スノーレポート

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鳥海山湯ノ台スキー

スキーシーズン締めくくりの山 May.26-27, 2001

鳥海山湯ノ台スキー:イメージ1

スキーシーズン締めくくりはなんと言っても鳥海山だ。残雪に眩しく映えるブナの新緑山にシュプールを描き、下山後はイワナ釣り、山菜採り、温泉と春山を満喫できる。天気予報はあまり芳しく無かったがけじめを着けるためにもと長駆山形県の北端まで車を飛ばした。

鳥海山湯ノ台スキー:イメージ2

関越道をひた走りして新潟インターからR7へ、村上、新発田を過ぎると道は海岸沿いになる。通いはじめた10年ほど前にはこの道筋にほとんどコンビニなど無かったが、今はどこでも見かけ便利になった分だけ東北の遠い山にやって来たという気持ちが薄れる。酒田あたりでいつもなら雪面に朝焼けを映した鳥海山の長い裾野が眺められるのだが、今日は厚い雲の中で、小雨まで降ってきた。八幡町へ右折し鳥海山湯ノ台のつづら折れの道を雪が塞ぐまで詰めた。そこには4~5台の車が止まっていた。雨はまだ止まず、時折風も強く吹き付ける。待ちくたびれて下山する車もあり、我々もしばらく待ったが今日は無理と判断し翌日に期待しつつその他のお楽しみ、山菜採りやイワナ釣り、そして温泉を先に楽しむことにした。

鳥海山湯ノ台スキー:イメージ3

いつもなら秋田県側の象潟の海岸や鳥海町法岱の滝キャンプ場にテントを張るのだが、今回は湯ノ台コースを楽しみたく、また雨が降っていることもあって家族旅行村のツリーハウス(バンガロー)に泊まることにした。高床式の木造小屋、まだ木の香りがするほど新しく、8畳サイズで3000円は安い。ファンヒーターまで備えてあり雨中のテント泊に比べたら超極楽キャンプだ。雨に煙った山を眺め、採った山菜やイワナを天ぷらにし、地酒を飲む。スーパーで地元産の板状に固めた麩を見つけそれで作ったフーチャンプルーもうまかった。鳥海山荘の温泉に浸かりそこで見た予報では明日は回復するとのこと。

鳥海山湯ノ台スキー:イメージ4

前日と同じくつづら折れを詰める。昨日の雨でさらに雪が融け標高1200mまで上がることが出来た。もう数台の車が止まっていた。下では薄日が射していたがここまで来る頃にはまた霧雨が降り出した。しかし気温は高く気にならない。また午後には回復の予報なので出発することにした。まだ上に続くつづら折れの車道を串刺しするように雪渓を登っていく。時たま雨が強くなったり薄日がこぼれたりの定まらない天気だ。滝ノ小屋への登山口あたりで道路も完全に消えた。ここを左に行けば滝ノ小屋だ。しかしそれが確認できたのは実は下山時で、このときはガスの中でただひたすら上を目指して登っていた。小屋もまだ営業前で管理人は上がってきてはいないはずだ。

鳥海山湯ノ台スキー:イメージ5

時たま見せる晴れ間に確認すると鹿俣川右岸に沿って登っている。山頂(外輪山最高の七高山。内輪にある新山が鳥海山の最高地点)へはこの源頭部で東にトラバースしなければならない。このまま行くと伏拝岳に行ってしまう。しかし登路の雪渓は両端が濃いブッシュに遮れて容易に抜けられない。下山してくるスキーヤーに出会った。話を聞くとこの上部は1800m地点で雪が途切れという。山頂を目指すのなら早めにここを出て隣の雪渓へ移れというがそれをするにはもう遅いほど登って来てしまった。1800mまで後ほんの数10mだ。しかしここまで数100mの一枚バーンが続いていた。天気の回復はあまり期待できそうにない様子だし、ここを滑ればスキー納めとしては充分満足できるので、そのまま行けるところまで登り上がった。

