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北海道渡島半島岩部海岸

Jul. 20-21, 2000 野生の断壁が続く岩部海岸ツーリング

今週は何処へ行こうか。久しぶりの4連休という事で、いろいろ作戦を立ててはいたのだが、嫁さんは4日とも仕事になってしまったので、少し遠出したいなぁ・・と、血が騒ぎ出す・・・。しかし連休後半、北海道全域で悪天候が予想されるので1泊もしくは2泊で我慢しよう。
北海道も7月中旬を過ぎると海岸は海水浴客で騒がしい。地図を開き、指で海岸線をなぞっていくと、道南で指が止まった。陸上からのアプローチの無い海岸線が10km程続き、山々が文明社会との接触を遮断しているような素晴らしい場所があった!
そこは北海道は渡島半島南端近くに位置する福島町から知内町までの岩部海岸である。1/200,000の地図では小川の注ぎ込む入り江も何箇所か確認できる。札幌からのルートは国道230号線から豊浦で37号線を西へ、長万部で5号線に変わり、函館から228号線で40分位である。札幌から函館までが5時間位なので6時間もあれば出艇場所の福島町岩部漁港に到着するはずだ。
水曜日に職場の同僚の錦織に「行くか?」と聞いたら「行きますよ!」と乗り気である。彼はカヤック歴2ヶ月だが、何処にでも貪欲について来て、もう1人前のシーカヤッカー?になりつつある。もう一人メンツが欲しいなー・・と考え、フライフィッシャーマンの滝沢に誘いをかける。早速、「海からしか行けない川に行く~?」と聞いたら二つ返事で参加することになった。滝沢はカヤックを持っていないので、僕の嫁さん用のアクアテラ・シミターを貸してあげよう。海からしか行けない=人が入っていない=お魚様がいっぱい!という事で彼は目の色が変わり、もう頭の中ではロッドを振っているのでしょう・・・・滝沢はパドリング歴1時間未満の初心者なので、地獄を見ないようにがんばってもらおう!!

北海道渡島半島岩部海岸:イメージ1

7月20日 海の日なのに、天候は良くない。朝7時に来るはずの錦織が8時になっても現れず、結局札幌を出発したのは9時になってしまった。途中函館を経由して買物しながらのんびり走っていたら、岩部漁港についたのは夕方4時であった。カヤックにパッキングして漕ぎ出したのが午後5時で曇り空のせいか、もう日が暮れたようである。漁港を出てすぐのツバクラ岬をかわすとそこから何キロもの大岸壁の海岸が目の前に広がった。スゴイ!こんな場所があったとは。人工物も全く無く、普段神経を使う観光船や漁船がまったくいない!!!

北海道渡島半島岩部海岸:イメージ2

1キロほど漕ぐとタタミ岩の入り江に到着。今夜はここにテントを張ることにする。ここは岩部海岸の唯一の人工物であろう、番屋がひっそりとたたずんでいるだけで、滝や小沢が流れ込んでおり、流木もいっぱいである。3人ともその景色に興奮状態である。僕は、沢山の流木を燃やし尽くすことに!滝沢は小川でのフライフィッシングに! 錦織は何に興奮しているのか海に向かって雄叫びをあげている。お~いだいじょうぶかぁ?テントを張り、流木を集めて宴会スタート。そのまま無人ビーチの夜が更けていく。

北海道渡島半島岩部海岸:イメージ3

翌朝、4時頃地面が揺れて目が覚める。地震だろうが、ほんの微震なので大丈夫だろう・・5時半頃テントから出て少し海を眺める。今日は凪なので気持ちいいツーリングが出来そうだ。滝沢も錦織も朝起きるのが遅いのを知っていたので、6時にたたき起こす!!朝は先週に続き、トムヤンクンにする。あと、昨日残った蛸で蛸飯を炊いて食う。8時には出艇してツーリングスタート! シタン島を越え、小さな岬を越えると船隠岩の入り江が見えてきた。入り江の右側には海に直接落ちる滝がある。早速錦織と2人でカヤック乗ったままシャワーを浴びる。気持ちイイーー。

