っても車道のままに閉口した。また「ピヤシリ岳登山口」の標識が現れた。そこをゲートをくぐって右の道に入った。この道も軽トラなら走れる広さだ。両側は高い草木に被われ視界が効かない。道端を流れる水をすくって飲んだが埃っぽくて美味くなかった。空が開けて小屋が現れた。サンピラー観測小屋だ。これもログの立派な造りだった。ハイマツの細い道に入り、潜るように行くと山頂に着いた。この間だけは登山道の雰囲気だったがそれもほんのわずかだ。温泉からおよそ4時間半。山頂からはハイマツやクマザサ、時たまカンバが混じり緩やかな山がいくつも続いていた。しかし楽しみにしていたオホーツク海や利尻岳は雲の中だった。

余談だが、旭川空港で「当機の目的地羽田は現在快晴で気温30℃・・・」のアナウンスに乗客からほっとするかのような声が上がった。旭川地方は連日36~7℃の日が続いていた。

-DATA-

場所:
北海道名寄市・上川郡
交通:
名寄市街から無料バスでピヤシリ温泉まで。
マイカー、タクシーを使えば温泉からおよそ15kmの登山口まで行くことが出来る。ここから山頂まで1時間弱。ただしほとんどダート。
駐車場:
路肩に数台可。温泉から歩く場合は温泉駐車場に。
トイレ:
温泉にあり。キャンプ場、山小屋については不明。途中水場はない。
備考:
サンピラーとは空気中の氷の粒に太陽の光が乱反射したもの。名寄市で日本最初の観測が行われた。
<参考>「厳冬のきらめき」名寄北国博物館刊
名寄天塩川「曙橋」下キャンプ情報
左岸は広い運動公園になっていて簡易トイレが置いてある。
水はないので近くの民家からもらった。
買い出しは市街地へ1.5km歩く。さらに2km程歩くとデパート「西条」がある。

Horne湖 洞窟探検

Jul.25, 2000 秘められた世界へ カナダ バンクーバー島 Horne湖洞窟

Horne湖 洞窟探検:イメージ1

これまで洞窟探検は秘められたスポーツだったが、近年アマチュア冒険家によって注目を浴び始めている。1,000以上の洞窟を誇るバンクーバー島は海岸洞窟探検家の舞台となっている。新米洞窟探検家達は、ここHorne湖の網状にはりめぐらされた洞窟をチェックしてみよう。1912年、地元の地質学者によって発見されたHorne湖の洞窟は12万年前のものと推測される。7つに分かれた洞窟を見ていくとしよう。Main洞窟とLower Main洞窟は1939年、アマチュア探検家によって再発見された。そして何千年もの月日を費やし育つ洞窟を傷つけ、お土産にと収集していった。一番最近発見されたRiverbend洞窟は同じようなおろかな行為から守り、傷ついていない部分をそのままに保存する為1971年に公開が打ちきられた。

Horne湖 洞窟探検:イメージ2

現在は州立公園のシステムの一環となっている洞窟ツアーを利用することができる。しかし5歳以下の子供や虚弱体質の人にはお薦めできない。 Island Pacific AdventuresのRichard Varelaさんは「これらの洞窟はアメリカで見るような展示洞窟ではありません。洞窟は未開発な為、足元はでこぼこの岩場で機敏さが必要となります。」と説明する。毎年5万人以上の見学者を魅了するこのHorne湖洞窟。Riverbend洞窟には2つのツアーがある。13ドルの家族指向のツアーは1時間半で地質、自然保護と歴史に重点を置き洞窟のほとんどを探検していくものだ。毎日10時に始まり4時まで1時間ごと。参加は早い者勝ちで来た人から準じ参加可能だ。High Adventure Tourは最初のツアーが終わった場所から始まる。参加者は這ったり登ったりと7階建ての高さに相当するRainbarrelの底へと這い降りて行く。基本的な登り方の指導と道具は費用に含まれている。59ドルのHigh Adventure Tourの所要時間は5時間で予約が必要だ。参加者は19歳以上である。未開発ということで魔法とミステリーの独特の雰囲気を味わえる。長い年月を経て作り上げられた方解石は、全ての変化に畏怖を吹き込む。洞窟探検家は天井と床から伸びる鍾乳石と石筍を見るだろう。月並みでない層、例えば”遠吠えをする狼”、”滑らかな石”、”脳の岩”そして洞窟の真珠である”微笑む仏”自身にきっと遭遇することだろう。”ベーコンのひも”、”月のミルク”、”アイスクリームの滝”と名付けられたものもある。

ここにいてつくづく思うことは美のもろいさだ。どのツアーもこの周辺の歴史と地質に付け加え、洞窟の環境にも重点を置いている。「教育を通じてのみ理解を深めることができ、奥に秘められた壊れやすい環境を守ることができると私達は考えます。」とブリティッシュコロンビア州立公園から契約されている洞窟ツアーを持つVarelaさんは話す。気味が悪く冷たいイメージのこうもりはこの洞窟にはいない。それには少し寒すぎるくらいだろう。例外は毎年秋にMain洞窟の入り口近くの通路で死ぬ為だけに這いまわるメクラグモだ。白いカビが彼らの体を食いつくし、光に照らされ足のはえた真珠のように見える。

主要のツアーは比較的広い洞穴に限られているので閉所恐怖症の人も安心だ。汚損から守る為の鉄の入り口が狭いだけだ。「実際、ほとんどの人は地下へもぐることに対して何らかの不安を抱くものです。半数ほどはためらいを感じるようです。でもガイドさんと一緒というグループの雰囲気があなたをリラックスさせてくれるでしょう。」さらにVarelaさんは「ドアのところで洞窟に入るのをやめる人はわずかです。たぶん何千人の中の10人ほどだけでしょうね。」と付け加える。洞窟は年中5度くらいなので暖かい服、できれば作業用の軍手などを持参しよう。くつは頑丈なランニングシューズ、少なくともハイキングブーツを履いておこう。

洞窟ツアーに続きMain洞窟とLower Main洞窟を自分達で探検してみよう。ヘルメット、ヘッドランプは公園事務所で借りることができる。この2つの小さな洞窟にはいくつか狭い場所、興味深い小さな洞穴や滝がある。洞窟探検は汚れる仕事なので着替えも準備しておくと良いだろう。

