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知床半島シーカヤック

Aug.04-07, 1998 クマ出没注意!

知床半島シーカヤック:イメージ1

秘境知床。手つかずの自然が今なお濃く残された地。6年前にも羅臼から宇登呂までを経験しているが、その時は毎日時化の連続で一週間も要した。厳しさの中垣間見せた豊かな海にもう一度。

最近毎年のように便数の増える羽田~女満別。宇登呂まで直行のバスも出ているが、勝手知ったる道東の地、農道斜里~美幌線をヒッチハイクで宇登呂に入った。

知床半島シーカヤック:イメージ2

8月4日午前2時起床。前回時化の連続で、航行できたのが毎日日の出からの数時間だったので、早朝に出航する必要があった。3時になればもう明るい。急いで舟を組み立てて出航した。宇登呂港を出ると正面にプユニ岬が見える。ここから先はルシャまで断崖が続く。その断崖から海に落ちる乙女の涙の滝。岩ツバメの群が乱舞している。象岩はウミウのコロニーになっていた。どんよりした空が晴れ日が射してきた。朝一の観光船がやって来て断崖に張り付くように進んでいった。後を辿ると崖に大きな割れ目が二つ。そこは中で繋がった洞窟になっていた。相棒艇と別の入り口から入り中で交差する。そこはロータリーのようでエメラルドグリーンの水に岩肌の陰が揺れる不思議な世界だった。カムイワッカの滝、前回ここでイルカが出てきて併走した。目をこらすが今日は現れない。

知床半島シーカヤック:イメージ3

エエシシレト岩を越えたところで休憩のため上陸すると神戸のカヤッカーが二人キャンプをしていた。漁師から貰ったというマスやウニをご馳走になる。このあたりから正しい知床の夏になった。キラキラ光る穏やかな波に揺られていくと、浜のササヤブをヒグマの親子が歩いていた。そいつらはすぐにヤブに消えてしまったが、次の浜にはもっと大きなヤツが一頭悠然とエサのササの根を掘っていた。距離は50mも無い。目があった瞬間時間が止まった気がした。しばらくして敵は再び悠然とヤブに消えた。ルシャ、いつも風の強いところだ。山越えの吹き下ろしが今日も吹いている。チャラッセナイ番屋、カシュニの滝を経てカパルワタラのアウンモイ番屋に到着。日が沈んだ頃神戸組もやってきた。

知床半島シーカヤック:イメージ4

8月5日、今日は絶好の天気。岬を目指す。尖った岩の先端にワシの幼鳥が留まってこちらを見下ろしていた。海岸線が複雑になってきた。やはり岬の先端に近くなったので浸食が激しいのだろう。 濃く、そして透き通った青い海が穏やかに続く。海岸線にぐっと近づくと、岬だと思ったそれが大きな岩だったりする。その間を縫うようにして船は往く。岬の先端にあるアブラコ湾に上陸。羅臼側から風の音が鋭く聞こえている。岬を挟んで向こうとこっちでは様子が全く違う。ヒグマを警戒しつつ草原大地まであがると草やササが風に揺れていた。文吉湾に引き返し、今日のおかずガヤやアブラコを釣っていると神戸組がやってきた。

知床半島シーカヤック:イメージ5

8月6日、羅臼に向かう神戸組と番屋の犬に見送られて出発。今日も申しぶん無い天気だ。 海は透き通り海底から伸びるコンブや岩のウニ、魚の泳いでいるのも見える。昨日通ってきた獅子岩、ポロモイ湾、オタシュペワタラ、観音岩を過ぎ、オキッチウシ川河口に上陸した。浜には建物の残骸らしきものがあり、岩肌には長く水を引いたパイプが残っている。数年前までは番屋があったのだろう。ここはサラリーマン転覆隊がキャンプしているが、いつクマが出ても不思議はない。緑の深い谷間を縫ってオキッチウシ川が海に注ぐ。河口からわずか数mのところでまるまると太ったオショロコマが釣れた。今夜もアウンモイ番屋泊。

8月7日。起きてみるとやはり時化ていた。カシュニの滝は岩礁帯でひときわ波が荒れていた。改めて自然の怖さを思い知る。いつものように気合いだけで乗り切った。遠くルシャから沖に向かってジェット気流のような雲が長く延びている。しかし幸いなことに、そこまで来たときにはだいぶ治まっていた。19号番屋で一休みして再び出航。後はひたすら宇登呂に向けて漕いだ。カムイワッカもも五湖の断崖も乙女の涙もどれ一つゆっくり眺める余裕もなく。

-DATA-

場所:
北海道斜里郡斜里町宇登呂 知床半島
交通:
最寄りの空港は女満別、もしくは中標津空港。女満別の方が便数も多く、また宇登呂直行のバスが出ているので便利。カムイワッカまでバス有り。宇登呂~羅臼は無し。
駐車場:
宇登呂に有料有り。
トイレ:
宇登呂に有り。
参考:
「知床半島西岸の地名と伝説」著:知床博物館
※知床半島は現在キャンプ禁止になっている。テントは番屋に許可を得て敷地内に張らせて貰うこと。生水は「エキノコックス」の原因なので飲まない方が無難。ヒグマの出没が頻繁なので注意が必要。事前情報と熊避けスプレーも有った方が良い。後は各自の責任に置いて行動。

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