北海道渡島半島岩部海岸:イメージ4

入り江に上陸して一休みしたあと、滝沢がフライロッドを出して釣りの準備を始める。何か釣れるかな・・と思いきや、岸から10mの所で岩魚がヒット!その後も落ち込みごとに型の良い岩魚が入れ食い状態!う~ん、素晴らしい!滝沢が上手なのもあるけど、魚影の濃さにビックリしてしまう。北海道は釣り天国だ・・と、よく耳にするが、そんなことは絶対無いと思う。釣りのガイドブックが出回り、人が山の中へどんどん押しかけて、北海道の渓流漁はいまや全滅寸前である。その中でこの名前も知らない沢は素晴らしく、美しい。どんどん山の中へ入っていく滝沢を追いかけながら、物音に振り返るとそこにはマムシがニョロニョロしていた。そのうち熊が出てきそうなので、早々に退散したほうが良さそうだ。

北海道渡島半島岩部海岸:イメージ5

釣りにも飽きて、再び出艇しマツクラノ岬を越えると風が強くなり、うねりが出始める。洞窟を発見して中へ入ると向こう側に光が差し込んでいて通り抜けることができた。うーん、海に直接落ちる滝あり、洞窟トンネル有りとは・・・良い場所だな、ここは。洞窟を抜け少し漕ぐとツヅラ沢の入り江へ。ここの景色は圧巻で、行った事は無いが知床を連想させる。矢越岬の手前からは強風とうねりが強くなり、滝沢にはキツそうなので引き返す。

腹が減ってきたのでテントを張ったビーチへ戻り、昼飯にする。少しのんびりしたあと、滝沢が海パンを履き、素潜りを初めたが、すぐに沖の方から、強いうねりと風が近づいて来るのが見える。このままでは水と食料の無いまま停滞することになりそうなので、初心者の滝沢が漕げそうなうちに戻った方が良いと判断して、泳いでいる滝沢を呼び戻し、出艇準備をする。準備している間にも、空はドス黒くなり、静かだったビーチがサーフゾーンと化してしまった。滝沢を艇に乗せ、安全な所まで押し出したあとなんとか出艇して岩部漁港まで急ぐ。上空では海上保安庁のヘリが心配そうにホバリングして見守っていてくれたが、強がって手を振ったら、さっさと行ってしまった。お~い、もう少しそこにいてくれーっ。
漁港までのたった2kmなのに、ツバクラ岬では強烈な向かい風とうねりで漕いでも漕いでも進まない。途中、何回も振り返って滝沢と錦織の無事を確認しながらなんとか漁港手前まで辿り着いた。滝沢いわく「結構恐~い」 僕と錦織は「物足りな~い」とはいえ、初心者連れだったので無事でなによりだ。やっぱりミドルクラスルールで中間のパドラーが一番楽だと思った。自分よりも経験豊かで上手な人と漕ぐ時はすごい気楽なのに、今回は心配ばかりしてちょっと疲れ気味であった。

地元の漁師さんから聞いた話では、福島町岩部漁港から矢越岬までのコースは比較的に凪の日が多いそうだが、矢越岬から知内町小谷石までの2km程は時化ている事が多いらしい。日帰りや一泊、初心者向けなら岩部漁港からのスタートをお勧めする。

尚、全体的にヒグマやマムシの棲息域らしいので、一人で沢を登っていくのは避けた方が良いと思う。とはいえ、手つかずの大自然が目の前に広がり、僕らも子供のように沢登りやシュノーケリングを楽しんで、そんな危険などついつい忘れていたくらい懐かしい記憶が蘇る2日間でした。

