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八重山諸島シーカヤック vol.3

Jul.27-Jul.28, 2001 まれびとの島渡り (西表島・白浜~外離島~白浜~鳩間島~バラス島~西表・上原)

八重山諸島シーカヤック vol.3:イメージ1

7月27日(旧暦6月7日) 満潮12:22 干潮18:28
昨日はおよそ40kmも漕いでヘトヘトになってしまった。ということでクーラーバッグにビールをたっぷり詰めて外離島までお手軽ピクニックに出かけた。しかし漕ぎ出てみると昨日の疲れか、それともただのやる気の無さかちっとも舟が進まない。やっと外側を廻って島の西の浜に着いた。一応四つ目の島渡りだ。潜ってもサンゴはほとんど死んでいてあまりキレイでない。やはりリーフの縁まで行かなければダメなのか。そこでさらに廻って内離島と接する辺りに再上陸。ここはサンゴはないが真っ白な砂がふたつの島を結ぶように堆積している。どんどん潮が退いているのでその砂がずんずん顔を出して白さを増している。インスタントラーメンを作って食う。キャンプ食として用意したが毎日の宿泊まりで全く手をつけていなかった。ジリジリした太陽の下でハフハフとラーメンを食うのもイイもんだ。それだけでは足りなくて、相棒がポーク缶とアルファ米で焼きめしも作ってくれた。そういえば、このおやじと初めて那珂川を下りに行ったときもマルシンハンバーグの焼きめしだった。こうやって陰ながら「あやしい探検隊」の林さんばりに働く相棒に拍手を送りたい。 まんぷく腹を抱え、今度は風の鳴る木陰で昼寝を貪った。

八重山諸島シーカヤック vol.3:イメージ2

7月28日(旧暦6月28日) 満潮13:50 干潮19:23
台風8号が近づいてきた。明日29日から大荒れのようだ。今日が航海最終日になる。鳩間島に渡りそれから西表の上原に戻る予定だ。出港時、LBカヤックステーションの人からサメに気をつけるように脅かされた。サメは自分より身体の小さいサカナを襲うらしく、一度自分の身体を擦り寄せて背比べをするという。那覇のKさんは、金武(きゃん)岬沖でこれをやられた時は生きた心地がしなかったと言っていた。二艘で縦長に繋がって大きく見せて漕ごう。漕ぎ出しは昨日と同じコースを取るので気が乗らなかったが何故か今日は軽やかに進んでいく。すぐに赤崎を越えてまるま盆山岩、祖納(そない)から干立の浜も懐かしい。上げ潮なのでリーフの中の浅い海を行く。緑に透き通った水がキラキラと太陽を反射する。右前方に大きな白いドーナッツのようなものが浮かんでいた。それはカヌーが近づくと、くるっと身体をねじったかと思うと一本になって海の底へ潜って行った。ウミヘビだ。肺呼吸のウミヘビはこうして酸素を補給しつつ漂っていることがよくあるらしい。宇那利崎を越えたところで上陸。ウナリ崎とは恐ろしそうな名前だ。きっと島の北西に面し、鳩間島との間の狭い海峡なので大時化の日には海神の唸りが轟くのだろう。本当は星砂の浜に上陸してビールを飲みたかったのだがリーフに早く入りすぎて行き止まってしまった。しかし裾を波に削られたサンゴ石灰岩の大岩に挟まれたこの浜もなかなか良いところだ。振り返ると遠く外離島が霞んでいた。

八重山諸島シーカヤック vol.3:イメージ3

いよいよサメの海だ。覚悟を決めて漕ぎ出した。それでもなるべく海底の浅いところを選んで進んだ。しかしそれもそんなには続かない。海の色がどんどん濃くなっていよいよ海峡核心部に来た。早く来いよ。縦長一列になって行くんじゃなかったか。相棒に向かって心のなかで叫んだ。波も出てきたのでパドルは動かしたままだ。やっと追いついて横に並んだ相棒は「潮に流されてるな」と言って先に行ってしまった。その言葉が呪文のように急に舟足が遅くなった。前を行く相棒艇もどこかヨタヨタしている。それからはもうサメなんて言ってられなくなった。向かい風、向かい潮に逆らってひたすら漕いだ。それでも鳩間島の姿は大きくなろうとしない。水を飲みたいが漕ぐのを止めて戻されたらもったいない。格闘、激闘2時間。赤い灯台を回り込み鳩間港に入港したときは疲れ果てていた。五つ目の島渡り。

