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八幡平の樹氷

Feb.21, 2004 初めての単独冬山スキーツアー

八幡平の樹氷:イメージ1

樹氷原を見たいと思っていたが、なかなかその機会に恵まれていなかった。しかし、2月下旬の休日、天気予報に「雪」の文字が出てこない。このタイミングを逃すと樹氷はもう来年以降のものになってしまうだろう・・・。いざ盛岡の自宅を出発すると八幡平へは東北道を使えば1時間もかからないでついてしまう。三つ目の松尾八幡平インターを降り、急勾配のアスピーテラインを登山口の八幡平スキー場まで上る。薄く掛かっていた雲もとれて空は真っ青になっていた。ここから第二第三リフトを2本乗り継いで大黒森へ高度を上げてもらう。「今日は山、いいべな」リフト係りのおじさんにニコニコしながら話しかけられた。「そうですね。」確かにいいかもしんないなー、そう思いながらザックを手前に抱え搬機に腰をおろした。途中、強風でリフトが何度か止められた。晴れているとは言えそこは樹氷の出来る冬山、油断してはいけない。リフトの終着からコースの入り口は1の標識を目印にして左に進路をとる、いざここからが冬山ツアーの始まりだ。

八幡平の樹氷:イメージ2

大黒森の鞍部まで下った所ででスキーにシールをつけ、なだらかな切通の斜面を「茶臼山荘」目指してゆっくり登りはじめる。数人の先行者の背中が遠方に見え、彼らの跡を快適にトレースすることが出来た。この辺りの木々は樹氷には程遠いが透かして右側に安比森、左側に岩手山を望みながらの雪中散歩は、そこが「雪山」であることの不安を忘れさせてくれるに充分だ。しかし一度稜線に出ると強風で息が出来ないほどだ。辺りが次第に白一色の世界になって来る。スキー場から約1時間半、茶臼山荘では3名の先行者が休憩していた。山荘内の寒暖計は-5℃、風をさえぎってくれるだけでも、むしろ暖かくさえ感じる。「こんにちは」3名はそれぞれが単独行氏、みんな一人で来るんだな。「風、強いですよね。皆さんどこまで行かれるんですか?」「うーん、皆、今それを話していたところですよ。」茶臼山荘の周りではまだ樹氷は見られない。現在10時40分、私は12時までは頂上目指して進むことにしよう。

八幡平の樹氷:イメージ3

山荘からは黒谷地へ下り、源太森ピークへ登り、八幡沼畔の陵雲荘まで下り、八幡平頂上まで登る。アップダウンではあるものの、台形のようなアスピーテ地形の上辺、そもそも気になるような高度差はほとんど無い。なだらかな丘の大きなうねりの中を小舟に乗って越えていくかのごとくである。

八幡平の樹氷:イメージ4

源太森ピークまでで、ほぼ12時になっていた。そして「ここからが核心部なのかー!」見渡す限りの樹氷原がそこに拡がっていた。小高いピークから望むアイシングブルーの大海原!色と言えば「雪の白」と「空の青」だけだが、地形のアンギュレーションはその陰影自体が実に巧みに描写している。まずはカメラ付携帯で上さんにメールでもしようと電話を取り出すが、先ほど受けた顧客からのコールで、もう電池が残り少なくなっている。仕方が無いので、持ってきた機材で撮影開始。マミヤ67、ニコンF100、カシオGV10。沢山もってきたつもりだが望遠系レンズの無いのが悔やまれた。

八幡平の樹氷:イメージ5

八幡平に関して松尾村の山岳会は実にきめ細やかな整備をしている。夏の観光客の多い時期も、この季節の樹氷原へのルートにしても、監察官の方が随時見回りをしている。本当に頭が下がる思いである。雪山が初めての私がこうして問題なくここへたどり着けたのも、しっかりとした目印、切通しの管理がなされていたためだ。この源太森から頂上への雪原ルートにも赤リボンの付いた竹の目印が見え、私をその先へ誘っている。しかし、風が強い。それにもしもガスでも出てきたら、知識経験の無い私が帰りのルートを外してしまうのは非を見るより明らかだ。この先へは次回の楽しみにして、ここから帰路につこう。

八幡平の樹氷:イメージ6

茶臼山荘に戻ると、10人ほどのボーダーグループが談笑していた。大学のサークルか何かなのか就職活動の話などが聞こえてくる。ここからは往路をトレースせず、スキー場の駐車場までの広大なゲレンデを一気に滑り降りることが出来る。陽もだいぶ傾いてきた、ダケカンバの影が長く伸びている。標高を下げるにしたがってどんどん雪の感触が変わってきた。このルートは最後の最後に急斜面が待っている、ここを慎重に下り。初めての単独冬山樹氷探訪ツアーを無事終える事が出来た。

-DATA-

場所:
岩手県岩手郡松尾村八幡平スキー場基点
交通:
東北自動車道、松尾八幡平インターよりアスピーテライン
駐車場:
スキー場利用
トイレ:
スキー場以外は原則携帯トイレ持参

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