鳥海山湯ノ台スキー:イメージ6

すぐにその地点に着きここまでとする。ビールで乾杯するが、風にかいた汗が冷やされて寒い。雨のような霧のような水分を含んで吹き付けてくるのでそうそうに下山する。いよいよシーズン最後の滑降、今年のスキー行のひとつひとつを思い出しながら滑った。行き損なった山の後悔が多いのも毎年のことだ。それでもスキーは良く滑り一気に滑り降り、車に着くとまた雨が降ってきた。終始山頂は深い雲の中にあった。

-DATA-

場所:
山形県飽海郡八幡町
交通:
国民宿舎鳥海山荘までは八幡町からバス有り、しかしさらに行くにはタクシーのみ。マイカーが圧倒的に便利。
駐車場:
路肩。
トイレ:
家族旅行村の手前に公衆トイレあり。
温泉:
国民宿舎鳥海山荘300円
宿泊:
鳥海山家族旅行村 ツリーハウス(バンガロー)8畳・3000円 そのほかトイレ、風呂、キッチン付きのコテージ12000円から
買物:
八幡町コープやわた 珍しい食材や格安お総菜が豊富 おすすめ「野菜メンチカツ100円」「ネギトロ巻き98円」
山菜:
タラノ芽、フキ、フキノトウ、ミズ、タケノコ、ミツバ、ウドなど。そのほかアイゴ(ミヤマイラクサ)、シドケ(ヤブレガサ)などが地元では珍重されている。
その他:
この時期の鳥海山スキーとしては秋田県側祓川登山口が一般的で雪も多い。そのほか今回の湯ノ台口、鉾立口、大清水口とあるが状況は現地に確認すること。

立山室堂山スキー

May.22, 2001 悪「天」苦闘のスキー滑降

立山室堂山スキー:イメージ1

今年、ファンスキーによる山スキーに目覚め、何度か滑降を楽しんだ。まだまだ滑りたく、消え行く残雪を追いかけ立山へ車を走らせる。地鉄立山線立山駅駐車場に7:07到着。平日とあって人は少ない。ここからケーブルカー、高原バスを乗り継いで、室堂を目指す。立山駅―室堂往復は4190円。平均斜度24 度、高度500mを7分で登り美女平に到着する。高原バスを待つ間、展望台に出てみる。左に鍬崎山が間近にせまる。8:20高原バスに乗り、一路立山室堂へ向け出発する。23km、50分の行程だ。窓の外は風が強い。上空は曇っているが視界は良好である。だが高度が上がると小雨が振ってきた、なんてこった。七曲り以降、弥陀ヶ原は一面雪景色となる。室堂に到着寸前、雪の大谷を通過する。バスの3倍の高さはあろうかという雪の壁。初めて間近で見たが、これほどのものとは思わなかった。

室堂ターミナルでは、黒部ダム方面に向かう人、室堂で散策する人とに分かれる。自分はまっしぐらに外に出て、山スキーのゲレンデを目指す。室堂周辺では主に3個所で滑ることができる。雷鳥沢北面および南面、そして室堂山である。まずは最寄の室堂山を目指す。前方には、スキー合宿の学生が一列になって斜面を登っていた。その後を追いかけるように登る。雪から顔を出したハイマツ帯を横切る際、よく目をこらすとライチョウが岩のくぼみにじっとうずくまっていた。初めて生で見たライチョウをしばし観察する。130mほど上がりコルに着くと、横殴りの風と雨が全身に襲いかかかっきた。安全を思い、ファンスキー用ブーツ、ファンドライブにアイゼンをつけ、さらに上へ向かう。突風は容赦なく吹き付け、そのたびに飛ばされそうになるのを耐える。そんな悪天候の中、ライチョウは元気に歩き回っている。確認できただけでも視界の中に2つがいと単独2羽。悪天時に行動するため雷鳥と名づけられた理由がよくわかる。1羽は目の前を歩いてきたので、その姿をカメラに収める。

