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白馬鑓ガ岳

Jul. 19, 1999 剱岳の展望が素晴らしい花の山、帰りには鑓温泉に入る

白馬鑓ガ岳:イメージ1

白馬鑓ガ岳は北アルプスの北部の白馬三山の内、最も南に位置する山で、長野県側から見た山容が鋭く尖っていることから、鑓ガ岳の名がある。読みが”やりがたけ”で、北アルプス南部の槍ヶ岳と同じなので、区別するため、”白馬鑓ガ岳”と呼ばれることが多い。頂上から南に連なる北アルプスの山々や、南西方向の剱岳、立山の展望が素晴らしい。また頂上北の稜線や、南東の山腹の大出原の高山植物群落も美しい。標高は2903mである。今回は長野県側から登り、白馬三山を全て登って、白馬岳頂上まで至るコースを紹介する。

白馬鑓ガ岳:イメージ2

白馬鑓ガ岳に登って、白馬岳周辺に泊まる場合は、長野県側から2日の日程となる。1日目に白馬鑓ガ岳の手前の白馬鑓温泉小屋まで入り、2日目に白馬三山を登って、白馬岳頂上に登る。1日目の行程が短いので、早朝の長野新幹線に乗ることの出来る方は、夜行で行くことや、ふもとで1泊する必要はないだろう。それ以外の方は、夜行で行くか、白馬周辺で1泊しよう。また夜行で行って、1日目に白馬鑓ガ岳に登り、南へ下って天狗山荘に泊まり、不帰キレットを通って唐松岳へ行くプランもある。今回のコースの白馬鑓温泉小屋に泊まるコースは1日目に約4時間の歩きだが、夏の午後は雷が発生しやすいので、早めに歩きだした方がいい。白馬駅もしくは八方まで入り、猿倉行きのバスに乗る。猿倉の村営猿倉荘前でグループで1枚の登山届を提出し、登山道の様子を確認して歩き出そう。ここ猿倉の標高は1240mで、1日目は白馬鑓温泉小屋まで約900mの標高差の登りとなる。猿倉荘の左側から登山道を登り、間もなく林道に出る。しばらく林道を歩くと、直進が大雪渓から白馬岳、左が鑓温泉という標識がある。それに従って、左へ行く。ここからは登山道となる。樹林の中を歩いていくと、キヌガサソウが咲いている。しばらく展望のきかない登りが続く。登りがきつくなって、小日向のコルが近付いてくると、左からの沢があり、水場となっている。

白馬鑓ガ岳:イメージ3

登り切って、小日向のコルにつくと、初夏には水芭蕉が少し咲いていて、「おやっ」という印象を受ける。小日向のコルからは目指す白馬鑓ガ岳が見える。少し下って、あとは杓子沢までトラバース道でほぼ平らな道を行く。ガレた場所にニッコウキスゲやシモツケソウが咲いている。尾根を回り込んで歩いていき、先行するパーティの姿を追うと、この先は登りが始まり、いくつもの雪渓を越えていくことがわかる。そしてずっと登っていったところに、白馬鑓温泉小屋が建っている。杓子沢には雪渓が残っている。この先の雪渓を含めて勾配はそれほど無く、ステップも切られているので、問題なく歩くことが出来る。梅雨明け前の残雪が多い時を除き、アイゼンは必要ないだろう。杓子沢では沢の上部から落石があるので、早めに通り過ぎ、周辺で休憩するのは避けよう。杓子沢を過ぎて、登りが始まる。雪渓がいくつかあって、その近くの雪が解けたばかりの湿地にはキヌガサソウが咲いている。登りがきつくなって、更に登ると、沢の横を歩くことになり、本当にこの道でよいのかと不安になるが、沢を流れて水が、暖かいことに気付き、温泉小屋が見えてきて、湧き出した湯が沢を流れていることが分かる。温泉小屋下の狭いスペースがテント場になっている。荷を解いたら、標高2100m、日本で最高所の温泉に入ろう。正面に火打山などの山が見える。女性専用の内風呂も横にあるが、展望の良い方に入りたいからと、女性の方は水着で温泉に入っている。これからここにいらっしゃる女性の方は、是非とも水着持参で来た方がよい。翌朝は、温泉を楽しみながらご来光を拝むこともできる。(私の時は曇で太陽は見えず)

白馬鑓ガ岳:イメージ4

2日目、鑓温泉小屋を発って、白馬鑓ガ岳へ向かう。今回のコースでこの付近のみの鎖場がある。2ヶ所の鎖場を越え、登っていくと高山植物が多くなってくる。登山道がはっきりしないところがあるが、高山植物を踏まぬように歩こう。斜面の両側に黄色のミヤマキンポウゲがいっぱいに咲いている。ここが大出原(おおいでっぱら)で、夏の終わりまで多くの花が咲く。花を楽しみつつ登っていく。ジグザグの登山道が続く所で、斜面にコマクサが咲いている。近くで見たいという気持ちは分かるが、落石を起こしたり、花が咲かない状態にしてしまう危険があるので、登山道をはずれるのはやめよう。なおも登ると、長野県と富山県の県境となっている主稜線上に出る。南に茶色の岩肌の天狗の頭、北に目指す白馬鑓ガ岳が見える。平らな道が少しあって、本格的な登りが始まる。石と砂礫の道は滑りやすく、荷物が重いとき登りにくい。登り切ると、南の天狗の頭方面、南西の雲上に青く剱岳、立山の姿が見える。