八重山諸島シーカヤック vol.3:イメージ4

鳩間島はちょうど豊年祭で賑わって、人口60人の島が数倍に膨れていた。この日のために里帰りした人や観光客が港の前の広場で行われている祭りの踊りに見入っていた。ビールを飲んでソバを食ってあわただしく出発する。台風さえ来ていなかったら是非ともこの島に一泊したいところだが。わずか1時間の滞在。しかし垣間見た鳩間の集落は竹富のそれと違い何故かホッとする人の温もりを感じた。サンゴの死骸が堆積したバラス島が白く光っている。それを目がけて一直線にルートを取った。先行したので相棒が追いつくのを待っていた。波が高くなって止って待つには不安だ。漕ぎながら首を回して後を探すが見つからない。早く来いよ。波は横から打ちつけるようになった。やばいなと思って船首を波に向けると相棒がその先にいた。潮の流れを計算してルートを取っていた。おいおい、サメ除けに縦一列で行くんだろが。

八重山諸島シーカヤック vol.3:イメージ5

六つ目の島、バラス島は不自然に大きく盛り上がっていた。観光船のおにーちゃんに訊くと毎年人が積み上げているらしい。天然の堆積島と思っていたのに、それを聞いてガッカリした。しかしまっ白い陸の裾が鋭く青い海に落ち込む様はそれで美しい。輝きだした海に潜ると優しく揺れる光が海底に映った。西表上原港まで最後の航海。じっくり味わいながらパドルを降る。行く手の海が陽の光にきらきら光っていた。

-DATA-

場所:
沖縄県八重山郡竹富町
交通:
石垣島離島桟橋より上原行きフェリー(2,000円)上原よりバスで白浜(1日5便 390円)
駐車場:
西表白浜港、上原港に無料Pあり
トイレ:
白浜港、星砂の浜、鳩間港、上原港にあり
注意:
西表~鳩間の海峡はサメが出没するらしい。潮は西に激しく流れている
鳩間島:
人口60人の小さな島。山村留学で有名。島には商店が1軒のみ。食堂はない。渡るには石垣より週3便のフェリー

福井県常神半島

Jul.27, 2001

福井県常神半島:イメージ1

今回のパドリングは、関西に住む人にとっては海水浴等で馴染み深い若狭湾の西側に突き出た常神半島だ。三方五湖などをはじめとする観光スポットも数多い。我々シーカヤッカーにとってのこの辺りの魅力はなんと言ってもその海の美しさ。どういうわけか我々関西の、それも太平洋側に住む人にとっての日本海のイメージと言えば、波が高く暗く冷たいイメージが付きまとってしまうのであるが、実の所、特に夏場は何時出掛けても穏やかな透明度抜群の海が最高のシーカヤックツアーを堪能させてくれる、とびっきりのフィールドなのである。(但し夏場の週末は前途の海水浴客等多数でお勧めできませんが...)

本日の相棒はノブ君。気心しれたパドラー同士、互いのスケジュールさえ会えば前夜電話で「明日行く?」の一言で何処へでも出掛ける、超が付く好きものシーカヤッカー仲間だ。今日は日帰りであるし、のんびりとパドリングを楽しみビーチでゴロゴロしようと言う計画なので、半島のほぼ先端の小さな町の「常神」からの出艇とする。話はずれるが、三方五湖より漕ぎ出して、常神半島を回ってしまうコース等カヤックの上げ下ろし場所や駐車場はそこかしこにあるのでじっくりと何度も通って遊んで欲しい。

福井県常神半島:イメージ2

常神の港のすぐ横の小さな浜からカヤックを下ろす事が出来る。カヤックの準備をしていると浜のすぐ上のお寺の住職さんが声を掛けてきた。実はこのお坊さんもシーカヤッカー。常神の海の事を良く知っておられ、話をするのが常神へやって来る楽しみの一つでもある。

常神の港を出て岬の方に漕ぎ進むと、岬の先端に大きな岩が見えて来る。東側に回り込み、岩の中へとカヤックを進める。この岩は洞窟があってカヤックに乗ったまんま入り込めるのだ。潮周りによっては反対側にくぐり抜けられるので、干潮時がお勧めである。シーカヤックでの洞窟くぐりほど楽しいものは無いので、まだ体験した事が無いと言う人は是非味わって貰いたい。洞窟の中は差し込む光の加減で、言葉では言い表せない幻想的な雰囲気が実に良いのだ。

