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大雪山旭岳~トムラウシ山縦走

Aug.03-06, 1985 カムイミンタラ・神々の遊ぶ庭を行く

北海道を縦に貫く大雪山地、そこはカムイミンタラ・神々の遊ぶ庭と呼ばれている。濃い緑に負けずに咲く色とりどりの花々。アクセントを添えるように残る万年雪の雪渓。ヒグマや生きた化石ナキウサギ。ひっそりとたたずむヒサゴ沼やトムラウシの奇岩。そんなひとつひとつをじっくり味わう山旅に出かけた。

深夜の関越道を走り新潟へ入ると陽もすっかり登り、今日も真夏日のようだ。新日本海フェリーに乗り込むと潮風が気持ちよい。フェリーは昨年就航した新造船だった。小樽には翌朝4:30着。そのまま一気に札樽道、道央道と高速を走り抜け旭川へ。ここで買い出しをして東旭川から湧駒別(ユコマンベツ)の旭岳ロープウェイの駐車場に着いたのは9時過ぎ、家を出てからおよそ36時間後だった。

大雪山旭岳~トムラウシ山縦走:イメージ1

山に登るには遅すぎる時間に焦ってパッキング、極力荷物は減らしたつもりでもロープウェイ駅で重さを量ると19kgありしっかり超過料金を取られた。姿見駅に降り立つと、旭岳の爆裂火口が大きく口を開け白い煙を噴き上げていた。この年の正月にスキーで来ているので8ヶ月ぶりの再会だ。その時は我々の後を着くように登ってきたはずの人が遭難してしまい、一週間後に遺体で発見されるという悲しい事故があった。しかし今日はそんな心配を踏みつぶす勢いで多くの人が登っている。

大雪山旭岳~トムラウシ山縦走:イメージ2

石室避難小屋を過ぎるとガレて単調な登りが続く。足下は滑りやすく、また混み合う登山者や下山者の列にペースを乱される。日射しも背中からじりじりと責め立てる。常に見上げていた金庫岩を過ぎおよそ2時間で旭岳山頂に着く。ここも賑わっていて、半年前に凍えながら聞いた風の唸りがウソのようにのどかな雰囲気だ。今日のテン場まではまだ先なのですぐに北面を下山する。日陰に入ると涼しくて気持ちがよい。雪渓が残りその周りにはいくつかテントが張ってあった。裏旭キャンプ指定地になっている。間宮岳は旧火口の外輪山で山頂から大きなクレーターのような火口原が見下ろせた。対岸には比布岳や北陳岳がそびえている。荒井岳、松田岳、北海岳と荒涼とした風景が続く。しかし白雲岳からは花畑。チングルマやキンバイが咲き乱れていた。白雲岳南面の避難小屋脇にテントを張った。ここも相当な数のテントがあった。ヒグマの写真撮影が目的の長期滞在者もいるらしい。

大雪山旭岳~トムラウシ山縦走:イメージ3

緩やかな稜線が延びた先にひとつだけ険しい形のトムラウシが立ちつくしている。今日はあのふもとまで行くのだ。厳しい自然に背丈が10cmほどのツツジに花が咲いていた。コマクサもここでは当たり前のように咲いている。高根ケ原を過ぎ山頂とは気が付かないほど目立たない平ヶ岳。神々の遊ぶ庭にふさわしいのどかな風景が続いた。忠別岳からまた道はガレてきて、短い急下降が終わると雪渓の端に避難小屋があった。五色岳への登りは深いササのトンネルを縫って進む。東大雪からの道と合わさったところで視界が開ける。眼下に広がる原始林はもう一つ別の神・ヒグマの聖地のようだった。ドロドロにぬかるんだ道に閉口しながら行くと山頂に家ほどの大きな岩のある化雲岳。さらに進みヒサゴ沼のコルの雪渓を横切って行くと岩の上でナキウサギがチュッチュッと鳴いていた。遠い空を見つめて鳴く姿は哲学者のようだった。ヒサゴ沼のキャンプサイトは北岸あり、トムラウシをバックに目の前に雪渓やエゾカンゾウの花畑が見渡せた。

大雪山旭岳~トムラウシ山縦走:イメージ4

昨日の雪渓を再び登り返ししばらく行くと日本庭園、小さな沼と白い岩、緑のハイマツがそれを思い起こさせる。ロックガーデンの大きな岩を飛び石のように歩いているとここでもナキウサギに出会った。とうとうトムラウシまでやって来た。溶岩石が槍の穂先のように形作っている。山頂に着き振り返ると今まで歩いてきた旭岳からの稜線が見えた。反対側にはさらに続く美瑛富士や富良野岳の山々。次の機会にはこの先まで歩いてみたい。

大雪山旭岳~トムラウシ山縦走:イメージ5

トムラウシ山頂からの下山路も長かった。ガレた登山道を滑り落ちるように下り、南庭園でホッとしたのもつかの間今度は大岩の飛び石下りでトムラウシ川支流の源頭部に着く。そこからぬかるんだ道をカムイ天上まで登り返し、再び木の根のうっとうしい急下降。やっとトムラウシ登山口に着きさらに4km歩いて東大雪荘着。温泉もビールも骨まで染みた。

-DATA-

場所:
北海道
交通:
JR旭川駅よりロープウェイ駅行き無料バスあり
トムラウシ温泉~JR新得駅(0155-31-8811/北海道拓殖バス・7月下旬~8月下旬のみ運行)
駐車場:
旭岳ロープウェイ駅にあり
トイレ:
ロープウェイ駅、白雲岳避難小屋、忠別岳避難小屋、ヒサゴ沼避難小屋にあり
温泉
旭岳湧駒別温泉、トムラウシ東大雪荘、ヌプントムラウシ温泉(無料)、白金温泉ほか多数
備考
旭岳ロープウェイは2000年に架け替えられた。そのため料金は不明。
詳しくは現地確認(0166-32-2126/旭川電気軌道)を。

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