立山室堂山スキー:イメージ2

約1時間かけて室堂展望台付近に到着する。風が顔にまともに当たると息ができない。更に上がっても風雨にさらされつらいものがあるので、ここで滑降準備に入る。スキーの団体とは離れ、広大な天然ゲレンデを一人占めする。歓声をあげながら一気に室堂へ滑る。スキー場にはない開放感と緊張感を味わう。風雨はさらに強まったため、一時室堂ターミナルに避難する。体勢を整えてから再出発し、10分ほど歩いてみくりが池温泉に行く。ここの喫茶室でコーヒーを楽しみながら、風雨の収まるのを待つ。工事関係者が工事を中断するほどの悪天候はついに回復することなく、これ以上の山スキーは残念ながら中止する。気持ちを切り替え温泉に入る。硫黄臭いっぱいの浴室からは、晴天なら絶景が望めたであろう。湯の花舞う、ぬるめのお湯にゆっくり浸かる。時間はたっぷりとあるのだ。

立山室堂山スキー:イメージ3

昼食後、地獄谷へ降りて行く。シューシューと音を立てながら、硫化水素ガスが柱状噴出口から猛烈な勢いで噴き出ている。そのガスは台風並みの風によって、真横に流れる。景観も天候も地獄さながらだ。一人で歩いていると本当に怖い。逃げるように雷鳥沢ヒュッテに向かう。正面には滑降する予定だった雷鳥沢北面が見える。素晴らしいゲレンデなだけに悔しい。室堂への尾根道は、風が強く危険だとヒュッテのスタッフに言われ、今歩いてきた道を引き返して室堂へ戻る。着いたときには全身びしょぬれであった。

休憩をとるためターミナルに隣接する、立山ホテルのティーラウンジ りんどうへ。1日120杯限定の水出しコーヒー(850円)を注文する。立山の涌水を使い、約8時間かけて抽出したコーヒーである。色、香り、渋み、いずれも味わい深く、コーヒーの味を存分に楽しむことができた。ラウンジの窓からは雄山の裾野だけ見え、山頂は深い霧の中。ゆったりとした時の中で、絵葉書を描いて日程を振り返る。16: 20美女平に向けバスに乗る。弥陀ヶ原を走る間、バスが風で何度も揺らされた。主目的の山スキーは1本しか滑れなかったが、ライチョウ目撃やみくりが池温泉、それに観光客との交流など、意外に楽しいものであった。

-DATA-

場所:
富山県 中新川郡 立山町
タイム:
地鉄立山線立山駅 (ケーブルカー7分) 美女平 (高原バス50分) 室堂ターミナル (10分) みくりが池温泉 (10分) 地獄谷 (8分) 雷鳥沢ヒュッテ (帰りは同タイム)
交通:
立山駅―室堂往復 4190円
駐車場:
立山駅周辺に無料駐車場あり
時刻表:
ケーブルカーは20分間隔、高原バスは40分間隔で運行されている。
詳細はホームページ(http://www.alpen-route.co.jp/)を参照
手荷物:
高原バスは10kg越の荷物あるいはスキー板は別料金(300円)、ファンスキーは無料
装備:
室堂は美女平より8℃ほど気温が低くなるため、この時期春山登山程度の装備は必要である。また天候の急変に対応するため、雨具は必携。アイゼンがあったほうが斜面は登りやすい
みくりが池温泉:
源泉名/地獄谷
泉質/単純硫黄泉
効能/神経痛、筋肉痛、慢性皮膚病
入浴料/日帰り利用(8~16時)600円
水場:
室堂ターミナルにある。
もしくはターミナルを出てすぐの玉殿の涌水を利用
トイレ:
室堂ターミナル他、各山荘にあり(一部有料)