福井県常神半島:イメージ3

洞窟を楽しんだ後、次に向かうのは御神島(おんかみじま)。一時間もあれば十分一週出来る小さな島だが、ワンディでのんびりとパドリングするのにはちょうど良く、透明度抜群の日本海を楽しめるコースとしては最高である。常神の港からは、この島を50分程かけて一周するガラス張りの船底のグラスボート等も運行されており、グラスボートに乗ったお姉さんに手を振りながら島を一周した後、静かなビーチに上がり昼食とした。

-DATA-

場所:
福井県三方郡三方町常神半島
交通:
大阪から名神高速~湖西バイパスを乗り継ぎ約165キロ。
駐車場:
常神港内にあり/1日300円。
トイレ:
漁港内に有り。海水浴シーズンは付近のビーチに渡船がでており、幾つかのビーチには仮設トイレが設置される。
買い物:
付近には無いので、持ち込みが良い。
宿泊:
原則的に付近のではキャンプ禁止されていると聞いた。
民宿等は多数有り。海の幸は最高/6,500円~。

八重山諸島シーカヤック vol.2

Jul.25-Jul.26, 2001 まれびとの島渡り (西表島・大原~白浜)

八重山諸島シーカヤック vol.2:イメージ1

7月25日(旧暦6月5日) 満潮10:17 干潮16:57
今日も怪しい天気、朝から雷雨が降ったり止んだりしている。停滞日と決め宿の車を借りて島の観光に出かけた。板根を大きく張り出し鬱蒼としたサキシマスオウの森は不気味な精霊の宿る気がした。由布島への渡し口では数10年かけて、この島に一人で木を植え緑にしたおじぃの娘さんに会った。本を読んだばかりだったので短い出会いだったがうれしかった。午後から仲間川をさかのぼってみるがまたもや干潮時で、いくらも行かないうちに艇の底を擦りすぐに引き返した。マングローブの林にアカショウビンのかん高い声がひびいていた。

八重山諸島シーカヤック vol.2:イメージ2

7月26日(旧暦6月6日) 満潮11:14 干潮17:41
今日は南岸を廻り島の西側に出る。途中には前回沈したパイミ崎がある。集落のある舟浮まではおよそ40kmもある。気合いを入れて行こうとするがそれが入らない。仲間川観光船の船着き場から出航した。まずこの川を下って海に出なければならない。満潮時なので上げ潮に逆らって漕ぐことになる。河口に出るまでですっかりイヤになった。こんな調子で行けるのだろうか。不安をかき消すように海水をすくっては火照った身体に浴びせた。仲間港の岸壁を廻ると海水に浸食されたサンゴ石灰岩の海岸になり、海とせめぎあうようにモンパの木やアダンが揺れていた。相棒がションベンに上陸したのを見て俺も舟を着けた。そしてすぐに海に飛び込むと体中の細胞が冷やされて生き返った心地だ。再び舟に乗り込むとさっきまでの気怠さは吹き飛んでいた。遙か遠くに見える島の西南端、落水崎までもすぐに行けそうだ。岩の上に釣り人がいた。そこを過ぎるとすぐに長い砂浜が現れた。南風見田の浜だ。前回は来ることができなかった憧れの場所だ。前回パイミ崎のキャンプで一緒したカワシマちゃんは今年も来ているのだろうか。黄色のテントを探したがここからは判るはずない。海がキレイだ。この辺りはリーフが小さく深みがそれだけ濃い蒼をしている。やっと本当の沖縄の海を相棒に見せることができた。舟は離れているがきっとヤツもウォーと感動の雄叫びをあげているだろう。海岸線は断崖が続いている。鹿川(かぬかわ)湾手前の小さな浜のひとつに上陸した。砂にはキャタピラーが走ったようにウミガメの歩いた跡がいくつもある。きっと石垣のAさんや多良間島のSさんなんかこれを見たら大喜びだろう。産卵場所と思われる辺りを避け木陰で一休み。目線は自然と遠い水平線に行く。あの青い空と海のずっとむこうまで行ってみたい。

