スノーレポート

サブナビゲーションをスキップ



スノーレポート:トップページ1996年01月 »

積丹岳スキー

Jan.03-04, 1995 厳冬期北海道の暖かい夜

積丹岳スキー:イメージ1

北海道の西に突き出た積丹半島。そのほぼ真ん中に位置する積丹岳。前年春と夏の2回挑戦しているが、春のスキーでは稜線までまだずいぶん先というところで強風に眼の前の木がへし折られ、怖くなって引き返している。今回はその復讐戦。中腹には美国山岳会の山小屋があり、これを利用すれば1泊2日で快適な山旅が楽しめる。小屋のストーブが北国の寒さを忘れさせてくれた。

積丹岳スキー:イメージ2

恒例となったニセコで越年スキーをして大雪旭岳に向かう途中、余市から大きく逸れて寄り道をした。登らなければならない山があるからだ。日本海に沿った国道299号を美国から積丹町に向かって小高い丘に登り、直線道路をしばらく行くとドライブインがある。勿論冬季は営業していない。そこを左折し一本道を詰める。すぐに一軒の牧場があり、除雪はそこまでである。路肩に駐車スペースはない。その牧場の好意で敷地内に車を止めさせていただく。さもなければ国道沿いの路肩かそのドライブインの駐車場を利用するしかないのだが、雪の時期にはそれも難しいようだ。

積丹岳スキー:イメージ3

1月3日。牧場から、無雪季には林道となって避難小屋まで続く道を歩き出す。風が無く暖かい。とても真冬の北海道とは思えない。すぐに積丹川支流に沿った小さな原野に出た。小屋まではおよそ2時間。慌てることはない。木々に巻き付いた蔓から、黄色の、大きな葡萄のような果実が下がっていた。ひとつ採って口に入れてみるとこれが美味い。天然のドライフルーツだ。周辺を散策がてら何個も口に入れた。蔓でリースを作りお土産に、ひとつは再び現れた林道の入り口に目印代わりに飾った。林道は貯水池の脇を取り囲んで続いている。夏であれば、10数分で小屋に辿り着いてしまう。その時期には道を覆い隠そうかというクマザサも今はすっかり雪の下である。道はあまり曲がることもなく、緩やかな尾根を一気に稜線まで突き上げている。標高418m地点に休憩所があるはずだが、見つからない。しばらくすると、小さな山小屋が現れた。そして、そのすぐ先の開けた台地に目指す美国山岳会の山小屋。夏は、ここが登山口となる。

積丹岳スキー:イメージ4

小屋は三角屋根の大きな建物で、半分が台所兼休憩所の土間。残りの20畳ほどが畳敷きである。その真ん中にでんと大きなストーブが据え付けられている。ここを使用するに当たっては、もちろん許可を得てある。ストーブの点火にコツがいるというので、その方法も聞いてきた。室内はすぐに暖かくなった。夏には沢からの水も引いてあるのだが、冬は凍結してしまっている。ヤカンに雪を積めストーブに載せる。今夜のメインディッシュはカジカ鍋。余市の魚屋で買ってきたものである。軽量化を図って少な目にしたのが失敗で、あまりの美味さにアッという間になくなってしまった。やはりカジカは北国の冬の王様だ。

地元のスノーモービルが、入山者がいると聞いてやって来た。スノーモービルは、その音のうるささのために嫌われていることを判っている人らしく、ひどく低姿勢なのがおかしい。ストーブはつけっぱなしで構わないというのでそのまま眠ったが、だんだん暑くなってきた。火のそばから少しづつ離れ、しまいには寝袋は掛けるだけとなった。夜中、暖められた屋根の雪が解けて大きな音を立てて地面に落ちた。

積丹岳スキー:イメージ5

小屋の中があまりに快適だったので、外に出るのが怖い。しかし今日も快晴、ちっとも寒くない。8時に出発。しばらく樹林の中の切り開きが続く。去年はここで木が強風に折れた。その樹林も終わり、灌木となった。夏にはクマザサが3m以上の高さで覆う見通しの悪い登山道だ。冬は尾根が広く、灌木がうるさくてルートが判りずらい。コンパスを頼りに南西に進む。赤布も要所要所に付けた。稜線の手前で不意に灌木が消え広い雪田になった。さすがにここまで来ると風が出てきた。北海道の一番西なのだから当たり前だ。ルートを西に取る。立ちはだかるようにまっ白い台形の山が現れた。雪がクラストしてシールが効きにくいため、ツボ足でステップを刻む。乗り越えるとそこが山頂だった。小屋からおよそ3時間。眼下に白波の跳ねる日本海が見えていた。

滑りは最高のパウダー。何処までも一気に滑っていきたいが赤布の回収がありしばしば止まらされる。しかしそれを差し引いても誰もいない北海道の雪山に、それも厳冬期にシュプールを描くのは楽しい。まだ充分日の高いうちに下山し、地元の人お勧めの美国「藤寿司」へと向かった。

-DATA-

場所:
北海道後志支庁積丹郡積丹町
交通:
マイカー。ただし駐車スペースがほとんどない。除雪のじゃまにならない場所に置くこと。
もしくは余市町からタクシーを利用。注:北海道ではハイヤーと呼ぶ。
美国町にはタクシーは無し(当時。要確認)。
バスは美国より先(積丹岬方面)不明。
駐車場:
なし
トイレ:
非難小屋にあり
備考:
小屋使用の際は事前に許可を。美国町の「中島製菓店」の御主人が美国山岳会員。食料の買い出しなども余市町で済ませておいた方がよい。天候の急変などに備えて赤布などの目印、ビーコン、スコップ必携。アイゼンもあった方がよい。
藤寿司 上にぎり アワビもついて1000円。残念ながら近くに温泉はない。

ページのトップに戻る