注意:クーガーにとって公園は彼達の家である。あなたのプードルは彼らにとってごちそうかもしれない。ペットには首輪を常につけ、子供にも注意してあげよう。

-DATA-

場所:
カナダ バンクーバー島 Horne湖洞窟
アクセス:
Horne湖洞窟(Horne Lake Caves)の行き方
Horne湖洞窟に行くのは容易ではないが行く価値は充分にある。バンクーバーからならHorseshoe Bayバス(257番Horseshow Bay Expressまたは、250番Horseshoe Bay)に乗り、NanaimoのDeparture Bayからフェリーに乗る。フェリーを降りて島を行くIsland Coach Linesに乗り換える。Qualicum Beachで降り、タクシーでPrdksvilleへ向かう。Horne湖洞窟は伐採搬出入道の端、Islandハイウェイから14Kmのところに位置する。公園の入り口でキャンプをすることは可能だ。週末に行くならマス釣りやこの周辺でハイキングも楽しもう。
◆洞窟探検◆ Horne湖洞窟、バンクーバー島
■Parksvilleタクシー
・Tel: (250)248-5741
・Quialicum Beachから片道$35
■Island Pacific Adventures (Postal Box 3531 Stn. Main Courtenay, BC V9N 6Z8)
・Tel:(250)248-7829, (250)757-8687
・Fax:(250)339-9150
・mail:adventure@hornelake.com
・洞窟探検ツアー、ヘルメットとヘッドランプのレンタル、キャンプサイト
■Parksville/Qualicum Beach観光協会
・Tel:1-888-799-3222, (250)752-2388
・Fax:(250)752-2392
■ブリティッシュコロンビア州洞窟学連合
・Tel: (250)283-2283
・経験豊富な洞窟探検家のための情報
■Island Coach Lines
・Tel: 1-800-318-0818, (250)385-4411
■Marverick Coach Lines
・Tel: (604)662-8051
■Island Link
・Tel: 1-877-954-3556, (250)954-3556
http://www.newshuttle.com<br /> ・NanaimoとQualicum Beach間のシャトル、時刻表は下記参照

◆Island Linkシャトルサービス
1-877-954-3556,
Tel:(250)954-3556
http://www.newshuttle.com

■Nanaimo(Departure Bay)
08:15am 10:15am 12:15pm 02:15pm 04:45pm 06:45p m08:45pm
■Parksville
08:45am 10:45am 12:45pm 02:45pm 05:15pm 07:15pm 09:15pm
■Qualicum Beach
09:10am 11:10am 01:10pm 03:10pm 05:40pm 07:40pm 09:40pm
■Qualicum Beach
07:00am 09:00am 11:00am 01:00pm 03:30pm 05:30pm 07:30pm
■Parksville
07:25am 09:25am 11:25am 01:25pm 03:55pm 05:55pm 07:55pm
■Nanaimo(Departure Bay)
08:00am 10:00am 12:00pm 02:00pm 04:20pm 06:30pm 08:30pm

針の木岳・蓮華岳

Jul.19-20, 2000 針の木雪渓と針の木・蓮華の二峰をめぐる

針の木岳・蓮華岳:イメージ1

夏山シーズンの到来とともに、北アルプスの名だたる名峰を有する山域は多くの登山者たちであふれかえる。そんな中、比較的静かな山旅が愉しめ、北ア三大雪渓の一つに数えられる針の木雪渓の踏破や、眼下に黒部湖を見下ろし北アの名峰たちを遠く近く眺める絶景の大パノラマなど見どころも多い北アルプスのへそ、針の木岳、蓮華岳に東京発夜行+小屋泊まり一泊で訪れた。

登山口となる扇沢は黒部立山観光の拠点でもあり信濃大町からのバス便利用でも不便は感じられないし、大駐車場も完備されマイカー登山にも好都合である。道標に従い「針の木遊歩道」に歩を進め、針の木雪渓取り付き手前の大沢小屋を目指す。車道を何度かまたぎ越しながら遊歩道を進む。展望はきかないが樹林の中の軽快な遊歩道歩きである。ところどころに自然観察の案内板が設置されているのでゆっくりとそれらを読みながら進むのも楽しいだろう。およそ1時間半の行程は足慣らしには丁度良い。それでも、大沢小屋前のベンチに腰を下ろすとあまりの心地よさに大休止となってしまう。冷たい清水が流れ缶ジュースなどが泳いでいる。雪渓の状態などを小屋で確認してから出発しよう。雪渓に備え軽アイゼンの用意のない方はここでレンタルすると良い。

針の木岳・蓮華岳:イメージ2

さて、ザングツの紐を締め直しザックも整えて出発しよう。ダケカンバと笹の台地状のところを乗っこすと展望が開け、眼前に長大な針の木雪渓の全貌と、その先に針の木岳まで見通すことができる。標的を捕らえて闘志の沸き上ってくる瞬間だ。白馬の大雪渓のような広大さは感じないが、細く天を衝くように伸びる様は鋭角的な印象を与える。いよいよアイゼンを着け雪渓に踏み込む。ところどころに赤くベニガラがまかれコースを誤ることはない。小気味よくアイゼンをきかせながら高度をかせぐが、ここでオーバーペースにならないように気を配りたい。雪渓上では小休止するにも腰を下ろす訳にはいかないし、およそ3時間の長丁場である。次第に傾斜がきつくなり、雪渓中部あたりではふくらはぎにかなりの負担が蓄積されてくると同時に、アイゼンをつけていてさえ次の一歩を踏み出すのに勇気が要るほど傾斜がついてくる。次の一歩の接地面と目の距離の長くなる下りではさらに恐怖感と戦わなければならない。ステッキやピッケルなど用意があればさらにベターであろう。雪渓上部で雪渓は2本の角のように分岐するが、ベニガラに従い左手の雪渓の途中から大岩のごつごつした丘に上陸する。アイゼンをはずし、腰を下ろして大休止。針の木峠は間近であるが昼食に丁度よい時間である。

針の木岳・蓮華岳:イメージ3

雪渓を踏破してしまえばもうあと一歩、と思いたいところであるがここからが意外に手強い。針の木小屋のある針の木峠はもう指呼の間に見上げられるのに砂っぽいジグザグの登りはなかなか高度をかせいでくれない。最後はヨタヨタで小屋前にたどりつく(まだまだ初心者だな~)。針の木峠は南アルプス三伏峠につぐ高度を誇る峠である。小屋で宿泊の手続きをすませたら空身で針の木岳を往復しよう。高山植物たちも見事な岩と草の長野県側斜面を登りつめた2821mの山頂には北アルプスのど真ん中を確信させる大パノラマが待ち受けている。遠く北に白馬連山から後立山連峰、鹿島槍の双耳峰も美しい。西に目を転じれば眼下に黒部湖の湖面が光り、遊覧船であろうか白い航跡が認められる。対岸には立山、剣が大きい。やや左手にはゴルフ場のグリーンを思わせる五色が原がベルベットの肌触りを連想させるように広がる。さらに目を南へとむければ槍の穂から穂高連峰、まさに北アルプスの全てを一つかみしたような大パノラマといっていい。さらに尾根続きに、間近にはスバリ岳の荒々しい岩肌が迫力ある質感をもって迫る。時間の許す限り眺めていたい展望は感動ものであった。