八重山諸島シーカヤック vol.2:イメージ3 八重山諸島シーカヤック vol.2:イメージ4

再出航。リーフの縁で立つ波が予想より早く崩れて胸まで被ってしまった。かなり浸水したのか舟の尻が重くなった。鹿川湾にさしかかると急に空が曇って、雨が降ってきた。おかげで涼しくて気持ちイイ。しかし視界が暗くて湾の奥までしっかりと眺められないのが残念だ。すぐ越えられると思った鹿川湾も意外と大きかった。落水崎には知床オシンコシンのような滝が流れ落ちていた。ここも上陸したい場所だ。再び空が晴れ渡り海はすばらしい色になった。エメラルドの中に魚が泳ぐのもはっきり見て取れる。深みはインクブルー、群青色、濃く深い青色はなんと表現するのか。そんなことを考えていると後から近づいてきた相棒が、「海が紫色やナー。」そうか、そんな言い方もあるか。落水崎を過ぎるとすぐだと思っていたパイミ崎までは悲しいほど遠かった。10kmちかくあることを忘れていた。おまけに潮が逆らしくちっとも進まない。すぐに疲れ果て水を飲んだり浴びたりと、海が凪いだぶんだけ漕ぐのをサボッてしまう。パイミ崎と以前沈したゴロタ石の浜が見えると元気復活。前回ミズブネでかわしたパイミ崎を回り込み砂が白く光る浜に上陸した。午後3時半、出発して6時間以上経っていた。

八重山諸島シーカヤック vol.2:イメージ5

3日もキャンプしたこの浜は懐かしい場所だ。その時は海が時化て閉じこめられたという暗い気持ちがあったが今日は違う。美しさも今回の旅で一番の浜だ。でもそれは俺だけではなかった。相棒はさっそくシュノーケルを着けクマノミと遊んでいる。名残惜しくも出発する。やはりビールやクーラーのあるところで眠りたい。舟浮、できたら白浜まで行っておきたい。すぐに網取湾が見えてきた。前回は干潮のリーフをカヌーを曳いて歩いたのでものすごく時間がかかったが、漕いだらほんのひと漕ぎだ。奥に東海大の海洋研究所が見える。サバ崎の浅い海に高床式の観察テントがあった。目の前の岩礁で営巣する海鳥を調査しているようだ。その岩礁からエリグロアジサシが飛び立って行った。ゴリラ岩はこっちからより反対側からの方が似ている。サバ崎を越え、内離島に沿って舟浮湾に入った。これでもう白浜まですぐのはずだった。しかし漕いでも漕いでも舟浮集落にさえ着かない。陽も傾きかけ海の色も鮮やかさを失い、白浜にたどり着いたときは午後7時を過ぎていた。

-DATA-

場所:
沖縄県八重山郡竹富町西表島
交通:
石垣港離島桟橋より大原行きフェリー(35分 2,090円)
駐車場:
大原仲間港、白浜港に無料Pあり
トイレ:
仲間港、白浜港にあり
注意:
西表島南および南西海岸は断崖が続き陸路はなし、潮も速い難所となる。またウミガメの産卵場所となっているので浜を歩くときには気をつけること。南見田の浜はキャンプ禁止
水場:
鹿川湾、落水崎、パイミ崎北の浜、崎山湾、網取・東海大海洋研究所、舟浮集落にあり
由布島:
入園料(水牛車渡し込み 1,300円)
「楽園をつくった男」森本和子著 アースメディア刊
外離島:
白浜沖3kmに内離島と並んでいる。半自給自足の住人が一人

八重山諸島シーカヤック vol.1

Jul.23-Jul.24, 2001 まれびとの島渡り(石垣島~竹富島~小浜島~西表島)

沖縄八重山の島々は広く石西湖礁に囲まれあまり外洋の影響を受けない。ここを島から島へ渡り歩く。それぞれの島にそれぞれの文化や人を味わい、誰もいない浜で泳いだり釣りをしたり、きっと楽しいに違いない。相棒の都合でチケットの一番高い夏休み中になってしまったが、それ相応以上の旅となった。

石垣まではもちろん飛行機、羽田から直行便は1日1便。それだけにプラチナチケットの感がある。今回JTBのホテルパックを利用したため、初日は石垣港離島桟橋前の石垣グランドホテルに宿泊できた。スーパーで食料や備品を買い足し翌朝の出発に備えた。