尾瀬矢木沢スキー

山サイスキー再び May.20, 2001

先週燧ヶ岳山頂から見下ろしたとき、尾瀬ヶ原を囲む山々の北面はまだ雪が残りクロカン程度のスキーなら楽しめそうだった。もう残り少ないシーズンに最後のターンを描こうと、以前から気になっていた白尾山北面、八木沢源頭に向かった。うまくすれば尾瀬ヶ原まで滑降できるだろう。

関越道沼田でR120を北上、鎌田で左折するいつものルート。鎌田あたりで見えるアヤメ平の雪庇はすっかり小さくなっている。片品集落の桜はやっと散りかけたところだった。後少しで戸倉というときに車から短い破裂音。ファンベルトが切れてしまった。JAFを待っていたために3時間程ロスしてしまった。やっと治った車で戸倉~富士見峠の林道を行く。4月中旬に開通したことは確認済みだ。駐車場のある富士見下には車が4台ほど。何時来てもここは空いている。何故みんなここから尾瀬にアプローチしないのだろう。鳩待峠も大清水も混雑し、駐車料まで取られるというのに。近いというだけの理由だったら本当の尾瀬なんて味わえるわけがない。歌にあるように「はるかな尾瀬~」だから価値があるのだ。

尾瀬矢木沢スキー:イメージ1

そんなことを思いながら自転車を組み立て、スキーをザックに着けて歩き出した。田代原までのジグザグ道は乗車したままだとかなりきつい。今日前橋地方は 30℃を越える予報、暑い日射しに木々の芽吹きが眩しい。道脇の斜面にウドやタラノ芽の山菜を見つけながら自転車を押し上がる。雪の時期にはショートカットできる場所ももう無い。忠実に夏道を歩いて行くと田代原は大きく迂回する。馬洗い渕もブッシュが出て近寄れない。この辺りから峠まではほとんど乗車したまま登れる。しかし雪解け水が道にあふれ、路面はドロドロになっていてタイヤが食いついてくれない。

尾瀬矢木沢スキー:イメージ2

冬路沢への下降点、夫婦ブナを過ぎると白尾山が近くに見える。ほんの一月前に滑降した斜面はほとんどササ原に変わっていた。アヤメ平の雪庇は落ちきって、ところどころ土が出ていた。その下部にはまだ雪が残りここをゲレンデにして遊ぶのも良い。しばらく行くと富士見小屋に着いた。数台の車が止まり小屋開けの準備をしていた。ここから先は除雪されていず、道はまだ雪の下だった。自転車をデポしてスキーに履き替えて進んだ。

尾瀬矢木沢スキー:イメージ3

富士見下からおよそ2時間で富士見峠に着いた。出発が遅かったのでもうとっくに昼を過ぎている。燧ケ岳を見ながら昼飯を食う。山頂の雪も一週間前に比べると段違いに減っていた。ここまで来ると芽吹きはまだだ。しかし確実に季節が進んでいることははっきり感じられる。腹ごしらえをしていよいよ滑り出す。雪が解けたために木が混み合って燧ケ岳から見たほどの快適斜面ではなかった。迷路の行き止まりのようになって登り返し、ルートを別にとって再び滑る。そんなことを繰り返しているうちにすぐに二つの支流が合わさった三角雪田の末端に着いた。下からは轟音とも言える沢音が響いていた。夏道はかなり上部で左の枝沢を巻いているはずだ。雪さえあればこのまま見晴十字路まで行けるのだが。仕方なくその沢に沿って登り返した。

尾瀬矢木沢スキー:イメージ4

渡渉点を見つけ対岸に渡るがこちらもあまり雪が残っていなかった。見晴は諦めて先ほどのアヤメ平下に行くことにし、再び登り返し自転車に乗った。アヤメ平下の雪壁の上に自転車を担ぎ上げ一休み。一服しながら斜面を見上げるとここも思っていたよりも良くない。沢山の雪襞が走っていて滑りにくそうだ。落ちた雪庇の残骸が山になっている。落石もあった。注意しながら斜面が狭くなる辺りまでスキーを担ぎ上げ、冬路沢の白と緑の谷へ向かって滑る。もうこんなことも半年間おあずけだ。