針の木岳・蓮華岳:イメージ4

小屋に一泊したらもう一方のピーク、蓮華岳を目指そう。ザックは小屋に預け最小限の装備で向かうことができる。峠からいきなり急登に取り付き、岩とハイマツの間を高度をあげてゆく。眼下の針の木小屋の小さくなってゆく様子で高度を感じることができテンポよく登ってゆける。背後には剣岳が大きい。やがてポッと広い尾根状の道に出る。岩礫の中に可憐な高山植物がところどころ群落をつくっている。展望の山頂までは束の間ウォーキングハイになれる楽しい道程だ。三角点のある山頂は2799m、蓮華岳からの眺望も針の木岳のそれに劣らずすばらしいものがあるが、どちらかというと「女性的」な印象を受けるのが蓮華岳ではなかろうか。爺が岳や鹿島槍は昨日よりもぐっと近くに感じられる。逆コの字を描く稜線は北葛岳、船窪岳方面へ伸びている。日程に余裕があるのであれば次の船窪小屋まで蓮華岳から約4時間強、更に静かな山旅が期待できる。是非とも縦走してみたい山域である。また、針の木小屋から針の木谷へ下り、黒部湖畔の「平の渡し場」へ至るコースも5時間半程度の行程である。今回は針の木雪渓のピストンによる針の木岳、蓮華岳の二峰に挑んだが、それだけでも十二分に北アルプスを堪能できる山旅であった。

-DATA-

場所:
長野県大町市
交通:
JR信濃大町駅より扇沢行きバス(松電バス他40分)
駐車場:
扇沢に駐車場、但し夏休み期間中の日中は混雑も予想される。
トイレ:
扇沢バスターミナル、大沢小屋、針の木小屋
宿泊:
大沢小屋、針の木小屋(テント場は針の木小屋前に数張り)
装備:
軽アイゼンは必須。用意がなければ大沢小屋、針の木小屋でのレンタルが可能。
コースタイム:
扇沢-(1:30)-大沢小屋-(3:00)-針の木小屋-(1:10)針の木岳-(0:40)-針の木小屋<1日目計6:20>
針の木小屋-(1:00)-蓮華岳-(0:40)-針の木岳-(2:00)-大沢小屋-(1:00)-扇沢<2日目計4:40>
注意:
雪渓の状態は年により、また時期により異なるので小屋では必ず雪渓の状態を確認したい。特に雪渓上部では霧が発生しやすく、右手のヤマクボ雪渓の方に迷い込まないようにしたい。その他、クレバスや落石にも充分注意が必要。ルートをはずれることのないように。

燧ヶ岳

尾瀬のシンボル的な山、東北以北の最高峰 Jul. 17, 2000

燧ヶ岳:イメージ1

燧ヶ岳(ひうちがたけ)は尾瀬沼の北西、尾瀬ヶ原の東にそびえ、尾瀬のシンボル的な山である。標高は2356mで東北・北海道の範囲での最高峰で、百名山の一つである。燧ヶ岳はいくつかの鋭いピークを持ち、尾瀬ヶ原をはさんで向こうにある至仏山とは対照的に男性的な山である。頂上からは360度の眺望が広がり、頂上付近には花も咲き、北側の熊沢田代などは尾瀬ヶ原とは異なり静かな湿原である。

燧ヶ岳:イメージ2

一番登りやすい、尾瀬沼東岸からのコースを紹介する。尾瀬沼に入るのと同じコースで、沼山峠休憩所までバスで入り、そこから徒歩で尾瀬沼東岸へ向かい、2軒有る山小屋で1泊し、翌朝登り始めると良い。尾瀬の山小屋は予約が必要である。御池から沼山峠に向かう車道の右側に見えるのが、目指す燧ヶ岳である。沼山峠から20分程度登ると、ベンチのある展望の良いところに出る。ここから下りとなり、20分ほど歩くと木道が現れ、大江湿原に到着する。木道の外の湿原に足を踏み入れると、湿原の植物と土壌を痛めることになるので、注意して歩こう。また木道が2本あるが、尾瀬では基本的に右側通行である。7月の大江湿原はワタスゲの白い果穂や、ニッコウキスゲ、カキツバタ、コバイケイソウの花を見ることが出来る。大江湿原を歩いて、山小屋が見てくるあたりで、右側に燧ヶ岳の全容が見えてくる。さらに大江湿原を歩くと、尾瀬沼が間近に見え、道の左側に尾瀬沼ビジターセンターがあり、尾瀬沼周辺の自然の情報が得られる。1日目に時間があれば、長蔵小屋南側の湿原や、大江湿原西側の浅湖湿原を歩いても良い。

2日目は早起きして、朝食の前に散策すると良い。朝日に照らされる燧ヶ岳を見ることが出来る。朝食をとったらすぐ出発しよう。北へ進み、大江湿原のベンチのある三叉路から西へ進み、大江湿原のシンボルである三本松のすぐ横を通る。湿原を横切って樹林に入り、浅湖湿原に出る直前に右に行く道があるのでここを進む。ここからが長英新道である。(燧新道とも言う)しばらく樹林の中を進む。幅が広く余りはっきりしない道で、急に曲がるところもある。またぬかるんでいることが多く、またあまり登っているように感じない。登りらしい道になると、幅が狭くなって低く掘られた道となる。雨の後は滑りやすい。また沢のように水が流れることもある。まわりは樹林であるが、道のそばに木が無く、北西方向に進んでいるため、午前中に登ると、背中に日を浴びて暑い。日を浴びての登りが続くが、左右が見えるところでは、今登っているところが尾根にあたり、また随分登ってきたことが分かる。左に開けたところがあり、突端へ出ると眼下にシラビソなどの樹林が広がり、その向こうに尾瀬沼が見える。