-DATA-

使用艇:
Shinji Tanaka 『NIMBUS TELKWASPORT』
Toshihiro Nisikiori 『AQUATERRA SHADOW』
Shin Takizawa 『AQUATERRA SCIMTAR』
場所:
松前郡福島町~上磯郡知内町
お勧めの出艇場所:
福島町の岩部漁港・・・寂れた漁港だが駐車スペース、出艇する斜路が広く漁師さんも良心的
交通:
函館から国道228号線で40分位
駐車場:
福島町岩部漁港
知内町小谷石漁港
トイレ:
特に無し
買物:
福島町にローソンや銭湯を確認!
持っていって楽しいもの:
フライフィッシングのセット
(浜辺から10mで岩魚の30cm級がヒットします。)
シュノーケル、水中眼鏡、足ヒレ
(注)魚介類、特にウニや鮑は豊富ですが密漁は禁止です。
海図:
第11号 他
距離:
岩部漁港~小谷石漁港 約10km
食材の買出し:
上磯町のスーパー魚長 魚介類が信じられないくらい安いです

宮古島カヤック一周

パイヌカジ Jul.18, 2000

宮古島カヤック一周:イメージ1

99年春、慶良間、西表に続き3度目の沖縄シーカヤック。残された地方は?というだけで選んだ宮古島だったが一番気に入ってしまった。それは沖縄の中でも輪をかけた「てーげー」だからかも知れない。その時は一周どころか半周さえ出来ず、リベンジを誓った3ヶ月後に再び島を訪れた。

7月15日、朝7時過ぎの飛行機で羽田を発つと11時前には宮古島にいた。40kg近いカヌーを担いで与那覇前浜のキャンプ場へ行く。林の中は風の通りが悪くて暑いので東屋の脇にテントを張る。飛行機には持ち込めないガスボンベはあらかじめ役場に送っておいた。それを取りに行く途中さっそくサトウキビ畑から声が掛かった。冷えたコーヒー牛乳を差し出され休憩中の地元の人々としばし談笑。これが宮古島の魅力のひとつだ。16,17日と強風のため停滞。

宮古島カヤック一周:イメージ2

7月18日正午、東洋一の白砂のビーチという与那覇前浜から舟を出す。快晴。穏やかな南風が吹き、遠くの水平線から真夏の雲が沸き立っている。春に平良市のパイナガマビーチからここまでしか来られなかった。今回はそのリベンジだ。すぐに来間島とを結ぶ来間大橋の下をくぐる。前回はこの先のリーフの縁で大波が立ち越えることができなかったが今日は難なく通過した。しかし島影を出たせいか次第に風が強くなった。左手の海岸線で波が砕けている。まだ出発したばかりだが入り江港に逃げ込んだ。ここは汽水湖の出口にあたり、丁度引き潮で水が勢いよく海に流れ出ていた。近くに店もなくひたすら時を待った。夕方近く、おそるおそる海まで漕ぎ出てみるとすっかり凪いでいた。安全を取ってなるべくリーフの中を通り、日の傾いた博愛港にに到着した。ここは「上野ドイツ村」を抱えた観光地なので商店も食堂もある。しかし今日もテントの中では暑くて眠れない。港のコンクリートに直に寝ころぶが、熱を吸ったそれはいつまでも熱く寝ついたのは深夜だった。