北にはこれから向かおうとする、杓子岳と白馬岳が見え、白馬岳の長野県側が切れ落ち、富山県側は緩やかな斜面となっているのが分かる。北に向かって歩いていくと、最初は石と砂礫の道だが、しばらくするとそれも終わり、紫色のウルップソウや白のハクサンイチゲなどが咲いている。道を下りきると杓子沢のコルである。ここから杓子岳への登りとなるが、西側をトラバースする道もある。石と砂礫の登りにくい道で杓子岳に登って、更に北の白馬岳へ向かう。この周辺の登山道は'00年から登山道から外に出ないようにロープが張られた。せっかくの高山植物と山岳の景観を損ねてしまうが、高山植物の咲く花畑に心無い登山者が入り込んで休んだりするのを防ぐには仕方がない。ロープがあっても入り込んで昼食を作っているグループがいたりする。このようなグループは他人の注意を受け入れないので更に困るが、ボランティアのグリーンパトロールの方に注意されてようやく引き上げた。ピーク2つ越えた後、やっと村営頂上宿舎に着く。村営頂上宿舎の手前にテント場がある。山小屋もしくはテント場に荷物を置いて白馬岳に登ろう。白馬岳についてのレポートも書いているので参照していただきたい。

翌朝もう一度、白馬岳に登ると良いだろう。下山は昨日までのルートを下りて、鑓温泉に入って汗を流すのもいいし、白馬岳から北へ行って小蓮華山を経て白馬大池まで行き、栂池自然園・栂池高原へ降りるか、蓮華温泉へ降りるのも良い。蓮華温泉へおりると、北陸のレポート「朝日岳」で紹介したように、野天風呂に入ることが出来る。鑓温泉から猿倉に下りる方、栂池高原に下りる方のために、日帰り温泉を紹介しよう。

鑓温泉から猿倉に下りる方:
小日向の湯
場所:猿倉から白馬駅行きバスにて小日向の湯 下車
営業時間:10:00-18:00
栂池高原に下りる方:
栂の森
場所:パノラマウェイで下りて栂池高原バス停から白馬大池駅方面へ徒歩5分
営業時間:9:00-22:30(土日祝は7時から)

また、栂池自然園についてもレポートを書いているので、参照していただきたい。今回のコースでは、白馬三山をすべて登ることができ、高山植物と素晴らしい山岳風景を見て、さらに温泉を楽しむことが出来る。今回は初夏に訪れたが、夏の終わり頃には、咲く花も異なるので、晩夏や紅葉の秋にもまた訪れたい。(写真は上から、小日向のコルから見た白馬鑓ガ岳、大出原、白馬鑓ガ岳頂上より剱岳、白馬鑓ガ岳頂上より杓子岳と白馬岳、白馬鑓ガ岳から杓子岳間の花畑)

-DATA-

場所:
長野県北安曇郡白馬村、富山県下新川郡朝日町
タイム:
1日目(登り) 計5時間30分
猿倉-小日向のコル:3時間10分 小日向のコル-白馬鑓温泉小屋:2時間20分
2日目(登り) 計6時間35分
白馬鑓温泉小屋-大出原:1時間 大出原-大出原分岐:1時間30分 大出原分岐-白馬鑓ガ岳:60分 白馬鑓ガ岳-杓子岳:40分 杓子岳-村営頂上宿舎:50分 村営頂上宿舎-白馬山荘:15分 白馬山荘-白馬岳頂上:20分
3日目(下山、登り下り有り) 計8時間20分
白馬山荘-白馬岳頂上:20分 白馬岳頂上-白馬山荘:15分 白馬山荘-村営頂上宿舎:15分 村営頂上宿舎-杓子岳:40分 杓子岳-白馬鑓ガ岳: 60分 白馬鑓ガ岳-大出原分岐:30分 大出原分岐-大出原:110分 大出原-白馬鑓温泉小屋:30分 白馬鑓温泉小屋-小日向のコル:90分 小日向のコル-猿倉:90分
鉄道:
1.東京、上野、大宮などから長野新幹線で長野下車、白馬方面行きの高速バスにて白馬駅またはその先の八方下車。
2.新宿始発の中央線を走る夜行の急行「アルプス」、昼間の特急「あずさ」で白馬駅下車。
3.大阪、京都、神戸から新幹線で名古屋へ。名古屋から中央線の特急「しなの」にて松本下車、大糸線 特急「あずさ」または各駅停車で白馬駅下車。
1から3とも白馬駅前から猿倉行きバスにて猿倉下車、またはタクシーにて猿倉へ。
バス:
東京(新宿)、横浜、大阪、京都、神戸から出る夜行バスのさわやか信州号 白馬・扇沢コースで八方へ。(要予約)
八方から猿倉行きバスにて猿倉下車、またはタクシーにて猿倉へ。
車:
関東、中京、近畿方面からは中央高速を利用、岡谷ジャンクションから長野道に入り、豊科インター下車、国道147、148を北上。
猿倉の駐車場、もしくは白馬駅付近に数ヶ所ある駐車場に車を駐める。
駐車場:
猿倉:駐車可能台数が少ない。
白馬駅周辺:白馬駅からバス、タクシーで猿倉へ。
トイレ:
各山小屋に有り。
自動販売機:
各山小屋に有り。
公衆電話:
白馬鑓温泉小屋は無し。白馬山荘、村営頂上宿舎は有り。
携帯電話:
信州側(長野県側)の街が見渡せる所は通話可能。

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