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ファラリキ・ビーチ

Feb.27, 2001 とっておきのサーフィン・スポット

ファラリキ・ビーチ:イメージ1

我がホーム・フィールド、エイベル・タズマン国立公園は大変穏やかな海域。それがニュージーランド(以下NZ)No.1シーカヤック・フィールドの一因であるのだが、サーフィンに関してはかなり絶望的な状況だ。私のもう1つのお気に入りフィールドであるマルボロ・サウンドもまた同じ。やはりサーフは外洋に出ないとダメだ。というわけで、我々はサーフィンと言えば、たいていファラリキ・ビーチ(以下ファラリキ)に出かける。今回も社員旅行でファラリキにサーフィンに出かけた。サーフィンと言ってもそこは『パドリングレポート』のこと、普通のサーフボードを使ったものではなく、勿論パドル・サーフィンである。

ファラリキ・ビーチ:イメージ2

ファラリキは、南島北端に横たわる三日月型の長大な砂丘、フェアウェル・スピットの付け根付近にある、それはそれは美しい海岸。文字通り地の果てにあるシークレットビーチなのだが、見事なアーチを持つ岩山が海面からニョキニョキとそそり立ち、この上なく細かい砂は目を奪うような不思議な風紋や波紋を砂丘や波打ち際に残してくれる。この奇景は絵葉書でもよく目にするので、最近人気が高まっている隠れ観光スポットだ。その上、外洋タズマン海に面する西海岸なので、常に素晴らしいサーフが打ち寄せているというのだから堪えられない。『パドリングレポート』でオットセイと共にサーフィンをした経験をご紹介したが、実はあれもここでの出来事。あの忘れがたい経験から1年以上経ってしまったが、今回もオットセイと共に波に乗れるだろうか?期待に胸を膨らませつつ、車を飛ばした。

ファラリキ・ビーチ:イメージ3

しかし、何度来てもこの山道だけは辛い。実は駐車場からビーチまでは1km以上の道程、しかもご覧の通り急な牧場の中を人1人がやっと通れるだけの細い小道を踏んで歩かなくてはならない。最新の軽いロデオ艇を持つ体力自慢のキウィ(NZ人)の同僚達はまだしも、古くてデカクて重い艇を駆る小さな日本人の私には、この行程はとてつもなくキツイ。私がビーチに着いた頃には皆スッカリ支度を整えて今しも漕ぎ出そうという状態。私はといえば、完全にグロッキーだ。それでもこうしてやってくるのは、前述の通りここがとてつもなく美しく、そしてとんでもなく素敵な波の立つビーチだから。こんな贅沢なサーフィンスポットは、なかなかないだろう。ここがあまり混雑していないのも、この山道のお蔭に他ならないわけだから、文句を言ってはバチが当たるかもしれない。