宮古島カヤック一周:イメージ3

7月19日午前6時。日が昇ると一気に熱くなる。観光船やダイビング船の出航ラッシュ前に舟を出したいが、寝不足と暑さでふらふらする。港の防波堤を廻るとすぐにリーフが切れた。これからおよそ20km先の東平安名崎までは断崖の連続で緊張する。石灰岩の大岩を積み重ねたような海岸線を見上げながら進む。ひときわ高くムイガー断崖。その先にインギャーマリンガーデンがある。一休みしようと舟を向けたが入り口の防波堤は返し波、合わせ波でひときわ高くなって進入を拒んだ。仕方なく再び舟を沖に向ける。断崖の向こうに風力発電の風車が見えた。なかなか後に去らない風車が恨めしい。小さな鼻をかわすと東平安名崎が見えた。すらっと延びた端正な形と先端の白い灯台はしばしばCMに使われる。そこへの海は先ほどまでとうって変わって凪いでいた。岬のわずか沖には環礁ある。その間を抜け保良港着。これから先は切り立った断崖をリーフが囲み、その中を珊瑚を眺めながら行ける。リーフの中にも小さな岩礁が点在していて、おそらくこの島で一番美しい景色だ。一漕ぎして吉野海岸。潜ればたくさんの魚も見られるがその元気はない。干潮時なのでもたもたしていると、閉じこめられて進めなくなる。もうリーフの中はヤバイ。一度外海に出て、舟道を伝って浦底港入港。ここも店は無し。

宮古島カヤック一周:イメージ4

7月20日。上げ潮のリーフ内を進んでいると次第に縁で立つ波が高くなったので外海に出た。今日も良い天気だ。この時期島では「カタウー」と言い、島のどこかで必ず雨が降るはずなのだが、舟を出してから一度も降られていない。真謝港に寄るとニシンの群をダツが追って跳ねていた。この港は水さえもなく海人に分けて貰った。このあたりから海岸線も低くなりそれに連れて海も濁りだした。大神島への連絡船をやり過ごして島尻、ここは宮古島発祥の地と言われている。潮もすっかり引きパドルが底の砂をかくように進む。広大なリーフが広がり4km沖の大神島まで繋いでいる。池間大橋に沿って海を渡り池間島の南浜に着く。この夜は橋の袂の売店で屋上のテラスに泊めてもらう。ゴールの平良市の夜景が輝いていた。

宮古島カヤック一周:イメージ5

7月21日。いきなり強風の中の海峡横断になった。西平安名崎を廻るとさらに勢いを増した。風車だけが嬉しそうに回転していた。遙か遠くの海岸に砂山ビーチが白く見えている。そこまでが遠かった。向かい風になかなか進まず、疲れて漕ぐ手を休めていると漁船が心配して声をかけてきた。大丈夫だと言うように再び漕ぎだした。砂山ビーチは人気観光スポットで多くの人で賑わっていた。なんだか場違いのところに来てしまった気がして水を汲むとすぐに舟を出した。岬をかわすと平良市の街並みが見えた。頻繁に行き来する船に注意しながらパイナガマビーチに到着。この日すぐ沖でタコ漁師がサメに襲われ亡くなるという事件が起きていた。後でそのことを知ってぞっとした。春と併せてこれで一周したことになる。しかし再び与那覇前浜に向かって漕ぎだした。港の長い防波堤を廻りアダンに囲まれた海岸線沿って行くと来間島を背に東急リゾートの白い建物が見えてくる。あの先を曲がれば本当のゴールだ。

-DATA-

場所:
沖縄県宮古郡宮古島
交通:
羽田より直行便有り。島内はバス、タクシー、レンタカー、レンタルバイク有り。
駐車場:
観光ポイントに有り。平良市街地は道が狭いので路上駐車不可。
トイレ:
観光ポイントに有り。
キャンプ場:
与那覇前浜キャンプ場(無料)
交通:タクシーで空港から10分、1000円くらい。
駐車場:有(無料)。
トイレ:シャワー付きで二カ所有り、無料。

パイナガマキャンプ場(無料)
交通:平良市街から徒歩15分。
駐車場:有(無料)。
トイレ:シャワー付き、無料。

※東海岸はリーフが広がりその中に珊瑚や魚がたくさん。ダイビングが出来なくても充分楽しめる。八重干潮(やびし)旧暦の3月3日の大潮に池間島北方 4km沖にある広大な珊瑚礁が姿を現す(八重干潮ツアーおよそ10000円)。島内のバス移動は地元の人も使わないくらい便が少なく分かりずらい。タクシー、レンタカー、レンタバイクが良い。私もほとんど陸上の移動はヒッチハイクでした。来間島、池間島とも宮古島と橋で繋がれている。大神島、伊良部島へはフェリーあり。
※「潮見表」(潮汐表)カヤッカー必携。たいていの商店でもらえる。