更に登り、緩やかになり、道が90度曲がるところがあり、すぐ正面に湿原がある。道も広く日陰になっているので、休憩するのによい。ここから少し登ったところにも、左が開けて尾瀬沼の見えるところがある。またしばらく登ると、左右が開けた細い尾根にに出る。初夏の頃は谷あいに雪が残っている。なおも登ると、ひょっこりとミノブチ岳頂上に出る。土が見えている頂上で、尾瀬沼が眼下に見え、背後に更に高いピークの”まないたぐら” が見える。ハイマツの中を”まないたぐら”へ向かう。初夏にはハクサンシャクナゲが咲いている。ほぼ平らな道を進むと、初夏ならサンカヨウやキヌガサソウが咲いているだろう。このあたりから登りが始まり、最後は岩場の登りである。登る途中で左に尾瀬ヶ原が見えてくる。”まないたぐら”頂上は岩だらけで平らなところは少ない。尾瀬沼と尾瀬ヶ原が手に取るように見える。尾瀬ヶ原の向こうに至仏山が見える。尾瀬沼の向こうには日光連山、越後方面や会津方面の山も見える。ここから燧ヶ岳のいくつかのピークの内の最高峰の”柴安くら”は20分の道のりだ。御池への道はここ”まないたぐら”から出ているので、空身で” 柴安くら”を往復しよう。”柴安くら”からは尾瀬ヶ原が遮られることなく見渡せる。

燧ヶ岳:イメージ3

” まないたぐら”へ戻り、ザックを背負ったら、岩にしるされた目印をたよりに御池に向けて北に降りていく。御池に下る途中に、熊沢田代、広沢田代と2つの湿原がある。下る時間配分のいい目安になる。熊沢田代までは急な下りが続く。コースに気を付けるようにとの看板がある。2つ目の看板を過ぎて、私が行ったときには雪渓の下りがあった。看板によると,250mの長さがあるらしい。雪渓はストックがあった方が良い。逆コースの登りの時はアイゼンがあった方が楽だろう。雪渓を下っていって、勾配が急になるところの手前を左の道に入っていく。ここを見落とさないようにと言うのが、先程の看板の主旨だ。なおも下り、シラビソなどの木が増えてきて、木道が現れると、熊沢田代である。ワタスゲの果穂そよぐ中を木道がクネクネと曲がって延びている。ベンチがあるので一休みしよう。

燧ヶ岳:イメージ4

ベンチを過ぎるといったん登りになって、また下りが始まる。50分ほどの下りで広沢田代に着く。ワタスゲやチングルマの湿原で、熊沢田代と似た感じだが、右に池塘が続き、道沿いにいくつかの小さい湿原がある。木道が終わり、更に樹林の中の下りが続く。雨の後はぬかるんでいることが多い。延々と下っていくと、御池と尾瀬ヶ原を結ぶ燧裏新道にぶつかるので、右に折れる。5分もかからずに、御池の駐車場に着く。バスで帰る方は、駐車場を突っ切って、車道に出たところからすぐ左に檜枝岐、会津高原、田島方面のバス停がある。

御池からの帰りのバスは本数が少なく、電車との接続も余り良くないので、事前に時刻をよく調べておこう。健脚の方なら日帰りで御池からの往復も出来るかも知れない。花を見たいのであれば、7月頃が良く、ニッコウキスゲなど咲く尾瀬沼と組み合わせたり、尾瀬ヶ原・至仏山と組み合わせて登るのも良いだろう。9 月中旬頃のクサモミジ、その後の紅葉の時期も良いが、9月下旬以降は雪が降ることがあるので、それなりの装備が必要となる。

-DATA-

場所:
福島県南会津郡檜枝岐村
タイム:
1日目:計1時間10分
沼山峠休憩所-沼山峠:20分(登り) 沼山峠-尾瀬沼東岸:50分(下り,水平)
2日目:計6時間20分
尾瀬沼東岸-長英新道分岐:10分 長英新道分岐-ミノブチ岳:2時間30分 ミノブチ岳-まないたぐら:30分 まないたぐら-柴安くら:20分 柴安くら-まないたぐら:20分 まないたぐら-熊沢田代:1時間10分 熊沢田代-広沢田代:50分 広沢田代-御池:40分
鉄道・バス:
1.浅草から東武鉄道の特急や夜行列車で会津高原まで行き、接続する会津バスに乗り換え沼山峠へ入る。
2.池袋・新宿などから出る夜行バスの沼山峠行きで入る。
車:
マイカーは沼山峠の手前の御池までしか入れないので、御池の駐車場に車を駐め、シャトルバスで沼山峠へ入る。
土日など混雑が予想される日は、更に手前の七入までしか車は入れないので、同じように駐車場に駐め、シャトルバスにて沼山峠へ。
駐車場:
御池:\1000
七入:2000年は無料
トイレ:
各山小屋、尾瀬沼東岸の尾瀬沼ビジターセンターの裏、入山口の沼山峠休憩所、各駐車場
(尾瀬沼東岸-燧ヶ岳-御池間にトイレは無いので注意)
水場:
各山小屋
携帯電話:
全域で圏外

尾瀬沼

Jul. 16, 2000 ニッコウキスゲが咲き乱れる湿原

尾瀬沼:イメージ1

尾瀬沼は尾瀬と呼ばれる地域の東に位置する沼で、沼のまわりには花が多く咲く湿原が広がる。特に沼の東に広がる大江湿原は7月にはニッコウキスゲの黄色の花で埋め尽くされる。

尾瀬沼:イメージ2

尾瀬沼へは沼山峠まで、バスで入りそこから徒歩で入る。東京付近から次の2つのルートが良い。 1.池袋・新宿などから出る夜行バスの沼山峠行きで入る。 2.浅草から東武鉄道の特急や夜行列車で会津高原まで行き、接続する会津バスに乗り換え沼山峠へ入る。遠方からの場合は、前日の内に沼山峠手前の檜枝岐温泉まで入っておき、民宿に泊まるのが良いと思う。

