スノーレポート

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大雪山系安足間岳スキー

厳冬の雪見酒 Dec.30, 1995-Jan.05, 1996

大雪山系安足間岳スキー:イメージ1

それまで毎年通っていたニセコはあらかた滑り尽くした。しかし内地がまだ充分の積雪を見ない年末にあってはどうしても北海道に眼が行ってしまう。そんな時に見つけた愛山渓温泉。冬季(10月末~)は素泊まりのみの山小屋となるが、管理人が常駐し露天もある一軒宿。この季節の北海道は天候の優れる日は少ない。しかしスキーなど出来なくても良いのだ。吹雪に頭をバリバリに凍らせながら入る露天風呂。酒は湯船に沈めておけば適度な燗が付く。これを味わえるのは、我々の他には温泉好きのヒグマだけだろう。

大雪山系安足間岳スキー:イメージ2

新潟から新日本海フェリーで小樽へ。普段カヤックを漕いでいるくせにやはり船の揺れはイヤだ。小樽からは札幌駅まで直通バスがあるので便利だ。列車に乗り換え旭川。「秀岳荘」で必要な装備や必要でもないが安いものまで買いだし、鈍行ディーゼル列車で上川に着く。商人宿のような駅前旅館で一泊し翌日愛山渓に向かった。

大雪山系安足間岳スキー:イメージ3

R39 旭川寄りの街外れから愛山渓に道が続いている。しかしそれも少し入った集落までで、その先は除雪がされていない。こちらへ来る前から連絡を取っていた「愛山渓ドライブイン」のおやじさんに訊くと、今年は雪が少なくてまだ先まで車で入れるからと、そこまで送ってもらった。降ろされた地点は愛山渓温泉まであと 6kmの標識がある。だいぶ得をした気分だ。すべて歩くと20km近いはずだ。しかしまだ2~3時間かかる距離だ。一週間分の食料やよせばいいのに楽器などまで持って歩き出した。気温はマイナス10℃程で風もなく意外と暖かい。道はかなり登ってきているようで、つづら折れが続く。時たまガードレールが現れそこが道路だということを改めて知らされる。温泉までもう少しというところで風が吹いてきた。雪が舞い上がりルートが確認できない。目も開けていられないくらいだ。いっきに体温が奪われた。本当の北海道の凍れのお出ましだ。風の止み間を狙って少しずつ確認し、宿に着いたときはストーブの温かさが心にも身体にも染みた。

大雪山系安足間岳スキー:イメージ4

1月1日。晴れてはいるがどこか不安定な空の色。まだ先に延びる林道を歩き出す。雪は粉雪といっても膝まで潜るのでラッセルはそれなりにきつい。小さな橋を渡って適当なところで左の灌木の中にはいる。木が濃く間をうねうねと縫って進む。しばらく行くと唐突に急斜面になる。沼の平へ突き上げる斜面だ。この斜面は雪崩の巣だと聞いていたが立派な針葉樹が立っているのでしばらくは安心だ。まだ充分に木が濃く滑降は楽しめそうにないのが残念だ。木もまばらになり視界が開けると沼の平の縁で大きく雪庇が張り出していた。沼の平は、勿論今は雪の下だが池溏が点在する平原で、そのまま斜度を増し当麻岳へと続いている。風が強くなり、時間もなくなったので今日はここまで。

大雪山系安足間岳スキー:イメージ5

1月2日。前日のトレイルを辿って沼の平まで来た。広い平原が何処までも続く。その向こうには大雪の主峰旭岳がそびえている。目指す安足間岳は左手奥、永山岳の陰だ。沼の平をイズミノサワ川の谷に沿い、ひたすら北を目掛けて進む。ダイヤモンドダストが舞っているので気温は低いのだろう。目印となる大岩からイズミノサワ川を渡る。深い谷底に一度降り、雪崩に注意して対岸に渡った。今度は急登行、カンバを抜けるといくらか斜度が落ちた。しかし樹林を出たため雪質が悪くなった。上が硬く中が柔らかいモナカ雪。苦労してこぶのような小ピークを越えると目指す安足間岳が青空をバックに立っていた。永山岳との鞍部に着くとすっかり昼を回っていた。時間がない。押し込むように行動食を口に入れすぐに歩き出した。ここは完全にクラストになっていた。山頂までの緩やかな斜面を気持ちだけは急いで駈けたが山頂に着いた頃には、北国の太陽は沈みかけていた。出発から6時間経っていた。雄大な風景を楽しむ間もなく即下山。クラスト、モナカと悪雪が続き、谷への下降だけがパウダーだった。また広い平原を走り、濃い樹林を縫って、宿に着いた頃には真っ暗になっていた。

大雪山系安足間岳スキー:イメージ6

翌日も同じルートを辿り沼の平から当麻岳を目指した。しかしあまりの烈風で当麻乗越までしかたどり着けず。それから天気は崩れだし、宿から出ることが出来なかった。下山日も雪で、登ってきたトレイルはとっくに埋もれていた。20kmの道は雪が深すぎてスキーが滑らない。むなしくラッセルしての下り延々と繰り返した。

-DATA-

場所:
北海道上川郡上川町愛山渓温泉
交通:
愛山渓入り口まで上川駅よりバス15分 さらに徒歩およそ20km
駐車場:
ゲート手前の路肩に置けるがきっと雪に埋もれてしまう
トイレ:
なし
備考:
愛山渓温泉宿泊は山小屋なので予約の必要はないが、現地情報を得る意味でも連絡を取っておいたほうが良い。。布団付きで1600円。すべて自炊なので食料は荷揚げが必要。年末年始は多少入山者があるが、他は他人のトレイルは期待できない。入山届けは上川の警察へ。冬季は露天風呂まではお湯が充分に給湯されていないが、管理人の許可を得て内風呂の給湯を止めてまわした。価値ある露天風呂だった。雪崩ビーコン、スコップなどの非常用品必携。とくに北海道はビーコンがないと入山許可が下りない場合あり。

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