ファラリキ・ビーチ:イメージ4

ともあれ、一休みしたらいざ出撃。季節が日本とは逆転するここNZのこと、ここ数ヶ月は忙しくてサーフィンは4ヶ月ぶりだ。しかも前回はシーカヤックを使ったので、リヴァー艇で波に乗るのはほぼ1年ぶりの事。身体がちゃんと動いてくれるかどうか、一抹の不安がよぎる。久しぶりにドライスーツを着てヘルメットを被り、普段使わないごついスプレースカートをウンウン言いつつ艇に装着すると、気持ちが一気に引き締まる。普段呑気な装備でパドリングしているシーカヤッカーは、たったこれだけの事でも緊張感が高まってしまうのだ。深く一発深呼吸をかまして、突撃!久しぶりのリヴァー艇や、リヴァー用のパドルの感触を確認しつつ、正面から迫り来る白いサーフを1つずつ乗り越えて沖に向かう。イヤハヤ、艇の軽い事!逆にパドルの重くてフェザー角の大きい事!そうそう、シーカヤックじゃないんだから、パドルはしっかり立てて漕がないと。段々と身体が思い出して来てくれるのが、なんとも楽しい。よし、そろそろ乗ってみるか。折りしも大きなセットが入って来始めたらしい。いち早く沖に出ている同僚たちが乗っていない波を見つけて180°ターン、タイミングを見計らって前傾気味の姿勢で短く速いピッチのパドリングを始めると、直にスターンがスッと浮き上がる。それに合わせてこちらも弱冠の後傾に姿勢を切り替えた瞬間、背中に蹴飛ばされたかのようなショックを受けて艇は一気に加速し始めた。シーカヤックだと艇が長いので波を直接背中に食らうことは少ないが、短いリヴァー艇だと背中を文字通り蹴り飛ばされる。これをすっかり忘れていたので、久々に背中に受けるショックに面食らう。と、そんな事に気を取られているうちに、すぐに艇は右に向き始める。右にリーンしつつ、左にスターンラダーを入れる。効かない!ちょっとタイミングが遅れた。ならばと、右のフォワード・スィープを入れようとするがこれも効かない。やはり身体の反応が鈍くて後手後手に回ってしまう。横を向かされてブローチングの態勢になりそうになった瞬間にヤケクソでかました右のリヴァース・スィープは、3度目の正直だかなんだか知らないが、上手く決まってしまってバックサーフィンに持ち込めた。が、悪あがきもそこまで。そこからもう半回転させようと試みる暇もなく、波は消えてしまった。う~ん、悔しい!でも面白い!!もう一丁!!!

ファラリキ・ビーチ:イメージ5

2発目の波はさらに強力で、乗った瞬間に完全に横を向かされ、足掻き続けたにもかかわらず結局ブローチング状態を脱する事が出来ないまま100m近くサイドサーフィンで持って行かれた。くそぉ、勿体無い・・・。そして3発目の波でやっと艇の向きをコントロール出来た!と思った瞬間、チューブに呑まれて本日初沈。クゥ~、爽快!そうそう、これぞサーフィン。スピード感、波のパワーに対する小さな恐怖感、「やった!」という達成感、そして水の中に叩き込まれる爽快感、そしてロールで起き上がって来た瞬間の次の波に対する警戒感。そうした感情が綯い交ぜになってドンドン交感神経を刺激し、脳内は合法ドラッグでハチ切れんばかりになる。ふと回りを見渡せば、同僚だけじゃなく、ボス達も波を切ったり、沈してロールしたりして奇声をあげている。

ファラリキ・ビーチ:イメージ6

結局丸々1日波と戯れ続けた。沈&ロールも20回以上やっただろうか。同僚の駆る最新のロデオ艇を借りて、その操作性のあまりの良さに仰天したりもした。波乗りの醍醐味を、心行くまでタップリと堪能。他のサーフスポーツと違ってパドル・サーフィンの場合は水に浸かっている時間が短いので、体力の消耗が少なく、より長く楽しめるという利点もあるのだ。でも残念ながら今回はオットセイは遠くからこちらを眺めているだけで、結局一緒に波に乗ってくれなかった。