尾瀬沼:イメージ3

沼山峠から20分程度登ると、ベンチのある展望の良いところに出る。樹林の向こうに尾瀬沼と大江湿原が見える。ここからは下りで、20分ほど歩くと視界が開け木道が現れるとそこが大江湿原である。木道から外に足を踏み入れることは、湿原の植物と土壌を痛めることになるので、注意して歩く必要がある。また木道が2本引かれているが、尾瀬では右側通行と決まっている。ニッコウキスゲはジュウタンを広げたように咲き、その他にもワタスゲの白い果穂や、カキツバタの花を見ることが出来る。昆虫も多く、国立公園内なので採ることは許されないが、観察するのは楽しい。西側には東北地方の最高峰である燧ヶ岳(ひうちがたけ)がそびえている。大江湿原をしばらく歩くと、尾瀬沼が間近に見える。道の左側に尾瀬沼ビジターセンターがあり、自然についての情報が得られる。ボランティアの方による自然観察会に参加すると、周辺を歩きながらいろいろなことを教えてもらえる。時間があれば尾瀬沼を一周しても良い。一周約2時間30分の行程である。尾瀬沼の周囲にいくつかの湿原があり、南側の三平下には尾瀬沼山荘という山小屋、西側の沼尻には休憩所があり、休んだり食事をとったり出来る。また日程に余裕が有れば大江湿原の南側に山小屋が2軒あるので宿泊すると良い。予約が必要なので、日程が決まったら早めに電話して予約しておこう。宿泊すると、尾瀬沼の向こうに沈んでいく夕日を眺めることが出来る。翌朝早起きして、元長蔵小屋の前に行くと、朝霧が流れる尾瀬沼と湿原の幻想的な風景や、赤く染まる燧ヶ岳を正面に見ることが出来る。帰りは来た時と逆コースで、大江湿原から沼山峠に向けて登る。

尾瀬沼:イメージ4

尾瀬の中では最も短時間で訪問できる場所であり、尾瀬の素晴らしい自然に手軽に触れることが出来る。6月であれば、可憐なミズバショウに会うことができ、9 月中旬から10月中旬には湿原が黄金色に染まる「クサモミジ」や木々の紅葉が美しいのでまた訪れたい。標高が1400m前後と高く、気温が平地と比べて低いので、夏でも長袖シャツを用意した方が良い。また天気が変わりやすいので雨具を持った方が良く、できれば両手が空くレインウェアがあると良い。

-DATA-

場所:
福島県南会津郡檜枝岐村
鉄道・バス:
1.池袋・新宿などから出る夜行バスの沼山峠行きで入る。
2.浅草から東武鉄道の特急や夜行列車で会津高原まで行き、接続する会津バスに乗り換え沼山峠へ入る。
車:
マイカーは沼山峠の手前の御池までしか入れないので、御池の駐車場に車を駐め、シャトルバスで沼山峠へ入る。 土日など混雑が予想される日は、更に手前の七入までしか車は入れないので、同じように駐車場に駐め、 シャトルバスにて沼山峠へ。
駐車場:
御池:\1000 七入:2000年は無料
トイレ:
尾瀬沼東岸の尾瀬沼ビジターセンターの裏、三平下の尾瀬沼山荘、沼尻休憩所、入山口の沼山峠、各駐車場
携帯電話:
盆地状なので尾瀬沼全域で圏外

尾瀬ヶ原

Jul. 15, 2000 尾瀬ヶ原

尾瀬ヶ原:イメージ1

尾瀬ヶ原は尾瀬と呼ばれる地域の西に位置し、盆地状の広い湿原で標高は1400mである。湿原は東西に長く西に至仏山、東に燧ヶ岳の2つの美しい山がそびえており、季節ごとに咲く湿原の花々と山の景色が多くの人の心をとらえている。日光国立公園に含まれ、特に貴重な自然を持つことから特別保護地域に指定されている。尾瀬の地域に行こうと思い立ったら、行く前に湿原とそこに生育する植物がどれだけ貴重なものなのか、そして人が踏み込んだり、ゴミなどをすてたりすると、湿原の土壌・植物・動物に大きな影響が及ぶことをしっかり学んでから訪れたい。そうすれば、訪れたときの感動もより大きなものとなるであろう。

湿原は植物が枯れた後、温度が低いため分解されずにそのまま堆積したもので、栄養度は低い。そしてここに生育する植物は、栄養分の多い土地では他の強い植物との競争に負けて生育できない植物がほとんどである。他の土地では競争に負けてしまうので、湿原のような栄養度の低い所で生育できるように適応してきたのである。尾瀬に生育する植物は栄養度の少なめな所を好むもの、土壌の水分の多い所を好むものなど多種有り、それぞれの植物で住み分けをしているのが歩いているとわかるであろう。そしてそれらの植物は環境が変わってしまうとそこで生育できなくなってしまうが、自分の株自身は移動できず、種などの手段で次の世代に新たな自分に適した場所を見つけていくことになるのだ。

尾瀬ヶ原:イメージ2

ここでは夜行バスで入り、日帰りのコースで紹介する。夜行バスで鳩待峠へ向かう。時期やバスの大きさによっては、戸倉でバスを乗り換えることになる。鳩待峠でバスを降りたら、身支度をして出発しよう。道標に従い尾瀬ヶ原方面へ降りていく。入山者カウンターが設置されているので、右側通行を守って歩き出そう。ここから尾瀬ヶ原にかけて歩くところは、木道を含め交互通行ができるようになっているので、右側通行を守って歩いていこう。また鳩待峠から昼食をとる竜宮十字路までは、休憩ベンチを含め禁煙である。この区間以外での休憩ベンチでも灰皿は用意されていないので、愛煙家の方は携帯灰皿を忘れないようにしよう。また歩行禁煙は場所に関わらず守りたい。

鳩待峠から山の鼻までは下りが続く。ブナやミズナラなどに囲まれた樹林で、左が開けたところは至仏山の姿が見える。階段や木道が整備され、歩きやすい道だ。一部に雨の後にぬかるんだ所がある場合があるので、防水性のあるハイカットのトレッキングシューズや軽登山靴で歩きたい。道が緩やかになり、川上側を渡って林の中を進むとまもなく山の鼻に着く。最初に右側に現れる建物が山の鼻ビジターセンターであり、自然の情報や注意事項を入手しよう。100円程度で入手できる尾瀬の案内図もある。ここには山小屋が3軒有り、無料の休憩所もあるので、最初の休憩や朝食にすると良い。山の鼻から右へ進んでいくと尾瀬ヶ原に入って行くが、左側の木道をたどっていくと、尾瀬植物研究見本園がある。至仏山のふもとの小さな湿原で、人影も少なく、ゆっくりと植物や花を観察できる所だ。40分くらいで一周できる遊歩道とその外側を回る一周1時間の遊歩道があるので時間の余裕を考えて回ってみると良い。ヒオウギアヤメやカキツバタの紫色の花が咲いている。