またザックにスキーを付け自転車に跨った。林道はすっ飛ばして駆け下りたいところが水があふれている場所が多く、そこに突っ込むと全身泥跳ねまみれになってしまう。濡れないように、汚れないようにブレーキばかりをかけ腕が疲れた。紅葉の季節にここを走るのはとても楽しいのだが。途中で富士見小屋のオヤジさんに会った。冬路沢1620mの標識のことを聞くと、(「白尾山マイクロ高台尾根スキー」http: //www.gofield.co.jp/gofield/snow/kanto/s0004-shiraosan/index.htmlに掲載)昭和 25年に現天皇、当時の皇太子が尾瀬スキーツアーのために付けたものだと教えてくれた。富士見下に着くと春を通り越して真夏のように暑い。沢水を飲んで休憩。冷たくてうまかった。これで次に尾瀬に静寂の戻る初冬まで来ることはないだろう。

-DATA-

場所:
群馬県利根郡片品村戸倉
交通:
富士見下まではマイカーもしくはJR沼田駅よりバス、戸倉からはタクシー(徒歩1時間)
駐車場:
数十台可 無料
トイレ:
富士見下および富士見小屋にあり。ともにチップ制。
温泉:
花咲温泉500円
備考:
富士見下までの道は例年4月中旬から開通するがGWでも通行できない年もあった。同様に富士見峠までの除雪も毎年状況が異なる。現地に確認を。この時期は富士見下、馬洗い渕手前、富士見小屋下などいたるところに水場があり重宝する。県道戸倉~富士見峠線、富士見下より上部は一般車通行止め。尚文中の「夫婦ブナ」は私の命名のため地図に表記はない。冬季冬路沢への下降点の目印としている。

燧ヶ岳スキー

新緑の尾瀬を滑る May.12, 2001

燧ヶ岳スキー:イメージ1

今年の春は好天が続き雪が少ない。どこに行こうかと決められないまま週末になってしまった。沖縄帰りに秋田県鳥海山までのドライブは辛い。針ノ木岳や富士山は単調な斜面で趣に欠ける。割と残雪が豊富で近場、檜枝岐の燧ヶ岳に出かけることにした。通称「裏燧」、東北地方最高の山も関東から見るとこんなふうに呼ばれるしまうことにいい迷惑だろう。しかし毎年残雪が多く、遅くまでスキーの楽しめる名峰だ。

燧ヶ岳スキー:イメージ2

自宅からR50,R120,R121,R325と走り、まだ夜の明け切らない檜枝岐村に着いた。前橋からおよそ一般道で 4時間、東京からも高速を使えば同様の時間で到着できるだろう。気温は10℃と高いが道の脇に残雪もまだ残り明日が期待させられる。村の駐車場で仮眠をし登山口の御池に行くとそこの駐車場は山スキーヤー、山ボーダー、そしてハイカーたちですでに賑わっていた。今日は駐車料は無料だが、本格的なミズバショウの頃には1000円も取られるそうだ。トイレは水洗のきれいな建物が新築され、冷たく美味い水も補給できる。道路はここから沼山峠と奥只見を抜け小出まで続いているが、どちらもまだ通行止めであった。

