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平林寺・野火止用水
Nov. 28, 1999 武蔵野の雑木林のおもむきを残す道と、紅葉の美しい古刹
新座市野火止は野火止用水が流れ、雑木林や畑が多く、古き良き武蔵野の面影を残し、平林寺は境内のほとんどが雑木林であり、歴史のある建物と紅葉や桜などの取り合わせが見事である。東京からわずかの距離でありながら、田畑や雑木林が残る地域一帯は心を和ませてくれる。平林寺境内は梅や桜に始まり、藤など植えられた花が多く、特に11月のカエデなどの紅葉は、山門や鐘楼との対比が美しい。また広い雑木林は野鳥が多く、野鳥を探しながら歩くグループも多い。新座市付近は武蔵野台地にあたり、水に恵まれていなかったため、江戸時代に川越城主であった松平伊豆守が玉川上水から分水権を得て、1655年に野火止用水を引き、水田や畑の開発を進めたのである。現在も野火止用水には水が通っているが、当時とは異なり玉川上水からの水ではないという。平林寺は1375年の開山で埼玉県岩槻市にあったが、1655年以降に現在地の野火止に移された。
新座駅で電車を降り、南側へ出る。すぐに国道254線川越街道に出るので、東南方向の東京方面へ、右側の歩道を歩いていくと、川越街道は野火止用水をまたぐ。野火止用水沿いに道があるので、右へ曲がって、野火止用水に沿って歩いていく。一つ目の道を渡ると、左前は平林寺の700m四方はある境内林である。ここからは砂利の遊歩道になる。ここからしばらくは農家・畑が多く、野菜を玄関先で売っていたりする。野火止用水のこのあたりには、鯉が泳いでいたり、スズメが水浴びに来たりする。平林寺の境内林を左に見ながら、野火止用水沿いを歩いていくと、舗装された道になり、少しふと井道とぶつかるので、左に折れる。平林寺の境内林の縁に沿って歩き、2つ目の信号で、左に曲がるとすぐに平林寺の正門がある。
平林寺の正門から境内にはいると、石畳の参道があり、まっすぐ行くと、山門と本堂がある。正門・山門・本堂と直線にならんでいるのは珍しい形式らしい。山門付近や左手の庭のカエデが少し緑の葉を残しながら、オレンジ色や赤に色づいており、歴史を感じさせる建物との対比が美しい。山門の近くには大きな高野槙がある。本堂の右手にはイチョウの大木があり、葉が黄色になっている。イチョウの手前に鐘楼があって、鐘楼とカエデの取り合わせも綺麗だ。本堂の裏手には境内林があって散策路が設定されているので、順路の指示に従って歩くと良いだろう。境内林は主に、コナラ・クヌギ・ヒノキやスギ、アカマツなどで、春にはスミレや桜が咲いている。境内林を歩いたら、総門へ戻る。総門をでて、新座駅まで歩いて戻っても良いし、疲れていたら総門前のバス停より、西武池袋線ひばりヶ丘駅行き、東武線朝霞台駅(JR武蔵野線北朝霞駅)行きのバスがあるので、それに乗っても良い。平林寺総門から新座駅へは、総門を出て左へ境内林に沿って進み、新座警察署交差点で川越街道とぶつかるので左折する。5分ほどで先程歩いてきたところまで来るので、そのまま直進すると、最初に降りた新座駅が右側に見えてくる。
野火止用水沿いには、春はスミレ、山吹、夏はアヤメなどが咲く。平林寺境内は春はマンサク・梅に始まり、桜そして藤と咲く花が多く、いつ歩いても楽しめるだろう。一年を通じ、何度も歩いているが、いつも新しい発見がある。東京にこれだけ近いのに自然が多く残っているのは驚くべき事だろう。
-DATA-
- 場所:
- 埼玉県新座市
- タイム:
- 計1時間51分 新座駅(12分)川越街道と野火止用水沿いの道の交差点(25分)野火止用水沿いの道の南端(12分)平林寺総門(平林寺の境内・雑木林散策30分)平林寺総門(12分)新座警察署交差点(20分)新座駅
- 鉄道・バス:
- JR武蔵野線新座駅
- 車:
- 国道254線(川越街道)を東京から川越方面に向かい、新座警察署交差点左折3分。
(車での訪問はあまりお勧めできない) - 駐車場:
- 平林寺総門前に有(有料)
- 自動販売機:
- 野火止用水の沿道にあり、平林寺内には無し
- トイレ:
- 平林寺内に2ヶ所
- 携帯電話:
- 通話可
- 公衆電話:
- 野火止用水の沿道にあり
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