尾瀬ヶ原:イメージ3

山の鼻からいよいよ尾瀬ヶ原の広い湿原に入っていく。カウンターを通って歩いていくと湿原が開けてくる。ここからはほぼ平らな道だ。木道が湿原より高い所にあるので、まわりの景色に気を取られて、足を踏み外さないようにしよう。湿原に木道が敷かれているのは、足がぬかるみに入らないようにではなく、柔らかい湿原の土を踏み荒らさないように、湿原への影響を最小限にとどめることが目的である。夏の早い時期には、ただ土が見えているだけに見える湿原でも真夏には花や植物が生えてくるところなので、絶対に足を踏み入れてはならない。進む方向にはいくつかの峰を持つ燧ヶ岳が遠くそびえ振り返ると至仏山が大きい。左右も山に囲まれ、尾瀬ヶ原が盆地状になっている事がわかる。川を渡ると更に湿原は広くなり、花も増える。このあたりは池塘と呼ばれる小さい池が多いところだ。水深が浅くヒツジグサなどの植物が生えている。夏の昼間ならヒツジグサが白い小さな花を開いているだろう。

歩き疲れたと思う頃、木道の脇に休憩できるベンチがあるので休憩がてらまわりの風景をゆっくり楽しもう。右にこんもりとした盛り上がった尾根が近付いてくる。その姿から牛首と呼ばれている。川を渡ると、6月下旬や7月上旬ならワタスゲの白い果穂が多く、風になびいている。7月中旬から下旬頃のニッコウキスゲの時期なら遠くにオレンジ色の帯が見えてきて、三叉路に出る。牛首三叉路である。休憩スペースが広いので、ここでも休憩していこう。三叉路から斜め左のヨッピ橋方面の道は帰りに通ることにして、まっすぐ進んでいく。湿原が左右に更に広くなる。高くなっている下ノ大堀川に架かる橋を渡ると、ニッコウキスゲが多い。左に遊歩道が延びているので、そちらに入っていこう。ここから見るニッコウキスゲと至仏山の景色は素晴らしい。遊歩道は下ノ大堀川に近付き、遊歩道は右に折れる。ここの二又に分かれた川にはさまれた所は5月下旬から6月下旬頃には水芭蕉(ミズバショウ)が咲く所で、至仏山との取り合わせが観光ポスターなどでおなじみである。遊歩道から元の東への木道に戻る。小さな川を渡るが川にイワナなど小さな魚影が見られるかもしれない。やがて前方に竜宮小屋が見えてくる。このあたりの右側は水芭蕉の季節にはリュウキンカの黄色の花の群落ができる。竜宮十字路にはベンチがいくつかあり、ここか竜宮小屋で休むと良い。時間帯にもよるが、竜宮小屋か帰り道の山の鼻で昼食を取ることが出来る。(見晴に泊まるときは、東へ直進して少し乾燥の進んだ湿原を歩き、燧ヶ岳に近付いたところで見晴の山小屋が集まっているところに着く。)

尾瀬ヶ原:イメージ4

竜宮十字路から北のヨッピ橋へ向かう。6月下旬や7月上旬にはレンゲツツジが赤い花を咲かせている。ヤマドリゼンマイの群落も緑が美しい。30分ほどの歩きで三叉路に出る。右へすぐの所にヨッピ川に架かるヨッピ橋がある。今回はこちらへ行かず、三叉路を左へ折れて、山の鼻方面へ行く。しばらく行くと、左側に池塘があり、遊歩道がある。細く青いルリイロトンボが飛び回っている。小さな池塘にはオゼコウホネの小さな黄色の花が咲いているかも知れない。この先、牛首三叉路に出るまで休憩ベンチがないので注意しよう。林になっているところを抜けると、ニッコウキスゲがあちこちで咲いている。右側に見える山の緑も美しい。牛首三叉路が近付いたところで至仏山をバックにニッコウキスゲの群落がある。牛首三叉路のベンチで休んだら、至仏山の方向に延びる木道を戻っていこう。同じ道を歩いていてもまた新たな発見があるのが尾瀬の不思議なところだ。

山の鼻で休憩し、帰りの時間に合わせて鳩待峠に向けて歩き出そう。山の鼻このルートで唯一の登りとなる。水芭蕉やニッコウキスゲの時期の休日は渋滞して予想以上に時間が掛かるので注意しよう。途中にベンチがあるので休みつつ、登っていこう。木道に座っての休憩や、岩の上での休憩は避けたい。木道が終わって更に登っていくと鳩待峠に到着である。尾瀬を訪れるときは、朝夕の気温が意外に低いのでフリースなど羽織れる物があると良い。荷物を減らしたい場合は雨具で代用しても良い。またトイレの場所が少なく、混雑期には女性用は長蛇の行列となる。これを避けるには、花の見頃時期には平日に訪れるなど考慮が必要である。今回はニッコウキスゲの時期に訪れる場合を紹介したが、湿原のあちこちに水芭蕉やリュウキンカの咲く5月下旬から6月下旬頃や、6月下旬や7月上旬のワタスゲの果穂・レンゲツツジ、9月下旬から10月上旬のクサモミジの頃も同じコースで楽しむことが出来る。

-DATA-

場所:
群馬県利根郡片品村
タイム:
計6時間
鳩待峠-山の鼻:1時間 山の鼻-牛首三叉路:50分 牛首三叉路-竜宮十字路:40分 竜宮十字路-ヨッピ橋:30分 ヨッピ橋-牛首三叉路:40分 牛首三叉路-山の鼻:50分 山の鼻-鳩待峠:1時間30分
(休憩、食事の時間は含んでいないのでご注意下さい)
※今回は夜行バスで行く場合で紹介したが、夜行が苦手な方や、夜行バスの出ていない遠方の方は、入山口となる戸倉温泉や、手前の老神温泉などの旅館に1泊して、翌朝鳩待峠に向かうと良いだろう。また朝自宅を出て、昼までに鳩待峠に入れる方は竜宮十字路から更に先を歩き、燧ヶ岳の麓の見晴(みはらし)の数軒ある山小屋に泊まるのも良い。山小屋は予約制であり、定員以上は泊めないのでゆったり寝ることが出来るが、早めに予約する必要がある。見晴に泊まる場合の所要時間は下記となる。
見晴宿泊時タイム:
1日目:計3時間
鳩待峠-山の鼻:1時間 山の鼻-牛首三叉路:50分 牛首三叉路-竜宮十字路:40分 竜宮十字路-見晴:30分
2日目:計4時間
見晴-竜宮十字路:30分 竜宮十字路-ヨッピ橋:30分 ヨッピ橋-牛首三叉路:40分 牛首三叉路-山の鼻:50分 山の鼻-鳩待峠:1時間30分
鉄道・バス:
1.池袋・新宿などから出る夜行バスの鳩待峠行きで入る。
2.東京、上野、大宮などから上越・長野新幹線で高崎下車、上越線に乗り換え沼田下車、大清水行きのバスにて戸倉下車、マイクロバスもしくはタクシーで鳩待峠へ。
車:
関越自動車道を沼田ICで降り、国道120号を北上、戸倉へ向かう。 戸倉から鳩待峠は交通規制が敷かれているので戸倉周辺の並木駐車場、尾瀬戸倉スキー駐車場に車を駐める。 駐車場から鳩待峠へはマイクロバスもしくはタクシー利用。
駐車場:
並木駐車場:250台 尾瀬戸倉スキー駐車場:900台 両者とも有料
トイレ:
鳩待峠、山の鼻、竜宮小屋、見晴に有り。
水場:
各山小屋に有り。
携帯電話:
鳩待峠まで通話可能。歩く区間では盆地状になっており、圏外となる。