八重山諸島シーカヤック vol.1:イメージ1

7月23日(旧暦6月3日) 満潮8:34 干潮15:30
沖縄の夜明けは遅い。午前7時過ぎ、石垣港離島桟橋の片隅で舟を組み立てていると雷鳴と供に激しい雨が叩きつけるように降ってきた。遠くで低く鳴る音はさっきから聞こえていたが、今回もすんなりと出航させてくれなかった。しかし昨夜は暑苦しく、ほとんど眠っていないので体力を回復するにはラッキーだった。雨は上がったが暗い雲が流れる昼前、赤と青の二艘のカヌーは出発した。港の中は激しく往来する離島行き高速船の作る波が交差していた。港の防波堤に沿って進むが、近づき過ぎると今度は返し波がきつい。ゲートを過ぎ港の外に出ると波は収まり、海と空が拡がって竹富島が正面に見えた。黒島や小浜島、西表とこれから巡る島々も見渡せた。舟道を表す赤いポストが続いている。それに導かれるように進むと連絡船と鉢合わせになる。辺りを見回して舟道を外して一気にパドルを振り回すが、敵は動力船でみるみる近づいてくる。やっと安全なルートに入ってホッとすると目の前に竹富島の海岸線が広がった。すぐそこに平らな竹富島があるように思えたがそれからが意外に長かった。それでも追い潮に助けられて竹富東港に到着。結局出航してわずか1時間だった。

八重山諸島シーカヤック vol.1:イメージ2

小さな島のわりに港は大きい。これも人気の島で多くの観光客を運んだ船が着くからだろう。おきまりの赤瓦の待合所やトイレがあった。島渡りの一つ目成功。とりあえずホッとした。防波堤脇の浜に行ってみると、抜けるような空の下の眩い砂浜、という表現にはほど遠くガッカリした。相棒に見せたかった沖縄の海ではなかった。上陸しても店などは無い。船も出航した後で、静かな港から集落に延びる道はすぐにフクギの中に消えていた。顔を出した太陽の日射しに肌が痛い。水をたっぷり飲んで出航。小浜島を目指す。島の北側を廻ると浜はすぐに消え、海岸線まで緑が押し出していた。追い風がさらに強くなった。潮が退きはじめリーフの中を歩く羽目になった。これも沖縄の海ではお決まりのこと。リーフを出ると相変わらずの追い潮。遠くコンドイビーチが白く輝いていた。またもや空模様が怪しくなってきた。遠い空で雷の音が低く続いていた。二つの島の中間あたりまで来ると、正面に見える小浜島を大きく抱いたような西表島上空に黒雲が沸きあがった。そしてそこに激しい爆発音と供に稲妻が縦に走った。退却。しかしラダーが調子悪く、方向転換に手間取り相棒艇にどんどん置いて行かれる。向かいになった強風にクバ笠が飛ばされた。宮古島や久米島一周に使った思いでのものだ。拾わなければ。風と潮のせいで小回りできず、うまくいかない。あせればあせるほどクバ笠は遠くに流れていく。すまんと言い残して竹富島に向かった。友人のバレーボールが流れていったトム・ハンクスも同じ気持ちだったろう。

八重山諸島シーカヤック vol.1:イメージ3

相棒艇はコンドイビーチを目指していた。手前の小さな船着き場の方が近いのに。そんなにビーチの水着ねーちゃんを見たいか!俺も見たい。潮が退ききってどこかドブ臭いコンドイビーチに上陸した。竹富島一のビーチというが、どこが?という気分だ。水着ねーちゃんもいないのでいっそう面白くなかった。こんな裏口から島に上陸した人間も少ないだろう。集落に入ると赤瓦の家々は写真のとおりキレイにされていた。道も掃き清められるようにあった。しかしそれがどうもなじめない。人の生活臭さがまるで感じられない。 観光で生きる島の息苦しさが戻ってきた強烈な日射しに沸騰しそうだった。夜半からまたまた激しい雷雨となった。

八重山諸島シーカヤック vol.1:イメージ4

7月24日(旧暦6月4日) 満潮9:25 干潮16:14
予報では今日も不安定な天気。しかしコンドイビーチに行くと海は穏やかで小浜島が昨日より近くに見える。満潮でリーフも歩くことなく漕ぎ出せた。リーフを抜けると今日も追い潮、追い風でぐんぐん小浜島が近づく。波は少し大きいがそれに乗ってメリーゴーランドの木馬のようにカヌーが走る。「大きくなったら結婚しよーね」そう言ってエリーの駈けた防波堤を廻って小浜島の港に着いた。二つ目の島渡り。この港には店もありビールが買えた。ヒッチで集落の食堂へメシを食いに行く。乗せてくれた車のおねーさんは「DA PANP」SHINOBUの従姉妹と言っていた。出てきた料理は沖縄らしい納得のボリュームだった。島の北側を廻って漕ぎ出した。しばらく行くと草の斜面が小さな岬に繋がる途中にぽつんと一本の木が立っていた。フミヤがエリーを迎えに来たガジュマルの木だ。その下を相棒艇が通り過ぎて行く。干潮と重なり浅くなったリーフの縁まで歩く。その先、西表まではほんのわずかだがヨナラ水道が隔てている。別名マンタ水道。マンタ、オニイトマキエイがよく見られる場所だがサメも出るという。舟に乗り込むと一目散にパドルを振り回した。早く向こうに着かなければ。サメなんかに喰われたくない。宮古島一周の時は同じ日に俺の通ったすぐ近くでタコ漁師がサメに襲われている。わずか10分ほどの横断だった。とりあえず三つ目の島渡り成功。