エイベル・タズマン国立公園南部

Jul. 18, 2000 シーカヤック・ガイド日記 *** とある冬の1日 ***

エイベル・タズマン国立公園南部:イメージ1

午前10時、マラハウ・ビーチの波打ち際に立つ。最初の仕事は観天望気。海面は、秋冬恒例の、島が逆さに映るほどのベタ凪。空を見上げる。南半球特有の抜けるような青空に申しわけ程度に貼りついた雲は、亀よりものんびりと南西へ流れている。天気図通り、急激な天候変化の兆しはない。水の透明度も高く、エイベル・タズマン名物の碧色の海が眩しい。絶好のコンディションだ。お客さん達もウズウズしている。手短にローンチング・インストラクションをすませ、さっそく波間に漂う。水に触れて子供たちが歓声をあげる。それを見るとこちらの頬もゆるむ。今日のお客さんはスイス人の一家4名。海のない国なので、楽しさもひとしおなのだろう。その様子を見ていて「今日はなんだかいつもと違うぞ。何かおきそうだ。」と、愉しい予感が脳裏をよぎった。そしてその予感はすぐに現実のものとなる。

エイベル・タズマン国立公園南部:イメージ2

ここマラハウは、エイベル・タズマン国立公園南端に隣接する小さな小さな村、国立公園への玄関口である。ここは日本での知名度はまだまだ低いが、実はニュージーランドNO.1の観光客数を誇る超人気国立公園。売り物は『碧の海と黄金の砂浜』。ザラメを一面ぶちまけたようなビーチを翡翠を溶かしたかのような海が洗うパラダイス・ビーチだ。そしてここはNo.1シーカヤック・フィールドでもある。私が勤務する国内最大のシーカヤック・ツアー会社もここを拠点としている。発見者であるフランス人探検家はこのエリアを称して、『NZでもっとも絵画的な風景』と絶賛したが、その言葉を借りれば私の仕事は、毎日お客さんとともにその美しい絵の点景となる事である。

エイベル・タズマン国立公園南部:イメージ3

さすがに人気No.1国立公園だけあり、真夏には恐ろしいほどの混雑ぶりとなる。しかし今の時期となるとさすがに静けさが戻る。カヤックも1日に数艇見かける程度だ。しかも、実をいえば思ったほど寒くもない。のんびり楽しむならば絶対にオフシーズンである。人が集まる時期が最高の時期とは限らない。

エイベル・タズマン国立公園南部:イメージ4

さて、話をこの日に戻そう。愉しい予感は、パドリング開始後間もなく現実のものとなった。マラハウ・ビーチを出発してものの10分も漕がないうちに、数種の海鳥が100羽以上海面付近を乱舞しているのを発見。「何かいる!」目を凝らすと、何かが水面上にジャンプした。オットセイか?いや、どうも違う。もしかして・・・。目を凝らすうちに、もう1度ジャンプ。今度は見えた!イルカだ!!お客さんに向かって"Dolphins !"と叫ぶ。彼らの目にはまだ捉えられないようだが、それでも全員ピッチがあがる。ほんの数分のうちに間近に見られるところに到着。イルカも逃げない。カヤックの回りを泳ぎ、そして飛ぶ。7、8頭いるようだ。子供たちにとっては特に衝撃的な体験だったのだろう。全員言葉を失い、息を飲んでイルカの優雅なジャンプを見守っていた。幸運な事にこの至福のランデブーは30分以上にわたって続き、モーニング・ティー休憩のために上陸したビーチからも、まだ彼らのジャンプは見えていた。

