ツーリングレポート

サブナビゲーションをスキップ



« 2001年10月ツーリングレポート:トップページ2002年06月 »

広瀬ダム~クリスタルライン

初冬の紅葉、林道の旅 Nov.11, 2001

広瀬ダム~クリスタルライン:イメージ1

今回は、山梨県北部の山々に、初冬の風と紅葉を堪能しようという目的のツーリングだ。広瀬ダムは秩父山地の西寄り雁坂峠付近に位置し、国道140号線が近くを通過している。現在は雁坂トンネル有料道路が整備され、道幅も広く、観光地的な賑わいをみせる。ここから徒歩で西沢渓谷などを散策する事も出来、多くの観光客が軽装でトレッキングしている。今回は、山梨県塩山市から国道140号線を広瀬ダム方面に登り、ダム湖周辺で引き返してクリスタルラインへ入り、紅葉を楽しんだ後、昇仙峡北部経由で甲府市へ向かうというルートでツアーした。クリスタルラインとは、山梨県北部を走るいくつかの林道の総称であり、舗装はされているがやはりそこは林道なので道幅は狭く、曲がりくねった道路が延々と山伝いに60km以上も連なる、というルートで、そのような状況もあってか、交通量はさほど多くもなく、静かな山の雰囲気を楽しみたいという向きにはおあつらえの場所だ。あくまで林道であるので、いくらかは腕に覚えのある方、山岳路の経験がある方向き、である。

広瀬ダム~クリスタルライン:イメージ2

山梨県側から国道140号線を登って行く。快適なツーリングルートで、大型オートバイなどに多数すれ違う。ほぼ、40分位で広瀬ダムを通過。右に左に、緩やかなカーブが続く。紅葉も最盛期のようで、小春日和のこの日、木もれ陽が湖面にきらめき、紅の葉とのコントラストが大変美しい。雁坂トンネルの手前、道の駅で小休止。施設も新しく、多くの観光客で賑わっている。時刻はそろそろ昼下がりとあって、お食事所も大繁盛。順番待ちの行列ができている。どうやら、この日は紅葉を楽しみに来る方が多かった、という様子である。僕らはちょっと昼飯には予定があったので、オートバイに再びまたがり国道を塩山方面へと下る。

広瀬ダム~クリスタルライン:イメージ3

今日のお目当ては「いのぶた鍋」だ。イノブタとは食用の目的で猪と豚を交配させた品種で、野趣をほのかに感じさせる味わいは例えば鴨と合鴨というような関係に近く、食通の方なども好まれるという風に聞く(とあるグルメ漫画にも掲載されたそうだ)。この地方ではこんにゃくなどが収穫されそれも名産品の一つに挙げられるが、またこのいのぶた鍋にも添付されて、これもまた食の愉しみに深みを加えてくれる、という。さて、オートバイで10分程下ると、進行方向右手にそれらしき民芸調店舗を発見。砂利が敷いてある駐車場のオートバイを停めた。周囲はやはり紅葉の盛りである。いのぶた鍋は1,500円と、いい値段だが、さっぱりとしていてなおこくがある、という独特の味わいは一度お試しになるのも良いかもしれない。大根、人参、白菜、葱などと名物の地場産こんにゃくは調和し、癖のない味わい。味噌仕立てだがあっさりとした汁に、いのぶたの肉が平たく、厚さは数mmといった感じに。歯ごたえが過度ではなく、なお腰がある、という独特の感じ。大根などもかつらむきのように調理されていて、それが汁からみも良く、淡白な味わいの野菜だけに、より、汁のこくを明確に伝えるというあたりは丁度海の幸でいえばブリ大根のような感覚である。鍋の汁に手打ちうどんを入れ、こころ行くまでいのぶた鍋を堪能した。

広瀬ダム~クリスタルライン:イメージ4

外に出る、早くも山間の陽ざしは斜めに傾いている・・・と、ふと下の方を見れば、いのぶたが冬のひざしを浴びて気持ちよさげに寝転んでいるのが見えた。少々、人の業というものを感じながら(食べる前に見なくてよかった)などと思いつつ、同行の友人とその事を話し、笑いながらオートバイに乗り、次の目的地であるクリスタルラインへ向かう。クリスタルラインの入り口は、このあたりからでは牧丘町にある。往路に確認したおいた交差点を右にターンし、いよいよ山道へ。道は、のどかな農村の風景の中を抜けて、次第に山深く分け入ってゆく。つづれ折り、という言葉がぴったりな感じで、道幅は狭く、乗用車のすれ違いはちょっと困難、という程度。カーブ地点にのみガードレールはあるが、直線部分には無い所も多いので注意を要する。転落したら・・・である。しかし、意外に往来はあり、クロカン4駆、オフロードバイク、自転車などに時々すれ違う。次第に標高も高く、深山の雰囲気になった。クリスタルラインと称されるのであるから山梨県特産である水晶の鉱山でもあるのかとも思ったが、それらしい案内看板はなし。古来にはこのあたりで採鉱されていたのだろうが・・・看板といえば、このクリスタルラインの道中には統一された道路案内看板のデザインがある。

広瀬ダム~クリスタルライン:イメージ5

それは写真のようなもので、普通の道路標識よりやや小振りの、オレンジ色の背景に白い文字のものである。諸所にこれが設置されているおかげで林道とはいえど迷うことはないであろう。峠をいくつも越え、屈曲路に飽た頃やや交通量も増えてきて甲府市に近づいた、と悟る。普通乗用車などの姿も見かけるようになるが、それというのも、昇仙峡の観光道路を登りきったところのつきあたりがこのクリスタルラインに通じているからで、無作為に登ってくると、こちら方面の林道に入ってきてしまうからだ。この道中にも、ミスコース?と思われるような東京ナンバーの老夫婦が小型車で、などという状況をよく見かけた。

さて、僕は同行者とふたりでつづれ折りのロードを快調に飛ばす。落ち葉のたまった山道、舗装はとりあえずされてはいるがやや荒れてもいて、ダム工事の現場などは泥ねい路である。できるならば低いハンドルのロードスポーツで行かない方が無難なように思えた。また、床下の隙間に余裕のない自動車も避けた方がよい道だ。道幅も狭く、 Uターンの場所にも難儀するだろう。この時も、ミスコースしたレースカーのような車が山道のカーブで切り返しを何度もしながら展開をしていたようである。

広瀬ダム~クリスタルライン:イメージ6

景観は素晴らしく、秩父連山から連なる峰峰をわたる、冷風にさらされた木の葉は燃えるような紅、また、あざやかな黄。四季の風情を楽しめる地域にいる事に感謝、である。自然の中にいる、また、自然からの恵みで僕は生きているのだ、という当然だが都市生活では忘れがちな事実を再認し、どこか謙虚な思いにさせられるような雄大な山の風景であった。都市に戻った後も、時折この日の事を思い出してどこかゆったり、とした気分に回帰したりもする、そんな山の旅であった。

-DATA-

場所:
山梨県東山梨郡牧丘町~甲府市
交通:
国道140号線~141号線、およそ68km
駐車場:
周辺有り
トイレ:
有り

ページのトップに戻る