八重山諸島シーカヤック vol.1:イメージ5

西表島側のリーフはほとんど顔を覗かせていて内を往くことはできなかった。由布島もリーフの奥深くで取り付くことが出来ない。縁に沿って外側を進むがこれがかなりの大回りになる。古見沖を過ぎると深みはどこにもなくなった。見渡す海のすべてが幼児プールになって浅い砂の海から海草が頭を出していた。新城島や黒島までも簡単に渡れそうだ。とうとう舟を曳いて歩く羽目になった。雨もポツポツと降りだし、もう笑うより他になかった。ヤケクソにわざと水を跳ね上げて歩いた。午後6時半、たくさんのマングローブの種が打ち寄せられた大原仲間港の隅に上陸した。

-DATA-

場所:
沖縄県八重山郡竹富町
交通:
羽田より石垣空港 空港からタクシー(10分・800円くらい)で離島桟橋
駐車場:
離島桟橋付近に有料Pあり
トイレ:
離島桟橋、竹富東港、コンドイビーチ、小浜港、西表仲間港にあり
買い出し:
石垣市街でそろう。ホームセンター「メークマン」は空港近くにあり
注意:
石垣港は高速船の発着が頻繁、安全を期すなら竹富島までフェリー(580円)で渡ること
必携:
日焼け予防に帽子、長袖シャツ リーフ歩きのケガ予防にスニーカー、ウエーディングシューズ、渓流足袋 潮の干満を知るために潮汐表 釣具屋にあり
宿泊:
体力維持に涼しいところで眠るために民宿を利用 1泊2食つきで5,000円ほど
竹富島:
赤瓦の街並みの残る島 水牛車での島内観光が有名(1,000円)
小浜島:
「ちゅらさん」舞台の島 ゴーヤマンは内地の方が手に入れやすい

直島諸島シーカヤッキング

Jul.20, 2001 夏本番

直島諸島シーカヤッキング:イメージ1

太陽はギラギラ、鮮やかな青い空の隅っこには入道雲がモクモクと立ち上がる、とんでもなく正しい夏空の下、直島諸島へシーカヤックキャンプツアーに出かけた。カヤックの準備をしているだけで汗だくのフラフラだ。準備もそこそこにPFDを着込んで海に飛び込んでクールダウン。プカプカと水面に浮かびながら、あっちにもこっちにも見える島々を眺めれば気分は盛り上がざるを得ない。20近い数の有人無人の島で構成される直島諸島は、日帰りから一泊でも二泊でも好みによってツアーコースは幾つでも用意出来る。更に体力や時間があれば豊島や小豆島、四国側へと漕ぎ出すのもかなり面白い。『シーカヤックでの島巡り』と言う「らしい」キャッチフレーズを鵜呑みに出来る良いフィールドだ。

本日の出艇場所は岡山県の日の出海岸である。駐車場から道具類を少々運ばなくてはならないのがちと辛い。更には、猫の額程の小さな浜辺にはジェットスキーやら海水浴の親子連れやらでごった返して騒々しい事この上ないのであるが、この辺りでは駐車場所を確保しつつカヤックをこぎ出せる貴重な場所であるからして、そうそう文句は言えないのだ。。。準備が出来次第さっさとカヤックを浮かべ出発するに限る。今回のメンバーは総勢8人の大所帯。全員南の島で知り合ったと言う「島大好き、夏大好き」な仲間の関西での同窓会である。

直島諸島シーカヤッキング:イメージ2

遅刻して来たメンバーが居たりして、のんびりと出発してしまった為に、予定していた島を回り込もうとしたとたんに強い潮流に押し戻されると言うハプニングがあった。しょうがなく180°向きを変え追い潮に乗って流れるままに島を回る事にした。楽ちんではあるが、カヤックで漕ぎ進めない様な潮流に乗るとカヤックのコントロールは確実に難くなるので要注意だ。幾つかの島の間を漕ぎすすみ、木陰がある涼しげなビーチに上陸して昼食。あまりにもの心地よさに、まだ一時間と少ししか漕いでいないくせに、今夜はここで野営しようか?等と言う意見も出たが、却下。この浜は東向きだ。西向きの浜を選んでサンセットタイム等を楽しもうではないかと言う意見を多数決で決めて再び海の上の人となった。