至仏山

Jul. 14, 2000 優美な裾野を広げる、尾瀬の花の名山

至仏山:イメージ1

尾瀬ヶ原の西に見える至仏山は優美な裾野を広げ、女性的な山である。百名山の一つに数えられ、日光国立公園の最西端に当たる。標高は2228mとさほど高くないが、北に位置し積雪も多いため、頂上付近は高山帯にはいる。尾瀬ヶ原の水芭蕉やニッコウキスゲを前景とした至仏山の姿は美しい。そして、至仏山も多くの高山植物の咲く、花の山である。特に土が蛇紋岩という珍しい地質のものであり、この地質に適合した独特の植物も多い。ホソバヒナウスユキソウやジョウシュウアズマギクがそれに当たる。

'88年から'97年まで至仏山東側の山の鼻から登るルートは閉鎖されていた。心ない登山者が花畑に入って植物が育たない部分を広げてしまったので、登山道を閉鎖し、植生を回復するための策を講じたり、登山道の木道や階段を新たに設け、'97年の登山道再開に至ったのであるた。現在は山の鼻ルートが残雪期の閉鎖期間(毎年6月末まで)を除き、通行できるので至仏山を縦断して歩くことが出来る。山の鼻ルートは下りに使うと、雨の後の蛇紋岩や木道が滑りやすく、膝に負担が掛かりやすいので、登りに使った方が良い。したがってここでは山の鼻から至仏山に登り、鳩待峠に抜けるルートで紹介する。山の鼻や鳩待峠、戸倉温泉で泊まって、翌朝至仏山に登ると良いだろう。山の鼻、鳩待峠の山小屋は予約が必要である。

至仏山:イメージ2

標高1591mの鳩待峠で身支度を整え、駐車場の先端にある尾瀬ヶ原方面への入口から尾瀬ヶ原の西端にあたる山の鼻へ向かう。左側には帰りに出てくる、至仏山からの道がある。靴に付いた植物の種子を落とすための人工芝の上を歩き、入山者カウンターを通っていく。今日の山の鼻までの行程は下りばかりである。ブナ・ミズナラなどの樹林で、左に視界が開けたところに明日登る至仏山の姿が見える。最初は土の道で、しばらく進むと木道や木の階段が現れる。下りきって川上川を渡り、平らな林を歩くと、今日の目的地、山の鼻に到着である。山小屋に荷物を置き、山の鼻ビジターセンターを見学したり、時間の許す限り、山の鼻周辺の尾瀬植物研究見本園や上田代のあたりを散策し、至仏山を眺めておくと良いだろう。

翌朝、標高1400mの山の鼻から登ることとする。至仏山頂上までの標高差は約830mである。山の鼻の広場から尾瀬植物研究見本園への左側の木道をたどって、木道の分岐を左へ行き、湿原の端に登山口がある。登山届が置いてあるので、グループで1枚書いて投函しよう。鳩待峠から登るときは広場西側の登山口に登山届の書類と投函箱がある。樹林の中を登っていく。雨の後はぬかるんでいたり、木道が滑りやすいので注意しよう。登りが続くが、樹林に囲まれ、日陰になっているのが救いである。しばしの登りの後、左にベンチがあるので一休みしよう。ここから振り返ると樹林の向こうに燧ヶ岳が見え、その手前に池塘と木道の延びる尾瀬ヶ原が見える。またしばらく登りが続き、登山道が少し広くなって、右側に土手のように見えるところに湧き水がある。この水は至仏山特有の蛇紋岩の影響により、アルカリ性である。

このあたりから高い樹木は無くなり、ハイマツと高山植物のみの高山帯となる。登山道脇にはハクサンコザクラなど小さな花が咲く。この付近から頂上までが、花畑が荒らされ、植生回復の対策を行って、木道・階段を作った所である。しばらく登るときの階段を登るようになり、ホソバヒナウスユキソウが増えてくる。ホソバヒナウスユキソウはヨーロッパアルプスに咲くエーデルワイスに似た花だ。頂上付近には緑の細いロープが登山道沿いにあるが、このロープは登山道以外に入れないようにあるもので、登るときの手がかりとしてはならない。ロープは人の体重を支えられるように張られておらず、ロープを支えている杭を倒したり、自分自身が怪我をする危険がある。登りが緩やかになると、ベンチがある。高天原と呼ばれるあたりだ。頂上まではもう一息なので、一休みしておこう。更に階段を登り、岩場を登ると頂上である。

至仏山:イメージ3

頂上からは尾瀬ヶ原の池塘や木道が見え、その向こうに燧ヶ岳がある。右には日光連山、左には越後の山々が連なっている。至仏山は尾瀬ヶ原側は緩やかだが、反対側は大きな岩が並び、荒々しい姿であることが分かる。ここで昼食にすると良いだろう。眺望を楽しんだ後、頂上のもう一つ延びている道をたどって小至仏山を経て鳩待峠へ向かう。ホソバヒナウスユキソウやヨツバシオガマが多い。ガスが出ていると小至仏山までの道がわかりにくいので、しっかり踏み跡をたどり、不安なら地図と磁石で進行方向を確認しよう。岩場を回り込み、稜線を少し下り、登り返すと小至仏山に着く。岩ばかりの頂上で、休むスペースはほとんど無い。標高は2162mある。このあたりはハクサンシャクナゲやジョウシュウアズマギクが多い。岩場を下りていくと、ハクサンイチゲやチングルマが咲く中を下りていくようになる。左側が開けたところから尾瀬ヶ原が見えるが、下っていくとそのうち見えなくなってしまう。オオシラビソが道の両側に現れる頃、右に笠ヶ岳への道を分ける。そちらには入らないように注意しよう。まもなく道の両側にオヤマ沢田代という湿原が現れる。ワタスゲの果穂が斜面上の湿原にそよぐのは見事だ。コイワカガミも咲いている。このあたりから下りが急になってくる。樹林の中の下りが続く。道脇にはゴゼンタチバナやギンリョウソウがひっそりと咲いている。更に下っていくと、ガヤガヤとした音が聞こえてきて、鳩待峠に到着する。戸倉へのチケットを買ってタクシーかマイクロバスに乗り込もう。鳩待峠からのタクシー・バスは意外と早い時間に終わってしまうので、前もって確認しておこう。

