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赤城山夜間登頂
Jul.25, 1998 雨中のナイトトレック
我々が中高生の頃、夜間に前橋から歩いて赤城山に登るというのが夏休みのイベントのひとつだった。部活動の仲間や友達同士誘い合って良く通ったものだ。しかし今はそんなことをする子供たちはいない。そこで高校受験に疲れた生徒たちを誘ってみると全員が「行ってみたい」と目を輝かせた。そしてこのイベントは現在も受け継がれている。ここでは記念すべき第一回の記録と供に子供たちの感想なども紹介したい。

集合場所はJR前橋駅。ここからバスで赤城山中腹の畜産試験場へ向かう。我々の頃は家から県道前橋~赤城線を歩いたが、今は車も増えさらにドリフト族などという訳の判らない連中も出没するので、生徒10数名を連れては安全面に不安がある。そこで畜産試験場から国立赤城青年の家を経て鍋割山の登山道を赤城大沼まで歩く計画にした。

畜産試験場入り口で下車し通称南面道路を数100m歩いて青年の家方面に左折する。空模様は怪しく、いつ降り出してもおかしくない。それだけに湿度も高く、蒸し暑くてすぐに汗ばんできた。このあたりはまだ人家がぽつりぽつりとあり、その灯りが道案内をしてくれる。突然大粒の雨が叩きつけてきた。左手の小高い山が自然公園の一郭で東屋があることを知っていたので、そこで様子を見ることにした。引き返すのなら早いほうが良い。しかし子供たちは行けるところまで行きたいという。小降りになったのを見計らって再び歩き出した。

次第に急になる道路を登るとオレンジ色の灯りがかすむように見えてきた。国立赤城青年の家だ。ここより上に人家はない。林道鍋割線に入るとさらに道は細くなり、生い茂ったササで見通しも悪くなる。ゴルフ場を抜け鍋割山登山口に着いたのは歩き出して2時間半後だった。本来ならここから登山道を直登して鍋割山頂に行く予定だったが、断続的に降る霧雨に林道を迂回して森林公園から鍋割高原へのルートを取った。鍋割山を右に大きく巻いて行くとはじめ等高線沿いだった道がつづら折りになる。これが終わった先に森林公園の駐車場とトイレがある。その手前50mには冷たい沢水の汲める場所もある。ここまで2時間、すでに日付が変わっていた。

ここからやっと本格的登山道となる。アスファルト道を長時間歩いたのでこれで足も楽になると思えたが、雨でぬかった道に足を取られる。懐中電灯の灯りに照らされるところ以外は全くの闇だ。高度を稼ぐに従って風雨が強さを増し、その灯りの中を次から次に駆け抜けた。1時間で荒山高原の東屋に着いた。屋根はあるが壁がないので完全に雨を防ぐことができない。全員が疲れているが先を急がせた。さらに1時間歩き荒山中腹の避難小屋に逃げ込んだ。避難小屋といっても本格的なものでなく、壁のは南の一面が無く床もない。しかし何とか雨だけは防ぐことができた。人心地着いてうつらうつらしている生徒もいる。しかしほとんどが寒さに震えていた。「シートをたたみながら今まで以上に気合いを入れた。これからの道が今まではアスファルトだったけど山道にかわるからだ。山道は角度が緩やかな木の階段だった。山道というだけあって階段は山に囲まれていた。大きな石があったり、ちょうど頭の高さの枝が通り道にあったり、ちょっと危険だった。木の階段も土の道にかわり、霧も雨にかわってきた。そして足の筋肉痛も戻ってきた。美帆 」

明るくなった頃、身体を温めるために歩き出す。緩やかにアップダウンする道を1時間ほど歩くと県道大胡~赤城線に出た。もうほとんど山頂部だ。久しぶりの舗装道路だがそれを横切って登山道を行く。腰までのササ原に下半身はずぶ濡れだ。血の池、小沼を通り最後の舗装部分を大沼湖畔の赤城ビジターセンターまで下って終了。7時52分着。休憩含め11時間、およそ20kmのナイトトレッキングが終わった。これが子供たちにどんなものになったかは知らない。しかし「もう二度と行きたくない。」「また天気の良い時に挑戦したい。」等の言葉を聞くと、思いでがひとつできたことは間違いない。「目標だった雲海は見れなかったけど、とてもいい経験ができたと思うし、とても充実した。それから今思い出したが、本当は二度目の休憩場から鍋割登山口に入って行くはずだったらしいが、雨のため行けなかった。また赤城に登りに来るときは、必ずこの道を登ってやるから待ってろよ!そして、その時こそは雨を降らすなよ。聡 」
-DATA-
- 場所:
- 群馬県勢多郡富士見村
- 交通:
- JR前橋駅より関越交通バス「畜産試験場入り口」下車 860円
- 帰路:
- 赤城ビジターセンター~前橋駅 1,550円
- 駐車場:
- 森林公園に10数台可
- トイレ:
- 森林公園、赤城ビジターセンターにあり
- 水場:
- 森林公園、荒山高原にあり
- 温泉:
- 富士見村温泉 500円
- コンビニ:
- 「畜産試験場入り口」周辺に3軒
- 参考:
- 畜産試験場行きバスの最終は20:20、ビジターセンターから前橋駅は10:30が始発。エスケープルートは沢山あるが判らなければ使えないので昼間の下見と地図・コンパス必携。赤城青年の家から鍋割登山口の道沿いはホタルが見られる。
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