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多良間島シーカヤック一周敗退

Apr.26-May.07, 2001 東シナ海のまんまる島

多良間島シーカヤック一周敗退:イメージ1

以前この島の上空を飛んだとき、そのあまりにまるい姿に感動した。早速地図で調べるとその島は多良間島といった。うりずんと呼ばれるこの季節は意外と風が強い。過去西表島や宮古島でそれはたっぷり経験済みである。しかしこの島はリーフに囲まれているためにその中を航行すれば安全に回ることができる。何しろもしも沈しても足の届くほどの浅い海なのだから。

多良間島シーカヤック一周敗退:イメージ2

羽田から宮古島空港までは直行便がある。そこからRAC(琉球エアーコミューター)に乗り換える。この飛行機は19人乗り、まるでおんぼろマイクロバスのようで思わず不安になる。しかし景色は抜群で、赤土の畑や白い来間大橋、海一面に広がるエメラルドグリーンの珊瑚礁が手に取るように見えた。20分で多良間空港着。これまた小さな空港ビル(?)だ。空港は島の南海岸にあり、集落は島の北部にある。ベースとするのはその北海岸ナガシャギトゥブリにある「ふる里公園」、この一郭がキャンプ地に指定されている。ちなみにトゥブリとは海への降り口を意味する。

多良間島シーカヤック一周敗退:イメージ3

4月30日。昨日まで続いていた北風から西に変わった。今日は最高の天気。満潮時の前後4時間をリーフ内航行すれば楽勝で一周できる。潮がリーフの中まで満ちてきた。目印にしていた丸い岩も足下は海に浸かっている今が出発時だ。満潮までちょうど2時間。新兵器のデジカメも防水ケースにセットして漕ぎ出した。リーフの縁では白波が立ち上がっているがここは別世界のように穏やかだ。その向こうには一世帯3人しか住人のいない水納島が横たわっていた。テン場前から続いた砂浜が途切れてサンゴ石灰岩のギザギザの海岸が続く。高さはそれほど無く、島で最も高い鉄塔はどこからも見えた。写真を撮りながらのんびり進む。ときにはリーフの縁まで行ってわざと波を受け止める余裕もある。沈しても所詮リーフの中、少し潮が退けばすぐに足が立つ。島の西側まで来ると荒れてきた。白波がリーフを越えて押し寄せてくる。横波が砕けて舟にかぶり浸水した。ここだけはリーフが狭い。そこにかなり混み合って岩礁がありコース取りが難しい。上陸して様子を見ることにした。

多良間島シーカヤック一周敗退:イメージ4

狭い浜の隅に手作りのベンチがあった。さらにモクマオウとアダンのジャングルに踏み入ると小屋掛けの骨組み、これにシートを被せれば立派なテントになる。大きさは車庫くらいはある。スノコ板も敷かれていた。世捨て人の住処か。西表の崎山湾にもあった。沖縄はそんな気持ちにさせられるところなのだ。さらに進むと林道と合わさった。そこにフタツガーと来歴の書かれた標識があった。ガーはカーにつながる。カーはアカ、アカはアクア、すなわち水を意味する。その通り深い洞窟のなかに井戸があるようで、昔の集落跡だっだ。

多良間島シーカヤック一周敗退:イメージ5

偵察を兼ねて再び舟を出したがすぐに引き返すことにした。このままでは舟を壊す危険がある。リーフの外に出られれば簡単にかわせるのだが。それが叶わない。映画「CAST AWAY」を思い出した。何もこんな時に慌てて廻ることはない。まだしばらくいるのだし、どうせなら一番きれいな海を漕ぎたい。4時間で一周できるのだから。また写真を撮りながらたらたらと引き返した。途中で潜りもしたがサンゴはほとんど死んでいた。ちぎれたアーサ(アオサ)がたまごスープのように舞って身体にへばり付いて気持ちが悪かった。明日へ期待してテントに戻ったが、翌日は地元の人に誘われた追い込み漁出足を怪我して、おまけにその時のオトーリ(宮古・多良間地方独特の酒の飲み方)で二日酔いに。さらに次の日からは天気が崩れて再出航できずに敗退した。

テン場から歩いてすぐのところに八重山遠見台がある。船舶往来の見張り台跡。往時を偲ばせる石灰岩の石積みには木々が生い茂り、それを囲むようにテッポウユリが咲いていた。訪れる人も少なく、展望台の屋根に鳥が巣を架けせわしなく鳴いていた。土原(ンたばる)の拝所(ウガン)には八月踊りの舞台があった。人頭税への島民の悲哀や完納の喜びが赤木やガジュマルのなかにひっそりと閉じこめられていた。踊りの伴奏は多良間三声という8拍の旋律が三つ、それを何度も繰り返す。琉歌の三八六と関係があるのだろうか。多良間言葉は首里王朝の名残りがあり、イ゜、ム゜、リ゜などの音がある。民俗博物館で指導を受けるが難しい。ム゜、リ゜は英語の m.lの発音に似ていた。

-DATA-

場所:
沖縄県宮古郡多良間村多良間島
交通:
宮古島から空路20分、一日3便。海路2時間半、一日おき 2100円。
駐車場:
どこでも止められる。ただし運転は注意。島の人の運転は非常にゆっくりで制限速度を超えることはない。また交差点でも優先道路の標示はなく年長者が優先というのが島の常識。
トイレ:
キャンプ指定地「たらまゆがぷうランド(南海岸)」「ふる里公園」および集落内の公園にあり。
名物:
「パナパンビン」(小麦粉を揚げたお菓子)島内に数軒の製造直売所があるがどこも目立った看板はあげていないのでうっかりすると見落とす。「八月踊り」旧暦の8月8~10(新暦九月)に行われる島最大のお祭り。人頭税に苦しめられた島民が納税の報告と豊年祈願の奉納踊り。

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