燧ヶ岳スキー:イメージ3

天気は快晴。ほとんどの登山者が出発し終わり再び静かになった。慌てることはない登路は明確で真っ直ぐ南にルートをとればよい。ゆっくり行っても3時間で山頂だ。それに先行者が沢山いるのでトレイルがしっかり付いている。スキーにシールを張り歩き出したが、すぐに板をザックに付けた。雪質からツボ足のほうが有利だ。シラビソの樹林を縫って行く。木陰の風はひんやりしていて気持ちが良い。すぐに一つ目の急登、そこに先行パーティーが取り付いていた。雪が腐りかけた斜面はやはりツボ足が有利だった。ぐいぐいと追い抜いて振り返ると御池ロッジの屋根が樹林から覗いていた。登り着くと広沢田代、雪原が次の急登まで広がっていた。以前来た時は木道が出ていたが、今年は完全に雪の下だ。ここで一服というのが普通だが、今朝は仮眠前に飲んだ酒が抜けていないので、酒を身体から抜くために歩を進める。

燧ヶ岳スキー:イメージ4

二つ目の急登はさすがに堪えた。先行者の足下を見つめながらひたすら耐えるように登った。熊沢田代には歩き出して1時間で着いた。結果的に早いピッチで登ってしまった。仲間を放って登ってきてしまったのでここで待つことにした。山頂がすぐそこに見え、その斜面に沢山の人が取り付いていた。見晴らしはさらに開け尾瀬最奥の秘峰平ヶ岳山頂も手に取るようだ。きっと今日は登る人もなく静かにたたずんでいるのだろう。降りて来た時に飲もうと雪の中にビールを埋めておいた。燧ヶ岳山頂までは後1時間で着く。熊沢田代の木道は少し顔を出していた。このすぐ脇を歩くと雪が沈み足が埋まってしまい抜け出すのが大変だ。戻る頃にはさらにそれが進んでいるだろう。山頂部を見上げながら再びシラビソの樹林を潜りる。すぐにそれも終わりあとワンピッチ、ブッシュの出ている斜面もあるので少し南から巻くようにして山頂に着いた。正確に言うと燧ヶ岳は双二峰なので俎嵓(まないたぐら)山頂だ。もう一つの柴安嵓(しばやすぐら)のほうが標高は14mほど高い。

燧ヶ岳スキー:イメージ5

山頂からは尾瀬沼、尾瀬ヶ原が見下ろせる。沼はまだ凍結し白い雪原になっていたが、尾瀬ヶ原は雪解けが進んで黒い中に木道が延びていた。しばらく展望を楽しみお約束のビールを飲み、腹ごしらえをしていよいよ滑降に入った。一度東斜面を滑って北に踏み上がりもう一度、どん欲になる。雪質はザラメで重くところどころ板が引っかかるが、それよりも何よりもこの青空の下にシュプールを刻めることは至福の極みだ。すぐに熊沢田代に到着し、またもやビール。ハイマツの上に寝そべって体中に春山の陽を浴びた。ここからは広沢田代以外は混んだ樹林で雪質もさらに悪くなってあまり面白くはない。早く降りて温泉だ。

燧ヶ岳スキー:イメージ6

毎年5月12日は檜枝岐歌舞伎の奉納がある。今年は運良くそれに出くわした。村の茅葺きの舞台で行われ、遠くからも観光客が訪れていた。夜空に浮かんだような舞台は幻想的で悠久の歴史を感じさせるものだった。機会があったらまたその時に訪れてみたい。

-DATA-

場所:
福島県南会津郡檜枝岐村
交通:
東武鉄道会津高原駅よりバスで檜枝岐村尾瀬御池口まで
駐車場:
御池(ハイシーズン・5月末~10月中旬 1000円)
トイレ:
御池にあり
キャンプ:
キリンテキャンプ場 一人600円 駐車料500円
ルートは明瞭だが視界不良時には熊沢田代や広田代で失いやすい。この日も遭難騒ぎがあった。地図、コンパス必携のこと。
檜枝岐歌舞伎は5月12日、8月13日、9月第一土曜日の3回
温泉:
檜枝岐村営「燧の湯」「駒の湯」500円
舘岩村 木賊温泉共同浴場 200円 その他多数

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