直島諸島シーカヤッキング:イメージ3

本日のキャンプ地は井島。半分が岡山県、もう半分が香川県と言う島だ。勿論西向きのビーチに上陸したのは言うまでもない。まだまだ太陽は元気な午後三時。お楽しみのハッピータイム。氷を砕きカクテル「シーカヤッカー」で乾杯だ。後は夕食が出来るまで三々五々、釣りをしたりシュノーケリングや昼寝を決め込みのんびりと過ごす。目の前の空が赤く染まり出す頃には、皆すっかり日々の生活は忘れ去り、良い顔になった。さてこれからはお楽しみの、焚き火を使ったシーカヤックツアーならではの豪快な夕食のはじまりである。ムード満点の焚き火の炎とキャンドルの周りで全員少々食べ過ぎ&飲み過ぎ。昼間の暑さが嘘のように潮風が心地よい。

今夜のハイライトがもう一つ。すっごい数の夜光虫が我々を歓迎してくれた。石を投げれば飛び散る波紋までもがキラキラと光る。こんな夜にはパドリングしない手は無い。既婚女性や男はパス。(笑)独身女性だけをカヤックの前に座らせて、一漕ぎする度にキラキラ光る海面を眺めながらのナイトパドリング。空を見上げれば流れ星が。まったく文句無しの一夜である。

直島諸島シーカヤッキング:イメージ4

最後に注意点。必ず確認しておきたいのはこの辺りはフェリーや貨物船の行き来がかなり激しい場所である。航路は必ず海図等で確認しておく事。漁船は勿論、特に休日はプレジャーボートの類も凄まじいので要注意だ。場所によっては潮流も激しく、この海域はやはり経験者とのパドリングをお勧めする。言うまでもないが焚き火の始末、ゴミの始末は我々シーカヤッカーのフィールドを守る為にも確実に行いたい。

-DATA-

場所:
香川県香川郡直島町井島 直島諸島
交通:
宇野港より車で5分程。玉野競輪場すぐ横。
駐車場:
日の出公園駐車場を利用。(無料)
トイレ:
公園内に有り。
買い物:
宇野港周辺に行けばコンビニ等。

奥会津リバーツーリング

Jul.01, 2001 伊南川~只見川カヌーツーリング。

奥会津リバーツーリング:イメージ1

福島県の南西部に位置する奥会津の里は、檜枝岐村。舘岩村。伊南村。南郷村。只見町。金山町。昭和村。三島町。柳会津町の、九つからなる町村によって形成されている。その流域には、檜枝岐川と舘岩川が合流して伊南川となり、約60kmの流程をへて只見川に合流する福島県最後の清流がある。最後のと敢えて言ったのは、伊南村合流から只見町まで約45キロ程の流程間には、パドラーが超えられない大堰堤は皆無だからだ。しかし、堰堤計画は今現在存在しています。山岳渓流の荒々しさから、山野草が咲き乱れるフラットなチョークストリーム迄をのんびり過ごすカヌーツーリング。今回は、伊南川のアユで有名な山里のリバーツーリングから、釣りとキャンピングライフを紹介します。

奥会津リバーツーリング:イメージ2

私が愛用するカヌーは、20年程前に手に入れた13フィートのオープンカヌー(フジタ製)だ。穴が開いたのは数え切れないぐらいだが、その都度グラスファイバーで保守しているので、何とか今でも浮いてます。でも、継ぎ接ぎだらけでとても人前には出せない代物なんです。そんな相棒に命を託して、舘岩川と檜枝岐川の合流地点(内川地区)から、一泊二日の清流下りを開始しました。漕ぎ出してから直ぐに、小さな堰堤を難なくクリアしたが第一の関門となる舐め底の一枚岩が迫っていた。このフィールドは、急な左カーブから筋目のある一枚岩のトレールを過ぎると直ぐに、落差1メートル程の落ち込みプールになっている。増水等で危険な時は、一旦カヌーを担いでプールから再び漕ぎ出すが、今回は平水だったのでフロントの荷物ウエイトを調整して一気に突入。この岩場の筋目は3つ有り、どのゲートにトップ(舳先)を向けるかが勝負所だ。一瞬にして左サイドと判断、パドルでスピードダウンしながら無難に通過!しようと思ったら、何と流れの割れ目に玉石が挟まっているのを見てしまった。ガツーンと小気味いい音が、ケツの下から湧き上がり目前の落ち込みも頭から消えてしまった。何のパドルワークも無しにプールに着地。いや、着水して我に返った。大きな開口部は無かったが、急いで引き上げて船底をチェック。70cm程の引っ掻き傷は有ったものの、相棒の命に別状は無かった。しかも、この場所で良型ヤマメをルアーでゲット。怪我の功名か、晩のオカズは確保できました。