-DATA-

場所:
・プポンガ・ファーム・パーク - ニュージーランド南島北端部の35kmにも及ぶ長大な細い三日月型の砂洲、フェアウェル・スピットの付け根に位置する。NZでは珍しくDOC(NZ自然保護局)が経営する牧場公園である。
・ファラリキ・ビーチ - 上記パーク内にある、美しいビーチ。外洋タズマン海に面する西海岸のビーチゆえ、いつも素晴らしいサーフが立っている。もちろん海水浴ビーチとしても申し分ない。(ただしサーファーには要注意)
交通:
ネルソンより国道6号線、60号線を経てゴールデン・ベイ地方の中心の町、タカカへ。タカカからさらに北上し、コリンウッドの町の手前をフェアウェル・スピット方面に左折。次に現れる道をやはりフェアウェルスピット方面に右折。プポンガの集落を過ぎると、フェアウェル・スピットは右折となるが、ファラリキへは直進の未舗装路をそのまま進む。駐車場で行き止まりになるので、あとは道標の通り、牧場の中の山道をビーチまで歩く。ネルソンから車で約3.5~4時間。
駐車場:
あり(無料)。
ただし本分中に記した通り、駐車場からビーチまでは遠いので、カヤックの運搬には相当な体力と覚悟が必要。
トイレ:
駐車場にある。ビーチには無い。
ビーチでのキャンプは禁止されている。
ちなみにビーチには海の家なども無いので、食料、飲料水などもすべて持参のこと。
サーフィンに関する諸注意:
・ヘルメットは必ず着用のこと
・トウライン、ナイフ、パドルリーシュなど、サーフゾーン内での怪我の元になりそうなものは極力もたない。持つ場合はサーフに巻かれて揉みくちゃにされても大丈夫なようにシッカリと仕舞っておくこと。
・言うまでもないが、沈脱対策のためにカヤックの中には十分な浮力体を入れておくこと。別に高い専用のものを買わなくても、ペットボトルでも構わない。
・他のサーファーの動きには要注意。実は先日同僚がサーフィン中に、同じくサーフィン中の他のカヤックの直撃を食らって肝臓破裂の大重傷を負い、危うく命を落としかけた。その直後の社員旅行だったため、今回は皆衝突にはいつも以上に神経を遣い、進路が交差しそうな時はかなり早めにワザと沈して衝突を避けていた。内臓破裂は稀な例だろうが、皆さんも十分に気をつけていただきたい。

エイベル・タズマンカヤックツアー

Feb.20, 2001 ど素人によるカヤックレポート

エイベル・タズマンカヤックツアー:イメージ1

今回は釣りレポートではなく、カヤックだ。それもシーカヤック。ニュージーランドに来てやってみたい(やらなければいけない)アクティビティの一つだ。しかも、やる場所とツアーは日本を発つ前から決めていた。南島に釣り歩きに来てネルソンへ行ったら必ず参加するのだと心に決めていた。そう、ここ Gofieldにレポートを寄稿しているRyuさんのツアーにだ。ちなみに、私は生まれてこのかたカヤックをやったことがない。そう、一度たりとも。

まずはツアーの予約を入れる。電話で「Ryuさんのツアーじゃなきゃ嫌~」と断りを入れ、予約完了。そのため、2日待つことになったが気にしない。時間はたっぷりとあるのだ。ツアーは丸一日、昼食付きでNZ$99だ。当日は快晴。集合場所マラハウまで送迎があるのだが私はネルソンの隣り町、モトゥエカのバックパッカーズから車で集合場所まで向かった。SH60をタカカ方面へ、途中マラハウ方面へと右折する。道なりに一時間ほど走り、ビーチ近くの集合場所に到着。

エイベル・タズマンカヤックツアー:イメージ2

8時半の集合時間になって、この日のガイドと同じツアーに参加する人を紹介される。ガイドは当然Ryuさんだ。まずはお互いに自己紹介をする。ツアーに参加するのは全部で8名。私と日本人カップル、ドイツ人の老夫婦2組、イギリス人女性だ。次に本日のコースと緊急時のための無線の使い方を教わる。そして実際に自分の乗る艇を決める。お客はタンデム艇に乗る。私はイギリス人のジェシーと乗ることになった。まずは、ライフジャケット、カヤック用の靴、スカートを着ける。そして、乗り降りの仕方から艇の使い方、転覆時の脱出方法などのレクチャーを受け、今度はパドリングの練習だ。みんなで輪になり、中心でRyuさんがお手本を見せる。まずは前進、次に後進。よく注意して聞いていれば全く問題ない。しかし、ドイツ人のオバちゃんには理解できないようだ。特にバックは全く出来ない。突然、「私には出来ない」と言って泣き始めた挙げ句、「恐ろしくて行けないわ」と。これにはRyuさんも困り果てていた。しかし、Ryuさんの「バックするときは、後ろの主人が出来るから大丈夫」との言葉にオバちゃんは気を取り直し出発することになった。

