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大高見峰504m
May. 09, 2000 野生生物とのスキンシップを求めて
香川県の満濃町、綾歌町、綾上町、陵南町と4つの町をまたぐ大きな里山が大高見峰(地元ではたかんぼさんと呼ばれているとか)である。とてもがっしりとした佇まいの貫禄のある山だ。国道32号線を琴平方面へ向かう途中に綾歌町の馬指東の小さな交差点を左折する。まもなく綺麗な278号線に突き当たるので、そこを右折し10m程で左側に登山案内の看板が出ている。向かいには勝福寺があるので分かりやすい、看板の脇の細道を山のほうへ向かって入っていく。車1 台分の道だが緑の中を走るのは気持ちがいいものだ。途中に4叉路があるが山のほうの細道を進む、6、7分でやや広い未舗装の空き地に出る。道はまだ続いているが、その脇の林道が登山道の入り口になっている。駐車スペースは広く、大高見峰緑地環境保全地域という看板が出ているので分かりやすい。
車を停めようとすると、どこからか犬が2匹やってきて私を見ている・・。うーん、と考えて車を少し移動させると凄まじい勢いで吠えながら追いかけてくる。山に登るまえに犬に噛まれると思いながらも、登山口のすぐそばに車を停めゆっくりと出て行く。私の顔が怖かったのか、彼らがただ臆病だったのか、どこかへ隠れてしまった。隙を突いて登山道に取り付く。少々急な林道は軽トラックが入れるほどの広さで沢沿いをまっすぐに続いている。途中に山側に分かれる林道があるが沢沿いの林道が登山道へのルートだ。犬から逃げたのと、急な林道にハアハア息切れしながら10分くらいでやっと林道の終点に着く。ここからが本当の登山道で、さらに急な沢の細い山道を尾根を目指して登ることになる。足元は濡れている所もあり下山時にも注意が必要だ、20分ほどのジグザグの急道を登りきると尾根の鞍部に出る。尾根からは左右に2本道が有り、右は小高見峰で左が大高見峰なので、左に曲がり鉄塔の下をくぐれば10分ほどで頂上の三角点にたどり着ける。これまでと違い尾根の道はなだらかになっているので後はのんびり歩くことができる。
大高見峰の頂上は登山道の途中のような場所なので感動が少ないが、そこからさらに3分程歩くと少し低い場所に高見峰神社がある。神社は立派な建物で屋根つきの社は休憩にも便利だ。さらに視界が開けているためロケーションも良く瀬戸内海を見渡すこともできる。神社に座ってのんびりと疲れを癒す。大高見峰は登る前から野鳥が目に付く、鳴き声はもちろんだが、いたるところで小さなもの大きなものに出くわした。神社から元の道に戻る途中に突然、「キーキー」と叫びながら大きな塊が私のほうへ向かってくる。腰を抜かしそうになり声も出せないが、じっくり見てみるとメスのキジバトか何かが羽根をバタバタさせて私の周りをしばらく走り回る。何事かと思い歩こうとするが、またついてきてはキーキーバタバタやっている。何処かに隠れれば良いのにと思いながらも、どうも愛らしいのでじっと見ていた。
さて彼女も何処かへ隠れてしまったので、小高見峰へも登ろうと尾根の分岐から逆へ登っていく。走りながら登るのだが、細い枯れ枝を踏んで転んでしまう。なんともやる気を削いでくれるものだと、自分の踏んだ小枝を見ると・・無い。そんなに人が転ぶようなものは何も無い、ただどう見ても噛まれたら危なそうな青色の蛇がとぐろを巻いてこちらをじっと見ている。私が踏んだのは枝ではなく蛇で、しかも1mも離れない所でお互いキョトンとなっていた。急に逃げるのもどうかと思いゆっくりと離れるが、彼は相変わらずこちらを見ている・・。そのまま頂上まで5分程度の登りがあっただけだった。小高見峰は暗く、さびしいピークだった。下山は勿論、同じ道なのでさっきの蛇に気を遣いながら小走りに降りる。なんとも2時間ほどの登山でこんなにも動物と近距離のふれ合いができるとは思わなかった。私が望んだわけでは無いが、フィールドで野生の生物に会えるのはなかなか楽しいものだった。
-DATA-
- 場所:
- 香川県綾歌郡綾歌町栗熊
- タイム:
- 40~60分
- 交通:
- 琴電栗熊駅から(徒歩40分)
- 駐車場:
- 有り
- トイレ:
- 無し
- 自動販売機:
- 勝福寺前
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