エイベル・タズマン国立公園南部:イメージ5

イルカの群れが去った頃、我々も再出発。モーニング・ティーを本土のビーチでとったので、昼食は島でとることにしよう。まず2つ並ぶ島のうち小さな方のフィッシャーマン島へ。これら2つの島では、秋から冬にかけてオットセイを見ることが出来る。国立公園中央部のオットセイ・コロニーの島にいけば1年中見る事が出来るのだが、このエリアで見られるのはこの時期だけ。やはり必ずしも夏が良いとは限らない。この日も真っ黒な円らな瞳の赤ちゃんオットセイが我々を迎えてくれた。なんとも平和的な動物である。そのすぐそばでは美しい冬羽をまとった海鵜数十羽が大騒ぎだ。オットセイをたっぷり愛でたら、昼食休憩をとるためにもう1つの島、アデール島へとアイランド・ホッピングだ。

エイベル・タズマン国立公園南部:イメージ6

シーカヤックからの野生哺乳類との対面は想像以上のホントに素晴らしい体験だ。相手も陸上にいる人間と違ってカヤックはほとんど警戒しないし、こちらの目線も低いので、『動物同士の出会い』といった趣きの経験を味わえる。たとえば半年ほど前にも私自身非常に面白い体験をした。私はオットセイのコロニー付近でパドル・サーフィンを楽しんでいた。すると「チッチッチッ、甘いな、兄ちゃん。波乗りってのはこうやるんだ」といわんばかりにオットセイがカヤックと並走してサーフィンし始めたのである。敵のサーフィンはさすがに見事なもので、こちらは舌を巻いて脱帽せざるをえなかった。この日イルカとオットセイ両方に出会ってしまったスイス人一家は、昼食のためにアデール島のビーチに上陸した後も、興奮冷めやらぬ様子。私の用意した昼食に舌鼓をうちながらもひたすらイルカとオットセイの話に終始していたようだった。彼らのドイツ語での会話にはさすがについていけないので、私は食後の日光浴を楽しむことにした。この地方はニュージーランドでも最高の日照時間を誇っており、冬といえども晴れれば暖かい。この日も私は上半身裸になり、金色の砂浜でまどろむ。ガイドにとっての至福の時だ・・・。

エイベル・タズマン国立公園南部:イメージ7

昼食後のパドリングは、うねりや揺れが眠気を誘う。眠気に身を任せるように、のんびりとしたパドリングで帰途についた。1日を惜しむように、皆ゆっくりゆっくりと水と戯れる。身も心もすっかりとろけきった頃、マラハウのビーチに到着。やはりこの冬最高の1日となった。スイス人一家はもちろん大満足でマラハウを後にした。「今度は夏に来るから、またガイドして欲しい」と言い残して。もちろん、待ってるよ。次回は帆を揚げてセーリングを体験させてあげるからね!

-DATA-

場所:
・エイベル・タズマン国立公園 - ニュージーランド南島北端付近、タズマン湾に西側にある国内最小国立公園
・マラハウ - エイベル・タズマン国立公園南端に隣接する村
交通:
● ネルソン - マラハウ間
・自家用車で70分・ バスで1時間半(当社を含め、アクティビティ会社はたいてい無料送迎バスを運行している)
● 国立公園内
・ウォータータクシーと呼ばれる定期ボート便が主要ビーチを結んで毎日運行している
駐車場:
あり(無料)
トイレ:
国立公園内のビーチにはたいていトイレ付きのキャンプ場が整備されている
アクティビティー:
・トレッキング - エイベル・タズマン・コースト・トラックという、国内有数の海岸線トラックが整備されている 山小屋、キャンプ場なども豊富
・シーカヤック - 10社以上のツアー会社が毎日ツアーを運行している
エイベル・タズマン・カヤックス:
私の勤務する国内最古かつ最大のシーカヤック・ツアー会社
フリーダイヤル : 0800-527-802
website : http://www.onjix.com/ata/

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