奥会津リバーツーリング:イメージ3

大きな転覆事故も起こさず、伊南村を過ぎて南郷村に侵入を試みた。上流部から比較すると、川幅も20m程に広がり大きな淵が連続してくるリバーエッジが多くなる。南郷村役場裏周辺は、立ち込みでは入渓不可能なベストエリアをルアーフィッシングで狙う。タックルは、6フィートUライトアクションロッドにABUカージナル33をセット。ラインは、5ポンド100ヤードをストック。この辺りは、スーパーヤマメと称する熟女魚達が生息しているのだ。熟女魚とは、何者かだと!疑似鈎師が誘う偽者のプレゼントを巧みに交しながら、修羅場を潜り抜けてきた尺上の幅広山女魚をそう呼ぶのです。セットルアーは、6gバイトスプーン。これは、私のオリジナルカラースプーンだが、数々の実績をモノにしている自信作です。リバーサイドにカヌーを寄せて、アップクロスにファーストキャスト。流速5キロ、水深約1m程の本流域だから、ターゲットは複数たむろして居る筈だ。しかし、期待に逆らってヒットセレクトの三つ目までがノーアクション。瀬尻まで少し下げてから、縁起の悪い四番手はパープルオレンジに決めてシューティング。沈石の左サイドを通過した時、ノッシリと分身に吸い付いてきました。永年の感触から、熟女魚と判断して慎重にランディング体制を敷く。否応無しに引き寄せられた獲物は、ピンクの頬にブルーマークを纏った尺上の山女魚だった。テールウオークを満喫してから、気分良く彼女を解放して今夜のキャンプサイトを求めパドルを握った。

奥会津リバーツーリング:イメージ4

リバーキャンプは、只見町に進んでから直ぐの左手河原に決めた。この場所は、夜中の増水にも安全な台地があり、流木も沢山あるのでベストサイトになります。手早くモンベルのテントを設営して寝床は完了。キャンプと言ったら、焚き火ですよね。私は、一人旅でも夜花火(火の粉)が好きでいつもしています。河原の玉石で、ファイアーサイトを構築してから焚き付けを下に重ねます。時間が有れば、ナイフで切れ目をたくさん入れて、着火効率を高くします。古木をどんどん燃やして置き火を作ります。パーコレーターでコーヒーを入れながら、ハンゴーを並べてから獲物を調理。付け合せは採取したクレソンしか無かったが、置き火が沢山有れば濡れたウエアも乾きますし、ご飯も焼き魚も美味しく出来上がります。もちろん、明朝の出発前に焚き火の形跡を残してはいけません。後片付けは、キャンパー最後の仕上げです。

南会津山里のリバーツーリングライフは、檜枝岐村。舘岩村。そして伊南村から南郷村を経て只見町に進入。約一時間程で、田子倉ダムから流下する只見川と合流します。この流程間には、小豆温泉。古町温泉。きらら温泉。宮床温泉。さゆり温泉。湯ら里温泉。等いつでも入れる湯船が待っています。流れも小さな堰堤が数ヶ所ありますが、ハードルートも無くカヌーをちょっと担げば容易に乗り越えられます。黒谷川の合流地点では、上陸して手打ちソバを味わったり、昔のサケ漁歴史資料館(昔は日本海からサケが大挙して遡上していた)を覗くのもいいでしょう。但し、増水時にはハードランディングエリアも二ヶ所程出現しますので、油断は禁物ですよ。私なんか、数年前横転してカヌーに逃走された苦い経験があるんでね。安全確認は必ず実施してください。

-DATA-

場所:
福島県南会津郡
交通:
磐越道坂下IC→R252経由→R289伊南村まで約一時間30分。
東北自動車道西那須IC→R400→R121→R289経由。舘岩合流まで約2時間。
駐車場:
河原
トイレ:
河原

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