エイベル・タズマンカヤックツアー:イメージ3

海岸までは自分たちで艇を運ぶ。これもなかなか楽しい。浜に着くともう目の前にはエイベル・タズマンのすばらしい景色が広がっている。空には雲一つない。海はベタ凪だ。私は後席に乗る。艇を操作してみたかったのだ。いよいよ漕ぎ出す。その時、「スーッ」と絵の中に漕ぎ出していくような感じがした。すばらしい開放感!!!そして、どこからともなく笑いが込み上げてくる。自由自在にカヤックを操り海を進む・・・と言いたいが、実際はそうでもなかった。とにかく、舵の感覚をつかむのが非常に難しい。まっすぐ進めないのだ。しかし、それも初めの30分。海岸沿をゆっくりと時には速く、気持ちいいほどに進んでいく。見所では、Ryuさんの詳しい解説が入る。正にカヤックツアーだ。

エイベル・タズマンカヤックツアー:イメージ4

1時間も漕いだところで、適当な海岸に艇を着けお茶をする。さっきまでビクビクしていたオバちゃんは満面の笑みでお茶を飲んでいた。休憩後そのまま北上するか、少し離れたアデール島に行くかみんなで選ぶ。しかし、全員一致でアデール島を希望。再度艇に乗り込みアデール島を目指す。時折、ウォータータクシーの引き波を受けるのもスリリングで楽しい。1時間も漕ぐとアデール島に到着。漕ぐのに慣れていないど素人の自分にはちょうどいい間隔だ。Ryuさんが昼食の準備をしている間は、シュノーケリングをして楽しむ。昼食は有機野菜を使ったこの会社オリジナルで、とにかくうまい。どんどん食べる。これから貧乏旅行が続く、ここでしっかり食べておこうと言う自己防衛能力が働いたようだ。昼食後しばしボーッと海を眺め、次にRyuさんの艇を借りて「ロール」の実体験だ。ちなみにこれはオプションでも何でもなく、単に私が「ロールってどうやってやるの?」という疑問を持っていたのでこの機会に体験させてもらうことにしたのだ。ロールの原理を聞いて約15分ほどロールの練習をした。時間が十分でなく3分の2くらいまでしか自分で起き上がれはしなかったが、「ロール」と言うものの原理が分かり感動した。

エイベル・タズマンカヤックツアー:イメージ5

さて、今度は帰らなければならない。再度海に漕ぎ出す。今度は前に乗った。前に乗るのもこの上なくいい。視界は開けて更なる開放感に後席にはない良さがある。なぜか漕ぐのも楽だ。30分も漕ぐとRyuさんから集合の合図。ここからがクライマックス。決して毎度できることではないが、4艇が密集体系をとり、帆を張り、風に乗ってマラハウのビーチまで帰るのである。パンフにも載っていた写真を思い出す。今まさにパンフと同じように帆を張るのだ。帆が「バッ」と音を立てて風を捕らえると、同時に密集体系をとった4艇がグングンと進む。全員満面の笑顔で顔を見合わせ、笑い出す。上陸の時も帆を張ったままビーチに乗り上げる。帰りは楽な上に最高に楽しいオプションだ。

エイベル・タズマンカヤックツアー:イメージ6

一日中遊んでもまだまだ疲れたという気はしない。最後は、全員で今日のツアーの話しをして盛り上がる。料理がおいしかったこと、帆を張ったこと、とにかく景色がよかったなど話は尽きない。また、あれほど怖がっていたオバちゃんは「もう一度やってみたい」と言っていた。当然、私も「もう一度」だ。いや、「何度でも」

-DATA-

場所:
ニュージーランド南島北端 エイベル・タズマン国立公園
交通:
ネルソン、モトゥエカから無料送迎あり。
駐車場:
あり
トイレ・シャワー:
あり
料金:
NZ$99
エイベル・タズマン・カヤックス:
国内最古かつ最大のシーカヤック・ツアー会社
フリーダイヤル : 0800-527-802
website : http://www.onjix.com/ata/

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