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八十里越マウンテンバイク

Oct.07, 2001 腰抜け武士の越す峠

八十里越マウンテンバイク:イメージ1

『それにしてもこの峠の長大さはどうであろう。樹海は眼下にあり、道は天空に連なってゆく。八十里こしぬけ武士の越す峠と、継之助は我が姿を自嘲した。』小説「峠」で司馬遼太郎は語っている。越後と会津を結ぶこの街道は往時には年に2万人もが越えた。しかしその険しさは一里が十里にも思えるという。これをマウンテンバイクで走破することは長年の懸案だった。たまたま訪ねた友人宅で「岳人'97.10月号」を見つけ、なにげなく捲るとその八十里越の記録があった。これはもう行かない訳にはいかない。

八十里越マウンテンバイク:イメージ2

深夜、北陸道三条・燕インターで降りR289を東に走り下田(しただ)村に向かう。道の駅で朝を待ち、標識に従って吉ヶ平(よしがひら)へ。途中から道は細くなり、やがてダートに代わりしばらくすると吉ヶ平山荘が見えてくる。廃校を利用した山小屋だ。

八十里越マウンテンバイク:イメージ3

スタートはこの小屋前に架かる橋からだ。手前を右に行くと守門岳の登山口に着く。橋を渡りしばらくは林道だがやがて細い登山道に代わる。斜度は緩いので乗車できないことはないが、先が長いので無理せず押して行く。ススキの原に出ると石の道標があり左は雨生池に続いている。この先から道はヤブ漕ぎが続く。深い草をかき分け、踏み跡を探るように登って行く。ここが反対コースを取った場合に迷いやすいとされている場所の一つだ。全身汗と露でびっしょりになる。1時間で椿尾根着。登路の視界が開け格好の休憩場所だがゆっくりとはしていられない。椿尾根から道は良くなり、枝尾根を巻きながら緩やかに登る。紅葉の守門岳が美しい。部分的にはわずかに乗車できる。番屋峠へ最後の突き上げを登ると、番屋跡と思われる広場に着いた。ここにも石の道標があった。

八十里越マウンテンバイク:イメージ4

後続の人からこの先崩壊が激しく難所が続くと言われた。かつてやはりマウンテンバイカーが試みたが、滑落して足を痛めビバークを余儀なくされたらしい。まだ時間もあると思っていたが先を急ぐ。アドバイスを受けた箇所はすぐに現れた。谷をへつる細い道の沢筋が深く谷底に落ち込んでいた。張ってあるロープに掴まり慎重に渡る。こんな時自転車はお荷物以外の何物でもない。同様の場所をいくつか過ぎ高度が下がると道の状態が良くなった。塹壕状の中をやっと乗車できるようになった。

八十里越マウンテンバイク:イメージ5


道が沢状になるとやがて沢に出た。不安な箇所も意外にすんなりかわして余裕ができた。沢水でのどを潤し行動食を取りスタミナ回復、後は鞍掛峠への登りだけだ。しかしその余裕もながくなかった。高清水の手前で大きな崩壊がありルートが見つからない。とりあえず等高線の延長点まで崩壊地を高巻きして偵察に行く。と、尾根上に踏み跡が見つかった。これを辿って対岸に出た。ブナ沢は上流に10mほど行った対岸に道は続く。ほとんど平坦だがヤブが濃く路面が見えない。ひとつも乗車できないうちに空堀に着いた。

空堀は大正末期まで小屋があっただけに開けた平地で水場も近い。テン場に良いところだ。鞍掛峠へはいきなりの急登で始まる。正規ルートが倒木に塞がれたためにつけられた道のようだ。案の定登り詰めるとしっかりした道になった。このまま峠かと思うと再びへつり道になった。イラクサやアザミが深くチクチク身体を刺す。雪の重みで真横に伸びたブナが行く手を阻む。足を滑らせたら谷底まで滑落する。そんな悪戦苦闘の末に鞍掛峠に着いたのはすでに午後4時を廻って、スタートしてから8時間が過ぎていた。

八十里越マウンテンバイク:イメージ6

田代平まで今度こそ乗車できると思ったがまたもや裏切られた。木の根が這い、小沢がいくつも横切り、片側は深い谷でここも押すしかなかった。田代平でサポート車が待つはずが林道工事中で通行不可。仕方なく薄暗い中五味沢まで林道を飛ばした。初めてまともに乗車できた。

-DATA-

場所:
新潟県魚沼郡下田村
交通:
JR信越線東三条駅よりタクシーで吉ヶ平山荘まで
駐車場:
吉ヶ平山荘前、もしくは路肩に駐車可
トイレ:
なし
水:
沢水
温泉:
入広瀬村・寿和温泉 500円
洞窟風呂 800円他
参考:
「岳人」'97.10月号
只見町役場「八十里越を歩く会」
0241-82-5050
注意:
崩壊地やルートの分かりづらい箇所多数あり。時間に余裕を持って行動したい。また本ルートはマウンテンバイクコースとしては乗車率数パーセントしかなく好コースとは言い難い。しかしトレッキングコースとして旧街道を偲びつつ歩くにはすばらしいコースといえる。

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