至仏山:イメージ4

至仏山付近はアブなどが多いので、虫除けスプレーを持参しよう。また刺されないように、暑くなければ、長袖シャツを着た方がいい。日程によっては、尾瀬ヶ原を歩いてから山の鼻で1泊して至仏山に登っても良い。山登りに慣れているなら、尾瀬沼・燧ヶ岳・尾瀬ヶ原と歩いて至仏山に登るコースも考えられる。例年、花が多く見られるのは残雪期の閉鎖期間が終わった7月上旬頃であり、この時期が一番のお勧めである。クサモミジの尾瀬ヶ原と組み合わせて登ることも考えられるが、9月下旬以降は降雪が予想されるので、それ相応の装備が必要となる。

-DATA-

場所:
群馬県利根郡片品村
タイム:
1日目:計1時間
鳩待峠-山の鼻:1時間
2日目:計4時間40分
山の鼻-至仏山:3時間 至仏山-小至仏山:40分 小至仏山-オヤマ沢田代:20分 オヤマ沢田代-鳩待峠:40分
( 休憩、食事の時間は含んでいないのでご注意下さい)
鉄道・バス:
1.東京、上野、大宮などから上越・長野新幹線で高崎下車、上越線に乗り換え沼田下車、大清水行きのバスにて戸倉下車、マイクロバスもしくはタクシーで鳩待峠へ。
2.池袋・新宿などから出る予約制バスの鳩待峠行きで入る。朝出発の昼着の便がある。
車:
関越自動車道を沼田ICで降り、国道120号を北上、戸倉へ向かう。 戸倉から鳩待峠は交通規制が敷かれているので戸倉周辺の並木駐車場、尾瀬戸倉スキー駐車場に車を駐める。 駐車場から鳩待峠へはマイクロバスもしくはタクシー利用。
駐車場:
並木駐車場:250台
瀬戸倉スキー駐車場:900台
両者とも有料
トイレ:
鳩待峠、山の鼻に有り (至仏山付近にないので注意)
水場:
各山小屋に有り。文中で紹介した山の鼻-至仏山間の高天原手前に有り。
携帯電話:
鳩待峠まで通話可能。至仏山、小至仏山付近の見晴らしのいい所のみ通話可能。尾瀬ヶ原は盆地状になっており、圏外。

河津七滝散策

Jul. 10, 2000 爽やか散歩道!!

この日は早朝から海へ行き、ボディボードや日焼けをしていた。午後になり、遊びに満足して帰ろうとしたが、話をしていて私が自然大好き人間とわかった相棒が連れてきてくれたのが、ここ「河津七滝」であった。ここは観光地で、バスも来ている。緑が濃く、それっぽいお土産屋さんが連なっている。こういう雰囲気がなんとなくいい感じ・・・。土産屋を過ぎると左手に川が見えてくる。台風の後だったためか、川の水がゴウゴウと音をたてる。その音でまたワクワクしてきた。

落差2mの小さなカニ滝(かにだる)を横目に歩いていくと、釜滝茶屋があった。五平餅のイイ香りに誘われて一つ買ったが、これがまたうまい!!そして他より安い!(150円)アツアツの五平餅を食べながら、緑の中を歩いていくのはなんだか幸せ。そして 滝を目指す・・・。

初めは初景滝(しょけいだる)に行ってみた。そばには「踊り子と私」というブロンズ像が立っている。滝はやはり水量が多くゴウゴウ流れる。辺りは木々に覆われてひんやりしているのが日焼けし過ぎていたので心地よい。しばらくボーっと眺めた後、更に奥に進んだ。

途中で川に行けそうな感じのところがあり、ビーチサンダルだったので行ってみた。キーンと冷えた水がしばらく入っていると痛く感じる。辺りにはうす茶色の羽根と綺麗な緑の胴体のミヤマカワトンボがヒラヒラと舞っていた。あまりにも美しいのでしばし眺めると・・・足が!!冷えすぎてイタイ!!とここで元生物部(笑)の感が働く。「プラナリアがいるかも??」 プラナリアとは、単細胞生物で、切ったら2匹に増えてしまう(そうして繁殖する)生物で、清流にしか住まないのだ。石をひっくり返すと・・・「いた!!」それも あちこちにゴロゴロ!「やっぱり 綺麗な川なんだな。」と実感した。

さて、奥には蛇滝(へびだる)、エビ滝(えびだる)、釜滝(かまだる)、の順に滝がある。エビ滝近くには吊り橋があるのだが、ついついはしゃいで揺らして歩く。かなりはげしく揺らして渡ってみると「揺らしてはいけません」と看板が・・・。そして、その奥の釜滝はものすごい音としぶきを上げて落ちていた。近くに寄って見ていたらビショビショになってしまった!カメラを持って行くなら注意!

来た道を引き返し、駐車場に戻る前に出会滝(であいだる)、大滝(おおだる)に寄る。大滝は中でも一番大きな滝で周りの岩もダイナミック!!そして、滝の奥には・・・なんと!露天風呂が見える!!見えるんだから 覗きじゃないよなぁ??どっちにしても、私は目が悪いので見えなかったけど・・・。

一カ所で7つもの滝が見れるなんて、素敵な場所だな・・・。海の帰りにはまた寄ってみようかな。そんな事を思いながら河津七滝散策は終了した。次回は 川の水を飲んでみようかな??

-DATA-

場所:
静岡県河津町
交通:
沼津ICより修善寺方面を目指し、国道136~国道414へ。天城を越えループ橋の先
駐車場:
無料駐車場・有料駐車場共にあり
トイレ:
駐車場・散策ルート内(こっちはきれい)
お土産:
店がたくさんある
観察できた生物:
ミヤマカワトンボ・プラナリア(単細胞生物)・何かの稚魚・オタマジャクシなど
観察できた植物:
アケビ・山芋・ヘビイチゴ・ヤマユリなど

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